転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3584話

 翌朝、結局昨日のマヨナカテレビはぼやけているというか、そこまで正確に状況を把握出来なかったというか、ともあれ何かが映ったのは間違いないものの、それを完全に理解しろというのは難しかった。

 そんなモヤモヤとした思いを抱いたまま、俺と美鶴は眠り……そして翌日。

 

「アクセル、私はシャドウワーカーの皆を出迎えに行ってくるが、お前はどうする?」

 

 朝食を終え、温泉に入って少しゆっくりとしたところで美鶴がそう聞いてくる。

 どうやら予定通り、シャドウワーカーの半分程――残りの半分はもう一つのシャドウの事件と思しき場所に向かった――がそろそろ稲羽市に到着するらしい。

 

「特に何かやる事もないしな。天城屋旅館から出てもいいのなら、一緒に行きたい」

「その辺については問題ない。私達は自由に天城屋旅館を出てもいい事になっている」

 

 そう断言するのは、やはり今回の件で美鶴の率いるシャドウワーカーが警察に協力をするという事になっているからなのだろう。

 

「なら行くか。今日もずっと旅館の中にいるのは退屈だったし」

 

 一応空間倉庫の中には漫画とかそういうのがそれなりに入っているものの、だからといって漫画を読み続けていても飽きるだろうし。

 自由に外に出られるのなら、それを逃す手はない。

 そういう訳で、俺は美鶴と共に天城屋旅館を出る。

 恐らくは他の客はまだ自由に外に出るのを許可されていないのか、旅館の入り口の前には警察官の姿がある。

 宿泊客が勝手に出掛けようとする時、止める為だろう。

 とはいえ、警察からされたのはあくまでも要望だ。

 強制的に命令するといった事はされていない筈だ。

 ……もっとも、そのような状況で無理矢理に旅館から出ると、山野真由美の件で何かあるかもしれないと、疑いの目は余計に強くなりそうだが。

 その辺については、俺が特に気にする必要はないか。

 俺達は問題がないのだから。

 そうして旅館を出ると、美鶴の先導に従って歩く。

 

「そう言えば、取りあえず今日は天城屋旅館を拠点として活動するのか? 警察の方からまだ返事は来てないんだろう?」

 

 警察が美鶴に対して監視というか嫌がらせというか、とにかく天城屋旅館を拠点とするように要求した。

 それに対して美鶴は、天城屋旅館の宿泊料金を警察が持つのならそれを受け入れるというもの。

 警察にしてみれば、まさかそのように言われるとは思わなかったのだろう。

 美鶴から聞いた話だが、かなり戸惑っていたらしい。

 警察の方から美鶴に天城屋旅館を拠点とするように言った以上、宿泊料金を警察が払えと言われて、それにすぐに否と言うのは面子とかプライドの問題から出来ない。

 それで考えさせて欲しいという事になったのだが……

 俺と美鶴、そしてゆかりはもう帰ったが、3人分の宿泊料金は前もって支払ってある。

 そういう意味では、まだ暫くの間はあの部屋に泊まっていても大丈夫だろう。

 時期的に、4月の末……GWの始まりくらいまでは使っても問題はない筈だ。

 しかしその先も使うとなると、別途宿泊を延長する必要がある。

 それもGWに誰の予定も入っていなければだ。

 もし予約が入ってれば、当然だがそちらの方が優先されるだろう。

 ましてや、俺達ですらそのような状況なのだ。

 他の者……それこそシャドウワーカーが泊まるとなると、それこそ今日から宿泊料金は発生する筈だ。

 人数が人数なので、大広間のような宴会をやるような場所を借り切って、そこで寝泊まりしつつ、情報の整理をしたりする事になるのだろうが、その辺も警察が支払ってくれるかどうかは、正直なところ期待は出来ないと思う。

 

「構わん。今日シャドウワーカーが来たら1日2日くらいならこちらで支払ってもいい。ただし、出来るだけ早く警察には動いて貰う必要があるがな」

「そういうものか? ……って、駅に向かうんじゃないのか?」

 

 美鶴と話しながら進んでいたが、その進行方向に疑問を抱く。

 この道筋は、駅ではなくジュネスだ。

 

「シャドウワーカーが電車で来ると思ったのか? アクセルなら空間倉庫があるから問題はないかもしれんが、シャドウワーカーとして働くには各種コンピュータを始めとして、色々と必要になる。それらを運ぶとなると、車での移動が必須だ」

「つまり、ジュネス……正確にはジュネスの駐車場で待ち合わせな訳か」

 

 その言葉に美鶴が頷く。

 別にジュネスで待ち合わせでなくてもいいと思うのだが、ジュネスでとなったのは単純にジュネスが稲羽市では一番分かりやすい場所だからだろう。

 それに人数が多いという事は、車の数も多い。

 そんな車が集まる場所となると、どうしてもそのような場所は少ない。

 だからこそ、広い駐車場を持つジュネスでの待ち合わせを選んだのだろう。

 ……駐車場だけを使わせて貰うのも悪いし、後でまたジュネスで色々と購入した方がいいかもしれないな。

 ジュネスには家電コーナーもあった筈だし、マヨナカテレビの為に適当なTVを購入してもいいかもしれない。

 一応通信機の映像スクリーンでもマヨナカテレビは見る事が出来たが、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、昨夜のマヨナカテレビで映像が見にくかったのはきちんとしたTVではなく映像スクリーンだったからという可能性もある。

 これはあくまでも予想……それも可能性の低い予想だが、それでも万が一の可能性を考えると、やはりジュネスでTVは買った方がいいかもしれない。

 天城屋旅館の部屋に勝手にTVを持ち込むのはどうかと思うが。

 

「そうなる。天城屋旅館の方にも、駐車場を使わせて貰えるように頼んではあるので、その辺も問題はない」

 

 天城屋旅館は老舗旅館だけあって、色々な客が来る。

 それだけに駐車場も相応の物が必要だった。

 

「なら、別にジュネスじゃなくて天城屋旅館に直接来て貰った方がよかったんじゃないか?」

「それも考えたのだが、いきなり天城屋旅館に多数の車が来ると不安にさせるかもしれないと思ったのでな。なら、私がその車に乗って天城屋旅館に行けばいい」

「ああ、なるほど」

 

 山野真由美の一件があって、天城屋旅館の従業員も客も不安に思っているだろう。

 そんな場所にいきなり何台もの車がやってくれば、それを警戒するなという方が難しい。

 それこそ警察にどうにかして欲しいと訴えてもおかしくはなかった。

 そして警察は旅館の従業員や客に無理を言っている分、その要望を聞かないという選択肢は存在しない。

 そのような面倒な事になってから美鶴がやって来るというのは、色々と問題がある。

 なら、それこそ最初から美鶴が車に乗って移動した方が手っ取り早い。

 他にも警察に前もって連絡をしておくとかした方がいいだろうが。

 ん? 前もって警察にシャドウワーカーの件を連絡しておくのなら、それこそ別に天城屋旅館の駐車場で待っててもいいような……いやまぁ、こうして出歩く事で街中の様子を窺うというのもあるのだろうが。

 例えば、俺達が進んでいる進行方向にある道路で数人の主婦達が深刻な様子で話しているように。

 無理もないか。

 この稲羽市は、昨日までは寂れたという表現が相応しい、それこそどこにでもある田舎だった。

 いやまぁ、天城屋旅館という全国的に有名な旅館があるという時点で本物の田舎よりも大分マシなのかもしれないが。

 ともあれ、そんな田舎でいきなり殺人事件が起きたのだ。

 それも痴情のもつれとか、強盗殺人とか、そういうのではなく、2階建ての家にあるTVのアンテナに死体をぶら下げるといったような、猟奇的な殺人が。

 しかも殺されたのは山野真由美という、悪い意味で一躍時の人となっている女。

 そういう意味では、不安に思うなという方が無理だろう。

 これが……そう、例えばシャドウミラーの面々なら、人が殺されたという事で驚きはするだろうが、あそこまで露骨に不安を表に出したりはしない。

 そそもの話、シャドウミラーに所属する大部分は相応に鍛えられているので、その辺の素人が……いや、軍人であっても簡単にどうこう出来る相手じゃないし。

 そんな風に思いながら歩いていると……

 

「なぁ、美鶴。何だか随分と注目を集めている車があるんだけど」

 

 ジュネスに到着し、その駐車場に向かうとそこではそれなりの人数が駐車場にある数台の車……軽自動車は勿論、一般的な乗用車よりも明らかに大きな数台の車を見ていた。

 これが、例えば1台だけだったりしたら、巨大な車であってもここまで集中的に見られなかったかもしれない。

 だが、巨大な車が数台集まっている事により、それはかなり目立っている。

 不幸中の幸いなのは、まだジュネスがオープンしてからあまり時間が経っていない事だろう。

 朝早い……とまではいかないが、それでもまだオープンしたばかりなので客の数はそこまで多くはなく、結果として車を見ている者は決して多くない。

 とはいえ、それでもある程度の人数がいるのは間違いない以上、あの車の件が噂になるのは間違いないだろうが。

 田舎というのはネットとはまた別の意味で噂が広まるのが早い。

 場合によってはネットよりも噂が広がるのが早かったりするのだ。

 田舎恐るべし。

 

「む……だが、機材を一式持ってくるとなると、どうしてもある程度の大きな車は必要なのだ。いっそトラックで来た方がよかったか?」

「だろうな。そうした方が手っ取り早かったかもしれない」

 

 それこそトラックなら、大型であれば10tの荷物を運べる。

 そこまでいかなくても、中型なら5t……いや、4tだったか? ともあれシャドウワーカーが使う機材一式を運ぶのは難しくはないだろう。

 勿論、そういうトラックは荷台に人が乗るのは基本的に禁止なので、別にシャドウワーカーの人員を運ぶ車が必要になるが。

 もしくは、その手のトラックは荷台が外から見えないようになっているので、中に人が乗っても問題はないとして……いや、美鶴がそういうのを許さないか。

 それにシャドウワーカーが動き回るにしても、足が必要だし。

 これが都会なら電車やバスといった交通網が発展してるのだが、この稲羽市は田舎だ。

 一家に一台ではなく、一人に一台の車というのは普通の話らしい。

 もしくは車ではなくバイクとかでもいいだろうが。

 

「ともあれ、いつまでもこのままここで見ている訳にもいかないし、さっさと行かないか? 向こうも美鶴が来るのを待ってるんだろうし」

「そうしよう。……この人目のある中で近付くのは少しどうかと思わないでもないが」

 

 他人から注目を浴びるのは慣れている美鶴だ。

 その美貌や風格から注目を浴びるのは珍しい話ではないし、何より桐条グループの総帥の令嬢という事で、社交界とかそういうので注目を浴びたりもするだろう。

 だが、今ここで美鶴に向けられる視線はそういうものではない。

 それこそ変わった存在……珍獣か何かを見るような目で見られるのだ。

 稲羽市のような田舎で、ああいう巨大な車が、それも数台纏めているのだから、そんな視線を向けられてもおかしくはないだろう。

 

「じゃあ、行くか」

「……別に無理をしてアクセルが来なくてもいいぞ? シャドウワーカーは私の管轄なのだから」

「美鶴の管轄だから、俺も放っておく訳にはいかないんだろうに。それに俺が一緒にいれば、美鶴に集まる視線も多少は減るだろ。……多分」

 

 ただでさえ目立つ美鶴だけに、俺が一緒にいてもそこまで視線が分散されるようなことはないかもしれないが、それでもやらないよりはやった方がいいのは間違いない。

 やらない善よりやる偽善……だったか? もっとも、この場合は微妙に違うが。

 そんな風に思いつつ、俺は美鶴と共に大きな車の集団に向かって歩き出す。

 ジュネスの駐車場にいた客は、車の方を興味深そうに見てはいたものの、決して一定の距離から近付かなかった。

 そんな中で俺と美鶴が堂々と車に近付いていったのだから、そんな俺達に興味を持つなという方が無理だろう。

 とはいえ……俺にしてみれば、こういう視線は慣れたものだ。

 それこそこれよりもっと殺気に満ちた視線であったり、狂信的な視線であったり、好意的な視線であったり……色々な種類の視線を向けられるのは慣れている。

 それに比べれば、こういう視線は特に気にする必要もない。

 俺達はそのまま進み続け……やがて、車の前に立つ。

 するとすぐに車から数人の男女が降りてくる。

 

「美鶴様、お待たせして申し訳ありません」

「気にするな、それよりも遠いところをよく来てくれた。これから大変だろうが、頑張って貰うぞ」

「お任せ下さい。私達は美鶴様の部下なのですから」

 

 人目が集まっている事もあってか、シャドウという単語は一切口にしない。

 しないのだが……揃って黒いスーツを着ている事から、それこそヤクザか何かと勘違いされそうな気がするんだが。

 実際、さっきまでこっちを見ていた者のうち、少なくない人数がそそくさと立ち去っているし。

 

「それで、美鶴様。この方は……」

「アクセルだ。以前から話していただろう?」

 

 美鶴のその言葉に、シャドウワーカーの面々は驚きの表情を浮かべて俺を見るのだった。

 一体どんな話を聞いていたのやら。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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