クラウド9の周囲で警戒していた敵は、予想以上に呆気なく倒された。
いやまぁ、シャドウミラーの戦力を思えば当然だろうが。
何しろこっちはエース級が高性能な機体に乗っているのだ。
中には特機すらも存在している。
MSやMAはあれども、特機の存在しないX世界の者にしてみれば……あ、でもオルタネイティブ社との戦いで戦ったMAはかなり巨大な奴だって話だったし、フォートセバーンで俺が奪ったパトゥーリアもかなり巨大だったな。
とはいえ、どっちも巨大ではあっても人型ではない。
それに比べると、特機は巨大な人型だ、
そういう意味では、相手を畏縮させるには十分だった。
幾らクラウダが高性能MSであっても、シャドウミラーの機体を相手にどうにか出来る筈もないし。
そんな訳で、予想外に――ある意味で予想通りに――あっさりと敵を倒す事が出来た。
『アクセル、これからどうするのだ?』
コーネリアが映像モニタでそう尋ねてくる。
コーネリアは実働班を率いる立場にいる以上、この状況でこれからどうするのかが素直に疑問だったのだろう。
「取りあえず待機だ。宇宙革命軍が一体どういう手段で攻撃してくるのか、まだ分からないしな。出来るだけ早く出て来て欲しいとは思うんだが」
『特にフロスト兄弟、か?』
コーネリアも当然ながらX世界の情報については十分に理解している。
それだけに、フロスト兄弟の危険性についても十分に理解しているのだろう。
不幸中の幸いなのは、サテライトキャノンを使えなくなってる事だろう。
とはいえ、それでもメガソニック砲がある以上は油断出来ないのだが。
純粋な機体性能や操縦技術では、シャドウミラーの実働班ならフロスト兄弟に負けたりしないだろうし、いざとなればフロスト兄弟が得意としている連係攻撃であっても対処は出来るだろう。
だが……それでもこっちが把握していない場所からメガソニック砲を撃たれるのは、避けたい。
メガソニック砲の威力を考えると、シャドウミラーの機体には標準装備となっているバリアも貫いてきそうだし。
メギロートやバッタといった無人機にいたってはそれこそバリアの類もないのであっさりと消滅してもおかしくはない。
そういう意味では、フロスト兄弟……特にメガソニック砲を使うシャギアは非常に厄介な存在なのは間違いなかった。
俺としては、それこそとっとと姿を見せてくれた方が助かる。
そんな風に思っていると、まるで俺の考えを察知したかのように、クラウド9から多数のMSや軍艦が出撃してきた。
どうやら俺達が転移で現れたことにより、急いで出撃してきたのだろう。
向こうにしてみれば、このまま俺達の好き勝手にさせる訳にはいかないという事か。
宇宙革命軍を率いるザイデルにとって、自分達の本拠地の目と鼻の先に俺達が転移して好き勝手にしてるのに、放っておくといった真似が出来る筈もない。
もしそのような事をすれば、それこそザイデルの面子はこれでもかと言わんばかりに潰されてしまうのだから。
俺にとってはそっちでもいい……うん?
そんな風に思っていたのだが、宇宙革命軍の動きを見てふと疑問を抱く。
何だか向こうは俺に……ニーズヘッグに向かってきてないか?
そう考え、すぐに理解する。
これも恐らくフロスト兄弟の仕業なのだろうと。
フロスト兄弟から、ニーズヘッグに俺が……シャドウミラーを率いる俺が乗ってるという情報があったのだろう。
この状況で宇宙革命軍が手っ取り早く勝利するには、俺を倒してしまう事だと考えたのかもしれないな。
もしくはフロスト兄弟が俺を殺す為に、自分の動きを誤魔化そうとして……という可能性もある。
後は、実はフロスト兄弟の件は全く関係なく、以前遭遇したランスロー辺りが俺の存在を知り、出来るだけ早く倒すようにザイデルに進言した可能性もあった。
その辺についてはあくまでも俺の予想でしかないものの、こっちにとってそう悪いものではないだろう。
俺に攻撃を集中するのなら、それこそ他の者達にとってはカモネギに近い状態になるのだから。
「どうやら向こうは俺に攻撃を集中させるつもりらしい。コーネリア達にとっては面白くないかもしれないが」
ぶっちゃけた話、コーネリアだけを敵に回しても宇宙革命軍が勝利する道は……ない訳ではないが、可能性はかなり低い。
つまり、十分にコーネリアも宇宙革命軍にとってはラスボスと呼ぶに相応しい存在なのだ。
だというのに、その自分を無視して俺に向かってくるのだ。
コーネリアにとって、それが面白い筈がない。
もっとも、向こうはコーネリア達の力を知らない……いや、新連邦を待ち伏せしていた時やダリア作戦の阻止の時にコーネリア達も戦っている以上、全くこっちの能力を知らないという事はないと思うが。
『構わん。アクセルが私達を率いる人物であるのは間違いない。向こうにしてみれば、それこそ一か八かといったところなのだろう』
予想外……という表現はどうかと思うが、とりあえずコーネリアが怒るといったことはなかったらしい。
だからといって、敵に向かって手を抜くなどという真似をする筈もなく……
俺の方に向かってくるクラウダに対し、コーネリアを含めて多くの者達から攻撃が行われる。
その攻撃を受けて、次々に撃破されていくクラウダ。
向こうが戸惑っているのは、その動きで分かる。
クラウダはドートレス・ネオのビームライフルを数発食らっても、ダメージは蓄積されるものの、撃破される事はない。
だというのに、今はコーネリアを含むシャドウミラー実働班の攻撃によって、1発でも食らえば撃破されるのだから、宇宙革命軍の連中にしてみれば何故? と疑問に思ってもおかしくはない。
そもそもビームの威力が違うし、それ以前にビームではなく重力波砲の類もあるのだから、幾ら装甲自慢であっても防ぎきれる筈もない。
「お」
敵に狙われる標的として、シャドウミラーの部隊の奥深くで待機していたのだが、そんな俺の口から少しだけ驚きの声が出る。
何機かのクラウダが、シャドウミラーからの攻撃を回避したのだ。
命中すれば1発で撃破される可能性が戦い以上、回避を選択するのはおかしくない。
おかしくないのだが、実際にはクラウダの防御力に自信があるのか、そんな事は全く考えないで突っ込んではダメージを受けるといった者達が多かったのだが……そんな中でも、命中すれば危険だと判断して回避を選ぶ者もいたらしい。
とはいえ、回避を選んだからといってそれで本当に回避出来るかどうかは、また別の話なのだが。
1発は回避出来ても、回避した先を予想した上で射撃が放たれ、撃破される。
ただ、それでも中には実力か偶然か、数発を連続で回避する者もいる。
……ジャミルから聞いた話によると、ランスローの機体はパーソナルカラーのクリーム色だった筈なので、現在のところランスローが出て来た様子はない。
にしても、こうして後方でただ突っ立って的になるだけというのは、ちょっと落ち着かない。
いや、普通なら指揮官とか国の代表が戦場に出た場合は今の俺のような感じになるのが当然なのだろうが。
俺やジャミルは、それこそ戦いが起これば最前線で戦うタイプだ。
しかし、本来ならそれは愚行と呼ぶべきものだった。
何しろ国を率いる者が死んでしまえば、その国にとって非常に大きなダメージとなるのだから。
それこそ国によっては、それだけで全滅に近いダメージを受けてもおかしくはなかった。
だが、俺の場合は俺自身がシャドウミラーの最高戦力という事もあって、最前線で戦っている。
……そもそも、シャドウミラーの場合は国の代表が未知の世界に転移するという事をしてるので、その時点で色々と特殊なのだが。
この辺は俺が混沌精霊で物理的な攻撃では死なないというのも影響していた。
そう考えると、俺はともかくジャミルは普通に死ぬので、最前線に出るというのは不味いと思うんだけどな。
まだジャミルがニュータイプ能力があるのなら、そのニュータイプ能力を使っていざという時に危険を察知したりも出来ると思う。
だが、生憎と今のジャミルはそういうのがない。
つまりニュータイプ能力を使う事なく、普通に戦うしか出来ない訳だ。
この辺は、言い方というか表現が悪いが、ジャミルは北米連邦の代表という立場にいても実際には北米連邦を動かす仕事をするのではなく、あくまでも象徴でしかないというのが影響してるのだろうが。
だからといって、象徴が死ねば北米連邦には大きな衝撃が走るという事にもなるのだが。
『アクセル、宇宙革命軍の本隊が出て来たわよ』
戦いの推移を見守っていると、不意にマリューからの通信が入る。
戦場となっている場所を確認すると、宇宙革命軍の軍艦が20隻近くも存在していた。
マリューの言うように、どうやら本隊が出て来たらしい。
にしても、このタイミングで本隊が出てくるという事は、やはり向こうもいつ俺達が来てもいいように準備していたという事か。
宇宙革命軍にいつ襲撃されてもいいように、ある程度の準備を整えていたサテリコンですら、出撃準備を整えるのに8時間くらいが必要だった。
それに対して、宇宙革命軍は旗艦と思しき……つまり、ザイデルが乗っているのだろう軍艦が出てくるまで、30分も掛かっていない。
これはつまり、半ば臨戦態勢にあったという事なのだろう。
戦う方にとっては、向こうが出撃してくるのを待つ時間が減ったのだから、悪い事ではなかったのだが。
「フロスト兄弟の姿は確認出来るか? 俺の方からはどっちも確認出来ないんだが」
宇宙革命軍において、一番厄介なのはフロスト兄弟だ。
ランスローも生け捕りにするという点で厄介なのは間違いないが、それでもランスローが乗っているのはクラウダで、純粋な性能という点ではそこまで強力ではない。
いやまぁ、クラウダは普通に高性能MSなのだが。
それでもメガソニック砲を持つヴァサーゴと比べると、そこまで警戒すべき相手ではないのも事実。
『いえ、確認できないわ。……厄介ね』
呟くマリューの言葉に同意する。
ヴァサーゴがここにいないという事は、どこからメガソニック砲を撃たれるか分からないという事を意味している。
それこそこっちが戦いに集中している時、予想外の場所から一撃を放つ可能性もあった。
ましてや、いないのはフロスト兄弟だ。シャギアだけではない。
オルバの操縦するアシュタロンは、MA形態に変形するとSFSとしての役割も果たす。
ヴァサーゴを乗せて移動するとなると、それこそ高機動高火力という非常に厄介な存在となるのは間違いなかった。
『もしかして、実は宇宙革命軍に合流してないという可能性もあるんじゃない?』
不意にそう口にしたのは、マリュー……ではなくミナト。
その可能性は確かに考えてはいた。
フロスト兄弟が宇宙革命軍に合流したと思しき状況証拠は結構あるが、逆に言えばそれは状況証拠しかないということを意味してもいたんだよな。
明確な証拠……それこそ宇宙革命軍と一緒にフロスト兄弟が行動しているとか、そういうのは今のところまだ見つけていない。
だとすれば、もしかしたら宇宙革命軍と合流しているように見せ掛けて、実はどこかに隠れているという可能性も決して否定は出来なかった。
勿論、それが限りなく低い可能性である事は理解しているが。
「宇宙革命軍との戦いが終わって、それでもまだフロスト兄弟が出て来ないようなら、その可能性も考えないといけないな。……とはいえ、可能性はそんなに高くないと思うが」
フロスト兄弟が何を考えているのかは分からない。
ブラッドマンを……新連邦を恨んでいるというのは、ニュータイプ研究所の一件で明らかだった。
フロスト兄弟は恐らく新連邦でもカテゴリーFと呼ばれていたのだから。
しかもニュータイプ研究所においては、あくまでも自然発生した……ティファ、ルチル、今はもう力を失ったがジャミルのようなニュータイプを集めており、人工ニュータイプについての研究は全く行われていなかった。
そうなると、ノモアから奪ったデータで人工ニュータイプとなったフロスト兄弟に対しても、本物のニュータイプとして扱わなかった可能性が高い。
しかし人工ニュータイプであってもフラッシュシステムが使える以上は、フロスト兄弟が最後の一線を越えてもおかしくはなかった。
そんなフロスト兄弟だが、それで宇宙革命軍に来たのかとなると……この判断は、それはそれで難しいんだよな。
人工ニュータイプをニュータイプ至上主義のザイデルが受け入れるかどうか。
その辺は微妙だな。
とはいえ、効率だけを見た場合は人の手によってニュータイプを作れるのだから、ザイデルにとっても悪くない選択肢だと思える。
シナップス・シンドロームがこの場合は大きな問題となるが、その辺はいっそ法律か何かでシナップス・シンドロームの日は休日にするとかにしてもいいだろうし。
とはいえ……サテリコンから聞いたザイデルの性格から考えると、やっぱり難しそうなんだよな。
そんな風に思いつつ、俺は戦いの行く末を見守るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797