転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3561話

「ここが稲羽市か。……何と言うか、ちょっと予想外な程に田舎だな」

 

 電車を乗り継ぎ、稲羽市に到着する。

 この駅は東京とかの駅に比べると、随分と寂れている。

 まぁ、ここまで到着するのに結構な時間が経過してるしな。

 天城屋旅館からの連絡によれば、一応迎えに来てくれている筈なんだが……

 

「あ、あれじゃない?」

 

 ゆかりが駅の前にいる和服を着ている男を見て、そう言ってくる。

 天城屋旅館からの迎えと言われれば、それらしいと思う。

 向こうもこっちの姿に気が付いたのか、早歩きで近付いてくる。

 

「失礼します。アクセル様御一行でしょうか?」

「ああ、そうだ」

 

 そう答えるも、まさか俺の名前で予約をしているとは思っていなかった。

 こういう時、普通なら美鶴の名前で予約を取った方がよかったんじゃ?

 あるいは桐条グループという名前が出るのが問題だと思ったのか。

 ならゆかりの名前でもいいような気がするが……まぁ、俺の名前だからといって困ることがある訳でもない。

 そういう意味では、別に誰の名前で予約をしたのか気にする必要はないのか。

 

「では、早速旅館の方までお送りします。何か用事があれば、そちらを優先して構いませんが……どうしますか?」

「俺はまず旅館に行くので構わない。ゆかりと美鶴はどうする?」

「私もアクセルの言う通りでいいわよ。どういう宿に泊まるのか、前もって確認しておきたいし」

「私はどちらでも構わん。アクセルとゆかりがいいのなら、そちらを選ぼう」

 

 こうして、誰もこのまま天城屋旅館に行くのを断るようなこともなく……俺達は全員で天城屋旅館に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「へぇ……これは凄いな」

 

 天城屋旅館に到着すると、周囲の景色を見た俺はそう呟く。

 ゆかりや美鶴も俺の意見には賛成らしく、遠くに見える光景に目を奪われていた。

 旅館のある場所からでも、周囲の山々を一望に眺められる。

 俺達を送迎してくれた宿の従業員によれば、天城屋旅館は全部で30室の客室があり、その半分が離れとなり、稲羽の山を部屋からでも一望出来るようになっているらしい。

 さすが全国区の宿だけはある。

 とはいえ、今はGWとかでもないので客は少ないらしいが。

 

「いらっしゃいませ、お客様。ようこそ当旅館へ」

 

 女将と思しき人物が宿から出て来て俺達に向かってそう言う。

 他の従業員も何人か出て来て頭を下げているのは、俺達が上客だからだろう。

 それもシーズン中でもない4月の上旬に来た客である以上、そんな風に扱われてもおかしくはない。

 

「お世話になります」

 

 美鶴がそう言って頭を下げ、俺とゆかりもそれに続く。

 そうして早速俺達は受付をし、泊まる部屋に案内される。

 ちなみに泊まる部屋は一番高い部屋となっていて、女将が俺達を上客扱いしているのはその辺も理由があるのだろう。

 そんな訳で、俺達は離れにある部屋に案内される。

 荷物がないことを不思議そうにしていた従業員だったが、俺達が上客である以上は余計な事を聞いて面倒……それこそ気を悪くして予約をキャンセルされるとかになるのを避けたのか、特に何も聞いてくる様子はない。

 とはいえ、きちんと前もって予約してあったとはいえ、荷物を持っていないのを聞いてこないのは疑問だな。

 俺達という上客を逃がしたくないとしても、これは少しやりすぎなような気がする。

 もしかして、実はこの天城屋旅館って儲かってなかったりするのか?

 いや、けど全国的に有名な旅館なんだから、そんな事はないと思う。

 そう思っていたのだが……

 

「全国的に有名であっても、資金繰りが厳しいというのは珍しい話ではない」

 

 案内された部屋で従業員がいなくなった後で疑問を口にすると、美鶴はあっさりとそう言ってくる。

 どうやら美鶴にしてみれば、こういうのは珍しい話でもないらしい。

 

「確かにこの天城屋旅館から見える景色は素晴らしい。建物も歴史を感じさせる。だが……こう言ってはなんだが、立地は決していいとは言えない」

「そうよね。ここに来る途中に商店街を見たけど、シャッター街……って程ではないにしろ、あまり活気があるとは思えなかったし」

「何かこう……目玉になるような観光の名所とか、そういうのはないのか?」

 

 商店街については俺も見たので、ゆかりの言葉には納得してしまう。

 とはいえ、そうなると疑問を持つ。

 観光名所とかないような場所にある旅館が、何故全国的に有名になったのか。

 もしかしたら俺が知らないだけで、稲羽市には何らかの観光名所があるのではないかと思ったが……

 

「いや、一応調べはしたが、特にそれらしいものはない。敢えて挙げるとすれば、この天城屋旅館が一番の観光資源だろう」

「この旅館そのものが? ……実際、この天城屋旅館は温泉とかもあるし、料理も地物の野菜や山の幸を使った美味い料理が出るらしいから、美鶴の意見には賛成出来るが……そうなると、若い客よりも年配の客が多いんじゃないか? ゆっくりするという意味で」

「……あら、アクセル。それって私や美鶴さんが年寄りだと言いたいのかしら?」

 

 にっこりと笑って尋ねるゆかりだったが、笑みを浮かべている口元に対して、目は全く笑っていない。

 そんなゆかりの言葉に、俺は慌てて首を横に振る。

 

「まさか、そんな事は全く思っていないぞ。そもそも20歳前のお前達にそんな事を言える訳もないだろう?」

 

 これは事実だ。

 俺の恋人達の多くは、現在時の指輪やその受信機を使って不老になっている。

 しかし、ゆかりと美鶴の2人はまだ不老にはなっていなかった。

 もう少し……20代になってからという事らしい。

 実際、その選択は悪くない。

 若々しい美しさというのもあるが、それ以外にも大人らしい成熟した美しさというのもある。

 どちらが好みという訳でもないが、20代の俺が高校生くらいの年齢の女……それも美人と評するのが相応しい相手と歩いていると、場合によっては周囲を誤解させる事もある。

 いやまぁ、恋人関係で肉体関係もある以上、それは決して誤解ではないのだが。

 ただ、それでも色々と外聞が悪いと思う者も間違いなくいる。

 同時に、少し年齢の離れた恋人同士だけど、それが何か? と思う者もいるだろうが。

 それでいながら、俺の外見が10歳になってゆかりや美鶴と一緒に歩いていても、特に問題にはならないのは……世の中の儚さといったところか。

 

「年齢の件はその辺にしておけ。私にダメージが大きいのだからな」

 

 そう言う美鶴は、まさに美人……それも大人っぽい美人と呼ぶに相応しい外見をしている。

 美鶴の事を何も知らない者が見れば、恐らく20代半ばくらいの外見をしていると考えてもおかしくはないだろう。

 美鶴は以前から実年齢よりも上の外見に見られる事が多かったのだが、シャドウワーカーを率いるようになってから、余計にその割合は増えているらしい。

 そういう意味で、年齢云々というのは美鶴にとってその言葉通り大きなダメージとなるのだろう。

 まぁ、千鶴よりは……いや、これ以上考えるのは止めておこう。

 下手をしたら、ここでの考えも察知してきたりするかもしれないし。

 そういうことにならないようにする為には、やはり考えないのが一番いい。

 

「とにかく、今日から暫くの間はここで暮らすんだ。……とはいえ、そんなに観光名所とかないのはちょっと予想外だったな。いっそ北海道とかに行ってみてもよかったんじゃないか? ここでも美味い食べ物はあるかもしれないけど、北海道はそれ以上に美味い食べ物があっただろうし」

「うーん、私はこういう場所も嫌いじゃないわよ? 勿論ずっと住むとかなると難しいかもしれないけど、短期間なら悪くはないわ」

 

 今回の卒業旅行の主役であるゆかりがそう言うのであれば、俺もこれ以上は何も言わない。

 もう1人の美鶴は……そもそもこの宿を選んだのが美鶴である以上、稲羽市がどういう場所なのかは最初から知っていたのだろう。

 つまり美鶴にとっても、この場所には特に何も思うところがないのだろう。

 

「2人がいいのなら、俺もそれで構わない。……さて、そうなるとどうする? これから具体的にどこに行くかだけど」

「商店街とか、適当に歩いてみるのはどう?」

 

 ジュネスではなく商店街を選ぶ辺り、ゆかりはこの卒業旅行を楽しむ気満々といったところか。

 ジュネスのような全国展開をしている店というのは、基本的にどこでも同じような商品しかない。

 勿論、中にはその土地の商品を売っていたりするところもあるが、その規模はどうしても小さくなる。

 それに比べると、稲羽市の商店街に行けばこの土地の商品が多かったりする。

 とはいえ、ジュネスが悪いという訳でもないのだが。

 どこに行っても同じような商品があるという事は、どこに行っても一定の品質の商品は確実にあるという事なのだから。

 そういう意味では、便利な店なのは間違いない。

 ただ、今回の卒業旅行についてはそういうのよりも、この稲羽市独自の商品とか、料理とか、そういうのをゆかりは見たいし、買いたいのだろう。

 俺としても、それなりに興味があるのは事実だ。

 とはいえ、寂れている……という表現はどうかと思うが、半ばそれに近い感じの商店街で何かそういうのがあるとは思えないが。

 

「じゃあ、取りあえず行ってみるか。色々と見て回るのも面白そうだし」

 

 そう言い、俺は準備を整えるとゆかりと美鶴の2人と共に部屋を出たのだが……

 

「山野さんの件、どうなったの? まだ解決してないのかしら?」

「解決って言うなよ。行方不明になったんだから、見つかったとか言った方がいいって」

「それにしても……なんでうちで行方不明になるかね。この件が知られれば、客が遠のくのは間違いないぜ? ただでさえ、最近は不景気で客の数も少ないってのに」

「しっ! そういうのを誰かに聞かれたらどうするつもり!?」

 

 部屋から出て廊下を歩くと、そんな声が聞こえてくる。

 もっとも、その声が聞こえたのは俺が混沌精霊として鋭い聴覚を持っているからであって、ゆかりや美鶴には今の声は聞こえていない。

 にしても……この旅館で事件があったのか。

 どうやら山野という人物がこの旅館で行方不明になってるようだが。

 せっかくゆかりの卒業旅行に来たのに、まさかそんな場所に泊まることになるとは思わなかった。

 うーん、これは一体どういう風に考えればいいんだ?

 偶然行方不明事件のあった場所に俺達が来ただけなのか、それとも実は何らかの事件に巻き込まれたのか。

 いや、後者はないか?

 一応ペルソナ世界の問題は解決して、影時間もなくなったんだから。

 とはいえ……俺という存在は、トラブルを引き寄せる事に関しては一級品だ。

 いや、それを喜んでいいのかどうかは微妙なところなんだが。

 そんな風に思いつつ、ゆかりと美鶴と話しながら廊下を進むと、やがて先程の会話をしていた数人の従業員が見えてくる。

 向こうも近付いてくる俺達を見て、先程のような会話は止めると、頭を下げる。

 この辺の教育がしっかりしてるのは、さすが老舗旅館といったところか。

 もっとも、客がいない場所でさっきのような会話をしていたのを考えると、教育はまだ甘いのかもしれないが。

 とはいえ、その件については俺が混沌精霊だから聞き取れただけなので、普通なら問題ないのかもしれないな。

 

「すいません、ちょっといいですか? この辺りでどこか面白い場所があれば教えて欲しいんですけど」

 

 ゆかりが従業員達にそう尋ねる。

 従業員はそんなゆかりの言葉に特に驚いた様子もなく、口を開く。

 

「そうですね。お嬢様方の好みそうな場所というと、巽屋という場所がありますよ。明治時代からこの稲羽市に流れる鮫川を使って染め物をしているお店です。出来た品は売ってますので、購入も可能です。特に先代の店主は全国的に有名な染め物職人でしたから、一見の価値はあるかと。今の時間ならちょうどいいでしょうし」

「……今の時間? 時間が何か関係あるんですか?」

 

 何故か時間について気にした様子の従業員に、ゆかりが不思議そうに尋ねる。

 実際、俺もそんなゆかりの様子は気になるところだった。

 

「ちょっと!」

「あ、いや。その……すいません。何でもありません。そう言えば、仕事を忘れていた。早くやらないと女将さんに怒られてしまう。失礼します」

 

 あからさまに何かを誤魔化すかのように言うと、男はその場から立ち去る。

 残っていた他の従業員達も、このまま残るのは不味いと判断したのか、逃げるように立ち去った。

 

「どう思う?」

「さて、実際にその巽屋とやらに行ってみればいいのではないか?」

「この時間ならいいって言ってたから、多分今なら問題ないでしょうね。具体的に何がどうなったのか分からないけど」

 

 美鶴とゆかりがそれぞれそう言い、俺も特に他に行くべき場所がある訳でもないので、散歩がてら、あるいは見物がてら巽屋に向かう事にするのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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