転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3613話

 堂島の件について話があると美鶴を大広間から呼び出す。

 やって来たのは、大広間から少し離れた場所にある、お馴染みの自販機のある休憩所。

 

「それで、堂島刑事の件について話があるという事だったが?」

「ああ。TVの中に逃げ込んでいる足立だが、コンビを組んでいた堂島の家に遊びに来る事が多かったらしい。つまり、堂島と甥の鳴上はともかく、娘の菜々子は足立に誘われればついていくかもしれない。あるいはTVの中に出入り出来る能力がある以上、無理矢理連れ去る可能性も否定は出来ない」

「なるほど。足立がジュネスの中で活動していた事から、堂島刑事の家の中に出て来る可能性もあると判断した訳か」

「そうだ。これで堂島がただの刑事なら、そこまで心配する事はなかった。けど堂島は、足立とコンビを組んでいた。現在足立に狙われる可能性は否定出来ない」

「……それは確かに」

 

 美鶴もすぐに納得した様子で頷く。

 美鶴にとっても、菜々子のような子供が足立の毒牙に掛かるのは許せないのだろう。

 この毒牙が殺すという意味での毒牙なのか、性的な意味での毒牙なのか……さすがに小学1年生を相手にそういう真似をするとは思えないが、世の中は最悪の可能性を考えた方がいいのも事実だ。

 

「だろう? だから、堂島の家の者達もいざという時に俺や美鶴、あるいは他の面々が守れるように天城屋旅館で寝泊まりさせたいんだが、どうだ?」

「いいだろう」

「……いいのか? そんなにあっさりと」

 

 俺の言葉に一瞬の躊躇もなく頷く美鶴。

 俺はそんな美鶴にも慣れているので、そんな美鶴の行動に驚く事はなかった。

 だが、まだ美鶴と知り合ってから短い堂島は、あっさりと頷いた事に驚き、そう尋ねる。

 この辺は、美鶴が……というか、桐条グループがどれだけ金持ちなのかを実感として知っている俺と、名前とかは何度も聞いた事があるものの、それでも実際に桐条グループの人間に会った事がない堂島との違いだろう。

 ぶっちゃけ、もし桐条グループがその気になれば天城屋旅館に泊まるのではなく、ここを買い取ったりも、やろうと思えば出来る。

 勿論、それは資金的に可能だという話で、天城屋旅館に思い入れのある雪子やその家族が素直に旅館の売買に納得するかどうかは別の話だろうが。

 ……まぁ、本当に桐条グループがこの旅館を買い取りたいのなら、購入金額を次々に増やしていくという事も出来るだろうが。

 とはいえ、そこまでする価値がこの天城屋旅館にあるかと言えば……正直、どうだろうな。

 温泉の質はいいし、部屋から見える山の景色もかなり迫力がある。

 その山の恵みは豊富なのは間違いないが……言ってみれば、それだけだ。

 周辺には他に観光資源となるような場所はない……とは言い切れないが、それでも多くはない。

 言ってみれば、天城屋旅館を買い取っても桐条グループにとっては負債でしかない。

 シャドウの一件を解決する為の拠点としてはいいかもしれないが、それでも旅館を買うというのは有り得ないだろう。

 それこそ今のように泊まり続ければそれでいいし、もっと言えばどこかのアパートやマンション、人数的には一軒家を借りてもいいかもしれない。

 もしくは天城屋旅館を買うのではなく、その一軒家を買ってもいいだろう。

 稲羽市は田舎で、不動産の類も安いし。

 ……ともあれそんな訳で、桐条グループはとんでもない金持ちなのは間違いない。

 天城屋旅館に堂島一家を寝泊まりさせるのは何の問題もないくらいには。

 

「問題ない。それでも気になるのなら……そうだな、一応稲羽署と警視庁に話をつけておこう。足立に狙われる可能性が高いと知れば、堂島や鳴上はともかく、小学1年の娘は保護するべきだという話が出てもおかしくはないからな」

 

 美鶴のその言葉に、堂島は複雑な表情を浮かべる。

 堂島にしてみれば、桐条グループの金で天城屋旅館に寝泊まりするのはどうかと思うし、かといって稲羽署や警視庁の金で……というのも素直に納得出来ないのだろう。

 とはいえ、堂島が宿泊料を支払うのは難しいとなれば……うん。結局のところ、美鶴に頼むしかないのだろう。

 

「じゃあ、すまないがよろしく頼む」

「気にするな。それに……菜々子は可愛らしい。シャドウワーカーの者達にも人気が出るだろう」

 

 どうやら俺と同じ事を考えたらしい。

 美鶴も菜々子を見た時、そんな風に思ったのだろう。

 

「鳴上だったか。堂島の甥も一緒に泊まるとなると、シャドウワーカーの面々と同じく大広間という訳にはいかないな。どうする。美鶴?」

「元からそんな事は考えていない。そもそも堂島刑事はともかく、無関係の子供にシャドウワーカーの仕事を見せる訳にはいかん」

 

 菜々子の場合は、まだ小さいので書類とかを見てもそこにどのように書かれているのかは分からない。

 だが、堂島の甥の鳴上は高校生という事もあり、書類とかを見ればどういう内容なのかも分かってしまうだろう。

 美鶴にしてみれば、部外者にその辺について知られる訳にはいかないといったところか。

 その為に堂島一家の部屋をわざわざ借りるのだろう。

 もっとも、3人家族なのでそこまで広い部屋ではなくてもいいのだろうが。

 具体的にどのくらいの部屋ならいいのかは……その辺は俺が考える事じゃないか。

 

「なら、それでよろしく頼む」

「すぐに手続きをする。今日から天城屋旅館に泊まるという事でいいか?」

「今日から? すぐにそんな事が出来るのか?」

「普通なら難しいだろうが、シャドウワーカーは桐条グループと警視庁の影響力を使える。それを考えれば、この程度の事はそう難しくはない」

 

 普通なら、天城屋旅館のような老舗旅館に予約もなく来て泊まらせて欲しいと言っても、断られるだろう。

 あるいは以前にも何度か天城屋旅館を利用していて、顔馴染みになっていれば身内扱いで可能かもしれないが。

 何しろ旅館側にしても、食事や寝具の用意、部屋の掃除といった準備も必要となる。

 だが、そんな無茶を可能にするのが、桐条グループの力だった。

 俺が言うのもなんだけど、金の力って凄いとしみじみ思う。

 

「凄いな」

 

 堂島が驚きながら呟く声が聞こえる。

 一介の刑事にしてみれば、桐条グループの力を実際に見て、思うところがあるのだろう。

 もっとも桐条グループの力というだけなら、シャドウワーカーという特殊な組織を結成し、警視庁と協力しながらも、あくまでも警視庁は協力者という位置づけにしてシャドウワーカーの指揮系統には入れていないという時点で十分に凄いとは思うが。

 

「とにかく、今日の仕事は途中で終わってもいいから娘の学校が終わる頃には一度家に戻って泊まりの準備をしてくるといい。甥の方は後でもいいだろうが」

 

 そう言う美鶴だったが、この辺の判断は小学生と高校生の違いという事だろう。

 あるいは、美鶴もまだ鳴上がペルソナ使いとなる可能性があると思っており、多少なりとも危険な目に遭えば、ペルソナ使いとして覚醒すると思ってるのかもしれないが。

 

「そこまでして貰っていいのか?」

「庇うと決めた以上は必要だろう。……もっとも、明日から学校に通うのは少し大変になるが。何ならこちらで送り迎えをしてもいいが」

「いや、それは問題じゃないか?」

 

 思わず美鶴に突っ込む。

 何しろこっちで送り迎えをするということは、つまり車だ。

 そして現在俺達が所持している車は、シャドウワーカーが乗ってきた乗用車と比べても明らかに大きな車だけとなる。

 そんな車で小学校に送り迎えをすれば、悪い意味で目立つ。

 小学校なら……いや、小学校だからこそ、事情も知らないでからかわれたりとかしそうだ。

 もし本当に送り迎えをするのなら、ああいう車ではなくもっと普通の車の方がいい。

 軽自動車とかならありふれてるから最善だろう。

 そう説明すると、美鶴と堂島は納得した様子を見せる。

 実際には堂島も車を持ってるんだし、それで送るというのが一番いいんだろうけどな。

 ただ、堂島は俺達との連絡役とか交渉役とかお目付役とか護衛とか、その他諸々の仕事がある。

 そうである以上、堂島が送っていくのは問題だろう。

 俺達にしてみれば、そこまで問題ではないように思えるのだが。

 だが、稲羽署……というかお偉いさんの中には、重箱の隅をつつくかのような事をする者も多い。

 そういう連中が何か妙な真似をしたら、堂島が俺達の担当を外れる可能性は十分にあった。

 そんな訳で、もし実際に送り迎えをするのならシャドウワーカーだろう。

 もし足立が現れても、シャドウワーカーは最低限には鍛えているので、対抗出来るだろうし。

 最低限というのは、あくまでもこのペルソナ世界においての最低限でしかなく、シャドウミラーとして考えた場合は全く話にならない程度だが。

 

「それにしても軽自動車か。用意をしようと思えば出来るだろうが……購入するとなると、それなりに時間が掛かる。だとすれば、桐条グループの系列企業から貸し出して貰うか。もしくはレンタカーを使うかだな」

「レンタカーを使うのなら、天城屋旅館にも車とかはあるんじゃないか? ずっと使う訳じゃないだろうし、その車を借りればいいと思う」

「ふむ、貸してくれると思うか?」

「桐条グループの令嬢の言葉だ。恐らくは問題なく借りられると思う」

「では、私の方で話をつけておこう」

 

 美鶴は本来なら桐条グループの力を使うのを好まない。

 だが、それは好まないだけであって、実際にその力が必要なら桐条グループの力を使うのを厭う事はなかった。

 自分の拘りによって周囲に被害が出るよりは、桐条グループの力を使った方がいいと判断してるのだろう。

 勿論、桐条グループの力を使わずに何とか出来るのなら無意味に使ったりはしないのだが。

 

「重ね重ねすまない」

「気にするな。さて、では大広間に戻るとしよう。向こうでも何か新たな進展があるかもしれないしな」

「そう簡単に新たな進展とかはないと思うが。捜査はやはり足が重要だ。現場100回というだろう」

 

 現場100回という堂島の言葉は何かで聞いた事があるような気がする。

 まぁ、どの世界でも警察では同じような言い回しをしてるのかもしれないが。

 

「その辺は心配いらない。山野真由美の死体があった場所にはシャドウワーカーを派遣しているし、この天城屋旅館で山野真由美が泊まっていた部屋も同様だ。……もっとも、後者は警察によって散々に荒らされてしまっているが」

 

 そう言う美鶴だったが、あの時の稲羽署の刑事達にしてみれば、少しでも何らかの手掛かりを必要としていたのだろう。

 不倫騒動でニュースにもなっていた山野真由美が死んだのだから。

 稲羽署……正確にはその上層部は少しでも早く犯人を逮捕したかったのだろう。

 その為に山野真由美が泊まっていた部屋は徹底的に調べられた。

 何しろ山野真由美が行方不明になったのはこの天城屋旅館だったのだから。

 何らかの手掛かりがあるかもしれないと思うのは当然だろう。

 その為、今更山野真由美が泊まっていた部屋にシャドウワーカーの面々が行っても意味がないのは間違いなかった。

 

「もっとも、それも無意味だったんだがな。……いや、まだ足立がやったとは決まってないかもしれんが」

 

 まるで自分に言い聞かせる様子の堂島。

 状況証拠的には、まず間違いなく足立が山野真由美を殺したのだろう。

 それもTVの中の世界に入れて。

 だが、それでも堂島としては早紀の件はともかく、山野真由美の件は違うと……そうであって欲しいと思っているのだろう。

 とはいえ、それはあくまでも願望に近いと自分でも分かっているようだったが。

 菜々子の件で、堂島はよく足立が家に遊びに来ていたと言っていた。

 それはつまり、堂島もまた足立を可愛がっていたのだろう。

 そう考えると寧ろ堂島は足立が犯人であって欲しくはないという願望を抱いているのではなく、自分の手で足立を捕らえようとしているのかもしれないな。

 会話を交わしながら廊下を進み、俺達は大広間に戻る。

 するとそこでは、いつも通りシャドウワーカーの面々が色々と作業をしていた。

 外に出ている者もいるので、人数は朝に比べると大分減ってはいるが。

 

「足立が出て来そうな場所を見つけるにもちょっとな。……いっそ、応援が来る前にTVの中の世界を色々と調べてみるのもいいかもしれないな。俺だけならどうとでも対処は出来るし」

 

 本当の意味でどうしようもなくなったら、それこそニーズヘッグのシステムXNを使ってホワイトスターに戻る事も出来るし。

 あ、でもTVの中の世界からシステムXNって使えるのか?

 ニーズヘッグに搭載されているシステムXNはアギュイエウスと呼ばれるオリジナルのシステムXNで、量産型のシステムXNと違って同一世界間だけではなく、別の世界にも転移は可能だ。

 だが、それはあくまでも普通の世界の話で、TVの中の世界のようなペルソナ世界の中でも通常の空間ではない場所からホワイトスターに転移出来るのかは……試してみたいとは思わない。

 出来るだけ使わないようにしようと、そう判断するのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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