結局、堂島や小西と話した結果として、堂島の甥の鳴上悠に一度直接会ってみるという事になった。
堂島にしてみれば、自分の甥が運命か何かは分からないがペルソナ使いではないという思いがあるのだろう。
あるいはそうであって欲しいという願いからの言葉か。
ともあれ、堂島の家に行く事になったのだが……
「今の時間だと、まだ悠の奴は学校が終わってないんじゃないか?」
もう午後なので、そろそろ授業も終わっていい筈なのだが、堂島がそう言う。
にしても……まだ午後なんだな。
俺が稲羽署に行って足立が小西をTVに入れようとしているのを見たのが、午後になってからだったと思えば、今日だけで一体どれだけの出来事が起きたのかという事になる。
「そう言えば、堂島さん。その堂島さんの甥ってどこの学校に行ってるんですか?」
小西のその問いに、堂島は特に考える様子もなく答える。
「八十神高等学校だよ」
「あ、じゃあ私と同じ高校ですね。もしかしたら、顔を知ってるかも」
「いや、転校したばかりだし、そういう事はないと思うぞ」
実際、転校してから数日……しかも小西は山野真由美の死体を見つけるといったような事があったのを考えると、堂島の甥の鳴上の顔を見た事がなくてもおかしくはない。
ただ、小西にしてみれば堂島と話をしたいのでそういう風に言ったのだろうが、それを一刀両断にされた形だ。
それだけに少し落ち込んだ様子を見せる。
堂島はそんな小西の様子に少し戸惑った様子を見せたものの、話を進める。
「それで、悠に会うという話だったが、どういう理由でだ? 俺が言うのもなんだが、俺があんた達と知り合ってるというのは、色々とおかしいだろうし」
「ふむ……」
堂島の言葉を聞いた美鶴は、俺と小西に視線を向ける。
「アクセルとなら、そんなにおかしくはないのではないか? 年齢的にも」
美鶴の言うように、現在の俺の外見年齢は20代だ。
言ってみれば逃げた足立と同じような年齢だろう。
そういう意味では、足立とコンビを組んでいた堂島が俺と一緒にいるのは、そんなにおかしくはない……か?
「俺はそれでいいけど、美鶴はどうする?」
「決まっているだろう。私はアクセルの恋人として行動する。……何も問題はないと思うが? それとも何か問題があるか?」
「いや、美鶴がそれでいいのなら構わない。ただ、雑誌記者とかそういうのは……まぁ、そこまで心配しなくてもいいか」
「そうでもない。猟奇殺人があった以上、メディアが取材に来たりするのは珍しくはない。そのような者達に見られると、最悪雑誌に載るかもしれん」
「構わん。そうなったらそうなったで成り行きに身を任せればいいし、ある事ない事を書くような雑誌記者がいた場合、こちらで手を回す」
この場合の手を回すというのは、桐条グループの力を使うという事だろう。
日本でも有数の実力を持つ桐条グループだ。
雑誌記者の1人や2人……それどころか、その雑誌を作っている会社の1つや2つ、圧力を掛けるのは容易だろう。
桐条グループの影響力を考えると、それこそスポンサーから抜けたり、その雑誌系列の会社との付き合いを考えると言えば、それだけで最悪会社が潰れてもおかしくはない。
桐条グループがそこまでやるかといった問題はあるが。
「あー……うん。くれぐれも穏便にな」
ちょっと意外だったのは、美鶴の言葉を聞いた堂島がその程度しか言わなかった事だろう。
堂島の性格を考えれば、もっと強く止めてもおかしくはないと思ったんだが。
もしかしたら、堂島もメディアに対して何か思うところがあるのか?
「メディア対策の件についてはともかくとして、俺と美鶴が堂島の甥に会いに行くにも、何らかの理由が必要だろう? それとも、ただ遊びに来ましたとか、そんな風にするか?」
「あ、じゃあ、私がその……堂島さんの子供に会いたいからというのはどう?」
俺の言葉にそう口を挟んできたのは、予想外な事に小西。
……いや、でもよく考えてみればそんなに予想外って訳でもないのか?
小西にしてみれば、堂島の家に行く絶好のチャンスだ。
そのチャンスを逃すといったような事は、とてもではないが恋する乙女として出来なくてもおかしくはない。
うん、もう今の小西は恋する乙女と言っても間違いではないと思う。
ただ、個人的な予想なんだが、小西のその恋が成就する可能性は……ないとは言わないが、それでも相当無理筋だろうが。
そんな訳で小西は少しでも堂島にアピールをしたいのなら、俺がそれを止めるという事はしない方がいい。
「俺はそれで構わないけど、美鶴と堂島はどうだ?」
「私はそれが理由で構わん」
「菜々子は喜ぶと思うが、いいのか?」
堂島は不思議そうに小西に言う。
堂島にしてみれば、小西が一体何故自分の娘に会いたいと思っているのか分からないのだろう。
多分……将を射んと欲すればまず馬を射よって奴なんだろうな。
小西にしてみれば、堂島を諦めるつもりがない以上は外堀から埋めようとしてるのだろう。
「じゃあ、今日……そうだな、もう数時間で夕方になるし、そのくらいになったら堂島の家に顔を出してみるって形でどうだ?」
俺の提案に反対する者はおらず、全員がそれに頷く。
「そうなると、俺は一旦稲羽署に戻って色々と報告をしてくる。それが終わったらまたここに戻ってくるから、それから家に行くとしよう」
「分かった。じゃあ、頑張ってきてくれ」
上司に一体どんな報告をするのか、若干気になるところではある。
ただ……
「ペルソナについて説明するのは止めた方がいいと思うけどな」
「信じて貰えないか」
「それはそうだろう。実際、堂島も自分の目で見るまでは信じなかった筈だ。TVの中に入るという足立の能力を見ても、ペルソナについて信じられるとは思えない。あるいは信じたと口では言うものの、内心では信じないとか。それどころか、馬鹿にするといった可能性もある」
「なら、一度稲羽署の者達にも見せた方がいいんじゃないか?」
「見せれば見せたで、妙に噂が広がる事になるかもしれない。そうなれば面倒な事になるのは間違いないだろう。ここだけの話というのは、そういうものだろう?」
「ぐ……それは……」
堂島にも思い当たる事があったのか、美鶴の言葉に反論出来ない。
実際、ここだけの話という事で妙な噂が広がるというのは十分に有り得る事だ。
もしくは酒を飲んだ際に酔っ払って言うか、家族に何気なく話してしまうか。
そのような状況にならない為には、やはりペルソナについて報告しないのが最善なのは間違いなかった。
もっとも、警視庁のようにしっかりと情報漏洩について対策をしていれば話は別だが。
とはいえ、警視庁も絶対に安全かと聞かれると素直に頷けないのだが。
警視庁ですらそのような状況なのだから、田舎にある稲羽署ではその辺がもっと信用は出来ない。
「安心して欲しい。稲羽署の上層部はペルソナについて知らないが、警視庁の方ではきちんと認識している」
そう言う美鶴だったが、堂島は完全に納得した様子ではない。
稲羽署は自分が働いている場所である以上、そこを貶されたかのような美鶴の言葉が面白くなかったのだろう。
それでも反論をしなかったのは、足立の一件があったからか。
「話は分かった。面白くないが、ペルソナについては今は黙っておく。だが、それはあくまでも今だけだ。もし話す必要が出て来たらすぐに話させて貰う」
「それで構わない。もっとも、そのような事にならないのが最善の選択なのだがな」
美鶴の言葉を聞くと、堂島が大広間を出ていく。
小西はそんな堂島を見送ろうとしたのか、すぐその後を追った。
そうして大広間の中では、アルテミシアのデコピンによって吹き飛ばされた男がようやく起き上がる。
もっとも、別に気絶していた訳ではない。
場の雰囲気を壊さないように、そのまま動かないでいたのだろう。
……あくまでも俺の考えすぎで、実は本当に気絶していただけという可能性も否定は出来なかったが。
「さて、では仕事を進めるように。今は少しでも情報が欲しい。……それと、アクセル。TVの中に入れたという話だったが」
「正確には入れそうになっただな。ただ、TVに入るには相応の大きさがいる。具体的にはTVの中に入る者の身体が通れるサイズがな」
俺は最悪の場合、10歳くらいの小柄な外見に姿を変えられるので比較的小さなTVでも問題なく中に入れるだろう。
しかし、それはあくまでも俺だけだ。
俺以外の者がTVの中に入るとすれば、相応の大きさのTVが必要となる。
「分かった、用意しよう。いや、シャドウミラーの通信機で映像モニタを使うのはどうだ? マヨナカテレビが表示された以上、行けるのではないか?」
「まぁ、その方法もない訳じゃないけど」
実際、映像スクリーンは通信機の方で設定すればある程度大きさは変えられる。
最大にすれば、人が容易に中に入れる程度の大きさには出来る。
TVのサイズだと50型くらいなら余裕で大きく出来る。
そのくらいの大きさなら、普通に中に入る事も出来るだろう。
とはいえ、マヨナカテレビが映ったから中に入る事が出来るのかどうかは分からない。
分からない以上、試してみればいいか。
そんな訳で、大広間の中でも比較的周囲に何も物がない場所に移動してから通信機を使った映像スクリーンを空中に生み出す。
シャドウワーカーの面々の中には、そんな光景を見て驚きの表情を浮かべてる者がいた。……というか、全員がこっちを見ている。
ペルソナ世界だと、空中に浮かぶ映像スクリーンとかないんだろうし、当然か。
アイギスとかを作った桐条グループの技術力なら、同じような物を作れてもおかしくはないと思うんだが。
「行くぞ」
シャドウワーカーの面々は取りあえずそのままにして、美鶴に言う。
美鶴は通信機について知っているし、そもそも持っている。
空中に浮かぶ映像スクリーンを見ても特に驚いた様子を見せずに俺の言葉に頷く。
「頼む。ただ、無理はするなよ」
「分かっている。あくまでもこの映像スクリーンからでもTVの中に入れるかどうかを確認するだけだ。実際に中に入りはしないから問題ない」
そう言い、俺は手に魔力を込めて映像スクリーンに手を伸ばす。
……とはいえ、実際には俺のこの身体は魔力で作られている。
だからこそ、俺の身体には物理法則が効果を発揮しないのだから。
例えばただの拳銃で撃たれてもダメージがないとか、機動兵器に乗って普通に操縦した場合はGで骨折とか、最悪命を失うようなGを受けても全く問題ないとか。
そんな俺の身体なら、実際には殊更に魔力を込めなくても問題なくTVの中に入れそうな気もするが……まぁ、俺にとっては多少魔力を消費したところですぐに回復するし、問題はないか。
そんな風に思いつつ、手を伸ばしていくと……ズブリ、と。
影のゲートに身体が沈むのとはまた別の、それでいてどこか似ているような奇妙な感触と共に腕が映像スクリーンの中に入っていく。
それを見たシャドウワーカーの面々がざわめく声が聞こえてくる。
無理もないか。
シャドウワーカーの面々にしてみれば、こうして映像スクリーンの中に手を入れられるとは思ってなかったんだろうし。
普通に考えれば、映像スクリーンというのは空中に浮かんでいるものだ。
そこに手を伸ばせば、その映像スクリーンを通り抜ける。
だが、現在の俺の手は映像スクリーンに肘くらいまで右手を突っ込んでいにも関わらず、映像スクリーンの後ろからは突き出ていない。
それが俺の手が映像スクリーンの中に入っているという確かな……そしてこれ以上ない証拠だった。
「ふむ、なるほど。こうして見ると違和感があるな。映像スクリーンの中に入っている手はどんな感じなのだ? 何か特別な感じはあるか?」
こちらはシャドウワーカーの面々とは違って特に驚いた様子もない美鶴の問いに、俺はあっさりと答える。
「そういうのはないな。ただ、映像スクリーンの中に俺の手を引っ張ろうと……取り込もうとする力が働いている。普通の人間だと耐えられないで映像スクリーンの中に入ってもおかしくはない」
「何? ……いや、アクセルの様子を見る限りでは、その辺は問題ないのか。普通の人間とアクセルは違うしな」
「否定はしない」
そもそも混沌精霊の俺を普通の人間と呼ぶ事が基本的に無理があるのだ。
そうである以上、映像スクリーンの中に引っ張られるのを堪えるくらいは、そんなに難しい話ではない。
「だが、そうか。そうなると映像スクリーンの中についても色々と調べたいところだが、今は時間がないか」
「それこそ数時間程度じゃ時間は足りないだろうしな」
そう言いつつも、ちょっと映像スクリーンの中に顔を突っ込んで中の様子を見てくるくらいはしてもいいのでは?
そんな風に思ったが、映像スクリーンの中の様子がどういう風になってるのか分からない以上、もし迂闊に映像スクリーンの中に顔を突っ込んで、顔を引き戻せないという事になったら面倒だ。
手を突っ込んでも問題はないのだから、多分大丈夫だとは思うが……
念には念を入れて、俺は映像スクリーンから手を引き抜くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1820