大広間に入ると、そこではまだ何人もが自分の仕事を行っていた。
まだ夕方くらいなんだから、シャドウワーカーにしてみれば、まだまだ仕事の途中といったところなんだろうが。
それに外で情報を集めている者達にとっても、夕方で人が多くなった今が情報を集めるのに丁度いいだろうし。
……もっとも、夕方というのは買い物で忙しくなる時間でもある。
弁当や惣菜を買ったり、他にもタイムサービスを狙ったりといったように。
そういう意味では、情報を聞かせて欲しいと言われてもすぐにはいそうですかとは鳴らないだろう。
有名人であったり、見るからに顔立ちの整ってる相手だったり、もしくは多少のお礼という事で幾らか渡したりするのなら話は別だったが。
そういう意味では、情報を聞くのならある程度暇な時間帯とかがいいと思う。
それでもそこまで大きな情報を手に入れたりとかは出来ないと思うが。
「アクセル、戻ってきたか。……ムラタと五飛か。ある意味で納得の人選だな」
大広間に入ってきた俺達を見て、美鶴が納得した様子で言う。
ちなみに当然ながら、美鶴もムラタや五飛とは顔見知りだ。
美鶴は……このペルソナ世界だとゆかりもだが、結構頻繁にホワイトスターに泊まりに来ている。
その理由としては俺と恋人らしい事をする為だが、それなりにホワイトスターの中を色々と見て回ったりする。
何しろホワイトスターの中は交流区画には色々な世界の店はあるし、牧場には各種動物がいて、ワイバーンに乗ったりも出来るし、博物館には門世界のオークとかの標本とかもあり、公園にはエルフもいるし、最近は魔力泉のスパも出来た。
そういう意味で、ホワイトスターは観光地としても楽しい場所なのだ。
……ぶっちゃけ、稲羽市よりも観光名所としてはらしいのは間違いない。
そもそも俺が今言ったようなのがなくても、他の世界の住人と触れ合う事が出来たり、ホワイトスターが世界の狭間に存在するという時点でもの凄い観光名所になるのは間違いないのだが。
そんな訳で、ホワイトスターに住んでいない美鶴とゆかり……いや、ホワイトスターに住んでいる者達ですら、それなりに遊びに行ったりしていた。
そうして観光をしていれば、美鶴やゆかりも俺達だけではなく、他のシャドウミラーの面々と遭遇するのはそう珍しい話ではない。
「よろしく頼む」
五飛がそう挨拶をする。
ムラタの方は特に何を言うでもなく、一瞥しただけだ。
そして……
「ア、アクセル……少しいいか?」
大広間の中にいた堂島が、俺を引っ張って外に出る。
「どうした?」
「どうしたじゃない! 何だ、お前が連れて来た奴は。見るからに凶悪なヤクザ……それも修羅場を何度も潜り抜けてきたような奴じゃないか! もう1人は悠より若い子供だろう!」
どうやら堂島の刑事としての勘が、ムラタを危険な人物と判断したのだろう。
五飛の方は……実際にはW世界で仲間にしてから相応に時間が経っているのだが、時の指輪の受信機を身に付けてるから、不老なんだよな。
「堂島が不安に思うのは理解出来る。けど、あの2人はシャドウと戦う上で必須の人物なのは間違いない。……ただ、俺が言うのも何だが両方とも性格的に少し問題があるから、少し目に付くところがあるかもしれないが、その辺については色々と考慮してくれると助かる」
ムラタは一般的な生活……このホワイトスターにおいての一般的な生活ならともかく、ペルソナ世界における一般的な生活が出来るとは到底思えない。
そういう意味では少し混乱を起こす可能性はないでもなかったが、実際にムラタが戦力として使い物になるかと言われれば、俺は素直に頷くだろう。
五飛の方も……まぁ、ムラタ程に特化してる訳ではないにしろ、実働班の中ではそこそこ使える方だ。
そういう意味では、シャドウと戦うのに有益なのは間違いない。
堂島には酷な話だが、純粋に戦力として見た場合は結局――シャドウミラー基準で――素人でしかない堂島よりも、余程戦力として期待出来るのも事実。
そういう意味では、堂島が幾ら不満を持っているとはいえムラタと五飛を帰すつもりはない。
そもそもムラタと五飛はシャドウという未知の敵との戦いを楽しみに、自分から援軍に立候補したのだ。
もし帰れと言っても、大人しくこっちの言葉に従うとは思えない。
勿論、どうしても本気で帰れと俺が命令すれば、最終的には従うだろう。
だがそこまでする必要があるかと言われれば、それは否だ。
俺としてもそこまでしてムラタと五飛を帰らせる必要は感じていない。
最悪、ムラタが非常識振りを発揮して、日常生活的に何か問題を起こしたりすれば、ホワイトスターに帰した方がいいという事にもなりかねないが、今のところはまだペルソナ世界に来たばかりでそういうことはないし。
「分かった。アクセルがそこまで言うのなら、信じるよ。けど……何か問題を起こしたら、こっちも相応の対応をする必要があるとだけ覚えておいてくれ。それ以外にも、出来ればあのムラタという奴にはこう……大人しく見えるようにして欲しい」
「出来るかどうかは分からないが、一応言っておくよ」
ムラタは外見や雰囲気からして、ただ者ではないと分かってしまう。
シャドウミラーの中にはムラタよりも強いのにそれを感じさせない者も多いのを考えると、そういう意味でムラタはまだ未熟なのだろう。
それ以前に、本人がそれを隠そうとしていないというのが大きいのかもしれないが。
これが鬼滅世界なら、鬼と戦う以上はそれでも問題はなかったし、そもそも鬼殺隊が秘密組織だったので、問題はなかった。
あ、鬼殺隊と言えば獪岳ってどうなった?
ムラタに訓練をされていた筈だが。
もう鬼殺隊はなくなって耀哉が会社を立ち上げたので、そっちで働いているのかもしれないな。
ともあれ、鬼殺隊とシャドウワーカーは、人ならざる者と戦うという意味では同じだが、その辺が同じであっても時代が違う。
そうなるとどうしても、常識とかそういうのが変わってくる。
ムラタがそれに合わないのは仕方がないのかもしれないが。
「頼むぞ。悠はともかく、菜々子がいるんだ」
ああ、なるほど。何故堂島がムラタについてそこまで考えていたのかと疑問に思ったが、菜々子の件か。
……実際に、ムラタは教育には悪そうだしな。
ムラタと親しくしてると、将来的に色々と問題が起こりそうだ。
そう言われると、俺も反論をするのは難しい。
いや、待てよ? そうなるとラピスやルリの教育にも悪いのか?
ラピスやルリがムラタと接触する機会はそう多くないだろうが、それでも機会が全くない訳ではない。
「お前の気持ちは、同じ子を持つ親として理解は出来るが。けど、ムラタも……」
「待て。ちょっと待て。今、アクセルは子持ちと言ったのか? それとも俺の聞き間違いか?」
「別に聞き間違いとか、そういう訳じゃないな。子供がいるのは事実だ」
「お前……子供がいるのに、何人もと付き合ってるのか? それはどうなんだ?」
今までで一番強い呆れの表情を浮かべつつ、堂島が言ってくる。
堂島にしてみれば、俺に子供がいるというのが信じられなかったのだろう。
堂島の常識で考えれば、そんな風に思ってもおかしくはないが。
ただ、ラピスにしろルリにしろ、俺の子供ではあるが、正確には養子なんだよな。
2人とも、ナデシコ世界で実験をされていたのだ。
ルリの場合はその実験も一通り終わり、ナデシコのオペレーターとして売り払われていたが。
ともあれ、2人共俺の子供ではあるが血は繋がっていない。
……そもそもの話、混沌精霊の俺が美鶴を始めとした人間の女との間に子供が出来るのかどうかさえ分からない。
いや、考えるまでもなく子供は出来ないか、あるいは出来るとしても非常に出来にくいのだろう。
何しろ俺がレモンとそういう関係になり、恋人を増やしながらも夜は毎晩のように避妊はせずに夜の行為をしている。
それでもまだ誰も妊娠したりしてないというのだから、つまりそういう事だろう。
あるいは、寿命が長くなったから子孫を作る必要性が減ったとか、そういう事かもしれないな。
それを言うのなら、混沌精霊という種族は俺が知る限り俺以外に誰もいないのだが。
「色々とあるんだよ、色々と。それに……こう言うのはなんだが、家庭環境は決して悪くないぞ?」
これは事実だ。
普通なら義理とはいえ自分の父親が多数の女を恋人にしているというのは問題があるのだろうが、ラピスとルリは普通にレモン達と上手くやっている。
美鶴やゆかりのように、俺と一緒に暮らしていない者達とも友好的な関係だし。
ある意味、それぞれがお互いの存在を尊重しているからこそ、成り立っているのだろう。
一線を越えた自分勝手な奴がいれば、俺達の生活は破綻していてもおかしくはない。
だが、今のところそうなる可能性はまずないだろう。
その辺は最初に俺の恋人となったレモンが上手い具合にやってくれているからというのが大きい。
「一体何がどうなればそういう風になるんだ?」
「そうだな。取りあえずいつ死んでもおかしくない……いや、死なないとおかしいような修羅場を何度も繰り返せばだ」
それだけで今のような状況になってる訳ではないが、それでもその修羅場というのが今の俺の状況に大きく関わっているのは間違いない。
だが、そんな俺の言葉が嘘や誤魔化しだと判断したのか、堂島は白けた視線を向けてくる。
無理もないか。ペルソナ世界の……しかも田舎で暮らしている者にしてみれば、普通ならそんな状況に足を踏み入れる事はないのだから。
ニュクスの一件があったが、それについても……まぁ、情報とかは降りてきてないのだろう。
あるいはニュクスの一件は警視庁とかも知らなかったりするのかもしれないな。
ここでニュクスの件を言っても、それこそゲームや漫画、アニメの話だと思われそうなので、その件については言わないでおく。
「修羅場って……もしかして紛争地域にでも行ってたのか?」
「似たようなものだな」
ペルソナ世界であっても、大規模な戦争とかはあまりないらしいが、小規模な紛争は相応にある。
それこそ外国人傭兵部隊とか、そういうのもあるらしいし。
ただ、日本が関係するような紛争とかではないので、普通に日本で暮らしているだけではそのニュースに流れたりはしないのだろうが。
海外の情報収集をしっかりしてるとか、故郷が紛争を行っている場所の近くだとか、そういう風でもなければ、なかなかその辺の情報を知る機会はない。
恐らくだが、稲羽市……いや、日本人の全てに聞いても現在どこで紛争が行っているのかといった事は到底分からないと思う。
「そうか。……苦労してるみたいだな」
「苦労をしてるのは間違いないが、知っての通り俺には特殊な力もある。そういう意味ではここまで生き残ってこられたのはそのお陰だな」
そう誤魔化しておく。
とはいえ、その言葉は決して嘘という訳ではない。
幾つかの転生特典があり、そのお陰で俺はこうして生き残ってきたというのは、間違いのない事実だ。
もし俺が転生特典も何もなかったら、今までこうして無事に生き延びられたかどうかは分からないだろう。
「そうか。……そうだったな。とはいえ、俺にはアクセルのように恋人が複数いるのはあまり褒められた事には思えないがな」
「その辺は人によって、国によって、常識によって違うって事だろ。堂島にとってはそう思えるかもしれないが、俺にとっては自然な事だ」
実際、法律的な意味でならシャドウミラーにおいて重婚は禁止されていない。
……されていないというか、寧ろ法的に認められている。
ちなみに当然ながら、その法律を作ったのは政治班で、政治班の中にはあやかや千鶴、凛といった俺の恋人達がいるのだが……うん、政治班が決めた事だし問題はないよな。
それに、俺の恋人達の中に日本人は……あやか、千鶴、円、美砂、凛、綾子、ゆかり、美鶴、ミナト……エリナも一応日本人に加えてもいいのか? ……実は結構多いな。
勿論1つの世界だけではなく、色々な世界の日本人なのだが。
「取りあえず、そんな訳でムラタと五飛については心配いらない」
半ば無理矢理話を戻し、そう言う。
堂島も無理矢理話を変えた事には気が付いたのだろうが、大きく息を吐いてから口を開く。
「アクセルがそう言うのなら信じよう。ただし、何かあった場合はアクセルに対応して貰うから、そのつもりでいてくれ」
結局最後にそう言い、それで堂島の話は終わる。
多数の恋人がいる件については、取りあえずスルーでもする事にしたらしい。
その辺を突いても、俺が考えを変えるとは思わなかったのだろうし、何より俺との関係を悪くしてまでその話を続けようとは思わなかった……といったところか。
俺にとってもそれは悪い話ではないので、そのままその件に関しては話を終えるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2295
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1820