転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3593話

 天城屋旅館の大広間にやって来た俺達を迎えた美鶴。

 そんな美鶴の姿に俺と堂島は特に驚くような事はない。

 堂島が美鶴に会うのはこれが初めてではないし、俺にいたっては言うに及ばずだ。

 だが……小西は違う。

 小西の場合は、稲羽署で携帯に見せ掛けた通信機で美鶴の声は聞いていたものの、実際に美鶴を見るのはこれが初めてだ。

 そうである以上、美鶴の美貌もそうだが、醸し出される雰囲気に圧倒されてもおかしくはない。

 そんな圧倒されている小西に、美鶴が声を掛ける。

 

「今回の件に巻き込まれた事で色々と大変だったのは間違いないだろうが、これからは私達シャドウワーカーが君を守ろう」

「え? あ、その……ありがとうございます」

 

 自分を守ると口にした美鶴に、かろうじて感謝の言葉を返す小西。

 そんな小西を一瞥してから、次に美鶴の視線は堂島に向けられる。

 

「そちらも今回の件では色々と大変だったようだな。これからはシャドウワーカーと稲羽署の間を取り持つ役目を頑張って欲しい」

「……ああ、頑張らせて貰うよ。あんた達と一緒にいた方が、足立を追いやすいだろうし」

 

 堂島の美鶴に対する言葉遣いが変わってるな。

 見知らぬ相手に対するようなものから、仲間……とまではいかないが、一緒に行動する相手としての言葉遣い。

 美鶴はそんな堂島の様子を特に気にした様子もなく、頷く。

 

「構わん。足立……TVに入れる能力を持つ者を捕らえるのが私達の仕事だ。そう言えば、マヨナカテレビというのは知ってるか?」

「……マヨナカテレビ? 何だそれは?」

 

 案の定と言うべきか、どうやら堂島はマヨナカテレビについて知らなかったらしい。

 とはいえ、マヨナカテレビは学生……中学生や高校生の間で流行ってる噂みたいなので、堂島が知らなくてもそれは仕方がないのだろう。

 だが、堂島が知らなくても……

 

「あ、それって……」

 

 マヨナカテレビという言葉に反応したのは、小西だった。

 小西は八十神高等学校の学生なんだし、知っていても当然か。

 

「知ってるのか?」

 

 自分が知らなかったマヨナカテレビを知っていると口にした小西に、堂島は視線を向ける。

 その視線を向けられた小西は、真剣な表情で頷く。

 

「うん、知ってる。稲羽市の学生の間で流れている噂だよ。何でも雨が振ってる日の夜12時に消したTVの画面を見ていると、そこに見ている人の運命の人が映るって話だけど……」

「なんだそりゃ」

 

 小西の言葉に馬鹿らしいといった様子の堂島。

 堂島にしてみれば、それこそただの噂話といったように感じられるのだろう。

 

「私達がマヨナカテレビの噂を聞いたのは、八十神高等学校の学生が話している会話を聞いてだ。その時、マヨナカテレビを見たと言っていた学生は、マヨナカテレビに山野真由美が映ったから、山野真由美が自分の運命の人だと喜んでいたぞ」

「……何?」

 

 美鶴の言葉に、堂島の表情が厳しくなる。

 自分の運命の人が映るというだけなら、それこそよくある噂話と思ってもおかしくはない。

 だが、そこに山野真由美が出てくれば話は違う。

 何しろ足立はTVの中に入れる能力を持っているのだから。

 マヨナカテレビとTVに入る能力。

 その2つに共通点を考えるなという方が無理だろう。

 

「さて、この2つの話を聞いて、刑事としてはどう思う? 普通の、特殊な能力やこの世界の裏側について何も知らない刑事なら、あるいは何の関係もないと言うかもしれない。だが……」

 

 そこで言葉を止めた美鶴の意味ありげな視線に、堂島は黙り込む。

 美鶴が何を言いたいのか、十分に理解しているのだろう。

 

「そこから追うしかないってのか」

「現在、私達シャドウワーカーはそうしている。このマヨナカテレビの噂は、不自然だ。稲羽市でだけ情報が広がっていて、稲羽市以外の場所で噂を聞かない。……もっとも、稲羽市以外から稲羽市にある高校に通っている生徒もいるので絶対とはいわないが、それでもシャドウワーカーが調べた限りではそうなっている」

 

 どうやら俺が警察に行ってる間にも、シャドウワーカーはそれなりに調べていたらしい。

 もっとも美鶴が言うようにまだ完全に調べたという訳ではないのだろうが。

 ただ、こうして美鶴が言うということは、絶対ではないにしろ大体の情報は集まったと考えてもいいのだろう。

 

「この稲羽市で一体何が起きている?」

「その辺については、足立とかいう逃げた刑事に聞くのが最善だろう。もっとも……その足立も全てを知ってるとは限らないがな。私達のように」

 

 そう言ったのは、影時間の件で自分が幾月に騙されていたという経験があるからだろう。

 とはいえ、幾月の件について知っているのは、ここでは俺だけだ。

 美鶴にしてみれば、それこそ小さい頃から世話になってきた人物が裏切っていたという……桐条グループの恥部たる件については、とてもではないが言える事ではないだろう。

 

「つまり、結局のところ俺達で調べていくしかない訳だ。稲羽市でこれ以上殺人事件が起きるのは避けたいだろう?」

「当然だ」

 

 俺の問いに即座に、それこそ一瞬の躊躇もなくそう言う堂島。

 堂島にしてみれば、この稲羽市を守るというのは前提条件のようなものなのだろう。

 

「なら、堂島のやる事もシャドウワーカーとは違わないな。小西は……その手伝いといったところか?」

「えっと、でも……その、私は捜査とか、そういうのはちょっと……」

「別にシャドウワーカーの手伝いをするからって、捜査をやる必要はない。それこそ片付けとか、お茶の用意とか、食事の用意とか、そういう意味ではやるべき事は幾らでもある」

 

 天城屋旅館の従業員に頼めば、その辺はやってくれるだろう。

 だがそうなると、従業員がこの大広間に入ってくる事になる。

 そうして中に入れば、シャドウワーカーの重要な書類……それこそ部外者に見せる訳にはいかない書類とかを見られる可能性もある。

 あるいは問題のない書類であっても、シャドウとかペルソナとかマヨナカテレビとか、そういうのが書かれていると、従業員はシャドウワーカーというのはどんな存在なのかと思ってもおかしくはない。

 だからこそシャドウワーカーの使っている大広間にはあまり従業員は入れたくない。

 勿論、この天城屋旅館が老舗旅館である以上、掃除とかもしっかりとやる必要があるので、そういう時は書類をファイルに収納するなりする必要はあるが。

 ともあれ、そんな時のようにどうしても必要ではない限り、出来れば美鶴としては部外者をこの大広間に入れたくない筈だ。

 そういう雑用とか細々とした仕事を小西がやってくれるのなら、美鶴としても歓迎だろう。

 シャドウワーカーの面々も……小西はどちらかと言えば美人だし、そんな相手に細々とした世話を焼いて貰えるのなら、男の中にはやる気を出す奴はいる筈だ。

 もっとも、小西本人は堂島に好意を抱いているようだが。

 

「じゃあ、やります」

「……頼んだ私が言うのもなんだが、そんなに簡単に引き受けてもいいのか?」

「はい。その……そうでもしないと、ちょっと怖いですし」

「ああ、なるほど。君は一般人だったな。それがTVに入れられそうになるという体験をしたのだ。怖がってもおかしくはない」

 

 なるほど、つまり小西は何もしないでいれば足立にTVの中に入れられた時の事を思い出して怖くなってしまうので、それなら動いていた方がいいという事か。

 あれだな。小西に言えばきっと怒りそうだが、失恋したから黙っているとその時の事を思い出すので、とにかく動いていたいとか。そんな風に思える。

 そう思ったのは、小西と堂島の関係を見ていたからか。

 

「はい。……なので、仕事があれば助かります。ジュネスでバイトとかもしてたので、それなりに細かいところには気が利くと思いますし」

 

 この場合、ジュネスでのバイトというのはあまり意味がないと思うんだが。

 そんな風に思っていると、シャドウワーカーの中でも女の隊員から小西は仕事について聞いている。

 とはいえ、小西がやる仕事はさっきも言ったように雑用が主になるんだろうが。

 

「それで、堂島はこれからどうするんだ? シャドウワーカーとの橋渡し役をするって事だったが、堂島も天城屋旅館に泊まるのか?」

「いや、家に帰るよ。娘と……甥が1人、現在俺の家に居候中だからな」

「そう言えば子供がいるって言ってたな。それにプラスして甥もいるのか?」

「ああ、姉の子供でな。ちょっと事情があって暫くうちで預かる事になった。……稲羽市に来てまだ数日だってのに、こんな事件が起きるとは思わなかったよ」

「だろうな。普通に考えれば、まさか……いや、ちょっと待て。山野真由美の事件が起きたのと同じくらいに来たのか?」

「あ? ああ、そうだが。それがどうした?」

「……いや、何でもない」

 

 気のせいかもしれない。

 だが、タイミングとしては妙に合う。

 もしかして……本当にもしかしての話だが、実は堂島の甥って今回の事件の原作の主人公だったりしないか?

 何の根拠もないが、山野真由美の事件が起きるのと前後してやって来たというのは、どうしても怪しく思ってしまう。

 これは後で美鶴と相談した方がいいな。

 美鶴も影時間の時、有里が転校してきたのを切っ掛けとして、ニュクスや影時間の件が大きく動いたというのは知ってるので、堂島の甥の件も全くの無関係とは言い切れないだろう。

 もっとも、ニュクスの件そのものは美鶴が子供の頃から影時間が存在していたし、聞いた話によると有里が転校する前に元ボクシング部のマネージャーがニュクスに関わる何らかの件に巻き込まれたらしいから、有里が転校してくるより前に事態はそれなりに動いていた。

 それと比べると、稲羽市の件は堂島の甥が転校してきてすぐに山野真由美が殺されたということで、ニュクスや影時間の件とは色々と違うのだが……原作が存在するという事を考えれば、それこそ全く同じ始まり方でなくてもおかしくはない。

 また、単純に表に出てこないだけで、実は以前からシャドウに関する何らかの騒動が続いていたという可能性も十分にあるから、絶対とは言えないが。

 

「アクセル」

 

 俺の様子を見ていた美鶴が、何かを感じたのだろう。

 視線で後で聞かせるようにと言ってくる。

 それに頷いてから、俺は改めて堂島に言う。

 

「それにしても、子供がいて甥を引き取って……堂島の奥さんは大変そうだな。特に小さい子供の世話は大変らしいし」

 

 ビクリ、と。

 俺の言葉に小西が反応する。

 そして堂島に向けられる視線には複雑な感情が宿っているが……

 

「いや、あいつ……妻はもういない」

 

 感情があまり感じさせないような声でそう言う。

 具体的に何があったのかは分からない。

 浮気して、その相手と出て行ったのか。

 病気で死んだのか。

 あるいは堂島が刑事という事で、堂島に恨みを持った相手に殺されたのか。

 その辺は分からないが、とにかく堂島の妻がいないというのだけは明らかだ。

 けど、そうなると車の中で子供は小さいと言っていたと思うんだが、その辺はどうなんだろうな。

 子供が小さいとはいえ、5歳くらいと10歳くらいで大きく違う。

 あるいは幼稚園とかそういう場所に預けているのか。

 もしくは堂島の父親、子供にしてみれば祖父や祖母の手を借りているのか。

 その辺はちょっと分からないが……ああ、でも甥が来たという話だったし、今はそっちに任せてるのか?

 ただし、個人的にはその甥が今回の一件の主人公である可能性が高く……うーん、悩みどころだな。

 とはいえ、本当に主人公なのかどうかは会ってみないと分からない。

 いや、実際に会ってみてもすぐに分かるといった事はないか。

 相手が主人公だと分かるのなら、X世界でもガロードとジャミルのどっちが主人公なのかであそこまで迷わなかったし。

 けど、そうだな。有里の件を思えば、もし堂島の甥がペルソナ使いで、しかも複数のペルソナを使いこなせるとなれば、主人公で決まりのような気もするが。

 

「あ、その……ごめんなさい」

「何でお前が謝るんだ?」

 

 何故か自分に謝った小西に、堂島が不思議そうな視線を向ける。

 多分だけど、小西にしてみれば堂島の妻がもういないことを喜ぶと同時に、そう思ってしまった自分が許せなかったとか、そんな事だろうな。

 あくまでも予想だが。

 このままにしておくと小西もよりショックを受けそうなので、話題を変えるか。

 

「堂島の甥はともかく、子供が小さいのなら小西と同じように足立に狙われる可能性はないのか?」

「ないとは言わんが、可能性としては低いと思う。もっとも、これは足立を知ってる俺の勘だがな。……とはいえ、足立がTVに入る能力を持つとは思っていなかったから、そういう意味では俺の勘も決して当たってる訳でもないんだろうが」

 

 堂島の言葉には少し自嘲の色がある。

 自分の相棒について分からなかったことが、かなりショックだったのだろう。

 そんな堂島の様子を見ながら、俺は美鶴に視線を向けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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