「食らえ」
その言葉と共に、腹部拡散ビーム砲が放たれる。
名称通り拡散したビームは、3機のクラウダを纏めて撃破した。
ドートレス・ネオのビームライフルを数発受けても問題ないクラウダだったが、拡散されて威力が下がっているとはいえ、ニーズヘッグのビーム砲は耐えられなかったらしい。
ランスローがジャミル達によって捕獲されたので、もうこっちを攻撃しようとするクラウダは気にする必要がなかった。
勿論これから……具体的には戦後について考えれば、宇宙革命軍の面々には出来るだけ生き残って欲しいとは思うのだが。
ただでさえ、X世界では15年前の戦争によって人口の99%が死んでいるのだ。
そんな中でMSに乗れる……つまり若かったり働き盛りだったりするような年代の者達が死ぬのは、出来るだけ避けた方がいいのは間違いないだろう。
もっとも、人口の99%が死んだというのは地球で聞いた話だし、多分地球の人口についてだろう。
宇宙革命軍については……全滅したと思っている者が多かったのを考えると、実はこうしてまだ国家と呼べる規模の組織が残っていたのを考えると、15年前の戦争で死んだ数はもっと減るのかもしれない。
とはいえ、人口の99%が死んだというのも、別に誰かがきちんと調べた訳ではなく、多分そのくらいだろうという予想とかからの数値らしいが。
そもそも15年前の戦争が終わった直後というのは、それこそ自分達が生き延びるのに精一杯でとてもではないが地球にどのくらいの数が生き残っているのか調べたりする余裕はなかっただろうし。
新連邦……いや、当時は政府再建委員会がそうやって人口を調べるとかしていれば、もう少し旧連邦の後継組織として受け入れられたかもしれないが。
もっとも、政府再建委員会も戦後すぐに出来た訳ではないと思うけど。
生憎と具体的にいつ出来たのかは俺にも分からないが、それでも戦後それなりに経ってからだと思う。
予想としては……戦後5年くらいからか?
ヴァサーゴ、アシュタロン、DXのようなガンダム、ドートレス・ネオを始めとした量産機の開発について考えれば、相応の時間は必要だっただろうし。
「っと」
そんなことを考えていると、こちらに向かって複数のビームが放たれる。
それをエナジーウィングやヒュドラのスラスターを使って回避。
ニーズヘッグは複数のバリアがあるので、命中しても恐らくダメージはないものの、ニーズヘッグというシャドウミラーのフラッグシップ機を使っている身としては、こうして敵の攻撃に容易に命中するというのは避けるべきだった。
ニーズヘッグという存在に宇宙革命軍が恐怖し、敵対しても絶対に勝てないと……そう教え込むようにする為にも……
「だから、お前達には沈んで貰う」
静かに呟き、前方の左右のヒュドラからランツェ・カノーネを発射。
左右同時に放たれたその1撃……正確には2撃は、それぞれが綺麗にクラウダのコックピットを貫く。
そうしながら、背中のビームカッターを展開してこっちに向かってくるクラウダに気が付き、こちらもエナジーウィングを展開しつつそちらに向ける、
双方共に翼の刃で相手を倒すという攻撃方法を使うが……
「甘い」
交差する瞬間、ヒュドラのスラスターを使って強引にニーズヘッグの方向を90度変え、そのままクラウダの下を通りすぎつつ、コックピット諸共胴体を切断する。
これで6機。
後は……と周囲を見回すと、俺の方に向かってくる敵はもう殆どいない。
勿論この宙域にいたクラウダが全滅したという訳ではない。
だが、敵にとって戦うべき敵は俺だけという訳ではない。
……特にニーズヘッグは、その外見は非常に目立つものの、全高という意味では15m程の小型の機体だ。
特機とかに比べるとどうしても小さく、目立たない。
宇宙革命軍にしても、明らかに目立ち……そして高い攻撃力を持っている特機を狙うのは、ある意味で当然だろう。
さて、そうなると次はどうするべきか。
俺の目的はザイデルを倒すか降伏させるかである以上、このまま敵の旗艦に向かうか。
小型だからこそ、相手にしてみれば俺の存在を把握出来るかどうかは難しい。
特機が目立っているし。
なら、このまま一気にザイデルを倒すか降伏させるかした方がいい。
そう判断すると、丁度近くにいたメギロートやバッタを引き連れてザイデルの乗っている旗艦に向かう。
そう言えば今回こっちの戦力として、メギロートやバッタは結構出てるが、量産型Wが操縦するシャドウはあまりいないな。
まぁ、メギロートやバッタで戦力としては十分だと判断したのかもしれないが。
これでもっと相手の質と量が多ければ、シャドウを出すといった事にもなっていたかもしれないものの、実際にこっちがかなり押しているのは間違いない。
特に予想外の働きをしてるのは、円と美砂だ。
メギロートやバッタを出撃させているのはいいとして、後方からの援護射撃によってクラウダ数機を纏めて撃破したりもしている。
……問題なのは、計算ミスというよりもちょっとした手違いでメギロートやバッタが射撃した場所に入ってしまい、クラウダと一緒に撃破されていたりする点か。
勿論、その数や回数は決して多くはない。多くはないが……それでも味方に被害を与えているのは事実。
これだけ大規模な戦いは初めてだけに、混乱もあるのだろう。
宇宙に上がってすぐの時やダリア作戦の阻止の時は、何だかんだと敵の数はそこまで多くなかった。
しかし、今回の戦いは宇宙革命軍にとっては本拠地を攻められた最終決戦とでも呼ぶべき戦いだ。
それだけに、最初……転移してきた当初はともかくとして、ザイデルの旗艦が出て来ている今となっては、宇宙革命軍からも可能な限りの戦力が出撃してきている。
そんな、まさに最終決戦と呼ぶべき戦いは、円と美砂にしてみれば初めてなのは間違いなかった。
それ以外のシャドウミラーの実働班にしてみれば、これまで同じような戦いは何度も経験してきたのだが。
まだ慣れないだけに、円と美砂が混乱、もしくは興奮してミスをするのはおかしくはない。おかしくはないのだが、それをナタルが見逃すかと言われれば、微妙なところだろう。
円と美砂の教官として、もしくは教師として艦長としての勉強を行ったナタルにしてみれば、自分の教え子がメギロートやバッタといった無人機であっても、味方の動きを読み切れずに誤射をして撃破したのは、決して許せる事ではない筈だ。
この戦いが終わって一段落したら、恐らく……いや、間違いなく円と美砂はナタルによる補習が行われるだろう。
その時にどういう扱いになるのかは……まぁ、気にしないでおくとして。
「へぇ、俺を狙うか」
メギロートやバッタを引き連れてザイデルの乗っている旗艦に向かっていたのだが、宇宙革命軍の軍艦がこちらに砲塔を向け、ロックオンしたのをニーズヘッグのシステムが察知する。
ヒュドラのスラスターを使ってその場から退避。
同時に軍艦から放たれたビームが一瞬前までニーズヘッグのいた場所を貫き、俺と一緒に行動していたメギロートやバッタが数機そのビームによって撃墜される。
そんな軍艦に向け、右後方のヒュドラに内蔵されているメガ・バスターキャノンの砲口を向け、トリガーを引く。
放たれた巨大なビームは、俺を狙った軍艦を正面から貫き、それだけでは終わらずにその背後にいた別の軍艦をも貫き、さらに3隻目の軍艦にも中破くらいに相当するダメージを与える。
「ついでだ、くらえ」
T.T.キャノンによって放たれたビームは、弧を描くような進路をとり、中破した軍艦を貫いて爆散させる。
これで9機。……正確には6機と3隻なんだが、俺のステータスでは戦艦も1隻ではなく1機と認識されるんだよな。
基本的には相手の命を奪うと俺のステータスの撃墜数は増える。
だが、戦艦とかのように複数の者が乗っている相手を倒しても、上がる撃墜数は1だ。
この辺はそういうシステムだと納得するしかない。
「派手にやりすぎたな」
こちらに攻撃が集中し始めたのを回避しながら呟く。
宇宙革命軍にしてみれば、自分達の軍艦が3隻連続して撃破されたのだ。
そうである以上、俺を優先目標にするのは仕方がないか。
「各機、散らばって敵の注意を引き付けろ」
一緒に行動していたメギロートとバッタにそう命令をすると、俺はそのままニーズヘッグを撃破された軍艦のあった場所に向かわせる。
装甲と思しき部分にニーズヘッグを隠し、ASRSとミラージュコロイドを同時に発動する。
これにより、レーダー上からニーズヘッグの姿は消え、肉眼でも確認するのが不可能になる。
もっとも、それはあくまでも一般人の話だ。
気や魔力によって相手の存在を察知出来たり、視覚を強化出来る者にしてみれば、ミラージュコロイドを使ってもニーズヘッグの場所を察知するのは可能だろうが。
とはいえ、X世界においては気や魔力による強化はない。
ニュータイプ能力によってニーズヘッグのいる場所を察知出来る……かもしれないが、生憎と俺が知る限りでは人工ニュータイプのフロスト兄弟以外に宇宙革命軍にニュータイプはいない。
もっとも、これはあくまでも俺が知る限りだ。
実は宇宙革命軍には俺も……そしてサテリコンも知らない、本物のニュータイプがいる可能性は十分にあった。
とはいえ、その可能性は低いが。
サテリコンから聞いているザイデルの性格が事実だった場合、本物の……人工ニュータイプではない自然発生したニュータイプがいれば、そのニュータイプを堂々と表に出し、宇宙革命軍の象徴としてもおかしくはなかった。
だからこそ、宇宙革命軍に天然のニュータイプはいないと判断して行動しても問題はない。
とはいえ、この場合問題なのはやっぱりフロスト兄弟だろう。
サテライトキャノンについての心配はないとはいえ、メガソニック砲はまだある。
しかもヴァサーゴが改修されている以上、メガソニック砲の威力も上がっていると考えるのは決して間違いではない。
もっとも、相手が人工ニュータイプなら、俺は念動力者だ。
それもレベル11の。
もしニュータイプ能力を使って俺の存在を察知するといった事を相手がするのなら、俺はT-LINKシステムを使って相手の存在を察知出来るだろう。
そう考えれば、そこまで心配する必要はなかった。
俺がニーズヘッグではなく、それこそヴァサーゴに乗っていれば、そういうシステムはないので、遠距離からメガソニック砲によって撃墜されていた可能性は否定出来ないが。
もっとも、メガソニック砲で俺のヴァサーゴを撃破しても、それは意味がないのだが。
何しろ俺は混沌精霊なのだから。
気も魔力も使っていない、ただの物理攻撃で俺の機体を撃墜しても、それで俺が死ぬ筈もなかった。
まぁ、俺が今はニーズヘッグに乗っている以上、ヴァサーゴに乗ってる時の事を心配する必要はない。
そんな風に思いつつ、ASRSとミラージュコロイドによって姿を消した俺は近くにある宇宙革命軍の軍艦に向かい……そうだな。どうせなら自分達が危ないのにどこにも連絡を出来ないようにしておくか。
そんな訳で、ついでにNジャマーⅡを発動する。
NジャマーⅡは、SEED世界で開発されたNジャマーを改修したもので、核分裂反応の阻害の効果を捨て、その代わりに電波阻害効果に特化した作りになっている。
ようは、通信の阻害に特化している訳だ。
しかもミノフスキー粒子と違って、粒子とかをその場に残したりしないので、万が一にも相手にこの技術の根幹について知られるといった心配はない。
NジャマーⅡの効果範囲を俺と宇宙革命軍の軍艦が収まるくらいの広さに設定しておく。
これで俺に狙われた軍艦が味方に通信をするのは不可能となった。
姿が見えず、接近されれば味方に通信が出来なくなるというのは、敵にとって恐怖でしかないだろう。
そんな風に思いつつ、敵艦のブリッジの近くまで移動し……そのまま腹部拡散ビーム砲を放つ。
一瞬だけミラージュコロイドが消えて姿を現したニーズヘッグに、向こうが一体どのようなことを考えたのかは、生憎と俺にも分からない。
だが、何も分からないままに撃破されたのなら、そういう意味では痛みを感じずに死ねたのだから悪くなかっただろう。
これで10機。
いきなりの軍艦の爆発に、周囲にいた他の軍艦が動揺したように見える。
現在の状況を考えれば、そんな風になってもおかしくはないか。
そう考え、どうせならという事で動揺したと思しき軍艦の1隻に向かい……そちらも同様にブリッジを撃破する。
この手の軍艦はブリッジを破壊してもサブブリッジがあったり、砲塔部分が独自に動いたりするのだが、幸いにもブリッジの撃破で撃墜数が11隻に増えたという事は、恐らくもう動けなくなったのだろう。
そうして……次に俺が目を付けたのは、ザイデルが乗っている旗艦だった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2200
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1807