転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3574話

 山野真由美が死んだ。

 従業員達のそんな話を聞いた俺は、そのまま部屋に向かう。

 気配遮断を解除して、もう少し詳しい話を聞いてもよかったのだが……従業員も老舗の天城屋旅館に務めている者達だ。

 そう簡単に情報を漏らすとは思えない。

 だとすれば、ここで無理に話を聞こうとしても素直に話すとは思えなかった。

 それどころか、最悪の場合は山野真由美を殺したのが俺達だと怪しまれる可能性すらある。

 もっとも普通に考えれば、俺達が天城屋旅館に来たのは山野真由美がいなくなってからだ。

 俺達が山野真由美を殺したという風にはとてもではないが考えられないだろう。

 ……とはいえ、山野真由美の死体は屋根の上にあるTVのアンテナにぶら下げられていたらしい。

 普通に考えれば、そんな場所に死体を放置したりはしない。

 山野真由美がどのくらいの重さがあるのか分からないが、それでも30kg程度という事はないだろう。

 ちなみに30kgというのは精米する前の米が入っている1袋の重量だ。

 俺やゆかり、美鶴といった気や魔力、あるいはペルソナを使える者ならまだしも、一般人が大人の女を1人、屋根の上まで運び、それをTVのアンテナにぶら下げられるか。

 勿論、実際にはやろうと思えば出来るだろう。

 しかし、実際にそれを行うにはそのアンテナのある家の者に気が付かれないように素早くやる必要がある。

 その家が1階建て、2階建て、あるいは3階建てとなると、その難易度は次第に上がっていく。

 死体のあった家の住人が犯人ならまだしも、そうでない場合の難易度は非常に高い。

 一般人には到底不可能だろう。

 つまり……一般人ではない何かがこの一件には関わっている可能性がある。

 そして一般人ではない何かと言われてすぐに思いつくのは、やはりこの世界の場合はペルソナだろう。

 もしくはシャドウか。

 ……人を殺すのはともかく、こうして見て分かるような異常な晒し方をするのは、ペルソナよりもシャドウの可能性が高いように思えるな。

 だとすれば、やはりここはシャドウが何かをやった……つまり、ここではペルソナやシャドウが関係する何かが起きていると思った方がいいのだろう。

 

「美鶴、起きろ。もしかしたらだが、シャドウが出たかもしれないぞ」

「何っ!?」

 

 部屋に戻り、まだ眠っていた美鶴に声を掛ける。

 すると美鶴は次に瞬間には素早く目を覚まし、こちらに視線を向けてくる。

 ……こうして朝から機敏に動けるのは、やっぱり昨夜そういう行為をしなかったからだろうな。

 まさかこんな形でそれが功を奏するとは思わなかったけど。

 

「シャドウ……?」

 

 美鶴から少し遅れてだが、ゆかりも2人の会話の中に聞き逃せない単語があった事に気が付き、半分だが目が覚める。

 半ば寝惚けた様子でもシャドウという単語に反応したのは……ゆかりにとってシャドウというのは父親の因縁が関係しているというのもあるのだろう。

 ゆかりの父親は、シャドウを何とか封じようと文字通り命懸けで頑張ったのだから。

 ただし、その遺言となるビデオメッセージは改変されていたのだが。

 それも影響してか、ゆかりのシャドウに対する執着はかなり強い。

 実際、美鶴のシャドウワーカーが手に負えないシャドウが出た時、ゆかりが援軍として向かう時もあるらしいし。

 

「起きたか、ゆかり。実際にはまだ分からない。ただ、女とはいえ大人を一人、TVのアンテナにぶら下げるような事が出来ると思うか? それが死体で暴れたりはしないとしても。……ちなみにその死体はこの天城屋旅館で行方不明になっていた山野真由美だ」

 

 山野真由美の名前を出すと、ゆかりの意識もある程度はっきりしてきたらしい。

 起き上がり、真剣な視線を俺に向けてくる。

 ……寝ている時にそれなりに動いたのか、浴衣の胸元が大きく露わになっており、豊かな双丘の谷間を見ることが出来るのが真剣な表情と比べると少しアンバランスだが。

 

「それって……やっぱりアクセルが関係してるの?」

「いや、俺が別に何かした訳じゃないんだがな」

 

 何故か今回の件でも俺が何かをしたといったように話を持っていくゆかり。

 とはいえ否定したものの、実際にはどうなのかはちょっと分からないというのが正直なところなのだが。

 

「取りあえず、私はシャドウワーカーの方から何人か呼ぼう。もし本当にアクセルが言ってるように今回の件はシャドウが関係しているのなら、私も動く必要があるからな。……まさか旅行先でこのような事に巻き込まれるとは思いもしなかったが」

 

 真剣な表情になって美鶴が呟く。

 美鶴にとってもシャドウというのは因縁のある相手だ。

 それだけにゆかりとはまた違った意味で……場合によってはより強固にシャドウの一件を解決しようと考えていた。

 ちなみにこのシャドウワーカーだが、基本的には桐条グループの者やその関係者によって構成されている。

 警視庁とも協力関係は結んでいるらしいが。

 ただ、シャドウワーカーの構想が出来た時、当初は警視庁と協力してシャドウワーカーを運営していくつもりだったらしい。

 しかし、そこに待ったを掛けたのは美鶴の父親にして、桐条グループの総帥である桐条武治。

 この時は既に桐条グループとシャドウミラーがそれなりに付き合いがあり、それが警視庁としっかりとした協力態勢を築く事を躊躇した理由らしい。

 シャドウミラーの存在は桐条グループにとって非常に大きな意味を持つ。

 そうである以上、警視庁に……そこを通して国にシャドウミラーの存在を知られる訳にはいかないと判断したのだろう。

 そんな訳で、現在のシャドウワーカーは警視庁と協力態勢ではあるものの、組織としては完全に別個の存在だ。

 とはいえ、警視庁側でもシャドウという存在についての情報は一部の者のみだが知っており、シャドウワーカーはシャドウという警視庁が対処出来ない存在が出て来た時に頼む外部組織的な感じになってるらしい。

 そのような関係である以上、美鶴がシャドウワーカーを率いる者として活動をすれば、警視庁から今回の件の情報を回して貰う事も可能となる。

 とはいえ、警視庁と稲羽市の警察署となると……うん。偉さというかランクというか、そういうのがかなり離れているので、警視庁からそういう命令が下ったとしても、すぐに受け入れるかどうかは微妙なところだろう。

 

「その辺は任せる。……けどそうなると、旅行は早めに切り上げた方がいいかもしれないな」

「それは……残念だけどそうなるのかしら。まぁ、私も大学があるから、初めからサボるのはちょっと問題があると思うけど。けど、もしこれが本当にシャドウ絡みなら、私の力もいるでしょう?」

「そうだな。それは否定しない」

 

 シャドウを相手にするとなると、当然だがペルソナ使いが必要となる。

 影時間の一件で協力した特別課外活動部の面々も、協力して欲しいと言えば協力するだろう。

 特に荒垣なんかは俺に大きな借りがあるし。

 だが、そういう他の連中も何だかんだと結構長期間実戦から離れていたので、それによって勘が鈍ったのは間違いない。

 荒垣は多少なりとも訓練してるし、鬼滅世界にも出張していたが。

 それに対して、ゆかりや美鶴はエヴァとの訓練を重ねていたので、勘が鈍るといった事はない。

 その上でペルソナがいなくても気や魔力を使った戦闘訓練も可能になっている。

 そういう意味では、純粋な戦力としてもゆかりや美鶴の方が頼りになるのだ。

 ……それこそいざとなったら、円や美砂を連れてくるという手段もあるし。

 ここであやかと千鶴の名前が出なかったのは、この2人は政治班で忙しく働いている為だ。

 ただでさえ政治班として行動していて忙しいのに、ペルソナ世界での騒動に巻き込むのはちょっと不味そうだ。

 あ、でも気分転換とかそういうのでなら構わないか?

 だとすれば、他に凛や……実働班だけど綾子を連れて来てもいいかもしれないな。

 影のゲートがあれば、その辺は問題ないし。

 

「ともあれ、この旅行が途中で終わるかどうかは美鶴が警視庁から情報を入手してからだな。もしかしたら、本当にもしかしたらの話だが、実は単純に山野真由美を殺した犯人が怪力なだけという可能性も否定は出来ないし」

 

 ないか。

 自分で言っておきながら、俺は即座に自分の考えを否定した。

 そんな可能性よりは、やはりシャドウとかそっち関係の方が可能性が高そうだし。

 

「分かった。ではすぐにシャドウワーカーに連絡して警視庁に話を通そう。……とはいえ、警視庁がすぐに動くかは分からんが」

 

 若干苦々しげな表情の美鶴。

 シャドウワーカーの中に警視庁の面子もいれば、そちらから話を通して貰う事も出来るのだろう。

 だが、シャドウワーカーが桐条グループで運営されている以上、警視庁に話を通すのもスムーズにはいかない。

 ましてや、警視庁の中にはシャドウワーカーの存在について面白くないと思っている者も多い。

 その件については、正直分からないでもないのだが。

 何しろ警視庁とは全く関係のない集団だ。

 シャドウと戦うにはシャドウワーカーの存在が必須であっても、自分達でどうにも出来ない相手をシャドウワーカーが対処するというのが、面白くないのだろう。

 とはいえ、それでも一般人ではどうしようもないのがシャドウなのだが。

 もし警視庁だけでどうにかしようとするのなら、それこそ全国の警察官にペルソナの適性があるかどうかを確認して、あるいはペルソナの適性のある者を警察官にするなりする必要がある。

 もっともペルソナを召喚するには、基本的に召喚器が必要だ。

 その辺は桐条グループに頼るしかないが。

 あるいは本当に才能があり、召喚器がなくてもペルソナを召喚出来る人物を用意するか。

 そういう意味では、何気に狙われそうなのってシャドウワーカーだったりするんだよな。

 もっともそうなれば桐条グループを敵に回す事を覚悟しなければならないが。

 ペルソナ世界の日本において、桐条グループの影響力は非常に強い。

 それこそその気になれば警視総監を首に出来る程度の影響力は持っているだろう。

 勿論そんな真似をすれば桐条グループと政府の関係も悪化するので、桐条グループとしても好んでそんな真似はしないだろうが……

 出来るけどやらないのと、やれないの2つでは結果が同じでもその意味は違う。

 

「では、少しシャドウワーカーに連絡を取ってくる」

 

 美鶴はそう言い、携帯を手に部屋を出ていく。

 俺達がいる場所でシャドウワーカーに連絡をしてもいいとは思うのだが、その辺は一種の割り切りなのだろう。

 

「うーん……それにしても今回の件はちょっと予想外だったわね。まぁ、それでも初日にいきなりこの件が起きて旅行が駄目にならなかっただけ、幸運だったのかしら?」

 

 浴衣の乱れに気が付いたのか、それを直しながらゆかりが言う。

 残念。

 そう思いつつも、ゆかりの言葉に頷く。

 

「そうだな。2泊3日の旅行だったと考えれば、そんなに悪くなかったのかもしれないな。旅館で出た料理も美味かったし」

「地物野菜や山菜、川魚を使った料理……そうね。美味しかったのは間違いないわ。それにアクセルが採ってきてくれた山菜でご飯を作って貰ったりもしたし」

「ああ、それもあったな」

 

 天城屋旅館の料理人は気さくで、俺の採ってきた山菜を料理してくれた。

 あく抜きが必要な山菜の場合は、採ってきた山菜の代わりにあく抜きをしている山菜を使って料理をしてくれたのだ。

 客が快適に、そして楽しめるように考えてくれたのは、天城屋旅館に対して好感を抱くには十分だった。

 今回の件で旅行は中断されるかもしれないが……いや、シャドウの件で関わる必要があるのなら、このまま天城屋旅館に部屋を借り続けて、そこを拠点にするというのも悪くないかもしれないな。

 天城屋旅館を拠点にして活動するとなると宿泊料金とかが凄い事になりそうだが、その程度ならシャドウワーカー……というか桐条グループの財力があれば全く問題ない。

 それに、俺のいる場所でもし本当にシャドウに関する何か大きな出来事が起きたとなれば、それは……あるいは、本当にあるいはの話だが、このペルソナ世界に初めて俺がやって来た時に関与した影時間の件の続編という可能性も十分にある。

 X世界においては、ジャミルが主人公の話があり、その続編としてガロードが主人公の話があったというのが俺の予想だ。

 だとすれば、その世界で続編があってもおかしくはないだろう。

 とはいえ、以前も思ったが稲羽市のような田舎を舞台とした続編が出るかと言われると、正直ちょっと微妙な気がしないでもないが。

 

「この件が解決したら、またどこかに旅行するのもいいかもしれないな」

「えー……」

「何でそんなに嫌そうなんだ?」

「いや、だってアクセルと旅行に行くのは嬉しいけど、そうしたらまた何かの騒動に巻き込まれそうじゃない?」

 

 そう言うゆかりに反論しようとしたが、実際に今回のような一件がある以上、反論するのは難しかった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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