転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3607話

「ここだな」

 

 TVの中の世界から出るという事になったものの、そうなると具体的にどこから出るのかという話になる。

 とはいえ、その場所はすぐに見つかった。

 入ってきた場所から出ればいいのだから。

 つまり、公園の数m上にある場所。

 そこには映像スクリーンと同じ大きさの何か妙な空間があった。

 具体的にその穴に入ればいいのだろうとは分かるが……

 

「これ、一般人とかだと出るのはまず無理じゃないか?」

 

 数m……あるいは棒高跳びをやった事がある者なら何とかなるかもしれないが、一般人には無理だろう。

 また、棒高跳びをやった事がある者でも、この公園には何もない。

 一応公園と言ってはいるが、実際にこの公園には遊具……ブランコやジャングルジム、鉄棒といった物もない。

 あるいは公園ではなく空き地と表現した方が正しいのかもしれないが、公園の方が何となくいいような気がするので、公園と続けよう。

 そんな場所なので、当然だが棒高跳びが出来る者がいても棒はどこにもない。

 つまり自力で数m……具体的には5mくらいか? そのくらいまでジャンプしなければならないんだが、普通は無理だろう。

 ジャンプ力が重要な競技の1つにバスケットボールがあるが、以前ペルソナ世界で月光館学園に通っていた時、何かで話題になった時……確かNBAの選手ですら、1mくらいしかジャンプ出来ないらしいし。

 いやまぁ、一般人にしてみればそれでも十分に凄いのだろうが。

 とにかくNBAの選手ですらそのくらいなのだから、5mくらいの場所にある空間にジャンプして届くのはまず無理だろう。

 これが魔力や気で身体強化が出来たりすれば、そのくらいはどうにかなったりするのだが。

 それにTVの位置が必ずしもあのくらいの高さにあるとは限らないし。

 あるいは普通に地面の上に出るという事も有り得る。

 あるいは、どこか別の場所にあるTVで試してみてもいいかもしれないな。

 それこそ稲羽署にある、足立が逃げ込んだTVの中に入ってみるとか。

 その辺については後で……それこそ美鶴や堂島と話して決めればいいか。

 

「戻ってくれ。今回は助かった」

 

 俺が考え込んでいる間、一応という事で周囲を警戒していた刈り取る者にそう告げる。

 刈り取る者は、この辺りにシャドウの気配を感じていた。

 つまり、場合によってはいつ霧の中からこの公園にシャドウが姿を現すのか分からないのだ。

 ……もっとも、この公園がタルタロスでいうエントランスの部分だとすれば、基本的にここにシャドウが出てくるような事はないだろうが。

 とはいえ、それはあくまでも基本的にの話だ。

 基本というのは、破られるからこそ基本なのだから。

 刈り取る者は俺の言葉に一礼すると、影の中に入っていく。

 それを確認してから、最後に公園を一瞥する。

 当然ながら、この短時間で何かが変わる事もなく、俺の視線の先にあるのは公園に掛かっている霧と、それよりも濃く、それこそ全く何も見えない濃霧と呼ぶべき光景が広がっていた。

 TVの中の世界を探索するにも、まずはこの濃霧をどうにかしないと駄目だろうな。

 問題なのは、この濃霧をどうするか。

 このようなTVの世界にある霧である以上、この濃霧は普通の自然現象という事はまずないだろう。

 だとすれば、何か別の……普通ではない方法で濃霧に対処する必要があった。

 問題なのは、それが何なのか分からないという事だろう。

 これが例えば水とかそういうのなら、採取して桐条グループで研究して貰うといった事も出来るんだろうが。

 霧だしな。

 美鶴をここに連れてくるか?

 いや、美鶴は確かにシャドウとかの研究についてある程度詳しいが、だからといって本職ではない。

 美鶴はあくまでも指揮官で、研究結果とかを聞くタイプだ。

 だとすれば……レモン辺りを連れてくれば、すぐにでもどうにかしてくれそうな気がするな。

 霧を消すなり、あるいは霧があっても普通に行動出来るようになるとか。

 その辺については、実際に向こうに戻ってから相談するとしよう。

 そう判断し、俺は空中にある空間の中に飛び込むのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル!」

 

 映像スクリーンの中から出て来た俺を見て、真っ先に美鶴が声を上げる。

 その声が非常に嬉しそうだと思えたのは、きっと俺の気のせいという訳ではないだろう。

 声の聞こえてきた方……笑みを浮かべている美鶴に視線を向けつつ、俺は床に着地する。

 一応という事で周囲の様子を確認するが、特に何かこれといった異常はない。

 俺が映像スクリーンの中に入った時と変わらない。

 そう判断すると、取りあえず映像スクリーンをそのままにしておくと、公園の周囲にある濃霧からシャドウがやってきて映像スクリーンを通してこっちに出てくる可能性があるので、映像スクリーンを消す。

 

「さて、それでTVの中の世界に行ってきたんだが……まず最初に、TVの中の世界は公園のような場所だった。ブランコとかの遊具がある訳でもない、そんな公園。そして公園には薄らと霧が掛かっていて、公園の敷地外は俺でも向こうの様子を見る事が出来ないような濃霧が広がっていた」

「公園……だと?」

 

 美鶴の口からそんな声が上がる。

 美鶴にとっても、まさかTVの中の世界が公園だとは思いもしなかったのだろう。

 俺もあの光景には驚いたし。

 

「足立はいたのか?」

 

 疑問を感じてる美鶴に代わり、堂島がそう尋ねてくる。

 堂島にしてみれば、霧とかよりも足立の存在の方が重要なのだろう。

 だが、俺はそんな堂島の言葉に首を横に振る。

 

「いや、足立もいなかったな。もしかしたら待ち伏せでもしてるのかと思ったんだが。というか、ぶっちゃけそれが一番やりやすかったのは間違いないし」

 

 足立がペルソナ使いとして覚醒している可能性もあったが、それを考えた上でも俺にとっては足立が待ち伏せしているというのが楽な展開だった。

 だが、残念ながらその展開はなかった。

 

「それと刈り取る者に確認したところ、やはりTVの中の世界にシャドウはいるらしい。恐らくだが、タルタロスのような……一種のダンジョンに近い感じなんだと思う」

 

 刈り取る者という単語に、堂島と早紀の2人だけが不思議そうな表情を浮かべる。

 美鶴のアルテミシアはその目で見たが、刈り取る者は見ていないしな。

 とはいえ、堂島はともかく早紀は刈り取る者を見た瞬間、その迫力で即座に気絶してしまいそうだ。あるいは気絶はしなくても、大きな悲鳴を上げるか。

 堂島は……半ば反射的に攻撃をしてもおかしくはない。

 もしくは距離を取るか。

 刑事は拳銃を持ってないので、武器らしい武器はないし。

 

「ふむ、タルタロスか。……シャドウがいるとなると、それは間違いではないかもしれんな。他には?」

「公園にシャドウが入ってくることはなかった。今回は偶然だったり、刈り取る者がいたからかもしれないが、もしかしたらタルタロスのエントランスと同じような感じなのかもしれない」

「それは攻略する方としては助かるな。……アクセル、一度私をTVの中に連れていってくれるか?」

 

 美鶴のその言葉にぎょっとした顔を浮かべるのは、当然ながら堂島と早紀の2人だけ。

 シャドウワーカーの面々は、美鶴がどれだけの強さを持ってるのか知っている。

 冗談でも何でもなく、美鶴は世界を救った者達のうちの1人なのだから。

 ニュクスの一件で、最後まで戦い続けた実力の持ち主だ。

 その上、エヴァとの戦闘訓練も行っており、その戦闘力はニュクスの件の時以上のものとなっている。

 

「構わないけど、映像スクリーンから中に入ると、地上まで5mくらいの高さがある」

「それは……」

 

 俺の言葉に、美鶴は先程まで映像スクリーンが表示された場所を見る。

 その高さは2m……正確にはそれよりもう少し下で、とてもではないが5mという高さではない。

 

「何故その高さに?」

「さぁ? それを俺に言われてもちょっと分からないな。ただ、その高さにあったのは間違いない。……問題なのは、次にTVの世界に行った時もその高さにあるのかどうかだな」

「何? 同じ場所に繋がっているんじゃないのか?」

 

 俺の言葉を理解出来ない……いや、納得出来ないか? とにかくそんな風に言う堂島。

 

「まだ1度しか行ってないんだから、正確には分からないな。何度も行って、それで初めて色々と判明するんだし。TVの中の空間は、そのTV……俺の場合は映像スクリーンだが、それによって違うのか。それとも同じTVであっても場所を移動させると違う場所に出るのか。同じ場所に出るにしても、さっき俺が入った時は5mくらいの場所に出たが、その高さも常に同じなのか、まだ分からない事だらけなのは間違いない」

「だからこそ、再度アクセルに行って貰い、同時に私も共に行くのだ」

「いや、けど……」

 

 美鶴の言葉に困った様子の堂島。

 その気持ちは分からないでもない。

 堂島は稲羽署との窓口であり、折衝役であり、見張りだ。

 そして同時に、美鶴の護衛でもある。

 稲羽署の者達……特に俺が話した副署長を始めとした上層部の者達にしてみれば、桐条グループの令嬢というのはVIP以外の何者でもない。

 そんな人物がもし稲羽市で死ぬような事があれば、どうなるか。

 本人やその父親はその辺を納得した上でここに来ているのだが、稲羽署の者達にその辺は分からないし、理解出来ない。

 とにかく美鶴が死ねば、あるいは怪我をしただけでも自分達にとって最悪の結果となる可能性はあると思ってしまうかもしれない。

 だからこそ、堂島は美鶴の護衛の役割もあるのだろう。……早紀の護衛もそうだし、大丈夫か?

 過労死とかしないといいんだけどな。

 その為、少しだけ堂島を安心させてやる。

 

「落ち着け、堂島。美鶴がペルソナを使うのは分かっているだろう。また、美鶴本人も十分な強さを持つ」

 

 実際、ペルソナ抜きで美鶴が堂島と……いや、稲羽署にいる刑事達全てと戦っても、確実に美鶴が勝つ。

 拳銃とかそういうのを使っても、レイピアを持っていれば問題ないだろう。

 つまり、堂島としては美鶴の護衛の役目もあるかもしれないが、実際には護衛対象の方が護衛よりも強いという状況なのだ。

 

「それは……じゃ、じゃあ、俺もそのTVの中の世界まで連れていってくれ」

「……堂島がか? 俺がTVの中の世界に行く前にも言ったが、もしどうしても堂島がTVの中の世界に行きたいのなら、せめてシャドウを相手に自分の身を守る事が出来るようになってからにしろ」

「ぐぅ……」

 

 俺の言葉に悔しそうにする堂島。

 最悪、武器は空間倉庫にある何かを適当に貸してもいいし、護衛という意味では炎獣を作ってもいい。もしくは刈り取る者……はちょっと迫力がありすぎるので、狛治を召喚してもいい。

 だが、最初から全てを俺に頼るというのは、それはそれで問題となる。

 だからこそ、俺としては今の時点で堂島を連れていくつもりはなかった。

 それに……もしまた5mくらいの高さに映像スクリーンが繋がっていた場合、堂島の面倒を見る必要があるし。

 美鶴は俺の恋人だし、何より純粋に戦力として期待出来るので、TVの中の世界で卸す時に面倒を見るのは全く構わないのだが。

 あるいは、あの公園の安全が本当に確認されたら、公園から絶対に出ないという条件で連れていってもいいのかもしれないが……生憎と、今はまだその辺の調査も終わっていない。

 

「じゃあ、話も決まった事だし行くとするか。……美鶴」

 

 美鶴を呼び、再度映像スクリーンを空中に展開してから両手を前に出す。

 丁度美鶴が俺に横抱きに……いわゆるお姫様抱っこと呼ばれる抱き方での手の伸ばし方。

 

「な……」

 

 美鶴の口からそんな声が上がる。

 だが、それでも結局それ以上は何か不満を言うでもなく、大人しく俺にお姫様抱っこされる。

 おんぶとかそういうのでは、少し問題があると思ったのだろう。

 俺の両手は、当然のように美鶴の身体を支え……そして空中に浮かぶ。

 

「わぁ……」

 

 ふと聞こえてきた羨ましそうな声に視線を向けると、そこには早紀の姿。

 もっとも堂島を好きな早紀の事だ。

 俺にお姫様抱っこをされている美鶴を羨ましく思っているのではなく、純粋にお姫様抱っこをされているのが羨ましいといったところだろう。

 堂島辺りは、それこそ頼んでも絶対にやってくれないだろうしな。

 その辺についても頑固そうだし。

 けど、菜々子がいるのを見れば分かるように、堂島は結婚していた。

 だとすれば、意外と若い頃はこういう事をやっていたりしたかもしれないな。

 本人に言っても決してそれを認めないだろうけど。

 

「さて、じゃあ、行くぞ」

 

 美鶴に言い、映像スクリーンの中に入る。

 するとその先に広がっていたのは、先程と全く同様の光景。

 高さも5m程の場所にあり、TVの中と外を繋ぐ空間の位置もどうやら同じらしい。

 大広間の中でも多少位置はずれた場所だったのに同じような場所だと考えると、映像スクリーンが同じだからか、それとも大広間という場所が同じだから。

 その辺も後で検証が必要だなと思いながら、俺は美鶴を抱いたまま地上に降りるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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