何だかんだと約束の時間がすぎると、サテリコンの方でも予定通りしっかりと出撃準備が完了した。
ちなみに追加された軍艦の数は3隻。
つまりサテリコンが持っていた軍艦は全部で4隻だった訳だ。
これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだろう。
俺としてはサテリコンの規模を考えると丁度いいと思う。
サテリコンに所属する人数は、決して多い訳ではない。
勿論相応の人数……宇宙革命軍に対抗するだけの人数は揃っているものの、基本的には正面から攻撃するのではなく、奇襲をして即座に逃げるとかそういう感じだ。
中にはテロっぽい活動すらある。
いやまぁ、敵対している相手にテロを仕掛けるという意味では、そんなに間違っている訳ではないと思うが。
『戦力は……やっぱりドートレスとかジェニスなんだな』
ガロードが微妙な表情でそう言う。
ちなみにガロードは休憩の8時間、ティファやアベルと一緒だったらしい。
最初はアベルの存在に戸惑っていた――大人の幼児なのだから当然だろうが――ガロードだったが、今となってはもう完全に受け入れている。
この辺はティファを姉と慕っているアベルの性格もあるのだろうが。
『まぁ、最前線で戦うんじゃなくて、後方から援護して貰うとか、こっちで手の回らない場所を担当して貰うとかなら、いいんじゃない?』
『ロアビィの言いたい事も分かるけどよ、クラウダってのは機動力も高いんだろ? 勿論、俺のエアマスターバーストには劣るが。ともあれ、重装甲で高機動力って厄介な機体だ。下手にサテリコンを出せば、撃墜されるだけじゃねえのか?』
そんな会話が聞こえてくる。
実際、ウィッツの考えも十分に理解出来るのは事実だ。
もしクラウダとジェニス、ドートレスが戦った場合、到底後者に勝ち目があるとは思えなかったし。
正規軍とレジスタンスの間には、それだけ大きな実力差がある。
場合に寄っては、レジスタンスの中にエース級と呼べる者がいる場合もあるが。
具体的には、黒の騎士団にいたカレンのように。
「2人の心配も理解は出来るが、それでもサテリコンとしては今回の戦いに参加しない訳にはいかないんだろ」
『サテリコンがレジスタンスだからか?』
ロアビィが面倒臭そうな様子で言う。
北米連邦に正式に雇われるといった形になっている今でも、ロアビィにとっては国の関係とかそういうのは決して好ましいものではないのだろう。
それでも以前のように、嫌だからという理由で家出をするような事はないが。
言っては何だが、今はロアビィにもユリアという恋人がいるし。
「そうなるな。サテリコンは宇宙革命軍に対抗する為に作られた組織だ。そんな組織が、宇宙革命軍との決戦において全く何の行動もしなかったとかなると、それこそ存在意義がない」
『アクセル、話しているところ悪いけど……そろそろ転移の準備をお願いね』
マリューがそう言ってくるのに頷く。
「こっちはいつでも転移出来る。サテリコン次第だな」
『分かったわ。じゃあ、すぐに転移を頼むと思うから』
そう言い、一旦通信を切る。
転移をするという事で、シロガネやトライロバイト級がこっちに集まってきているのだろう。
『アクセル』
「ジャミル? どうした?」
マリューとの通信が終わったと思うと、すぐにジャミルの顔が映像モニタに表示された。
『今回の戦いが終われば、恐らくこの世界……X世界での戦いも終わるだろう。そういう意味では、私はアクセルに感謝している』
「気にするな。戦力的な意味では俺達は傭兵として雇われているようなものだしな。……それに戦いそのものはこれで終わるが、戦いが終わった後の北米連邦はかなり厳しくなるぞ?」
この戦いが終われば、大規模な戦いそのものはなくなるだろう。
新連邦の方でどうなるか分からないが、それだって戦力を大幅に消失し、強いリーダーシップを持っていたブラッドマンが死んだのを思えば、今までのように活動出来るとは思えないし、以前考えたように新連邦内部で内乱に近い状態になる可能性も高かった。
そんな状況なので、戦いそのものはなくなるとして……この場合の問題は、俺達を雇った事だ。
具体的には千鶴と交渉した結果による、傭兵代金の支払い。
これが何気に北米連邦としては非常に大きい。
踏み倒したりすれば、それこそ最悪北米連邦から抜けるといった可能性も十分にある。
それどころか、北米連邦VSアルカディアといった事になってもおかしくはなかった。
北米連邦を率いるジャミルとしては、そんな真似は到底出来ない。
だからこそ、シャドウミラーを……それも予備軍というか下部組織的な精霊の卵ではなく、能力という点では非常に高いものの、雇うのにも同様に高額になる実働班を雇う際に必要だった報酬は、しっかりと支払わなければならない。
具体的にどういう取引が結ばれたのかは、分からない。
千鶴に聞けば普通に教えてくれるとは思うものの、あまり気が進まないんだよな。
千鶴の事だから、悪徳高利貸しみたいな事はしてないと思うけど。
宝石とかそういうのか?
もしくは資源とか?
レアメタルやレアアースとか。
もっともその辺はシャドウミラーならホワイトスターにあるキブツを使えば幾らでも量産が出来るのだが。
それでもX世界に限らず、そういうので取引をしないとどんな世界でも支払いに困る。
キブツでは製造出来ないその世界特有の物がある世界なら、取引材料としては悪くないだろうけど、それがどうなるのかは……具体的にはどうなんだろうな。
とにかく、ジャミルにとって報酬を踏み倒すといった選択肢は存在しない。
あとは具体的にどれだけの報酬を用意出来るか。
その辺については頑張って貰うとしよう。
『分かっている。私に出来る事は可能な限り行おう。シャドウミラーにはそれだけのことをして貰ったのでな』
「千鶴と交渉をした結果だし、そこまで気にする必要はないと思うけどな。……勿論、千鶴との契約を破るような事をすれば、最悪の結果になるだろうけど」
千鶴本人の戦闘力は、そこまで高くはない。
もっとも、それはシャドウミラー全体での話だが。
本人が戦いをあまり好まない性格というのも影響してるのだろう。
しかし、実際に戦いになればアーティファクトの虹色領域の腕輪を使う、戦う相手にしてみれば非常に厄介な相手となるのは間違いない。
とはいえ、ジャミルの性格を考えれば本当の意味で千鶴と敵対するといった事は考えなくてもいいんだろうけど。
『アクセル、準備はいい? サテリコンの方の準備は整ったみたいだけど』
「ん? ああ、問題ない。暇だったからジャミルと少し話していたくらいだ。サテリコンの方で準備が整ったのなら、こっちもすぐに出撃する」
そう言いながら、ジャミルが映し出されている映像モニタに視線を向ける。
するとジャミルも俺が何を言いたいのかを理解し、無言で通信を切る。
『そう。じゃあ、早速転移をお願い出来る? 向こうに転移した時、どんな状況なのかによって、こっちも色々と行動をする必要が出てくると思うから、気を付けてね』
「分かった」
宇宙革命軍が一体どうやってこっちを待ち伏せているのかは、生憎と分からない。
いや、それ以前に本当にこっちを待ち伏せているのかすらも分からないというのが正直なところだ。
だからこそ、転移をした瞬間に即座に戦闘になる可能性も高かった。
ちなみにどこに転移するのかという意見については、クラウド9から少し離れた場所に転移して、きちんと陣形を整えてからクラウド9に向かう……という案もあった。
というか、実際には結構そっちの意見に賛成する者が多かったのだが、そうなるとこっちの転移という最大の利点を捨てることになる。
ハイリスクハイリターン……と言えばギャンブルに近いと考えられるかもしれないが、フリーデンⅡとサテリコンの軍艦をウィル・ウィプス、シロガネ、トライロバイト級で囲むようにして転移すれば、それらのバリアによって敵に先制攻撃を許してもフリーデンⅡやサテリコンの軍艦に被害が及ぶ事はない。
それでもいざとなれば危険だという意見もあったが、結局最後は俺の意見が通された。
予想外だったのは、ジャミルも素直に俺の意見を受け入れた事だろう。
ジャミルの性格を考えれば、慎重策を重視してもおかしくはないのだから。
それでもジャミルが俺の案を支持したのは、何だかんだと俺達と行動を共にしてきた事から、そのくらいなら問題ないと判断したのか。
もしくはもっと別の理由があっての事なのか。
生憎とそれは分からないが、とにかく今は色々と理由があるのだろう。
「よし。じゃあ……行くぞ。システムXN、起動。転移座標入力……OK。転移フィールド生成開始」
システムXNが起動し、やがて俺にとっては見慣れた……だが、今回の作戦に参加するサテリコンの者達にとっては初めての転移フィールドが生成され、光の繭を生み出していく。
パーラ達が説明しているので多分大丈夫だとは思うが、転移する時にいきなり暴れられるような事になったら危険だな。
そんな風に思うものの、幸いなことに特に問題は起きず、転移フィールドの生成が完了する。
「転移フィールド、生成完了。……転移」
その言葉と共にウィル・ウィプスを始めとした周囲にいた全ての軍艦は転移をするのだった。
「ブリッジ、外の状況は?」
『クラウド9の側に転移完了。周囲に敵は……発見。ただ、数はそんなに多くありません』
サラからの素早い返答。
こうして見ると、やっぱりサラって有能だよな。
けど、敵の数はそんなに多くない、か。
これが例えば、いつ俺達が転移してくるか分からないので、念の為に戦力を外に出していたのならいい。
だが、宇宙革命軍で所有する戦力の大半は、既に地球に向かってしまった後ですなんて事になったら、ちょっと洒落にならないな。
とはいえ、この状況でその辺について分かる訳もない。
「多少でも敵がいるのなら、こっちに攻撃をするより前に撃破してしまった方がいいな。ブリッジ、俺は出撃するぞ!」
『えっと……ええ、構わないわ。出てちょうだい。ただ、この状況で敵がどう反応するのかはまだ分からないから、気を付けてね』
サラではなくトニヤがそんな風に言ってくる。
トニヤにしてみれば、まずは敵を撃破してしまって欲しいといったところなのだろう。
実際問題、クラウダはX世界においては間違いなく高性能MSだ。
それだけに下手に放っておけばこっちに被害が出る可能性が高かった。
ウィル・ウィプス、シロガネ、トライロバイト級はいいにしても、フリーデンⅡとサテリコンの軍艦はいつ撃破されてもおかしくはない。
それに……俺達が捕獲目標としている、ランスロー。
そのランスローもクラウダに乗っている以上、出撃してきている可能性は十分にあった。
そうなるとランスローを捕らえるという意味でも、ここですぐにでも出撃した方がいいのは間違いない。
本当にランスローがいるかどうかは、実際に戦場に出てみないと分からないが。
「アクセル・アルマー、ニーズヘッグ、出るぞ!」
その言葉と共に、ニーズヘッグが格納庫に設置されているカタパルトによって射出される。
見ると、シロガネの方からも……そして少し遅れてトライロバイト級からもそれぞれ戦力が出撃してきていた。
全員機を見るに敏という奴なのだろう。
フリーデンⅡからもベルティゴが出撃してきているのが見える。
『アクセル、まずは現在見えている敵を滅ぼすという事でいいのか?』
そう通信で聞いてきたのは、ヒュッケバインMk-Ⅲに乗っているイザークだ。
隣にはオウカのヒュッケバインMk-Ⅱの姿もある。
恋人同士で出撃してくる辺り、この2人のゴールインも近いのかもしれないな。
それを言えば、オウカはともかくイザークは間違いなく怒るだろうが。
「そうだ。まずは宇宙革命軍の本隊に出て来て貰わないと意味がない。ただ、気を付けろよ。データはもう見たと思うが、宇宙革命軍にはフロスト兄弟がいるのはほぼ間違いない」
『アクセルが乗っていたガンダムの改修機に乗っているんだったな?』
「そうだ。メガソニック砲という、かなり強力なビーム砲を持っている。改修されている以上、そちらの武器の威力も上がっているのは間違いないと思う。それとアシュタロンの改修機は近接戦闘が得意だから、念の為に避けてくれ」
イザークやオウカを含め、シャドウミラーの実働班の操縦技術は非常に強力だ。
それでいて、俺程じゃないにしろ、気や魔力によって非常に高い耐G能力をもっている。
それだけに近接戦闘においても普通なら到底無理な動きを機体にさせる事が出来るし、敵との距離を詰める時も普通のパイロットではGに耐えられない速度も普通に出せる。
そういう意味では、そこまで心配する必要はないのかもしれない。
イザークにしろオウカにしろ、操縦技術はシャドウミラーの実働班の中でもかなりの高さを持っているのだから。
そんな俺の気持ちを裏付けるように、イザークとオウカはそれぞれ映像モニタで自信に満ちた表情で頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797