転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3595話

 ペルソナ。

 そう短く叫び、美鶴は召喚器のトリガーを引く。

 堂島は美鶴が自分のコメカミに召喚器……拳銃の銃口を当てたのを見て、その行動を止めようとしたものの、一歩遅かった。

 その辺は美鶴が自殺しようとしているように見えたのに、全く躊躇せず……それどころか、慣れているようにスムーズに動いたからというのが大きいのだろう。

 普通、自殺しようとする者は躊躇う。

 本人にその自覚がない場合もあるが、それでも自分の頭部を撃ち抜くと考えた場合、無意識にでも躊躇うのが普通なのだ。

 もっとも、世の中には他人を殺すどころか自分を殺すのも躊躇わないような者もいるが、そのような者は基本的に例外だ。

 当然だが、美鶴はそんな例外ではない。

 それでもこうして自分のコメカミに向けてトリガーを引いたのは……

 

「な……」

「え……」

 

 次の瞬間、目の前で起きた光景が理解出来なかったのか、堂島と小西の口からそんな声が漏れる。

 堂島にいたっては、美鶴の自殺を止めようしていたのか美鶴の方に踏み出しかけていた事によってバランスを崩しそうにすらなっていた。

 とはいえ、そこまで驚いているのはペルソナを初めて見る堂島と小西だけで、他の面々……シャドウワーカーに所属する者達はそこまで驚きはしていない。

 唯一、小西を相手に鼻の下を伸ばしていた男がアルテミシアを前に恐怖で身体を強張らせていたが。

 アルテミシアは、美鶴のペルソナらしく女の形をしたペルソナだ。

 特徴的なのは、左手に持つ……あれは何と表現すればいいんだ? 九節棍とかの発展系というか、そんな感じの武器を持っている事か。

 もっとも、アルテミシアは目の前の男を相手にそんな武器を使う様子を見せなかったが。

 何も武器を持っていない右手を伸ばし……デコピンを放つ。

 デコピンと聞けば、普通なら少し痛いといった程度の感想だろう。

 だが、アルテミシアはペルソナだ。

 しかもただのペルソナではなく、影時間の件で戦い抜いた強力なペルソナだ。

 そんなアルテミシアのデコピンは、男を数m吹き飛ばすには十分な威力を持っている。

 それでも美鶴が……アルテミシアが得意としているブフ系の魔法を使われなかったのは、吹き飛んだ男にとって幸運だったのだろう。

 美鶴にしても、小西に鼻の下を伸ばしていた男にそこまで本気で処刑をするつもりではなかったという事なのだろう。

 あくまでも堂島と小西にペルソナという存在について教える為に、今のように見せたのだ。

 また、ここが俺と美鶴の泊まっている部屋ではなく大広間なので、男が数m吹き飛んでも周囲に被害がないというのも、美鶴にとっての狙いだったのだろう。

 そうして男が吹き飛んだところで、アルテミシアは姿を消す。

 ペルソナの欠点は、長時間ペルソナを出し続けるのが難しいという事だろうな。

 ペルソナ使いがその気になれば、ある程度長時間の召喚は可能だろう。

 だがそれでも、長時間……1時間とか2時間、10時間、1日……そんな風に長時間出しておくのは難しい。

 戦闘を行うという点で考えても、毎回ペルソナを召喚しないといけないというのは、それなりに面倒だ。

 面倒なだけではなく、相手に時間を与えるという意味でタイムロスにもなってしまう。

 とはいえ、それはもうペルソナ使いの宿命として考えるしかないな。

 そうしてアルテミシアが消えたところで、美鶴は驚きのあまり固まっている堂島と小西に視線を向けて口を開く。

 

「これがペルソナだ。シャドウ……足立が入ったというTVの中の空間と関係があるだろうシャドウを倒す為の力」

「……それは……」

 

 美鶴の言葉に、堂島は何かを言おうとするも、結局言えない。

 堂島にしてみれば、目の前で見た光景はそれだけ驚きだったのだろう。

 足立が小西をTVの中に入れようとしたり、足立本人がTVの中に入った光景を見てはいるのだろうが、それでもペルソナは圧倒的な存在感があった。

 いやまぁ、美鶴のペルソナは最初ペンテレシアという存在だったが、それが強化されてアルテミシアになったんだから仕方ないか。

 こういう表現はどうかと思うが、言わばアルテミシアは第2段階のペルソナと呼ぶべき存在なのだから。

 

「繰り返すようだが、このペルソナがあって初めてシャドウとまともに戦う事が出来る。つまり、足立を追うにはこの力が必要な訳だ。……もっとも、まずはTVの中に入れるようにする必要があるのだが」

「そっちは俺の方で何とかなりそうだ。実際、稲羽署で俺が手を伸ばしたらその手がTVの中に入ったし」

 

 ただTVに手を伸ばした訳ではなく、手に魔力を纏った状態で初めてそういう事が出来るようになったのだが。

 

「ペルソナ……か。それを俺達に見せた理由は何だ?」

 

 さすが刑事と言うべきか、あるいは足立の能力をその目で見たからか、堂島はすぐに我に返ってそう聞いてくる。

 堂島にしてみれば、何故自分に……ペルソナの使い手でもないだろう自分にわざわざ見せたのかと、そんな疑問を抱くのはおかしな話ではない。

 

「先程も言ったように、足立がこのペルソナを使える可能性が高い……いや、ほぼ確実だろうと思えるのが1つ。そしてもう1つは……」

 

 そこで一旦言葉を切った美鶴は俺に視線を向けてくる。

 このまま話を続けてもいいのかどうか、それを疑問に思ってるのだろう。

 とはいえ、ここまで話した以上は堂島の甥についても話しておいた方がいいのも事実。

 それに堂島の甥がペルソナ使いであるというのは、あくまでも今のところの予想でしかない。

 それをここで言ってもいいのかどうか、そう美鶴が疑問に思ってもおかしくはなかった。

 とはいえ、だからといっていつまでも隠し通せるものではない。

 実際に会ってみれば分かりやすい……かもしれないが、そもそもどういう理由で堂島の甥に会いたいと言えばいいのか。

 その辺について考えても、やはり言った方がいいのは間違いないだろう。

 そう判断し、俺は途中で止めた美鶴の言葉を続ける。

 

「これは恐らく、本当に恐らくの話だが……もしかしたら、お前の甥も美鶴と同じくペルソナ使いの可能性がある」

「何……? ちょっと待ってくれ。一体何で悠の奴がそのペルソナ使いなんだ?」

「悠、それがお前の甥の名前か」

「そうだ、鳴上悠。それが俺の甥の名前だ。それで、悠が何故ペルソナ使いという事になる? 悠の奴は数日前に稲羽市に来たばかりだ。この事件には関係ない筈だ」

「そう思いたいのは分かるし、一般的に考えればそういう結論になるのも理解出来る。だが……これはそう、こういう表現はあまり好みじゃないが、運命とでも呼ぶべきものだ」

「待て、運命だと? 一体何を言ってる?」

 

 実際には、話の流れからもしかしたら堂島の甥……鳴上悠という人物がこのマヨナカテレビの件の主人公ではないのかと疑ってるだけなのだが、原作云々といった話を堂島に出来る筈もないし、そんな話をしても決して納得しないだろう。

 なら、少し分かりにくいかもしれないが運命という事にしておいた方が手っ取り早いのは事実。

 それで堂島が納得するかどうかは……今の堂島の様子を見れば明らかだが。

 

「お前が運命という言葉に納得したくないのは分かる。安心しろと言っても安心出来ないかもしれないが、あくまでもその可能性だ。実際に見てみないと何とも言えない」

「……違う可能性もあると?」

「俺の考えすぎならな」

 

 一応そうは言うものの、話の流れや鳴上という人物の状況、そして何よりこの世界の原作について考えると、ほぼその鳴上がこの世界……いや、今回の一件の主人公で間違いないと思う。

 その辺についてはあまり簡単に口に出す事は出来ないから、こういう風に言うしかなかったが。

 

「悠に会えば分かるのか?」

「悪いが確実にとは言えない。もしかしたら分かるかもしれないが、分からないかもしれない。……美鶴が実際にペルソナを使って見せれば、それに対応してお前の甥もペルソナを出す可能性はあるが」

「だが、悠にはあの拳銃……そうだ、拳銃だ。あの拳銃は何なんだ?」

「これは召喚器。ペルソナを召喚する為に必要な物だ」

 

 そう言い、美鶴は召喚器を堂島に渡す。

 堂島はそれを受け取り、召喚器を調べ……

 

「これは……銃口が塞がっている?」

「そうだ。この召喚器はあくまでもペルソナを召喚する為に必要な補助器具だ。弾丸は入っていないし、そもそも銃口は樹脂で塞がれている」

「……補助器具ってのは分かったが、何でわざわざ拳銃の形を?」

 

 拳銃そのものは本物だったが、銃口も塞がれ、銃弾も入っていない事に安堵したのか、堂島は美鶴に召喚器を返す。

 それを受け取った美鶴は、その召喚器を手にしながらその問いに答える。

 

「ペルソナを召喚するには、擬似的にであっても死を体験する必要がある。その為の召喚器が拳銃型になったのだ。もう少し詳しい説明をしてもいいが、専門知識がなければ色々と分からないことが多いが、どうする?」

「いや、いい。そういうのを聞かされても、俺には分からないだろうし。だが……擬似的な死か」

 

 擬似的な死という表現に眉を顰める堂島。

 まぁ、刑事の堂島にしてみれば、擬似的であっても死という風に言われるのは面白くないのだろう。

 

「面白くないのは分かる。だが、これは必要な事だと理解して欲しい」

「分かった。いや、納得した訳ではないが、今ここでその話をしても意味がないのは分かった。しかし、悠の奴はこの召喚器とかいうのは持ってないぞ?」

 

 なら、ペルソナを使えないのではないか。

 そう微かな期待を込めて尋ねる堂島に、しかし美鶴は首を横に振る。

 

「この召喚器は擬似的な死によってペルソナを召喚しやすくするものだ。だが同時に、人によっては召喚器がなくてもペルソナを召喚出来たりもする。……かなりの難易度だがな」

「そういうものか」

 

 堂島は美鶴の説明に納得するしかない。

 もし美鶴の言葉が嘘であっても、今の堂島にそれを見破る方法はないのだ。

 そうである以上、何か言い返す事は出来ない。

 もっとも、俺は美鶴の説明が事実だと知っているし、こういう時に嘘を言う性格ではないとも知っているが。

 とはいえ、これはあくまでも俺が美鶴と付き合っていて、その性格の深い場所まで知っているからこそだ。

 堂島にしてみれば、美鶴との付き合いは非常に短く、その言葉の全てを信じるような事は出来ない。

 

「なら、アクセルもその召喚器というのを使わないとペルソナを召喚出来ないのか?」

「は?」

 

 堂島の口から出た言葉に、美鶴の口からそんな声が漏れる。

 いつもの美鶴なら、とてもではないが出さないような、そんな声。

 けど……あー、そうだな。

 堂島の立場で考えれば、そんな風に思ってもおかしくはないか。

 堂島は俺が異世界や並行世界、パラレルワールドといったような世界から来た事を知らない。

 つまり堂島にしてみれば、美鶴の仲間である俺もペルソナ使いのように思えたのだろう。

 一応堂島や小西には影のゲートを見せたものの、あるいは影のゲートもペルソナによる何らかの能力といったように考えてもおかしくはない。

 さて、どうするか。

 一応誤魔化そうと思えば、それなりに誤魔化せはするんだよな。

 俺の影には刈り取る者がいて、それを呼び出せばいい。

 基本的にペルソナというのは、シャドウと同種の存在だ。

 そういう意味ではシャドウの刈り取る者もまた、ペルソナの仲間だと……かなり無理はあるが、言って言えない事もない。

 召喚の契約で俺の血を飲んで、半ばシャドウとは違う存在になっているが。

 とはいえ、それでもシャドウはシャドウ。

 俺のペルソナという事にしてもおかしくはない……おかしくはないが、問題なのは刈り取る者の発するプレッシャーが凄い事だろう。

 堂島なら、あるいは何とか耐えられるかもしれない。

 だが、ここには小西もいる。

 ……シャドウワーカーの面々もここにいる以上、その中には刈り取る者のプレッシャーに耐えられない者もいるだろう。

 シャドウワーカーはシャドウについて知っているのは間違いないものの、事務仕事専門の者とかもいる。

 そういう連中が刈り取る者を見た場合、一体どうなるか。

 もしかしたら刈り取る者のプレッシャーによって秘められた才能が開花するといった可能性もない訳ではないが、だからといってそんな低い可能性に期待する訳にもいかないだろうし。

 取りあえず見せない方がいいのは間違いないか。

 

「俺のはペルソナとはちょっと違う。召喚魔法という奴だ」

「……召喚魔法?」

「ああ。召喚の契約をする事によって、いつでも召喚が可能となる。そういう召喚モンスターを三匹持っている」

 

 自分をモンスター扱いされたと聞けば、狛治はどうするだろうな。

 怒るか?

 いや、狛治の性格を考えれば特に気にしないような気がする。

 

「モンスターって……そういうのもいるのか?」

「世の中には堂島が知らないような事も多いのは間違いないな」

 

 もっとも、このペルソナ世界にシャドウ以外のモンスターが普通に存在してるのかどうかは分からないけどな。

 そんな風に思いつつ、俺は堂島や小西との会話を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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