転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3594話

「さて、アクセル。それで一体何に気が付いた?」

 

 美鶴が俺にそう聞いてきたのは、大広間ではなく俺と美鶴が寝泊まりをしている部屋だ。

 小西は既に大広間で雑用をやっており、堂島は稲羽署に連絡を入れている。

 そうして話について一段落したところで、美鶴は俺を引っ張って寝泊まりしている部屋に戻るや否や、俺にそう聞いてきた。

 どうやら大広間で色々と話をしている時に俺の様子を見ていたらしい。

 美鶴が常に俺に注目してるのは、喜ぶべきか悲しむべきか。

 とはいえ、美鶴がこうやって聞いてきた以上は俺も特に隠すつもりはない。

 

「気が付いたというか、あくまでも予想だ。それこそ実は全く見当違いの予想だったり、偶然であったりする可能性もある。あくまでも俺が思いついた事でしかないが、それでも聞くか?」

「聞こう」

 

 美鶴は即座にそう決断する。

 その決断の早さは褒められるべきなのだろうが、同時にもう少し考えた方がいいんじゃないか? とも思う。

 

「少しは考えた方がいいんじゃないか?」

「構わん。アクセルの予想なのだろう? であれば、ほぼ確実だろうし……もしそれが間違っていても、何かを決める時の参考にはなる」

 

 そう言われると、俺としても話さない訳にはいかない。

 

「繰り返すが、あくまでも予想だからな。……堂島の甥が稲羽市に来たそのタイミングで、山野真由美が殺された。タイミング的に考えると、その甥が何らかのキーになった可能性もある。つまり、堂島の甥はこの件に関係する何かを持っている。……もっと言えば、もしかしたらペルソナ使いの可能性が高い。それもただのペルソナ使いではなく、有里と同じように複数のペルソナを使えるかもしれない」

 

 そう言った瞬間、美鶴の表情は真剣なものになる。

 そんな美鶴の様子を見つつ、自分でも今の予想には少し無理があるかもしれないなと思う。

 具体的には、山野真由美の死体が出て来たのは堂島の甥が稲羽市に来てからすぐだが、山野真由美が行方不明になったのはもっと前だという事だ。

 つまり、実際には堂島の甥が稲羽市に来る前から既に事件は始まっていた訳だ。

 まぁ、それでも死体が出て来たからこそ事件が始まったと思っても間違いはないのかもしれないが。

 

「一応聞くが、何らかの確信がある訳ではなく、それはあくまでもアクセルの予想なのだな?」

「ああ。最初にも言ったが、あくまでも俺の予想だ。もしかしたら全く違う……堂島の甥がシャドウとかそういうのには全く関わっていない可能性も否定は出来ない」

「ふむ。そうなると一度堂島の甥とは会ってみた方がいいかもしれんな」

「それはいいけど、会ったからって相手がペルソナを使えるとか、そういうのは分かるのか?」

「どうだろうな。山岸であればもしかしたら分かるかもしれないが……」

 

 美鶴のアルテミシアも、探査能力が低い訳ではない。

 実際、山岸が仲間になるまでは美鶴が――その時はまだペンテシレアだったが――バックアップを担当していたのだから。

 ただ、それでもアルテミシアはやっぱり戦闘の方が得意なペルソナであるのは間違いない。

 それだけに、堂島の甥を見てもそれだけでペルソナ使いであるかどうかを把握するのは難しいだろう。

 あるいは、もし堂島の甥が俺の予想通り……いや、予想以上にペルソナ使いとしての才能があったりした場合は、もしかしたら美鶴もその能力を察知出来るのかもしれないが。

 

「そう言えば、堂島と小西には美鶴のペルソナを見せておいた方がいいんじゃないか? いつ足立が来るのか分からない以上、いざという時に美鶴がペルソナを召喚したら、それを見てパニックを起こす……といった事は出来れば避けたいし」

「ふむ、なるほど。それに私のペルソナを見れば、堂島の甥についてもペルソナ使いかどうか分かりやすくなるか。では……堂島はまだいる筈だな?」

「ああ、さっき警察署の方に連絡をするって言ってたし、緩衝役だけにもし警察署に戻るにしても、美鶴に何も言わないでということはない筈だ」

「では、大広間に戻るとしよう。幸い、大広間はかなりの広さを持つ。ペルソナを出すにも不自由はない」

 

 シャドウワーカーの面々は既に美鶴を……それ以外にもニュクスの一件に関わった面々がペルソナ使いであるというのを知っている。

 そうである以上、ペルソナを見ても驚く事はない。

 ……まぁ、ペルソナが危険な存在であるのは間違いない。

 そういう意味では、いきなりペルソナを召喚するというのは、いきなり銃火器を取り出すのに等しい事だったりするのだが。

 ただ、そういう力を持っていると堂島や小西に見せる必要がある以上、実際にペルソナを出す必要がある。

 何しろ言葉だけでは到底納得出来ない現象がペルソナなのだから。

 足立のTVに入るという能力が特殊なのは間違いないが、ぶっちゃけペルソナとどっちが特殊なのかと言われれば……恐らく大半がペルソナの方が特殊だと言うだろう。

 もっとも、このペルソナ世界において足立は今回の事件のキーマンだ。

 小西の色香に迷い、強引に迫った事を考えると、とてもではないがラスボスとは思えないが、それでも中ボス……あるいは小ボスくらいではあってもおかしくはなく、そうである以上はペルソナ使いであっても間違いない。

 というか、小西に強引に言い寄ってそれを断られて頭にきてTVに入れようとしたという事は……まさかだが、実は山野真由美にも警察の立場を利用して言い寄って、それで小西と同じように断られたのでTVの中に入れたとか、そういう事じゃないよな?

 こうして集めた情報からすると足立の小物臭さが非常に目立つので、何だかそういう可能性があってもおかしくはないような気がする。

 足立がペルソナを使うかもしれないという件については……そうだな。美鶴のアルテミシアを見せて、小西と堂島が落ち着いてから教えてもいいか。

 そんな風に思いつつ、俺は美鶴と共に大広間に戻る。

 すると途中で俺達の部屋がある方に向かって歩いてくる堂島の姿を見つける。

 どうやら向こうもこっちに用事があったらしい。

 

「どうした?」

 

 美鶴の問いに、堂島は少し考えてから口を開く。

 

「実はこっちでの用事が一段落したら戻ってくるように言われてな。それでこっちでまだ用事があるかどうかを聞こうと思ったんだが」

「ふむ、丁度いい。私もお前に……正確には小西にもだが、用事があった。少し見せたい、そして話したい事がある」

「……まだ何かがあるのか?」

 

 うんざりしたといった様子で呟く堂島。

 無理もないか。

 堂島にしてみれば、今日は自分の常識が根本から壊れるようなことばかりあったのだから。

 常識人の堂島だけに、今日の精神的な疲労はかなりのものだろう。

 あるいはコンビを組んでいる足立の一件を考えると、それこそ忙しい方がいらないことを考えなくてもいいと思っているのかもしれないが。

 

「そうだ。シャドウについて……それをどうやって倒すのか、そして何故私がシャドウワーカーを率いているのか。それについてもしっかりと見せておいた方がいいと思ってな」

「それは、あんたが桐条グループの令嬢だからじゃないのか?」

「それもないとは言わんが、それ以外にもきちんと理由はある」

「……つまり、その理由を教えてくれると?」

「そうだ。これについては言葉で説明しても分からないだろうからな。実際にその目で見なければ理解出来ん」

 

 美鶴の言葉を聞いた堂島が俺に視線を向けてくる。

 本当かどうか、俺の反応を見て確認するつもりなのだろう。

 あるいは単純に美鶴の言葉を信じてもいいのかどうか疑問に思っているのか。

 その辺については生憎と分からないが、とにかく堂島が美鶴の言葉について素直に信じておらず、疑問を抱いているのは間違いない。

 

「取りあえず見てみれば分かるだろうし、心配はいらないと思うぞ? それに……もしかしたら……いや、これは後で話した方がいいか」

 

 堂島の甥もペルソナ使いである可能性があると言おうとしたものの、止めておく。

 その言葉を堂島が素直に受け入れるとは思えなかったからだ。

 ペルソナを直接見たら、気持ちは変わるかもしれないが。

 

「分かった。どうせ俺の常識は通用しなくなってるんだ。そうである以上、お前さん達の行動に巻き込まれてみるのもいいさ」

 

 覚悟を決めたのか、もしくは諦めたのか。

 まさかこっちの行動を未だに疑っているとか、そういう事はないと思うが。

 とにかく堂島はそう言うと、大広間に向かう。

 俺と美鶴もその後を追い、やがて大広間に到着すると……

 

「うん、そうそう。纏め方が上手いね。こういう仕事の素質あるよ」

「そうですか? だといいんですけど」

 

 ……うん。まぁ、こういう風になるとは半ば予想はしていた。

 何しろ小西は、言っては悪いが稲羽市のような田舎にいるとは思えないような美人だし。

 そんな美人の女子高生が世話をしてくれるのだから、鼻の下を伸ばす奴がいてもおかしくはない。

 おかしくはないが、周囲から自分がどんな風に見られているのかは気にした方がいいと思う。

 大広間に残っているのは男だけではなく女もいる。

 そんな女達の冷たい視線が小西と話していた男に向けられているが、本人は気が付いているのかいないのか。

 いや、あれは完全に気が付いていないな。

 しかも美鶴が来たのにも気が付いてはいない。

 何人かは、大広間に俺達……というか美鶴が入ってきたのを見て、慌てて仕事に戻っているのだが。

 だが、小西に鼻の下を伸ばしている男はそんな周囲の様子に気が付かず……

 

「ほう、随分と仕事を教えるのが上手いようだな」

 

 ビクリ、と。

 小西に鼻の下を伸ばしていた男は美鶴の声を聞いた瞬間、その動きを止める。

 そしてギギギと、まるで錆び付いた人形が首を動かすようにして美鶴を見ると……その顔に笑みを浮かべる。

 それは面白いから笑ったといった笑みではなく、どうしようもないから笑みを作るしかなかったと、そんな笑み。

 男の様子を見ていた周囲の者達……その中には先程まで冷たい視線を向けていた女も入っていたが、そんな全員が男に哀れみの視線を向ける。

 とはいえ、だからといってその男に制裁を加える……処刑をしようとしている美鶴を止めようとする者はいなかったが。

 何しろ美鶴の処刑だ。

 もしここで下手に止めるような事をした場合、それこそ止めた者も処刑に巻き込まれる危険があった。

 それを理解しているからこそ、ここでどうにかしようとは思わなかったのだろう。

 ちなみにそれは俺も同じだ。

 今のような状況で美鶴を止めようとした場合、それこそ俺にまで被害が来る可能性があるのだから。

 堂島も今の美鶴を下手に止めたりするのは危険だと刑事の勘で判断したのか、そっと数歩だけ後ろに下がる。

 その判断は正しいのかもしれないな。

 

「アクセル」

 

 そう言い、俺に手を伸ばしてくる美鶴。

 それが何を意味しているのか……そして何をする為に俺達がここに来たのかを考えれば、美鶴が何を欲しているのかは明らかだ。

 とはいえ、ここで美鶴が欲している物を渡してもいいのかどうか、一瞬迷う。

 ただし、迷ったのは本当に一瞬だけだったが。

 どうせならこのままの勢いに乗った方がいいと判断し、空間倉庫の中からペルソナ召喚用の拳銃を取り出す。

 

「おい!?」

 

 その拳銃……正確には拳銃の模型なのだが、それを見た堂島は驚きの声を上げる。

 堂島は刑事だけに、拳銃型の召喚器を見て過敏に反応したのだろう。

 ちなみに小西の方も堂島の声で召喚器を手にした美鶴を見て、驚きの表情を浮かべていた。

 幸いだったのは、召喚器の形状に衝撃を受けた堂島や小西は俺が空間倉庫から召喚器を取り出したのに気が付かなかった事だろう。

 普通に考えれば、召喚器を持っていれば非常に目立つ。

 それこそポケットとかに入れていれば、一目で分かるだろう。

 あるいは刑事とかのようにホルスターに入れておけば……まぁ、その場合でも微妙に重心に違和感があったり、身体の動かし方とかで見抜ける奴は見抜けるんだが。

 ともあれ、空間倉庫について知られなかったのは……いや、別に空間倉庫とかについては、もう知られてもいいのか。

 ペルソナについて知らせるんだから、俺の能力についても、全てではないにしろ、ある程度は話しても問題はないだろうし。

 もっとも、今はまだ召喚器の形状に驚いているので、とてもではないが俺の空間倉庫について思い当たったりはしていないが。

 

「お前が何を心配しているのかは分かるが、そのような事にはならん。何故なら……」

 

 堂島に向かってそう言い、美鶴は召喚器の銃口を自分のコメカミに向ける。

 

「おいっ!」

 

 それを見て余計に叫ぶ堂島。

 堂島にしてみれば、それこそ美鶴が自殺しようとしているようにしか思えないのだから、そんな風に言うのも無理はない。

 小西は既に何が起きるのかを予想しており、口元に手を当て、成り行きを見守るしか出来ない。そして……

 

「ペルソナ!」

 

 その短い叫びと共に、美鶴は召喚器のトリガーを引くのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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