宇宙革命軍の旗艦のブリッジが撃破された。
当然ながら、そのような状況になって宇宙革命軍を率いるザイデルが生きているという事はないだろう。
これでザイデルが実は混沌精霊だった……もしくはそこまでいかなくても、何らかの力によって生身で宇宙空間にいても問題がないとかだったりすれば、また話は別だが。
だがそんな事はない以上、どうしようもないのは間違いないだろう。
それこそザイデルがニュータイプであっても、あの状況でどうにかするのは難しい。
結果として、ザイデルは死んだ。
しかし、だからといってこの戦いが終わる訳ではない。
どこからともなく姿を表したフロスト兄弟が、オープンチャンネルを使って俺がザイデルを殺したと宣言したのだ。
実際にはザイデルはシャギアのヴァサーゴチェストブレイクによるメガソニック砲……それも改修された事により、以前奪って俺やシーマが使っていた――シーマは今も使っているが――ヴァサーゴのメガソニック砲よりも強力になっているのは間違いなかった。
勿論、俺が殺したというのは即座に否定して、フロスト兄弟こそがザイデルを殺したのだと、同じくオープンチャンネルで知らせはした。
だが……敵である俺と、仮にも味方のフロスト兄弟のどちらの言葉を信じるのかと言われれば、それは当然後者だろう。
ましてや、フロスト兄弟は新連邦の宇宙艦隊を破壊し、何よりブラッドマンを殺したという実績を持っている。
そんな訳で、ほぼ全ての宇宙革命軍がフロスト兄弟の言葉を信じる事になり……
「簡単に踊らされるなよな!」
T.T.キャノンによって、こっちに突っ込んできたクラウダを1機撃墜する。
宇宙革命軍の者達にしてみれば、俺は自分達を率いる人物を殺した相手だ。
それだけに、ここで俺を逃すといった事は絶対に有り得ないらしかった。
またASRSとミラージュコロイドを使うか?
そうも思ったが、そうなると戦意の高い者達をこっちの艦隊に向かわせる事になりかねない。
それは出来れば避けたかった。
勿論、戦局ではこっちが圧倒していたのは間違いないし、パイロットの能力も機体性能も、経験も……全てこっちが上なのは間違いない。
それでも、こうして半ば死兵と化して襲ってくる相手を自由に行動させるのは、百害あって一利なし。
俺という餌を置いておき、それに攻撃を集中させた方がいい。
何よりも、ASRSやミラージュコロイドを使って姿を消せば、フロスロト兄弟もまた姿を消してもおかしくはない。
人工ニュータイプとしての能力で俺のいる場所を把握は出来ても、あのフロスト兄弟の事だ。絶対に油断とかはしないだろう。
『アクセル、大変そうだな!』
その声と共に、俺に向かってくるクラウダにムウのアシュセイバーから複数のビームが放たれ、次々に撃破していく。
ムウだけではく、他の面々も同じだ。
俺だけを殺そうと突っ込んでくるクラウダは、横や後方、上下から放たれるビームによって次々に撃破されていった。
どうやら先程の放送を聞いてこっちにやって来たらしい。
向こうで戦っていた他のクラウダ達はどうしたのかと、少し気になるが。
あるいはそんなクラウダ達も、俺のいる場所までやって来たのか。
もしくは、そういうクラウダを全機片付けてからこっちに来たのか。
その辺は疑問だったが、取りあえず楽になったのは間違いない。
さて、そうなると……フロスト兄弟はどう出る?
俺に援軍が来た影響で、もう勝ち目がないと判断し、この場から逃げ出す……といった事にならないといいんだが。
『アクセル、ジャミルがもう少し保たせてくれって言ってるぜ』
そう通信を送ってきたのは、ガロード。
パーラのGファルコンと合体した今のDXは、見るからに強そうな外見をしていた。
そんなガロードからの通信は、俺に疑問を抱かせるには十分だった。
「ジャミルが? まぁ、保つってだけならまだ結構余裕があるけど……どうするんだ?」
『へへっ、アクセルの言葉が相手には殆ど効果がなかったけど、それは向こうがアクセルの事を知らないからだろう? なら……』
ガロードの言葉を聞きながらも、ヒュドラのビーム砲を連射してこっちに突っ込んでくる敵を2機、3機、4機と撃破していく。
これで合計5機。
今までの戦闘で宇宙革命軍側も結構な被害を受けているのは間違いない。
そろそろ息切れしてもいい筈なんだが……それでもまだ諦める様子はなかった
「宇宙革命軍が俺の事を知らないのは間違いないだろうな」
これが新連邦なら、まだそれなりに俺を知ってる奴もいるんだろうが。
『だろ? なら、宇宙革命軍の中でも有名な人物、それもフロスト兄弟よりも人望のある奴が説得すればいい』
「それは……」
ガロードの言ってる事は間違いではない。間違いではないが、だからといってそれが上手くいくかどうかは、また別の話だろう。
「けど、そんな都合のいい人物がいるか?」
『いるだろ。さっきジャミルが捕らえた人物が』
「何?」
その言葉に、俺は口を開こうとし……その瞬間、オープンチャンネルで通信が行われる。
『宇宙革命軍の同志諸君、私はランスロー・ダーウェル。騙されるな、私は見ていた! ザイデル総統を殺したのは、アクセル代表ではない! フロスト兄弟だ!』
映像モニタに表示されたのは、ランスロー。
そのランスローが俺を庇い、フロスト兄弟を責めている。
……なるほど、現状においてフロスト兄弟に抵抗するという意味では、確かにこれ以上の人材はちょっと思いつかないだろう。
正直なところ、ここでランスローに出て貰うというのは俺も考えないでもなかった。
とはいえ、それが出来るかどうかとなると、また別の話だ。
ランスローは今まで宇宙革命軍に所属して俺達と戦っていた。
そんな中で、こっちの要望を聞いて味方を……というのは、可能性としてないだろう。
もっとも実際にこうしてランスローがオープンチャンネルで話している以上、俺にとっても予想外のことが起こったのかもしれないが。
「これは凄いな」
映像モニタに表示されている光景を見て、思わず呟く。
さっきまでは必死になって……それこそ差し違えてでも俺を殺そうとしていた宇宙革命軍だったが、ランスローの演説と同時に攻撃が止んだ。
それこそ1機も俺に向かって攻撃をして来る様子がなかった。
フロスト兄弟の通信によって、あそこまで必死になって俺を狙っていた者達が、だ。
普通に考えて、まさか全機が動きを止めるとは思えない。
この辺はランスローのカリスマ性が高いお陰だろう。
そういうランスローだからこそ、俺もこの戦いの後で宇宙革命軍を纏めるのに協力して貰おうと思っていたのだが。
だが、それはあくまでもこの戦いが終わってからのつもりだった。
まさかこの状況で……戦いの最中にこっちに味方をしてくれるというのは、俺にとっても予想外だった。
「一体何でランスローがこっちに味方をしてくれることになったんだ? ザイデルが死んだからか?」
『それもあるけど、ランスローは元々ジャミルの事を気にしていたらしいんだ。それで話してみたところ、気が合ったらしいぜ』
なるほど。15年前の戦争において、ジャミルとランスローは双方共に勢力を代表するニュータイプパイロットだった。
それだけに、戦場で遭遇するのも珍しい話ではなく……何度となく戦ったのだろう。
キラに対するアスラン、ヒイロに対するゼクス、アムロに対するシャアのように。
そうして戦いの中で己の主義主張をぶつかり合わせ、結果としてお互いを深く理解する事になった……といったところか?
何だか、あれだな。夕方に河原で喧嘩をして、『やるな』『お前もな』とか、そんな印象を受けるんだが……気のせいじゃないよな?
その辺の理由はどうあれ、俺にとって有益な状況になったのは間違いない。
であれば、その件についてわざわざ責める必要はない……どころか、寧ろ喜ぶべき事なんだろうが。
「それなら俺達にとっても悪い話じゃないな。……なら、後はフロスト兄弟を倒す必要が……うん?」
映像モニタにフロスト兄弟が映し出されている。
正確には、ヴァサーゴチェストブレイクとアシュタロンハーミットクラブがそこにはあった。
だが問題なのは、先程と違ってフロスト兄弟の周囲に20機近いMSがいるという事だ。
ドートレス・ネオやクラウダといったように、新連邦と宇宙革命軍のMSが混ざった感じで。
「ガロード……向こうの方、どう思う?」
『え? ……うわ……』
『ちょっ、何だよあれ! 何で宇宙革命軍と新連邦のMSが一緒にいるんだ!?』
ガロードに続いてパーラの声も聞こえてきた。
GファルコンがDXに合体している以上、そこにパイロットのパーラがいるのは当然か。
今までは、恐らく空気を読んで黙っていたのだろう。
パーラに空気を読むという能力があったのは驚きだったが。
もっとも、今パーラが勝手に口を出すような事をすれば、それによって話が混乱するかもしれないと思ったのだろう。
だが……実際には、このような状況になっていた。
パーラにとっても、フロスト兄弟の周囲に入り乱れるように宇宙革命軍と新連邦のMSがいるというのは予想外だったのだろう。
「考えられるとすれば、フロスト兄弟による第3勢力……いや、北米連邦、サテリコン、新連邦、宇宙革命軍とくると第5勢力といったところか?」
考えてみれば、このX世界はかなりの勢力があるんだよな。
何しろこれでも大規模な勢力だけで、例えば新連邦によって侵略戦争を受けていた国とかは勢力として数えてないし。
南アジアとか。
『マジかよ。けど、勢力って言うにはどうかと思う程度の少なさじゃねえか?』
「だろうな。ただ、ヴァサーゴチェストブレイクとアシュタロンハーミットクラブがあるという時点で、厄介なのは間違いない。……ん?」
パーラに答えたところで、ふと疑問を抱く。
フロスト兄弟の乗っているのが、何でサテライトキャノン系の武器を持っていないのだ? と。
ヴァサーゴチェストブレイクやアシュタロンハーミットクラブでDOMEに登録したという事は、それらの武器を持っていると考えた方がいいが、見た感じではその手の武器を持ってるようには思えない。
新連邦の宇宙艦隊をサテライトキャノン系の武器を使って滅ぼしたのは知っている。
DOMEからフラッシュシステムを使った登録があったという話も聞いていた。
だが、その武器がどこにもない。
DOMEから登録を削除されたという事で、もう使えなくなったからサテライトキャノンとかの武器を捨てたのか?
まぁ、GXを見れば分かるように、サテライトキャノンというのは結構な大きさで、普通に戦闘をするのに邪魔なのは間違いないし。
『アクセル? どうしたんだよ?』
「いや、サテライトキャノンがないと思ってな」
ガロードの疑問にそう答える。
するとガロードも納得した様子で頷く。
『言われてみればそうだな。まぁ、でも向こうに強力な戦力がないのは俺達にとっても悪い話じゃないだろ? それにどのみちあっても使えないんだ。なら、問題ないんじゃないか?』
「だといいんだけどな。この期に及んで隠し球なんて事はしないだろうし。とにかく……ランスローのお陰で俺を相手に攻撃してくる敵もいなくなった。なら、後はフロスト兄弟を撃破するなり、殺すなりしてこの戦いを終わらせるとしよう」
出来れば捕らえた方がいいのかもしれないが、フロスト兄弟の性格や能力を考えると、下手に生け捕りにした場合は捕虜の状況で何を企むのか分からない。
つまり、ここで殺してしまった方が一番手っ取り早いし安全だ。
ここで下手に生け捕りにした結果、戦後の世界でまた騒動を起こしたら、その時に後悔するだろうし。
だからこそ、俺はここでフロスト兄弟を生け捕りにするという選択肢は存在しない。
『分かった。じゃあ、さっさ終わらせようぜ。ここで無駄に時間を使ったら、それこそいつまでも戦いは終わらないし』
「そうだな。だが……別に俺達だけでわざわざ相手をする必要はないだろう?」
そう言う俺の言葉に、映像モニタに表示されたガロードは戸惑った様子を見せる。
多分ガロードの中では、俺とガロード……それとDXと合体しているパーラで倒すと思ったのだろう。
俺とシャギアが、ガロードとパーラがオルバといったように。
実際にはフロスト兄弟直属と思しき敵がいる以上、そちらもどうにかする必要があるのは間違いないのだが。
それでも今の状況を思えば、ガロードの狙いそのものは悪くない。
悪くないのだが……お約束的に戦う必要がないのも事実。
『どうするんだよ?』
「こうするんだ」
ガロードの言葉にそう言うと、俺は敢えてオープンチャンネルで、フロスト兄弟に聞こえるようにしながら通信を送る。
「シャドウミラーに所属する者は、全機フロスト兄弟に攻撃を開始しろ。敵は強力なビーム兵器を持っているが、シャドウミラーの実働班なら問題はない筈だ」
その言葉と共に、シャドウミラーの実働班が……そしてメギロートやバッタがフロスト兄弟のいる方に向かって進軍を開始するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2205
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1808