転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3591話

 ざわり、と。

 俺の様子を見ていた警察の面々がざわめく。

 いや、ざわめくといった程度ではなく、驚愕の声を上げている者も多い。

 目の前の……俺がTVに手を入れている光景が、到底信じられなかったのだろう。

 中には俺を敵でも見るような視線で見ている者すらいた。

 無理もないか。

 ここにいる者達にとって、TVの中に入れるというのは足立だけが持っている能力だと、そんな風に思っていたのだろう。

 ……今更だけど、ニュクスの件の続編が恐らくこの稲羽市で起きている事件であるのは間違いない。

 シャドウワーカーは今までにも何度かシャドウに関する事件を解決してきたらしいが、それはこんなTVの中に入れるとかの大きな騒動ではなく、もっと小さい事件だったのだから。

 あるいは現在シャドウワーカーの半数が、そして真田や荒垣が行っているもう1つのシャドウに関する事件もまた、この稲羽市の事件と何らかの関係があるという可能性は十分にあった。

 ともあれ、この稲羽市の件が原作的な意味でニュクスの事件の続編という意味では、もしかして……本当にもしかして、足立が主人公だったとか、そういう可能性もあるのか?

 いや、けど……まだ確証はないものの、山野真由美を殺したのは足立だというのは、俺の中では既に確定事項だ。

 だとすれば、そういうのが主人公になるか?

 それにニュクスの件を思えば、有里のように高校生が主人公の可能性が高い。

 だとすれば……八十神高等学校の生徒とか?

 勿論、この辺りには他にも幾つか高校があるので、絶対にそうだとは言わない。

 しかもこれは、俺が予想に予想を積み重ねた予想で、しかもこの世界が何らかの原作であるという視点から見ての事でもある。

 そう考えると、やっぱり今回の件で確実にそうだとは言えないが……ただ、足立が実際にTVの中に入れる能力を持っているのも事実なんだよな。

 だとすれば……もし足立が主人公じゃないと考えた場合、足立の役割は何だ?

 ラスボス? ……いや、ちょっとそれはないだろう。

 小西の身体を求めていたとか、ちょっとラスボスっぽくはないよな。

 寧ろ中ボスにもなれないような。

 勿論、小西はどことなくアンニュイな雰囲気を持つ美人なのは間違いない。

 恐らく学校でもかなりモテるだろう。

 もっとも、今の様子を見ると何故か自分の父親に近い年齢と思しき堂島に好意を持ってるように思えたが。

 いやまぁ、自分の命の危機を救ってくれたのが堂島である以上、そんな風に好意を抱くのも納得は出来る。

 ただ、その好意がいわゆる吊り橋効果なのか、依存なのか、そういうのとは全く関係のない恋心なのかは分からないが。

 ともあれ、その恋心が実る可能性はかなり低いと思うけど。

 何しろ堂島は頑固なタイプだ。

 そんな堂島が、女子高生とそういう関係になるのを受け入れるとは思えない。

 これがもっとチャラい奴なら、これ幸いと小西がお持ち帰りされてもおかしくはないのだが。

 そんな風に思っていると……不意に、TVの中に突っ込んだ手が引っ張られる。

 

「何だ?」

『どうした、アクセル。何かあったのか?』

 

 未だに通信が繋がっていた美鶴が、俺の声を聞いて何かを感じたらしく、そう聞いてくる。

 そんな美鶴の言葉は当然だが周囲にいる刑事達にも聞こえたのか、一体何があったのかといった視線がこちらに向けられていた。

 

「向こうに……TVの中に引っ張られている。誰かに手を引かれて引っ張られるというよりは、向こうの空間そのものに引っ張られているかのような、そんな感じだ」

「……私の時はそういうのはなかったけど……」

 

 俺の説明に小西がそう呟くのが聞こえてくる。

 そう言えば、小西が頭部をTVに突っ込んでいた時は、何だかんだと数分は経過していた。

 俺が手を突っ込んでから1分前後しか経ってないと考えると、TVの向こう側の空間に手を引っ張られるという時点で少しおかしい。

 考えられる可能性があるとすれば、俺が魔力を使って……もしくは混沌精霊だから、TVの向こう側の空間でも普通の人と違う反応を示したのか、もしくは足立が小西をTVの中に入れる時に普通とは違う何かをしたのか。

 ……後者の可能性は十分に有り得るな。

 足立は小西を脅迫というか、脅してか? とにかくその身体を性的な意味で欲した。

 そんな足立にしてみれば、小西がTVの中に入れられるというのに恐怖し、足立に抱かれてもいいから命は助けて欲しいと、そんな風に小西が選択するのを期待して、すぐにTVの向こう側の空間に小西が引っ張られないようにしたという可能性は十分にあった。

 それについては、実際に足立に話を聞かないと何とも言えないが。

 そんな風に思いつつ、俺はTVの中から腕を引き抜く。

 TVの厚さから俺の腕が抜け出るというのは、明らかに異常だ。

 実際、それを見ていた者達の多くが、自分は一体何を見ているのかは全く分からないといった様子なのだから、そのように思うのは当然だろう。

 

「いいのか、腕を抜いて」

 

 そんな中、堂島がそう俺に尋ねてくる。

 堂島にしてみれば、今このTVから腕を抜けば、次もまた同じように出来るとは思えなかったのだろう。

 とはいえ、俺にしてみれば恐らく次も同じように出来ると、そういう確信がある。

 実際に何らかの証拠を出せと言われれば、少し困るが。

 

「ああ、問題ない。今はまだこのTVの中をどうにかするといった事よりも、色々と準備を整える方が先決だろう」

 

 正直なところ、TVの中にあるだろう世界に興味を持っていないと言えば嘘になる。

 恐らくは影時間の一件の時入ったタルタロスと同じようになっているのではないかと、そう思えるのだ。

 ……ちなみに、本当にちなみにの話だが、もしTVの中の空間がタルタロスのようになっているとすれば、もしかしたらそこにも刈り取る者が存在していたりするんだろうか。

 その辺がちょっと気になるが、それについてはTVの中の空間を探索出来るようになってからの話だな。

 

「さて、そんな訳で……今ここにいる者達にとっては、この状況は全く理解出来ない事だと思う。ただ、この件についてはさっきの俺と美鶴の会話を聞いていれば分かるように、後で……具体的にそれがいつくらいなのかは不明だが、警視庁から連絡があると思う。それまで、この件については決して他人に話さないようにして欲しい。……もっとも、この件について他人に話しても信じて貰えるとは思えないが」

 

 それこそ人がTVの中に消えたという話をしても、夢でも見たのかと疑われるか……最悪の場合、精神病院に連れていかれるだろう。

 そうなっても俺には関係ないが、それでも俺のせいで家庭崩壊とかそういうのは見たくない。

 

「警視庁が知っていて、お前達がそれを知らない。そう考えれば、この件についてどれだけ重要な事なのか、想像出来ると思う」

 

 俺の言葉に、話を聞いていた者達はそれぞれの表情を浮かべる。

 知ってはいけない事を知ってしまったので、自分達は殺されるのではないかと恐怖する者。

 自分達が本来知らない情報を知ってしまった以上、自分達を囲い込む為に出世させるのではないかと期待する者。

 俺の言葉がどこまで本当なのか分からない以上、信用するのは危険だと疑いの表情を浮かべる者。

 俺が何を言ったところで自分達には関係ないだろうと、状況を甘く見ている者。

 それぞれが個人によって表情を浮かべていた。

 そんな中で比較的多かったのは、本来なら知らないでもいい情報を知ってしまった自分達がこれからどうなるのかといった不安の表情を浮かべている者達だろう。

 

「心配するな。この件については、無闇に他の相手に……それこそ家族、友人、恋人、偶然知り合った他人。そういう連中に話さなければ、特に問題はないだろう」

「それは本当か?」

 

 堂島が心配そうな様子でそう言ってくる。

 堂島にしてみれば、家族とかそういう相手に被害が出ないようにという思いからの言葉だろう。

 

「絶対とは言わないが、恐らくはな。……それで、話は変わるけど小西はどうする?」

「……え? 私?」

 

 まさかここで不意に自分の名前が出て来るとは思わなかったのか、小西が不思議そうに俺に視線を向けてくる。

 

「そうだ。足立が小西を狙ったのは……ぶっちゃけ、あの時の会話からすると小西の身体が目当てだ。性的な意味でな」

「……」

 

 露骨な俺の言葉に、小西の頬が赤く染まる。

 とはいえそれを否定しないのは、小西もあの時の会話からそういう理由で自分が足立に狙われたのだと理解しているからだろう。

 ……足立の狙いを聞いた堂島は、怒ればいいのか、悲しめばいいのか、嘆けばいいのか、とにかく微妙な表情を浮かべていたが。

 無理もない。

 堂島にとって足立はコンビを組んでいた相手なのだ。

 それも年齢からして、堂島が足立を引っ張るといった感じだったのだろう。

 それでも俺が天城屋旅館で見た限りでは、お互いの関係性は悪くないように思えた。

 だが実際には、足立はTVの中に入れるという能力を持っており、しかも小西に言い寄って肉体関係を持とうとした。

 それが堂島にとっては信じられなかった、もしくは信じたくなかったのだろう。

 人は誰でも表に出していない性格……二面性とでも呼ぶべきものを持つ。

 例えば俺に10人以上の恋人がいて、酒池肉林――酒は飲まないが――の夜を楽しんでいるかのように。

 

『いや、それは違う』

「……美鶴? 何が違う?」

 

 一瞬俺の考えを読まれたのかと思ってそう尋ねる。

 だが、美鶴はそんな俺の言葉にあっさりと答えた。

 

『何がって、今の話を聞いてなかったのか? 小西をそのまま帰すのが一番安全なのではないかという件だ』

「なるほど」

 

 どうやら俺が考えていた間にそんな話をしていたらしい。

 

『アクセルはどう思う?』

「そうだな。やっぱりそのまま帰すというのは危険だと思う。それこそ、いつどこから足立が姿を現すか分からないし」

 

 このような状況になった以上、足立がまだ小西に拘るかどうかというのは、生憎と俺にも分からない。

 だが、それが絶対にないと言い切れないのも事実。

 足立とは実際にそんなに話した事がある訳でもないので、性格が分からず、一体どのような行動をするのか予想出来ないというのが痛い。

 何だったか……プロファイリング? 警察には相手の性格とか生まれや育ちから相手の行動を予想するという捜査方法があった筈だ。

 稲羽署にもそういうのは……田舎の警察署だし、ちょっとそれは難しいか。

 ああいうのは専門の知識があるプロがやる必要があるんだろうし。

 

「では、どうすれば? こう言っては何だが、私達では足立に対処出来ないのだ」

 

 副署長が俺の言葉にそう返してくる。

 

『では、こちらで預かろう』

 

 小西の扱いについて、美鶴はそう言う。

 俺が天城屋旅館に事情を説明しに行った時は、出来ればその選択肢はしないようにしたいと思っていたのだが……いや、でも無理はないか。

 TVで自由に出入り出来るという事は、それこそ小西の家のTVから急に出てくる可能性が……待て。

 

「小西に関してはそれでいいとして、小西の家族はどうするんだ? 小西の一件で……こう言ってはなんだが、足立はもう完全に自分の能力を隠す事はないだろう。だとすれば、最悪小西の家族や恋人を人質に取るという可能性も考えられるぞ」

「恋人はいないから!」

 

 俺の言葉に叫ぶ小西。

 あー……恋人が実際にいるのかどうかはともかく、多分堂島に恋人がいると思われたくなかったんだろうな。

 まぁ、そっちの恋愛関係には口を出さない。

 もし口を出したら、それはそれで面倒な事になりそうだし。

 

『なるほど、家族か。恋人の件は心配しなくてもいいとして、確かにそちらは問題になるかもしれんな。副署長、証人保護プログラムというのがアメリカにはあるそうだが、日本の警察で同じような事は出来ないか?』

「無理を言わないで欲しい。証人保護プログラムというのは、元々アメリカのシステムで、そのようなシステムは日本にはないのだ。そもそも証人保護プログラムというのは、あくまでも証人を保護するものであって、今回はそれに当たらない」

 

 いや、小西は足立に襲われたんだから、証人という意味では間違ってないと思うんだが。

 とはいえ、日本にそういう制度がない以上、どうしようもないのは間違いないのかもしれないが。

 特に日本というのは極端な前例主義の一面も多い。

 まさかシャドウという存在に関わるなどということは思ってもいなかったろうし、足立のような存在から小西を守るのも、刑事とか警察官を護衛につけるくらいは出来るかもしれないが、証人保護プログラムのようなものはとてもではないが期待出来そうにない。

 

「だとすれば、やっぱりこっちで匿うのが一番いいんだろうな。……家族については、それこそ稲羽市から出せばいいだろうし」

 

 そう言う俺の言葉に、小西はショックを受けた表情を浮かべる。

 小西にしてみれば、自分が狙われるのはともかく、家族も狙われるとは思ってもいなかったのだろう。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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