宇宙革命軍の軍艦を連続して破壊したことによって、向こうの戦力は一気に減った。
向こうにしてみればいきなり自分達の艦隊の戦力が次々と破壊されていったのだから、そんな風に思うのは当然だろう。
特にMSが主戦力である以上、どうしても補給とかをするには母艦が必要となる。
今回は敵の本拠地のクラウド9が近いので、いざとなればそっちに戻る事も出来るだろうが……そうなればそうなったで、補給や修理をするのに母艦の時よりも時間が必要となる。
いっそ、ここがクラウド9から大分離れた場所……それこそ宇宙革命軍が新連邦の艦隊に奇襲をした時のような場所だったら、母艦を破壊された時点で向こうは降伏するしかなくなるんだが。
何しろ降伏しないと、母艦がない以上はいずれ推進剤不足とか空気の不足とか、そういう理由でどうしようもなくなるだろうし。
まぁ、もっともこっちが主導権を握るにはクラウド9の側に直接攻め込むのが最善だと判断したのだから、そんな事は今更考えても意味はないか。
そんな事を考えている間に、ASRSとミラージュコロイドを使って肉眼でもレーダーでも反応出来なくなったニーズヘッグはザイデルの乗っている旗艦のすぐ側まで移動する。
同時に旗艦では通信が出来なくなっている筈だった。
NジャマーⅡを使い、通信を妨害している効果が出ている筈だ。
旗艦との通信が不可能になれば、当然だが命令系統も混乱する。
他の軍艦は、一体どう行動したらいいのかを、全て自分で考えないといけない。
艦長に任命されているだけあって、相応に優秀な者達なのは間違いないだろう。
そのような者達の中には、自分の判断で行動出来る者がいてもおかしくはない。
だが……そうして行動したからといって、当然ながら全員が同じ考えとなる訳ではない。
状況が分からず、旗艦に人を派遣しようとする者、一度撤退しようという者、攻撃をしようという者。
何人もが、それぞれに好き勝手に行動をすれば……それがどうなるのかは、考えるまでもないだろう。
つまり、こうして旗艦を相手に通信封鎖をしてるだけで、俺は宇宙革命軍側に対して非常に大きなダメージを与えているという事になる。
もっとも、いつまでもこうしている訳にはいかないが。
こうして見たところ、戦場では旗艦からの通信が出来なくなっているのが影響してるのか、明らかに北米連邦側が有利な状況になっていた。
元々北米連邦側が有利な状況だったのを考えると、その形勢は既に決まったと思っても間違いではないだろう。
後の問題はフロスト兄弟だが……このまま旗艦を撃墜するよりも、情報を引き出した方がいいか?
あるいは……本当にあるいはの話だが、フロスト兄弟はこの旗艦の中にいないとも限らないのだから。
そんな訳で、通信を行うべく尻尾を伸ばす。
ちなみにNジャマーⅡで妨害するのは電波だ。つまり、有線を使った通信の場合は全く問題なく使えるんだよな。
何気にこれはNジャマーⅡの弱点と言ってもいいのかもしれないが、そもそも有線での通信を使うという事は殆どないしな。
また、有線でも距離が離れれば離れる程、電波阻害効果が影響して通信がしにくくなるらしいし。
そんな訳で、弱点のようで実は弱点ではないというのが正直なところなのだろう。
「聞こえるな?」
接触回線を使い、旗艦のブリッジに通信を流す。
見るからに動揺しているのが、映像でも確認出来る。
通信は繋がってないのに、それでも映像モニタで向こうの様子を確認出来るのは、純粋にニーズヘッグが旗艦のブリッジの側にいる為だ。
ASRSやミラージュコロイドによって、向こうからはニーズヘッグの姿が見えないものの、俺からはしっかりとその姿を確認出来た。
サテリコンから見せられた映像データに映っていたのと同じザイデルがそこにはいた。
ザイデルは宇宙革命軍の指導者として表に出る事も多い。
サテリコンにしてみれば、それらの映像を入手する事はそんなに難しい話でもなかったらしい。
もっとも、なら暗殺でも何でも出来たのではないかと思わないでもなかったが。
しかし、実際にそのような事が起きなかったのは……暗殺しようとして失敗したのか、もしくは暗殺でザイデルを殺しても意味はないと思ったのか。
その辺の理由はともあれ、こうしてザイデルはまだ宇宙革命軍のトップにいる。
……とはいえ、北米連邦と協力して宇宙革命軍と戦うような事になるとは全く思っていなかったのだろうから、そういう意味では上手くやったと言ってもいいのだろう。
それにしても……ザイデルもブラッドマン程ではないにしろ、恰幅がいいな。
戦後復興期のこの時代、恰幅がいい……太れるというのは、その者が豊かな証拠だ。
何とか生きていけるといった程度の者達の場合は、それこそ太るなんて事は到底出来ないし。
そういう意味では、ブラッドマンは正しく新連邦の代表として相応しい人物だったのかもしれないな。
そんな風に思っていると、ようやくザイデルからの返答がくる。
『何者だ! 急に通信が繋がらなくなったのは、貴様の仕業か!』
「正解。この世界にはない技術によって、通信とかを封じさせて貰った」
そう言うと、向こうは映像モニタで見て分かる程に、ビクリとする。
この世界にはない技術という事で、俺がどういう存在なのかをしっかりと理解したらしい。
今までは音声だけの通信だったので、今度はしっかりと映像も送る。
「さて、挨拶が遅れたな。俺はアクセル・アルマー。シャドウミラーの代表をしている。地球に送っていたスパイ辺りから話を聞いてないか? もしくは、フロスト兄弟からなら聞いてるかもしれないが」
そう言うと、ザイデルが動揺からか一瞬動きを止める。
もしかしてフロスト兄弟の件はこっちに知られてないとでも思っていたのか?
フロスト兄弟を迎え入れるのを秘密裏に行っていたのならともかく、一般の……俺が尋問したパイロットですら知っていたのだから、隠し通すのは不可能だと思うんだが。
あるいは戦場で尋問をするような事はないと考えていたのか。
その辺りの理由はともあれ、こうして実際にフロスト兄弟について知ったのは事実。
ザイデルが誤魔化そうとしても、それは無意味だ。
『貴様が……』
憎々しげな様子で俺を睨むザイデル。
まぁ、そうか。宇宙革命軍にとって……いや、ザイデルにとって自分の野望を防いだのは、明らかに俺なのだから。
コロニーレーザーを使って地球を攻撃し、その後に地球を占領するというダリア作戦を阻止したのは俺だ。
ましてや、ただダリア作戦を阻止するのならまだしも、コロニーレーザーを奪うといった事すらしている。
また、サテリコンと協力しているのは……これは別に俺じゃなくて、パーラが……というか、サテリコン側から接触してきたんだから俺は悪くないと思う。
DOMEへの接触は、そもそもザイデルが気が付いているのかどうかは分からない。
今のようにクラウド9のすぐ側に俺達が転移してきたのは、俺のせいと言ってもいいだろう。
そんな諸々を考えると、ザイデルが俺をここまで恨むのは筋違いとは言えないのか?
もっとも俺を憎む一番大きな理由は、やはりコロニーレーザーを奪ったのが大きいのだろうが。
サテリコンからの情報によると、元々コロニーレーザーは15年前の戦争の時に開発が始まったものの、開発途中で戦争は終了。
その後、ザイデルが必死になってコロニーレーザーの開発を続行し……それこそかなりの無理をして開発が完了したところで、俺に奪われたのだ。
ザイデルにしてみれば、たまったものではないだろう。
安心しろ、コロニーレーザーは技術を解析した後で、UC世界の月を守る戦力として使わせて貰うから……とか言うと、多分だがザイデルは怒り狂いそうな気がするので、止めておこう。
「ああ、俺がアクセルだ。宇宙革命軍とはそれなりに戦っていたものの、それでもこうして映像ではあっても顔を合わせるのは初めてだな」
『く……余裕を……』
ザイデルが俺の言葉に不満そうな様子で言う。
実際、こっちにはかなり余裕があるのは間違いないのだ。
そうである以上、余裕を見せるのは悪い話ではない……と思う。
もっとも、ザイデルがそれを聞いて決して愉快ではないのは間違いないだろうが。
「そうだな。実際に現在の戦場の様子を見れば、俺達が圧倒的に有利なのは明らかだ。しかも現在は、この旗艦からの通信も妨害している以上、宇宙革命軍の混乱は余計に大きくなるだけだろう」
『どのようにして通信の妨害など……』
「教えると思うか? ……いや、別に教えても対処が出来ない以上、問題ないが。異世界の技術だよ」
さすがにNジャマーⅡについての詳細を教えたりはしないが、このくらいの情報は教えても問題ない筈だ。
ただの異世界の技術と言われて、ザイデルがどのくらいの事を思い浮かべるのは少し気になるが……まぁ、基本的にはあまり思い浮かべるような事は出来ないと思う。
あ、でもザイデルの外見からすると、15年前にはもうそれなりの年齢だった筈で、そうなると戦前の映画とかそういうのも結構見た事があってもおかしくはないのか。
ザイデルがその辺に興味があるかどうかは、正直なところ分からないが。
ただ、今のザイデルの状況を見る限り、異世界の技術と言われても完全に理解しているようには思えない。
だとすれば、ザイデルについてはそこまで気にする必要はないのだろう。
「それよりも、こうしてピンチになった割には、お前達にとって最後の希望でもあるフロスト兄弟が姿を見せないのはなんでだろうな?」
『……さて、何故だろうな』
俺の問いに数秒の沈黙の後、そう言ってくるザイデル。
これはどう判断するべきなんだろうな。
フロスト兄弟が現在どこにいるのか知っていて黙っているのか、それとも現在フロスト兄弟がどこにいるのか分からないので、それを隠しているのか。
ザイデルについて詳しければ、その辺についても分かりやすいんだろうけど。
生憎、ザイデルと会ったのはこれが初めてだ。
「フロスト兄弟の力でもない限り、もうこの戦況を引っ繰り返す事は出来ないぞ?」
正確にはフロスト兄弟がいても、この戦況を引っ繰り返すのは不可能に近いのだが。
とはいえ、それを正直に言うとどうなるのか分からない。
もしかしたら、勝ち目がないからといって破れかぶれになる可能性もあった。
他にも意地になって絶対に教えないとかになる可能性もある。
そんな訳で、この状況では色々と注意して話す必要があるのは間違いなかった。
『ふざけるな! 新人類たる我々が、このようなところで負ける筈がない!』
「新人類、か。恐らくニュータイプの事を言ってるんだろうが……そのニュータイプは、地球生まれの者が結構いるみたいだぞ?」
俺が知ってる限り、現在の宇宙革命軍にニュータイプは存在しない。
15年前にジャミルと戦い、ニュータイプの力を失ったランスローくらいだろう。
……実際には15年前にはランスロー以外にもニュータイプはいたんだろうが、今この状況で出て来ないという事は、恐らくもう生きてはいないのだろう。
それに比べると、地球ではティファが生まれた。
カリスは……まぁ、人工ニュータイプなので数に入れないとして。
とはいえ、新しいニュータイプはそれだけか。
白いイルカもいるが。
後は新しく生まれた訳ではないが、復活したルチルとか。
うーん……こう考えると、やっぱりニュータイプというのは数が少ないんだな。
15年前の戦争では、ルチルやジャミル以外にも結構なニュータイプがいたらしいのだが。
そちらも既に生きてはいないのだろう。
そう考えると、やはり色々と難しい。
そもそもDOMEの話からすると、ニュータイプというのは幻想らしいし。
あるいは将来的には本当の意味でニュータイプが出てくる可能性もあるが、それは今ではない。
『ふざけるな! ニュータイプこそが新人類! 地球生まれのニュータイプなど、偽物にすぎん!』
どうやら、やっぱりザイデルにとって地球生まれのニュータイプというのは許容出来ないらしい。
なら、ここで追加の一撃を放つとしよう。
「月にあるDOMEを知ってるか?」
『何? 何だ急に? 勿論知ってるが』
急に話題が変わった事に戸惑いつつも、ザイデルはそう答える。
この状況では少しでも俺から情報を引き出す方を優先しようというのだろう。
それは構わないが、その情報がザイデルにとって……そして宇宙革命軍にとって、致命傷である可能性も否定は出来ないということを教えてやろう。
「そうか。俺達はそのDOMEに接触した。DOMEというのは、ファーストニュータイプと呼ばれた男が遺伝子レベルまで分解されてシステムに組み込まれてるというのも知ってるか?」
『何……だと……?』
どうやらこの件については知らなかったらしい。
その顔が見る間に怒りや不満で赤く染まっていくのを見ながら、最後の一言を口にする。
「そのDOMEからの情報だ。ニュータイプというのは幻想にすぎないらしい」
『……何?』
数秒の沈黙の後、ザイデルは俺が何を言ってるのか理解出来ないといった様子で、そう言うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2200
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1807