俺と美鶴は、堂島に足立が稲羽署のTVから出てくる可能性があることを説明する。
すると堂島はすぐに頷き、稲羽署に電話を掛け始めた。
それを確認すると、俺もまた通信機を使ってホワイトスターに連絡する。
『援軍? アクセルがいるだけだと難しいの?』
レモンが不思議そうに聞いてくるものの、俺はそれに対して首を横に振る。
「いや、この場合は戦力というよりも人手が欲しいんだ。まさか炎獣を使う訳にはいかないし、量産型Wやコバッタとかを使う訳にもいかないだろうし」
『なるほど。……それでアクセルとしては誰を希望するの?』
「ルチルなんかがいいと思ってるんだが」
『ルチルは……ちょっと難しいわね。今はシャドウミラーに慣れるように頑張ってる最中だし。それにシャドウミラーに所属する者として、相応の力を持って貰う必要もあるわ』
「力という意味なら相応にある筈だろう?」
『力はあるわ。けど、それを使いこなしているかどうかとなると、また別でしょう? 魔術を含めて気や魔力といった諸々であったり、何より本人が戦いを好んでないから、護身術程度であっても相応の実力は持って貰いたいしし……何よりそういうのが終われば、すぐにでも政治班で働く予定になってるわ』
あれ? ルチルは政治班希望だったのか?
いやまぁ、シャドウミラーの政治班はその規模に比べて少数精鋭……どころか、少数すぎる精鋭とでも表現すべき状況だから、ルチルが政治班に入るのは悪い話ではない。
ニュータイプ能力を政治に使うと有益なのは、セイラがルナ・ジオンにおいて実証してるし。
そう考えると、ルチルが政治班に入るという意味は大きいのだろう。
それにX世界ではMSパイロットをしていたものの、ルチル本人は元々戦闘が嫌で、それによって精神崩壊になったのだ。
そう考えると、ルチルが戦闘を好まないというのは分からないでもない。
純粋にルチルの能力を考えれば、実働班で戦力として活動して貰うのがいいかもしれないが。
ただ、シャドウミラーの実働班は純粋に戦力という意味では十分に……いや、十分すぎるくらいに整っている。
実働班に所属している者達はそれこそ一騎当千といった実力の持ち主ばかりだし、メギロート、イルメヤ、バッタ、量産型Wの操縦するシャドウといった具合に、無人機や量産型Wの戦力が多数、それこそ数え切れないくらいにある。
カトンボのような無人艦や、その上位機であるヤンマもまた無人艦であったり、あるいは有人でも量産型Wやコバッタによって運用が可能だ。
また、いざとなれば精霊の卵というエルフ達の部隊もある。
……うん、こうして考えるとシャドウミラーの実働班って俺が言うのもなんだけどかなりの戦力なのは間違いないな。
ルチルがいれば戦力としては十分期待出来るのは間違いないが、別に無理にルチルを実働班に所属させなくてもいい訳だ。
「ルチルの件については分かった。だとすれば、人を派遣するのは難しいか?」
『うーん、そうね。こっちでも調整してみるわ。実働班からなら、何人か派遣出来ると思う。それに天城屋旅館という場所を拠点にしてるんでしょう? そういう老舗旅館でゆっくりと出来る機会だと考えれば、喜んでペルソナ世界に行く人も多いと思うわよ?』
「俺が言うのもなんだけど、一応今回の件はシャドウが出てくる可能性が高いんだが。それにTVを出入り出来るような妙な能力の持ち主もいるし」
『TVに、ね。話は聞いているけど、一体何がどうなってそんな事になってるのかしら?』
レモンにとっても、TVの中に出入り出来る能力というのは完全に予想外だったのだろうのだろう。
驚きとも感心ともとれない表情を浮かべている。
普通に考えれば、そんな能力は全くの理解不能だろうし当然か。
「レモン、もしかしてTVに出入り出来る能力を手に入れようとか考えてないよな?」
『どうかしら。入手出来たら面白いとは思うけど、恐らく……本当に恐らくだけど、その能力はペルソナに関係するものでしょう? だとすれば、私には入手出来ないんじゃないかしら』
レモンの言うように、今のところペルソナ世界出身の者しかペルソナは使えない。
そういう意味では、これもまたその世界独自の技術というか能力というか、そんな感じなのだろう。
一応俺は刈り取る者を従えているが、それはペルソナではなく、あくまでも召喚獣としてだし。
ちなみにその世界独自の能力という点では、例えばギアス世界のギアスがある。
一応……本当に一応の話だが、俺はスライムでマオを吸収する事によってギアスを習得した。
ただし、その世界特有の技術だった為か、もしくはギアスというのが個人の資質からくるものだからか、ギアスを習得したものの、そのギアスを使える事はなかった。
ネギま世界で最初に遭遇した魔法使いを吸収したことでネギま世界の魔法を使えるようになった以上、その世界独自の能力はスライムで吸収出来ない訳でもないとは思うが。
やっぱりギアスは個人の資質に強い影響を受けるからとか、そういう理由なのかもしれない。
もしくは純粋に俺との相性が悪かっただけという可能性もある。
そんな訳で、もし俺が足立をスライムで吸収しても、TVに入る能力や……あればペルソナを吸収出来たりはしない。
というかそもそもの話、ステータスのスキル欄に空きがない以上は吸収してもどうにもならないのだが。
基本的にレベルが10上がる度にスキル欄が1つ増えているのを考えると、レベル50になればスキル欄が増えるんだが……最近、レベルが上がってないんだよな。
ゲームであれば、レベルが高くなれば敵を倒しても入手出来る経験値は少なく、レベルが上がりにくくなるのは分かる。
強敵、あるいは経験値が極端に多いボーナスのような敵を倒せばレベルも上がるのだろうが……うん。自分で言うのも何だが、今の時点でも俺は強くなりすぎた。
PPであったり、スライムによる吸収だったりで、レベル以上の強さを持つのは間違いない。
そんな訳で、俺は強敵と戦ってもレベルが上がるような事はそうそうなくなってしまった。
強敵と戦う機会が多ければいいんだが。
また、それ以外にも俺の能力……ステータスには色々と制約がある。
例えばBETAのような命を持たない存在、もしくはメギロートやバッタのような無人機を破壊しても経験値にはならない。
経験値を得る為には、敵を倒す……撃退するだけではなく、明確に命を奪わなければならない。
戦艦とか軍艦とか、とにかく複数の敵が乗っている存在を撃破しても、その撃墜数は1と認識される。
こう考えると、この状況でよくここまで自分を強化してきたと、しみじみ思う。
それだけ俺が数多くの戦場を経験してきたという事を意味してるのだろうが。
まぁ、この世界でまた原作のある事件が起きたのなら、ニュクスのような存在がいる可能性は高い。あるいは刈り取る者のような存在もか。
そういう連中を倒す事によってレベルが上がる可能性は十分にあった。
『取りあえず、誰か適当にそっちに向かわせるから。誰が行くのかはお楽しみという事で』
「……取りあえず騒動を起こさないような奴を頼む」
稲羽署の面々は、ただでさえ足立の一件や警視庁からの命令によって堪えているのだ。
これからの一件で協力していく以上、出来るだけしっかりとして貰いたい。
それに……この一件の主人公の第一候補だった堂島の甥の鳴上は違った以上、どうにかしてペルソナ使いを見つける必要がある。
また、俺も魔力を使えばTVの中に入れるのが判明した以上、TVの中の様子を……
「ん?」
『アクセル? どうしたの?』
「いや。雨が降ってきたなと思っただけだ」
老舗旅館だけに、防音とかそういうのはない。
旅館によってはあるのかもしれないが、天城屋旅館にそういうのはなかった。
その為、雨が屋根を叩く音が微かに俺の耳に聞こえてきた。
俺の耳で微かにという事は、実際にはまだ小雨といったところだろう。
とはいえ、この時間に雨が降ってきたということは……今日はマヨナカテレビを見る事が出来るのかもしれない訳だ。
とはいえ、恐らく……本当に予想だが、もし今日のマヨナカテレビが見られるとしても、そこに映し出されるのは足立の筈だが。
以前俺達が初めてマヨナカテレビの噂を聞いたとき、八十神高等学校の学生がマヨナカテレビで山野真由美を見たから、自分の運命の人だと言っていた。
そしてあの時、既に山野真由美はTVの中に入っていた可能性が非常に高い。
というか、多分だけど行方不明になった時、もうTVの中に入れられていたんだろう。
だとすれば、マヨナカテレビというのはTVの中に入った者が映し出される訳で、だからこそ、もし今日マヨナカテレビが映るのなら、それは足立が映る可能性が高い。
一応稲羽署にもマヨナカテレビの件については報告されている筈だが、問題なのはマヨナカテレビを見るのかどうかだろう。
後で堂島を通してその辺の念を押しておいた方がいいな。
『マヨナカテレビね』
レモンは俺の言いたい事を理解し、そう告げる。
「ああ。もっとも、映るとしても足立だろうけど。……いや、足立が誰か他の奴をTVの世界に引き込んでいたら、そいつが映る可能性もあるか」
そういう意味では、足立が誰か新しい犠牲者を生み出そうとしているかどうか判別可能というのは大きい。
問題なのは、夜中の12時に雨が降ってないとマヨナカテレビが映らないという事だろうが。
雨というのは降りそうでなかなか降らないんだよな。
具体的には、天気予報で雨の確率が70%から80%程度だと曇りで実際に雨が降らない事が多い。
これが90%や100%なら、それなりに信頼出来たりするんだが。
『そちらは大変なようね。……取りあえずこれ以上そっちの邪魔をする訳にもいかないだろうから、この辺で通信を切るわね』
そう言い、レモンが通信を切る。
さて、レモンが誰かを送ってくるのは明日か、明後日か……もしくはもう少し後か。
援軍を送るにも、色々と調整が必要だったりするしな。
そういう意味では、具体的にいつ来てもいいように準備しておくか。
俺には影のゲートがあるので、ペルソナ世界に着た援軍を迎えに行くのはすぐだし。
「アクセル、少しいいか?」
レモンとの通信が終わってから1分も経たないうちに、美鶴が顔を出す。
「美鶴か。どうした?」
「夕食について、従業員から合鴨の鍋でいいかと聞かれたのだが、どうする?」
「俺はそれで構わないけど……合鴨の鍋か。珍しいな」
山が近くにあるので、猪、熊、鹿といった肉を使った鍋ならそれらしいと思うが、合鴨の鍋は意外だった。
「そうでもないぞ。この稲羽市は周辺に水田が多い。その水田の中には合鴨農法というのをやっている農家もいて、そこの農家が合鴨の肉を天城屋旅館に卸しているらしい」
「合鴨農法……ああ、以前ちょっと四葉から聞いた覚えがあるな」
水田の中には虫がいて、水草が生えている。
それを水田に合鴨を放して、食べて貰うというものだ。
合鴨が虫や水草を食べるので、無農薬で米を育てられる。
UC世界の月で罪人達にやらせている畑もそうだが、人というのは無農薬という言葉に弱い。
無農薬で育てた米というのは、場合によってはブランド米並の値段になるんだとか。
そうして無農薬で米を収穫した後は、大人になった合鴨を絞めて肉として売る。
天城屋旅館に卸されたという合鴨の肉も、美鶴の言葉を聞く限りではそうして肉になった合鴨なのだろう。
「彼女の料理はその辺のレストラン……いや、世界的な料理のコンクールとかで優勝した者の料理と比べても遜色ない。それどころか、場合によっては上回っている時もあるな」
ホワイトスターで何度も超包子で料理を食べた経験のある美鶴が、そう断言する。
これが普通の女子大生の言葉なら、そこまで信用されることはないだろう。
だが、美鶴は桐条グループの令嬢として、数々のパーティに参加しているし、多くの美食と呼ばれる料理を食べてきた経験がある。
そんな美鶴がここまで言うのだから、四葉の料理はそれだけ凄いと示していた。
実際に四葉の料理が美味いのは、いつも食べている俺達が分かるのだが。
何しろ四葉がまだ麻帆良にいた頃、麻帆良祭とかで出した屋台が稼いだ金額については、今でも麻帆良で伝説的な店として残っているのだから。
学生時代にそういう技量だった四葉だが、ホワイトスターで店を持つようになってからは積極的に色々な店に行って味の研究をしている。
それもネギま世界だけではない。
ホワイトスターから行ける世界は複数あるのだから、色々な世界の店で料理を食べ、味の研究をしているのだ。
ネギま世界を含め、1つの世界だけで同じような事をしている者は多いものの、四葉のように複数の世界の店に行ける事が出来る者と言うのはいない。
そういう訳で、四葉は他の料理人にかなり有利な状況であり……味の追求に余念のない四葉は、その有利をこれ以上ない程に利用してるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1820