転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3620話

「ふむ、ここが寝床か。悪くない」

 

 天城屋旅館を見たムラタが感心したように言う。

 五飛も天城屋旅館については特に異論はないらしく、沈黙したままだ。

 

「影のゲートでここに来る前にも注意したが、現在この天城屋旅館には俺達の事情をある程度理解してるシャドウワーカー以外に、刑事……簡単に言えば治安組織だな。そこから派遣されてきた連中もいる。それと今回の件に巻き込まれた被害者で、狙われるかもしれない民間人もな。そんな訳で、妙な真似はするなよ」

「妙な真似とは、具体的のどのような事だ?」

 

 五飛の問いに、少し考える。

 気や魔力についてというのは、実際に影のゲートを使ったのを見せた事もあったし、美鶴のペルソナも見せている。

 それを思えば、そこまで問題はないだろう。

 だとすれば……

 

「一般常識に欠ける行動をするとかだな。後は気や魔力については事件の関係者なら知ってるが、この旅館の従業員とかは知らないから、そういう連中の前で使うのは止めてくれ」

「むぅ、そうなると迂闊な場所で訓練が出来んな」

「あっちに見える山とかでなら、あまり人目を気にしなくてもいいぞ」

 

 そろそろ夕方近くになった山を見て、そう告げる。

 とはいえ、春の山菜を採りに来たり、単純に山登りやピクニックをしに来たりする者もいるので、絶対に安全という訳でもないのだが。

 それでもその辺の広場とかで訓練をするよりは問題が起こる可能性は低い。

 訓練を竹刀とか木刀とかでやるのなら……いや、それでも山野真由美の件があった以上、稲羽市の住人に多くは不安に思っている筈だ。

 そんな中で竹刀や木刀を持って公園にいるのを見られれば、通報されてもおかしくはない。

 どこかに道場とかがあればいいんだが、八十神高等学校とかにならあるかもしれないが、稲羽市に一般人が使える剣道場とかそういう場所があるとは思えない。

 ……ムラタや五飛を一般人と認識してもいいのかどうかは微妙なところだが。

 

「そうか。瞬動を使えばそう時間も掛からないだろう」

「いや、瞬動を使ってるのを見られると問題だろうから、基本的に街中での瞬動とかの使用は禁止だ」

「む……」

 

 不服そうな様子のムラタ。

 とはいえ、瞬動を使った場合の移動速度は、それこそオリンピックの短距離の金メダルを取った選手よりも明らかに上だ。

 そんな光景を事情を知らない者に見られたら、どうなるか。

 間違いなく大きな騒動となるだろう。

 ……いや、単純に騒がれるだけならまだしも、場合によってはそんな常識外れの身体能力を持っている者がいれば、山野真由美の死体をTVのアンテナにぶら下げられるかもしれないという事で、犯人扱いされてしまう可能性は十分にある。

 それでも稲羽署や警視庁の方には足立の件が報告されているし、ムラタや五飛が俺の仲間、つまりシャドウワーカーの協力者という事もあり、実際に逮捕されるといった事はないだろうが。

 ただ、市民から連絡が入れば一応警察も動く必要があり、手間を掛けさせられたという事で嫌味を言われるかもしれないし。

 ホワイトスターにおいては、日本刀や青竜刀を持っていても何の問題もないし、瞬動を使っても問題はない。

 もっとも瞬動を使えるだけで、使いこなせずに無関係な相手にぶつかって怪我をさせたとかなれば、話は別だが。

 何しろホワイトスターに来る者達の大半は気も魔力も使えない一般人だ。

 瞬動を使って突っ込んでくる相手にぶつかれば、最悪死んでもおかしくはない。

 ……だからこそ、技術班の面々がエキドナや茶々丸、セシルから逃げる時は普通の瞬動ではなく虚空瞬動を使って人にぶつからないようにしたりしてるんだろうが。

 技術班の面々も、その辺についてはしっかりと考えているといったところか。

 

「いいか? もしお前達の行動が騒動の原因になったら、最悪そのままホワイトスターに送り返すことになる。くれぐれも気を付けろよ」

 

 そう言うと、ムラタも五飛も真剣な表情で頷く。

 その様子は、俺がこの世界での諸々……具体的には常識について話していた時も明らかに真剣な表情だ。

 この2人にしてみれば、ここで……それこそシャドウと戦う事もないままホワイトスターに戻されるのは絶対にごめんなのだろう。

 元々シャドウ……未知の存在と戦うのを楽しみに、ペルソナ世界にやって来たのだから。

 レモンが実働班に所属する者達の中でペルソナ世界に援軍に向かいたい者を募集した時、真っ先に立候補したのがこの2人なのは間違いない。

 ……個人的には円や美砂、綾子といったように実働班の中でも生身で戦うのを得意としている恋人達が来てくれれば嬉しかったのだが。

 あ、けどそうなると、それはそれで問題が起きるか。

 美鶴とゆかりの件だけでも、堂島は俺に恋人が複数いるという事に不満そうな様子だったし。

 その件はある程度何とか誤魔化す事に成功したが。

 あるいは堂島がこれ以上はもう俺に何を言っても意味はないと諦めたのか。

 その辺りの理由はともかく、堂島にとっても俺の恋人が増えるというのは問題だろう。

 それ以外にもシャドウワーカーには若い男もいるし、堂島の甥にしてこの件の主人公の可能性が高い鳴上も高校生と女に強い興味を持つ年齢だ。

 そんな者達が同じ屋根の下――当然部屋は別だが――で暮らすとなると、問題が起きる可能性は十分にあった。

 ましてや、恋人の俺が言うのもなんだが……あるいは恋人の俺だからこそ堂々と言えるのかもしれないが、円にしろ、美砂にしろ、綾子にしろ、俺の恋人は全員が魅力的な美人揃いだ。

 血迷う者が出て来ないとも限らない。

 ……もっとも、シャドウとの戦いを前提で選んだ以上、円にしろ美砂にしろ綾子にしろ、生身での戦闘はかなりの強者だ。

 ましてや、綾子にいたっては半サーヴァントと呼ぶべき存在となっている。

 例え戦闘訓練をしており、いわゆる特殊部隊並みの実力を持っている者であっても、綾子には赤子扱いされるだけだろう。

 とはいえ、円と美砂は今頃ナタルから艦長としての諸々を叩き込まれていたり、模擬戦を行っていたり、場合によってはUC世界でジオン軍の残党狩りで実戦経験を積んだりしていてもおかしくはないが。

 

「アクセル、いつまで旅館を見ているんだ? 中に入るのだろう?」

「ああ、そうだったな」

 

 ムラタの言葉で取りあえず円達についての一件は頭から消し、そのままムラタと五飛を引き連れて宿の中に入る。

 既に顔馴染みになっている旅館の従業員達は、俺を見ても軽く頭を下げてくるだけだ。

 だが、俺と一緒にいるムラタと五飛を見ると一瞬疑問の表情を浮かべる。

 それでも特に何か言ってくる様子がないのは、現在桐条グループと関係のあるシャドウワーカーが天城屋旅館に泊まっていて、それに協力している……もしくはその仲間である俺が連れて来た以上は関係者であると認識してるのか。

 俺が言うのもなんだが、ムラタにしろ五飛にしろ、かなりの存在感を持つ。

 そんな2人がただの宿泊客だとは……普段ならともかく、今のこの状況では到底考えられないだろう。

 そう言えば今更だが、ムラタと五飛の部屋はどうなってるんだろうな。

 美鶴の事だから、頼めばどうにかしてくれるだろうとは思うけど。

 ただし、堂島とかと違ってムラタと五飛は稲羽署とかは関係のない、純粋に俺が援軍として呼んだ2人だ。

 稲羽署や警視庁から天城屋旅館の宿泊料を引き出す事は出来ないだろう。

 つまりシャドウワーカーが……もしくは桐条グループだったり、場合によっては美鶴のポケットマネーでどうにかする必要があった。

 なんなら、宝石か金塊辺りを売ってそこから金を出してもいいんだが。

 

「ほう、外から見た時も思ったが、こうして中を見てもいい宿だな」

「そういうものか? 俺にはあまりこの手のものは分からん」

 

 ムラタと五飛の会話が聞こえてくる。

 その会話を聞く限りでは、ムラタは天城屋旅館を気に入ったらしいが、五飛はそうでもないといったところか。

 もっとも、五飛も別に天城屋旅館を嫌ってる訳ではなく、その良さが分からないといったところなのだろうが。

 その辺については、天城屋旅館で暮らしていれば明らかになるだろう。

 廊下を歩きながらそんな事を考えていると、向こう側から見覚えのある人物が姿を現す。

 そう言えば堂島が泊まりの準備をして天城屋旅館に来るように連絡しておくとか言ってたな。

 その人物……鳴上も俺の姿に気が付いたのだろう。

 十分に近付いたところで、小さく頭を下げてから口を開く。

 

「アクセルさん……でしたっけ?」

「ああ、アクセル・アルマーだ。堂島の甥の鳴上悠だったよな。……もう天城屋旅館に来てたんだな。急な事で驚いただろう?」

「はい。学校帰りに友人と話していたら、突然電話が来て」

 

 どうやら予想通り学校が終わってから寄り道をしていたので、俺達が菜々子を迎えに行った時もその姿はどこにもなかったらしい。

 高校生としては帰る時に友人とどこかに寄るのはそうおかしな話ではないが。

 これが進学校であったり、いわゆるお嬢様学校だったりする場合は寄り道が校則で禁止されていたりといったこともあるんだろうけど。

 ただ、八十神高等学校は普通の……本当に普通の高校だ。

 進学校程に成績の良い者が集まるような高校ではなく、いわゆるヤンキー高といったものでもない。

 ……実はこの世界がいわゆるヤンキー漫画が原作の世界だったら、そういう高校と関わったりするのかもしれないが。

 とはいえ、ヤンキー漫画の原作の場合って俺はどうなるんだろうな。

 素の身体能力で人間がもう勝てない混沌精霊の俺が、ヤンキー……いわゆる喧嘩慣れしてはいても、結局のところただの人間でしかないような奴と戦ったりするのか?

 うーん……それはそれでちょっと問題がありそうな気がする。

 そもそも普通に考えて、ヤンキーというのは喧嘩慣れはしていても実際に喧嘩が強いという事はない。

 いやまぁ、一般人として考えれば話は別だが。

 それでも格闘技とかをやってる相手とかと戦うのなら負ける可能性が高いだろう。

 まぁ、原作を破壊するのは間違いないが、素早くその世界の原作を終えられるというのは利点かもしれない。

 

「それで、もう何も荷物を持ってないって事は、部屋に置いてきたのか?」

「はい。今は叔父さんに来たというのを知らせてきたところです。……けど、菜々子が犯罪者に狙われるかもしれないって本当ですか?」

「生憎とその可能性はかなり高い。もっとも、だからこそ俺達がいる天城屋旅館に避難して貰ったんだが」

「その……聞いてもいいですか? アクセルさん達って警察って訳じゃないんですよね? なら、何で殺人事件に首を突っ込むような事を?」

「俺達……というか、シャドウワーカーは警察の外部協力組織って奴だ。この前、堂島の家で美鶴と会っただろう?」

「はい、あのとんでもない美人ですよね」

 

 やっぱり美鶴の美貌は相手に強い印象を残すらしい。

 鳴上も美鶴の名前を出すと、すぐに思い出す。

 

「そうだ。その美鶴が率いるのがシャドウワーカーって組織だ。……聞き覚えはないか?」

 

 ここで敢えてこのような問いを口にしたのは、もし鳴上がシャドウという存在と遭遇していれば、シャドウワーカーという名前に反応するかもと思ったからなのだが……

 

「え? いえ、ありません。もしかして有名な組織なんですか?」

 

 こっちの予想とは違い、あっさりとそう言ってくる。

 もしかしたらシャドウという単語に覚えがあっても誤魔化しているだけという可能性もあるのだが、鳴上を見たところそういう感じではないように思える。

 だとすれば、本当にシャドウという単語に聞き覚えがないのか……もしくは、俺を誤魔化せる程に表情を取り繕うのが上手いのか。

 とはいえ、鳴上は特に何か特殊な訓練を受けた訳ではない一般人だ。

 そんな人物である以上、そこまで取り繕うのが上手いとは思えない。

 もっとも世の中には天然でそういう事が出来る者がいたりもするので、これも絶対という訳ではないのだろうが。

 

「そうか。まぁ、知る人ぞ知るといった組織だからな。分からないのなら仕方ない」

 

 取りあえずそう誤魔化しておく。

 何も知らないのなら、これで誤魔化せるだろうし。

 知る人ぞ知るというのは、こういう時に便利な言葉だよな。

 もっともその道のプロに対してそういう説明をすると、あっさりとボロが出るが。

 

「そうですか。凄いですね。えっと……そちらの人達も?」

 

 鳴上の視線がムラタと五飛に向けられる。

 この2人は見るからに普通じゃないしな。

 日本刀と青竜刀を持っていなくてもこれなんだから、もし持っていたらどうなっていた事やら。

 いや、持っていたら旅館に入ってきた時点で従業員が騒いで騒動になってもおかしくはないか。

 山野真由美が最後に目撃されたのがこの旅館だし。

 

「シャドウワーカーに協力する2人だ。……じゃあ、悪いけど俺は大広間にいかないといけないから」

「あ、分かりました。じゃあ、これで失礼します」

 

 そう言い、鳴上は俺の前から立ち去るのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1820
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