ニュータイプというのは幻想にすぎない。
DOMEが……いや、このX世界において初めてのニュータイプ、ファーストニュータイプと呼ばれる人物が、そう言ったのだ。
その言葉はザイデルにとって大きな……いや、ただ言葉で大きなという表現が出来る程度ではない、それこそ莫大な衝撃だったのは間違いない。
ニュータイプ至上主義を使って宇宙革命軍をこれまでコントロールしてきた人物、それがザイデルなのだ。
だというのに、ファーストニュータイプが口にしたその言葉は致命傷だ。
実際、俺の話を聞いていた他の者達……当然だが、旗艦のブリッジにはザイデルだけがいた訳ではなく、他にも艦長であったりオペレーターであったり、それ以外にも結構な人数がいる。
その人数の多くが、今の俺の言葉を聞いていたのだ。
そして旗艦のブリッジにいる以上、能力は勿論、ザイデルに対する忠誠……その上でそのニュータイプ至上主義に対しても信じていたのは間違いないのだろう。
そんな中でファーストニュータイプが言ったという、ニュータイプは幻想だという言葉。
それが一体どれだけの破壊力を持っているのかは、考えるまでもない。
『ふ、ふざけるな! そのような世迷い言、誰が信じるか!』
ザイデルが額に血管を浮かべて叫ぶ。
ザイデルにしてみれば、俺の言ってる事が真実かどうかは分からない。
それだけに、絶対に俺の言ってる内容は真実だと認める訳にはいかないのだろう。
「お前にとっては受け入れがたい真実かもしれないが、俺は月に行って直接聞いてきた話だ。それを信じたくないからといって、全てを嘘だと言いたいのなら、それはそれで構わない。ただ、そんな奴に皆がついてくるとは思えないけどな」
『ふざけるな! 貴様……嘘で騙そうとしてもそうはいかんぞ!』
「別に嘘じゃないんだがな」
もっとも、嘘ではないが必ずしも真実という訳でもないのだが。
具体的には、X世界のニュータイプは幻想だが、別の世界……UC世界では普通にニュータイプが存在している。
もっともX世界と同じように、MSのパイロットとしてその力を使っている者が大半だが。
あるいはちょっとニュータイプとは違うものの、SEED世界のキラとかもいる。
そういう、色々な世界で同じような者はいるのだから、もしこのX世界のニュータイプが幻想だとしても、それで全てが終わりという訳ではない。
それに……例え幻想だとしても、それはそれで構わないと言えるのなら少しはザイデルを認めてもいいんだがな。
しかし今のところザイデルは、このままだと自分の権力が失われるといったような事しか考えていないように思える。
だとすれば、それは周囲にいる者達にとっては失望を感じさせるような態度だろう。
「どうしても嘘だというのなら、DOMEに行ってみるといい。……もっとも、ここで俺達と戦いになった時点で宇宙革命軍の敗北は決定しているけどな」
ザイデルが気が付いているのかどうかは分からないが、こうして俺がザイデルと話をしている間にも戦況は加速度的に宇宙革命軍が不利な状態になっていた。
この旗艦以外の宇宙革命軍にしてみれば、何故か旗艦が動きを止めて指示も出さなくなってきたので、それぞれが各個に動く必要があったのだが……その辺が問題だろう。
もっとも、何隻かは艦長が有能なのか、上手い具合に戦場の中を移動しているものの、その数は少ない。
他の軍艦がそれに続けばいいのだが、ライバル心からか、もしくは同格の相手に命令をされたくないと思っているのか、とにかく上手く動いている軍艦は少数だった。
俺にしてみれば、ここで一致団結しなければ宇宙革命軍は間違いなく全滅すると思うんだが。
そのような状況にあっても……あるいはそのような状況だからか、今のところその辺についてどうにか出来る様子はない。
戦ってるこっちにとっては、そんな宇宙革命軍の様子は決して悪い事じゃないんだけどな。
『貴様……!』
ザイデルもこの旗艦以外の宇宙革命軍が現在どのような状況になっているのか気が付いたらしく、苛立ち混じりに叫ぶ。
とはいえ、この状況でそのように叫んだところで何かが出来る筈もない。
そう思っていると、旗艦に設置してある機銃がニーズヘッグを探すように動くのが見えた。
ASRSとミラージュコロイドによって、現在ニーズヘッグの姿は消えている。
それでも向こうにしてみれば、接触回線が行われている事……そして具体的にどの辺において接触回線が行われているのかを調べる事は出来る。
だが、実際に接触回線の行われている場所に機銃を向けても、そこに誰もいない。
その事を疑問に思っているのは間違いなかった。
「どうやら機銃で俺の機体を見つけようとしているようだが……一応言っておくと、俺はその気になればいつでもブリッジを破壊出来るというのを忘れないで欲しいな」
『ぐ……』
ザイデルが俺の言葉に歯噛みし、手振りでニーズヘッグを探そうとするのを止めさせる。
自分の命が懸かっているとはいえ、自分の命を人質に取られるとあっさりと引くんだな。
いやまあ、こっちにしてみればそっちの方がありがたいのは間違いないんだが。
とはいえ、ザイデルがこの状況で何かをするのが難しいのは間違いない。
「さて、そっちが自分の立場を理解したところで……改めて本題を聞こう。フロスト兄弟はどこだ?」
ぶっちゃけ、ニーズヘッグが敵旗艦のブリッジに接触した時点で、もう宇宙革命軍の敗北は半ば決まっている。
だが、それでもすぐに降伏勧告をしないのは、フロスト兄弟の姿がどこにあるのか分からないからというのが大きい。
もしここでザイデルを降伏させても、それこそフロスト兄弟に殺されては意味がないし。
だからこそ、まずはフロスト兄弟がどこにいるのかを知りたかった。
結局この世界の原作で一番危険なのはフロスト兄弟なのだ。
サテライトキャノンは使えなくなったが、メガソニック砲を使えるというのは非常に難しい。
『言うと思うか? あのフロスト兄弟の力があれば、この状況からでも逆転出来る』
「本当にそう思ってるのか?」
メガソニック砲は間違いなく厄介だ。
それは間違いないし、あの威力の一撃を食らえばシャドウミラーの実働班であっても撃破、もしくは大破や中破といった状況になってもおかしくはないだろう。
だが、それはあくまでもまともに食らえばだ。
メガソニック砲は、威力そのものは非常に強力ではあるものの、それを回避出来ないかと言われれば、恐らく多くの者が首を横に振るだろう。
あくまでもシャドウミラーの実働班ならの話で、フリーデンⅡに乗っているカリス以外の高機動型GXに乗ってる者達は回避するのはまず不可能だろうが。
そんな訳で、フロスト兄弟は非常に危険な相手だし、放っておけばこっちに大きなダメージを与えるという意味では間違っていないものの、だからといってフロスト兄弟の力でこの状況から逆転出来るかと言われれば……正直、微妙なところだろう。
俺の予想が正しければだが、この状況でフロスト兄弟がどうにか出来るとは到底思えない。
とはいえ、問題なのはそれをザイデルに言ったところで信じるかどうかという事だろう。
俺達を相手にして、この状況で一体どうやって逆転するのか。
ザイデルはまだこっちの実力を完全には把握していない。
その為、現在の状況においてもフロスト兄弟がいれば俺を倒せるだろうと、そんな風に思ってもおかしくはなかった。
とはいえ、その件についてこれ以上突っ込む必要があるとは思えなかったが。
もしそうなったらそうなったで、こっちとしても色々と戦いやすくなるのは間違いないし。
『勿論だ。お前も知っているだろう。フロスト兄弟は、新連邦の宇宙艦隊を2人だけで倒せるだけの実力を持っているのだからな! その新連邦よりも規模の小さい北米連邦を相手に、勝てない筈がない!』
さて、ザイデルのこの台詞をどんな風に認識すればいいんだろうな。
本気で言ってるのか、もしくは単なるブラフなのか。
本気で言ってるとしたら、とてもではないがザイデルが正気かどうかを確認する必要がある。
それにしても、北米連邦が新連邦よりも規模が小さい、か。
見方によっては、そんな風に見えてもおかしくはないと俺も思う。
純粋に領土の広さとして考えれば、ヨーロッパのほぼ全域を領土としている上に、侵略戦争によって決して少なくない領土を得ている。
また、現在は宇宙革命軍の相手をするのに全力を出す必要があるという事で止まっているが、世界中で新連邦は侵略戦争を繰り返していた。
その辺の状況を考えると、領土という点では北米……それとセインズアイランドやゾンダーエプタのように島を幾つかある北米連邦よりも新連邦の方が広いのは間違いなかった。
しかも北米連邦という名前ではあるが、北米の中にはまだ北米連邦に所属していない勢力もそれなりにいる。
そう考えると、ザイデルの言ってる事も決して間違ってる訳ではないのだと思う。
とはいえ、それはあくまでも一方からの物の見方でしかない。
全世界を相手に侵略戦争をやっているという事は、当然ながらその相手と戦う必要がある。
その上、全てではないにしろ、新連邦に侵略戦争をされている勢力は北米連邦に接触して新品のMSを購入したり、あるいは部隊を派遣出来るように交渉したりといったようにしている。
そうなると、侵略戦争を行っている新連邦は客観的に見てかなり不利だった。
いやまぁ、もしブラッドマンが生きていれば、それでも新連邦は問題ないと言い切ったかもしれないが。
また、実際にブラッドマンは相応に有能だったのも間違いない。
政府再建委員会を起ち上げ、それを最終的には新連邦とする事に成功したのだから。
だが、生憎とそのブラッドマンもいない。……いやまぁ、ブラッドマンがいればいたで、ザイデルとは絶対に馬が合わなかっただろうが。
ブラッドマンとザイデルの双方と話した経験から考えて、間違いないと思う。
「お前がどう思おうと、もう宇宙革命軍は終わりだ。このまま下手に抵抗をすれば、宇宙革命軍に大きな被害が出るのは間違いない。そうならないように、大人しく降伏したらどうだ?」
『ふざけるな! そのような事を本気でやると思っているのか! 私は絶対に認めん、認めんぞ!』
顔を真っ赤して叫ぶザイデル。
何だか俺が予想していた以上に興奮してるように見えるんだが……これ、本当に大丈夫か?
そんな疑問を抱くも、ここまで話を進めた以上はここで止めますといった訳にはいかない。
「宇宙革命軍はお前だけのものじゃないだろう? なら、大人しく降伏した方が……ん?」
ザイデルに対して降伏をさせるべく説得しようとした瞬間、何らかの反応をT-LINKシステムが伝えてくる。
だが、この状況で俺を狙う?
ASRSとミラージュコロイドによって、現在のニーズヘッグは姿を消している。
そうである以上、X世界の技術力でニーズヘッグを見つけるのは不可能な筈なんだが……だとすれば、これは技術以外の何か。つまり、人工ニュータイプ!
そう判断した瞬間、俺はASRSとミラージュコロイドを停止させ、宇宙革命軍の旗艦のブリッジから素早く離れる。
ザイデルを含め、ブリッジにいた面々にしてみれば、いきなりブリッジのすぐ側にニーズヘッグが姿を現したようなもので、見るからに驚いていた。
とはいえ、そんなザイデル達の驚きは……ニーズヘッグがその場から移動した次の瞬間、放たれた巨大なビーム砲……恐らくメガソニック砲によって、ブリッジ諸共に消滅する。
来たか。
ザイデルを降伏させ、宇宙革命軍との戦いを止めさせることは出来なかったものの、それでもザイデルが死んだ以上は宇宙革命軍との戦いは終わるだろう。
だが、宇宙革命軍を率いていたザイデルとの戦いが終わっても、話はまだ終わっていない。
具体的には、今の一撃を放ったフロスト兄弟が残っているのだから。
『宇宙革命軍の諸君、ザイデル総督は北米連邦の手の者によって殺された! 宇宙に住む人々を……ニュータイプを率いてきたザイデル総督は、無念にも命を落としてしまったのだ! そうである以上、ここで戦いを放り出す訳にはいかない! 皆、戦うのだ! ザイデル総督の仇討ちをしなければ、その無念は癒やされないだろう!』
戦場にオープンチャンネルで響くのは、シャギアの声だ。
なるほど。何かを狙っているとは思っていたが、ここでザイデル諸共に俺を殺すか、俺を殺せなくても宇宙革命軍の狙いを俺達に……北米連邦に向けようとしていたのか。
その辺りの理由は理解出来たものの、だからといってその言葉だけを周囲に広げる訳にもいかない。
「ザイデルを殺したのは、今の放送をした男……シャギア・フロストと、その弟のオルバ・フロストだ! 私怨によって所属していた新連邦を裏切り、民間企業を襲撃して多くの者を殺した……そのような相手の言葉を信じるな!」
シャギアに対抗するように、俺の声も周囲に響き渡るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2225
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1812