「では、アクセル王。残念だが私はこの辺で失礼する」
ビショットの言葉は、お世辞でも何でもなく本当に残念そうに思っているような感じだった。
隣では、護衛のガラミティがいつ何があってもいいように周囲の様子を警戒している。
三日前にギブン家の襲撃があったばかりなんだから、無理もないのだが。
ちなみに、普通ならその日のうち……もしくは翌日にでもビショットはクの国に戻ってもよかった。
しかし、こうして三日の間ルフト領に残ったのは、ビショットがギブン家の行った攻撃に怯えて逃げたという風評を避ける為らしい。
リスク管理的にどうなんだ? と思わないでもなかったが、ファンタジー世界のバイストン・ウェルにおいては、逃げたという風評は避けたかったのだろう。
勿論、その辺りの感覚は個人によって違うので、皆がビショットと同じ反応をするとは思えないが。
例えばフラオンとかなら、翌日とは言わずその日のうちに、すぐにでも自分の住居たるエルフ城に逃げ帰るだろう。
またアの国の近くにあるラウの国は国王も前線に出て戦うタイプの国王なので、自分がいる時に友好勢力が襲われるような事にでもなったら、それこそ自分も戦うといったような行動をしかねない。
「ああ、またな。次のオーラバトラーが貰えるのを、楽しみにしてるよ」
そう言うと、ビショットの護衛のガラミティが少しだけ反応する。
模擬戦でガラミティが負けたからこそ、アルダムの次にクの国が開発しているという新型のオーラバトラーを貰う約束をしたのだから、当然だろう。
ガラミティ本人は模擬戦の結果に納得出来ているのか、少し反応しただけだったが。
「ふふっ、期待するといい。……ではな」
ビショット的に、最後に挨拶をするのは俺でいいのか? と思わないでもなかったが、ドレイクとの挨拶はもっときちんとした場所でもう終わっている。
そういう意味では、ビショットがこうして俺との挨拶を最後にするというのも、そんなに間違ってはいないのだろう。
ともあれ、ビショットは少し離れた場所で待機していたナムワンに向かう。
ガラミティも、最後に俺の方を一瞥して小さく頭を下げると、ビショットを追う。
そうして少しすると、2隻のナムワンは浮かび上がってクの国に向かって移動を始める。
それを見送ると、今日はもう特にやるべき事はないんだよな。
いや、ギブン家との全面対決が近いという事もあってか、騎士や兵士達はかなり真剣に訓練をしているし、ドラムロのパイロットに選ばれた者はオーラバトラー同士で模擬戦を繰り広げている。
それもいつものように地上だけではなく、空を飛べるというオーラバトラーの特徴を活かして、空での模擬戦だ。
そんな模擬戦の中には、3機のダンバインもいる。
当然、そのダンバインのパイロットが誰なのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
ショウがギブン領に亡命した以上、マーベル、トッド、トカマクの3人以外にはいない。
トカマクのダンバインも修理が終わったのでこうして戦いに出ているが、ダンバインの予備部品の問題もあって、慎重に戦って欲しいと言われてるらしいんだよな。
「マーベル、さすがだな」
模擬戦は、マーベルのダンバインとドレイクの部下のドラムロが組み、トッドとトカマクのダンバインと対するといったものだ。
トッドとトカマクにしてみれば、ドラムロはともかくマーベルのダンバインは厄介な存在だろう。
始まりの聖戦士と呼ばれる事も珍しくないマーベルは、当然ながらダンバインの操縦方法という意味でも明らかにトッドやトカマクよりも上だ。
そんな状況である以上、トッドとトカマクは1人ずつでは勝ち目がないと判断し、それぞれに連携を意識し、何とか立ち向かっている。
とはいえ、こうして見る限りでは、やっぱりトッド達に勝ち目はないっぽいな。
だが、今のギブン家にはショウの操縦するダンバインがいる。
原作主人公であるというのを考えなくても、ショウはオーラバトラーのパイロットとしてかなりの実力を持つ。
リムルに唆されたのか、それとも他の理由か。
その辺りは俺にも分からないが、厄介な相手なのは間違いない。
意外とリムルの可愛らしさに惹かれて……というのは、そんなに間違っていないのかもしれないな。
ショウはそれなりに顔立ちが整っており、美形と言っても全員が頷くとまでは言わないが、半分以上は頷いてもおかしくはない。
そうである以上、地上界にいた時は女に不自由していなかったという可能性はある。
だが……ショウが住んでいるのは日本だ。
そんなショウにとって、お姫様といった様子のリムルは魅力的に映ってもおかしくはない。
個人的には、リムルとそういう関係になりたいとは思わないが。
しかし、それはあくまでも俺の感想だ。
姫といった存在を初めて見たショウだけに、リムルに惹かれてもおかしくはない。
人間、どうしても姫とかそういうのに惹かれる一面があるのは事実だし。
女の場合は王子とか、そっちに惹かれる感じだ。
そういう意味では、何気に俺の恋人達の中にはそういう者が多かったりする。
コーネリアはブリタニアの元皇女だし、あやかや千鶴は姫という訳ではないが、財閥だったり大企業の娘でお嬢様と呼ぶべき存在だ。シェリルは姫やお嬢様とはちょっと違うが、マクロス世界で銀河の歌姫と呼ばれているし、美鶴もまた財閥のお嬢様だ。
恋人って訳じゃないが、俺と親しい関係のセイラなんかは姫やお嬢様どころか、女王だったりする。
うん、こうして考えてみると何気に俺の関係者って姫やお嬢様、女王様率が高いな。
ともあれ、そういう意味で俺は姫という存在に慣れてはいる。
……慣れ云々を抜きにしても、ルフト領の住人からの税金で育ってきたリムルがルフト領を捨ててギブン領に亡命といった形になるのは、自覚が足りないと思うんだが。
ショウには見る目がなかったな。
いやまぁ、実際にショウがリムルをそういう対象として見て、ギブン家に亡命したのかどうかというのは、俺にも分からないが。
そんな事を考えつつ、俺は適当に移動する。
特にどこに行くといったような目的はなく、気の向くままといった感じで。
何にしろ、事態が動くのはフラオンに会いにいったバーンが戻ってくるか、もしくはまたギブン家が襲ってきたらという事になるだろう。
前者はともかく、後者はまたいつそんな事になるのか分からない以上、油断は出来ない。
出来ないが、多分ギブン家でもすぐに次の行動に出られるとは思わない。
元々、ギブン家はアの国の中では大きな領地だったとはいえ、それでもルフト領と比べれば小さいし、国力――領力と呼ぶべきかもしれないが取りあえず国力としておく――に関しても、劣る。
そんなギブン家が、この短い期間で何度もルフト領に攻撃を仕掛けてきたのだ。
基本的に奇襲だった事もあり、受けたダメージが大きいのはドレイク側だろう。
しかし、それでもギブン家も全くの無傷という訳ではない。
元々オーラバトラーの数と質、双方共にルフト領の方が上なのだ。
ゲーム的に表現するのなら、体力が10のキャラAが体力50のキャラBとそれぞれ戦って、AがBに5のダメージを与えたのに対し、BがAに2のダメージを与えた。
BがAに与えたダメージは半分だが、体力の割合という事で考えれば、Aは残りの体力が8なのに対し、Bはまた45の体力が残っている。
AとBのどっちが有利なのかは、考えるまでもないだろう。
もっとも、これはあくまでも極端に単純化した例であって、実際には様々な状況が関わってくるだろうし、ルフト領の方がギブン領より国力が上だとしても、例のように5倍もの差はない。
ともあれ、ギブン家の方でもそれなりにダメージを受けているのは間違いない。
もしギブン家がこの状況をどうにかするのなら……そうだな、例えばドレイクと同じようにオーラバトラーを売って金を得て、それで実力をつけるといったところか。
「アクセル? こんな所で1人で、どうしたんだ?」
と、不意にそんな風に声を掛けられる。
声を掛けてきた相手は、考えていた一件について詳しい意見を持っていてもおかしくはない、ショット。
どうやら、いつの間にか機械の館の近くまでやって来ていたらしい。
「こんな所で1人って、俺が機械の館にいてもおかしくないと思うが? そういう意味では、寧ろそっちこそ1人で何をしてるんだ?」
実際、機械の館には俺が乗るサーバインも置かれているのだから、その様子を見にきたという事は普通にある。
寧ろ、機械の館の近くとはいえ、ショットが1人でいる事の方が疑問ではあった。
「私は少し気分転換だな」
「気分転換? また、珍しいな」
俺が知る限り、ショットに気分転換といったような事は似合わないと思う。
とはいえ、ショットも人間である以上、気分転換がしたくなるような事があってもおかしくはないが。
「そうか? 私も普通の人間なんだ。アクセルのように魔法を使ったり出来ない以上、気分転換くらいはするさ」
「いや、魔法と気分転換にどういう関係があるんだよ? まぁ、魔法によっては気分転換出来るかもしれないが」
回復魔法とかで精神をリラックスさせるような魔法とか、そういうのがあってもおかしくはない。
また、純粋に気分転換をするというのなら、それこそ俺の炎獣とかは気分転換に使えるかもしれないが。
「ふむ、そういうものか。魔法だから何でも出来るという訳ではないのか」
「出来る奴もいるのかもしれないが、俺には無理だな」
シャドウミラーで魔法の教師というか、教官的な存在のエヴァも、吸血鬼であるが故に回復魔法は得意ではない。
回復魔法も使える千鶴やあやか、魔法ではないが、アーティファクトによって歌で相手をリラックスさせる美砂、そして回復魔法の専門家たる近衛といった面々なら、あるいは魔法で相手をリラックスさせるような事も出来るかもしれないな。
そんな風に思いつつ、ちょうどショットが出て来たという事で先程思いついた事を尋ねてみる。
「ショット、ギブン家がドレイクと同じようにオーラバトラーを売って、その金で軍備を整えるといった可能性はあると思うか?」
「ふむ……ないな」
俺の言葉に少しだけ考える素振りを見せたショットだったが、即座にその意見を否定する。
「あっさりと言うな」
「幾つか理由がある。今からギブン家がオーラバトラーやオーラシップを売るとして、まず顧客をどうやって見つける? 積極的にオーラマシンを導入している勢力は、既に私達と取引をしている」
「だろうな。けど、積極的にオーラマシンを導入してるからこそ、ゲドやドラムロとはまた違う、独自のコンセプトで開発されたダーナ・オシーは欲しいんじゃないか?」
「1機や2機なら、性能検証用に……もしくは解析用に欲しいかもしれないな。しかし、実際にオーラバトラーを使うのなら、ドラムロの方が性能は上だ」
「ゲド以上、ドラムロ以下か」
その言葉は、ショットやゼットが俺が確保してきたダーナ・オシーを解析して得た性能を示す言葉だった。
そしてオーラバトラーを使うのなら、当然だがより高性能な方を使いたいと思うだろう。
それに、ダーナ・オシーは高機動型の機体だ。
その性能を十分に活かすには、相応の技量を必要とされる。
だが、ドラムロはフレアボムという高火力の武器と厚い装甲を持つ、初心者でも操縦のしやすい機体だった。
そう考えれば、オーラバトラーを購入する者の大半がドラムロを選ぶだろう。
「そうだ。それにルフト家とギブン家が敵対しているという情報は、広く知られている。そのような状況でギブン家に手を貸すような真似をした場合、次の取引に影響するだろう」
「なら、オーラシップはどうだ? ギブン家が使っているゼラーナは、ナムワンよりも性能が高いんだろう? なら……」
「なるほど、オーラシップはまだこちらもそこまで発展していないだけに、可能性としては否定出来ないが……ギブン家ではゼラーナのようなオーラシップを量産出来るだけの余裕があると思うか?」
「量産は無理でも、1隻ずつ作る事は出来るんじゃないか? 実際にゼラーナを作ったんだし。それにオーラシップは当然だが、製造コストも高いから売値も高いだろうし」
1980年代に生きているショットに分かりやすく説明するとすれば、オーラバトラーが戦闘機でオーラシップは空母のような物か。
いやまぁ、その辺はショットも十分理解しているだろうから、わざわざ俺が説明するまでもないだろうが。
「高いのは間違いないが、オーラシップを製造出来るような大きな機械の館があったら、それは間違いなくこちらでも発見出来る筈だし、狙うだろうな」
断言するショットの言葉に、俺も同意する。
ルフト領とギブン領が本格的な戦いになってしまっている今となっては、オーラシップを製造出来るような大きな機械の館というのは、攻撃目標としては十分なのだから。
そんな風に、俺は暫くの間ショットと会話を続けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1650