転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3610話

 TVの中の世界に入った日の午後、俺はジュネスに来ていた。

 マヨナカテレビについて調べるシャドウワーカーや美鶴、稲羽署との連絡役や折衝役、そして美鶴の護衛といった堂島、雑用をする早紀。

 そんな面々と違い、俺はやるべき事はなかった。

 いやまぁ、本当にやるべき事がない訳ではないんだが。

 本当に何かをするつもりなら、それこそTVの中の世界を探索するという方法もあるし。

 ちなみにTVの中の世界と繋がっているのは、TVのある座標ではなくTVそのものだというのが既に判明している。

 具体的には、大広間ではなく天城屋旅館から見える山の中で映像スクリーンを出してそこからTVの中に入ったのだが、その時も公園に出たのだ。

 ……もっとも、その公園が大広間の公園とは似ているが別の公園であると言われれば、その可能性もあるが……何となく同じ公園だと思えた。

 つまり、俺の映像スクリーンもそうだが、TVそのものを持ち運びすれば、どこからでもTVの中に入れるという事になる訳だ。

 もっとも、俺の映像スクリーンは通信機を持ち運び出来ればそれで問題はないが、このペルソナ世界にそういう技術はない――あくまでも俺が知ってる限りではだが――以上、そういうことをするとなるとTVを持ち運ぶ必要がある。

 人が入れる大きさのTVを手で持って持ち運ぶのは無理である以上、車に積んで持ち運ぶ必要がある訳だ。

 ただ、TVだしな。

 大きなTVであっても、それこそ軽トラで普通に運べる以上、それで足立を見つけるというのはかなり難しいと思う。

 ともあれ、座標ではなくTVによってTVの中の世界に固定されているというのは、それなりに大きな情報だと思う。

 その情報は現在シャドウワーカーや稲羽署にも知らされているので、色々と対策を練っているだろう。

 ともあれ、そんな訳で現在はまだTVの中の世界を探索するのは止められている俺としては、本当に特に何もやる事はなかったのだが……暇だったらという事で、美鶴からお使いを頼まれた。

 ジュネスで色々と必要な物を購入するだけなのだが。

 ちなみにジュネスという事で早紀を連れてくるのはどうかと思ったが、それは止められた。

 ジュネスでバイトをしていた早紀だけに、俺が知らないようなお得な情報とかを知っていたりするんじゃないかと思ったんだが……元々早紀がシャドウワーカーと一緒にいるのは、あくまでも足立から守る為だ。

 そうである以上、早紀を連れて街中を歩くのは危険だと言われてしまった。

 俺がいる限り、足立に手を出させはしないんだが。

 ともあれ、そんな訳で早紀を連れて来る事は出来なかった訳だ。

 ちなみに、別に早紀は天城屋旅館から出られないという訳ではない。

 TVのある場所では、もしかしたら足立が出てくる可能性もあるので街中を散歩したりは出来ないものの、それはつまりTVのない場所であれば自由に散歩が出来るという事でもある。

 具体的には、天城屋旅館から見える山とか。

 もっとも早紀がそういう山での散歩を楽しめるかどうかは、また別の話だが。

 とはいえ、早紀も山の中に1人で行くのは不安だからという事で、堂島を誘ったりしていったのは……うん、年齢差を考えると早紀が積極的になる必要があるんだろうな。

 そんな訳で、俺は1人でジュネスにやって来た訳だ。

 ちなみに、TVの中の世界との行き来がTVごとに固定されているというのは、面倒臭いが、同時に悪くない事でもある。

 何しろ稲羽市の人口は5万人くらい。

 そのくらいの人数が住んでいる場所に存在するTV……あるいはコンピュータのモニタとかも含めて考えると、かなりの数になるのは間違いない。

 TVの中の世界に逃げ込んだ足立が、特定のTV……具体的には天城屋旅館にあるTVとかを見つけるには、かなり手間なのは間違いないだろう。

 そして俺が知った足立の情報からすると、そんな面倒な事はしない可能性が高かった。

 ……可能性が高いだけで、絶対という訳ではないのだが。

 とはいえ、最善なのは俺達……俺や美鶴のいる場所に出て来る事か。

 そうなれば即座に捕らえるなり、殺すなり出来るだろうし。

 

「1980円となります」

「カードで」

 

 ジュネスの内部にある文房具店でペンや紙、テープ、ホチキス……それ以外にも幾つか頼まれた物を購入する。

 店員にカードを出すと、一瞬戸惑った様子を見せつつ、それでもすぐに手続きを行う。

 桐条グループのブラックカードというのは、稲羽市とかでは珍しいんだろうな。

 いや、稲羽市どころか東京とかでもかなり珍しいと思う。

 寧ろこのブラックカードの本当の価値は、稲羽市のような田舎にある店の店員ではなく、東京とかにある高級店の店員の方が詳しいと思う。

 それだけ桐条グループのブラックカードというのは数が少ないのだ。

 とはいえ、この前ジュネスで食料品とかを大量に購入して、その時にブラックカードで支払いを行っている。

 その辺の情報がジュネスにいる店員の間で広まっていても、おかしくはないだろう。

 もっとも、今の驚いた様子からすると情報を聞いていないか、もしくは情報を聞いていても詳しい話は聞いていなかったのか。

 ともあれ、支払いを終えると文房具店を出る。

 他にも幾つか美鶴に頼まれている買い物があったのでそれを終えると、何となく本屋に向かう。

 商店街の方にも本屋はあるらしいが、早紀から聞いた話では店主の趣味の本しか置かれていないらしい。

 漫画とかそういうのは取り扱ってないとか何とか。

 その代わり、きちんと見る目のある者にしてみればもの凄い価値のある本があったりする事もあるらしいけど。

 ただ、残念ながら俺はその手の知識はない。

 エヴァ辺りを連れてくれば、もしかしたらお宝を見つけられるかもしれないが。

 ともあれ、俺が今欲しいのは普通に漫画とか、そういう暇潰し用の本だ。

 特に何かこれが目当てという本はないのだが、適当に見て回れば何かあるだろう。

 とはいえ、ジュネスにある本屋はそこまで大きな訳ではない。

 出来ればもっと大きな本屋でもあれば、色々と購入出来るんだろうが。

 

「ん? この漫画は絵が好みだな。丁度1巻から5巻まであるし、買うか」

 

 恐らくそれなりに人気のある漫画なのだろう。

 漫画が置かれている場所にはポップアップが置かれており、簡単なあらすじも書かれている。

 どうやら超能力が普通に存在する現代において、戦いのトーナメントがあり、それに参加し、優勝を目指すといった内容らしい。

 王道な作品だが、絵は綺麗に描き込まれ、設定もしっかりと練り込まれており、アニメ化も予定されているらしい。

 それなりに面白そうだし、買ってもいいか。

 そう判断し、買い物籠に入れる。

 他にも面白そうな漫画を選び、あるいは暇潰しに使えそうな雑誌を選び……

 

「えっと……12500円となります」

 

 まさかの1万円超え。

 いやまぁ、漫画だけじゃなくて自然の写真集とかそういうのも買ったし、これくらいの値段になってもおかしくはないのか?

 ともあれ、こちらもまた文房具店と同じく桐条グループのブラックカードで支払いを終える。

 店から出て、人の見えない場所で袋に入った本は全て空間倉庫に収納する。

 こうして荷物を何も持っていない俺は、暇潰しも兼ねてジュネスの屋上にあるフードコートに向かう。

 このフードコート、それなりに美味い店が揃ってるんだよな。

 もっとも、平均よりは若干上というだけで、もの凄く美味い! って程じゃないが。

 まだ昼前のせいか、フードコートに人の姿は少ない。

 それでもそれなりに客がいるのは……休日って訳でもないから、主婦が買い物に来たとか、会社の仕事をサボってるとか、そういうのか?

 あるいは他にも色々と理由はあるかもしれないが、ここで俺が考えても意味はないだろう。

 近くにある店で適当にフライドポテトを購入する。

 うーん……これは正直外れだな。

 イモの下処理が出来ていない為か、それとも揚げた時の温度が低かったからか、あまりカリッとした食感がない。

 フニャッとした食感とまではいかないが。

 あ、でもこういう食感が好きな奴は問題ないのかもしれないな。

 フライドポテトを食べる奴に、そういう食感が好きな奴がいるとは思えないが。

 もっとも、趣味嗜好は人それぞれだから、絶対にとは言えないが。

 そんな風に考えながら、別の店でホットドッグを購入するが……

 

「へぇ、これは美味いな」

「はっはっは。だろう? このソーセージは拘りの強い奴が手作りで作ってるものなんだ。……値段はちょっと高くなるが、この値段以上の味なのは保証するよ」

 

 店主の言う通り、ホットドッグ1個に1000円というのは普通の人なら買うのを躊躇する値段だろう。

 だが、ソーセージはパリッとした食感に、囓れば肉汁が口一杯に広がる味だ。タマネギのみじん切りとレタスがいいアクセントになっており、ケチャップとマスタードも市販ではないと思う。

 何しろフランクフルトのような大きなソーセージの味に決して負けていないのだから。

 それどころか、相乗効果で余計に美味く感じる。

 後は、ピクルスか何かの酸味のある漬物が、口の中に広がった肉汁をさっぱりさせてくれる。

 ソーセージを挟んでいるパンは……これはちょっと残念だな。

 特に何か拘りのあるパンという訳ではない。

 もっとも、それでもその辺のスーパーで売ってるコッペパンという訳ではなく、しっかりとパン屋で作って貰ったパンなのだろうが。

 取りあえず現在の在庫をあるだけ……とまではいかないか。

 まさかここで堂々と空間倉庫を使う訳にもいかないので、持てる分だけ購入する。

 フードコートでしっかりと食べたかったが、そういう訳にもいかないか。

 店主は嬉しそうな笑みを浮かべて、ホットドッグを作っていく。

 この値段だと、学生達が買うのはちょっと難しいし、フードコートを使っている大人達でも、そう簡単に買える値段じゃない。

 そういう意味では、よくこの店主はフードコートで店を出せたな。

 こういう場所って、売り上げの少ない店は次々と交代させられていくんだとばかり思っていたが。

 とにかく買えるだけ買ったホットドッグを手に、屋上から出ようとすると……

 

「警察署でTVを? 何で?」

「さぁ? 昨日免許の更新の為に警察署に行ったんだけど、ほら、入ってすぐの場所にTVがあるだろう? そのTVがなかったんだよ」

「それは壊れたからとかじゃなくてか?」

「それが違うんだよ。受付にあったTVもなくなってた。……それで気になって聞いてみたら、上からの命令で署内にあったTVをどこか一ヶ所に移したらしい」

「何があったんだ?」

「だから、俺に聞くなって」

 

 少し離れた場所から、そんな会話が聞こえてきた。

 こうなるのは当然か。

 稲羽署の中にTVがあれば、それこそいつどこから足立が出てくるのか分からない。

 もっとも、TVの大きさは人が通れるくらいの大きさでないと無理みたいだから、小さめのTVとかなら安全なんだろうな。

 あ、でも手だけ伸ばして攻撃してくるとか、そういうのを考えると、やっぱり小さくてもTVはどこか一ヶ所に集めておいた方がいいのか。

 本当の意味で最善なのは、TVを全て破壊する事なんだろうが。

 何しろTVの中の世界との行き来は、TVのあった場所によって変わるのではなく、あくまでもTV単体で決まる。

 つまりTVがなければTVの中の世界から現実世界にやって来る事は出来ないのだ。

 足立が入ったTVは取りあえず破壊した方がいいと思う。

 

「そう言えば、最近天城屋旅館に泊まれなくなってるって知ってるか? その割には食材とかも頼んでるらしいけど」

 

 稲羽署のTVについて話していた者達とは違う者達の会話が聞こえてくる。

 こちらはどうやら天城屋旅館についての話らしい。

 ただ、こっちはちょっと正しくない。

 山野真由美の件も足立が一番怪しいという事になり、天城屋旅館に足止めをされていた客達も既にかなり帰ってるらしいし。

 そうして泊まり続けていた客達がチェックアウトを始めているので、天城屋旅館の宿泊客はかなり減っている筈だった。

 シャドウワーカーの面々がいるので、それなりに客の数は多いが。

 ちなみにシャドウワーカーが大広間を使っていた事で自分が使えないからとちょっかいを出してきた奴は……まぁ、うん。

 具体的にどうなったのかは分からないが、美鶴の方で桐条グループを通して色々とやったらしい。

 ある意味自業自得ではあるが、哀れだな。

 それでも美鶴の性格を考えれば、そこまで徹底的に……立ち直れない程の損害を与えたとか、そういう感じじゃないと思うけど。

 ともあれ、稲羽署の判断によって天城屋旅館にも他の客が普通に泊まれるようになったのは間違いない。

 ゴールデンウィークまでもう半月を切ってる以上、天城屋旅館にとっても客が自由に泊まれるようになったのは朗報だろう。

 もっとも、大広間は相変わらずシャドウワーカーが使わせて貰っていたが。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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