キヴォトスでちょっとエッチな精子脳男子をヤってみた話(旧題『カヤ虐曇らせモノ』) 作:ニーガタの英霊
2024年の春のアニメ化とともにブルアカを始めた作者ですが、なんだかんだ感慨深いものを感じます。
四周年のガチャではセイアとリオが実装され喜んでいる先生諸兄も多いことでしょう。特にリオは自分の想像以上に幼い面があって、あっリオってこういうキャラでいいのかと新発見もありました。まぁ17歳だからそんなもんだよな。
というわけで過去編の投稿です。何人か原作キャラも出てるので何人いるか探すのも楽しいと思います。
「よォ、探したぞ」
男性特有の低く重い声に地面に向けていた顔をあげる。
「お前か……」
「おう、モテモテハーレムマスターのイサクさんだぜ」
こいつはいつも何を言ってるんだろう……。
『貴方は、自由ですわ。誰にも縛られることはなく、誰にも縛り付けられることなど出来ない。耐える必要なんてありませんもの』
先ほどのワカモの言葉が脳内を駆け巡る。
この目の前の男は枷だ。私を縛り付ける枷である。
背中に感じるずっしりとした重い感覚。
実弾の入ったハンドガンが嫌に気になって仕方がなかった。
──この銃でイサクを撃てば、何か変わるだろうか。
「……まぁ、なんだ」
イサクは言いづらそうに後頭部を乱暴に掻きながら。言葉を濁すが、意を決したかのように口を開いた。
「悪かったよ。すまねぇ……俺はどうにもデリカシーってやつに欠けるところがあるみたいだからな……ズケズケと言い過ぎた」
申し訳なさそうに、イサクはポツリと語りだす。
「でもな、言ったことは全部本心だ。お前はお前が思ってるほど、嫌な奴じゃねぇ」
「……そんなことが、お前以外に言えるとは思えねェよ」
世界はイサクほど寛容ではないし、人間はイサクほど優しくも、甘くもない。
「世間は道を踏み外した者には辛辣だ」
罪を犯した人間というバイアスだけで、人はその対象に対してマイナスなものと決めつけにかかる。
一度道を踏み外したやつは、同じことを繰り返す。
そこから更生し、這い上がることなど出来はしない。
「イサク、お前は良いやつなんだろう……」
イサクは、きっといいやつだ。
イサクはおちゃらけているしデリカシーはないしウザいし寒い。
でも何一つとしてこの男は私を蔑んだ目で見なかった。
私自身ですら見下げ果てるこの身をイサクは信じている。
「でも、馬鹿だ……」
私はこの愚か者を、嫌いにはなれなかった。
……。
………。
「災厄のぉ……随分とご機嫌じゃないか?」
鼻を妙につく紫煙の香り。
ニヤニヤと享楽的な笑みを浮かべるスキンヘッドに額から左頬にかけて描かれたタトゥーという特徴的な風貌を見せる生徒がワカモを見つめる。
「相変わらず、酷い匂いですわ」
「酷いもんだねぇ……おれは悲しいぜ。喫煙者の居場所なんて今じゃどんどんなくなってるときた」
世間は冷たいねぇ……、とワカモに対して声をかけたスキンヘッドの生徒は肺いっぱいに紫煙を送り込み煙草を味わう。
「そうだよ!! 君も言ってくれないか!! 災厄のッ!! えぇっ!? 君はタバコにおける健康被害を知らないのかね!! 君一人が勝手に不健康になる分はいいんだよォ!! でもね、このボクの素晴らしい身体に対しての副流煙による健康被害を考えてほしいッ!! いいかい!! もしボクが肺癌なんかで病に倒れたらどうするんだいッ!? ボクの偉大なる頭脳と発明が少しでも世界に出回る前にそんなことになってしまったら……!? これは世界の損失だよッ!! いいかいッ! これは人類史に対する反逆だよ!! 素晴らしき人類の進化の歩みを留めてしまう、愚行……ッ!! 人類の発展の阻害……ッ!! 世界の未来を暗く閉ざす行い……ッ!! あり得ない……ッ!!」
ブカブカの白衣を包み、大きな瓶底メガネをかけた生徒は興奮とともに甲高い声をあげてヒステリックに叫ぶ。
「……勉強のし過ぎて頭おかしくなってんじゃねぇのか『
「おかしい……? このボクにおかしいだと? 狂ってるだと!? あり得ないね、ボクはボクが信じる最善を選んでるだけさッ!! 蒙昧どもにはわからないのさ!! いいかいッ!! ボクは常に正しい!! ボクの持つ正義は英知なき
「あー……はいはい、すごいすごーい」
こいつ会話するたびに面倒くさいなと二丁拳銃と呼ばれた生徒は辟易する。
「『
「あいつなら現場の下見だってよ。相変わらず、『教授』の連れてくる奴は癖が強くてたまらないね」
やれやれ、と『二丁拳銃』は肩を竦める。
その背中、机に置かれた無線機に音声が入る。
『ほむ…皆さんおそろいのご様子で……』
「『蒐集家』が居ないよ『教授』」
「まったく、時間を守れないなんてとんでもない奴だッ!! 一人の遅刻のせいで色んな人に迷惑をかけている!! 特にボクの数少ない時間が無駄に浪費されていくんだよ!! 一人が一分遅れれば此処にいる三人はどうなるんだい!! 全員が無為にした時間を併せれば三分にもなる!! 人類の発展の阻害だッ!! 素晴らしき未来のために邁進する人々の足を引っ張る行為だよッ!! これは由々しき事態だ!! 無駄……! 無為……! 非効率の極みだ……ッ!!」
「ハァ……本当に騒がしいですわ」
あれ、これおれがどうにかしなきゃいかないの?
『二丁拳銃』は我彼関せずといったワカモやヒステリックに不満をぶちまける『武器屋』の姿に一人頭を痛める。
『ほむ……問題はありません。『蒐集家』の役割はあくまで補給と逃走補助ですからね。暴れ回る役割は『災厄』と『二丁拳銃』に一任するのが当初の予定ですから』
「えぇ、せっかくのお祭りですもの……楽しまなければ損というものですわ」
「ふんッ! 祭りなどというものはどうでもいい!! これは得難き機会だ!! SRT特殊学園という極めて超特異的な戦闘集団に対するボクの発明の数々の試運転と彼らの技量の測定!! この出会い……! この戦い……! そしてこの瞬間こそが……ッ!! キヴォトスにおける技術のさらなる進化と未来を切り開く化学の発展の重要な転換点になるのさッ!!」
「なぁ、教授……こいつら頭おかしいんだが」
『実力は折り紙付きですよ? なに、ご安心ください』
実力は、とは言うがそれ以外に関して何とかしてほしい。と『二丁拳銃』は困ったように深く紫煙を吐き出した。
苦い現実に対してキャスターの甘い香りはいつもこの身を支えてくれる。
『犯罪コンサルタントとして、クライアントの願いを叶えましょう。ご期待ください
仮面の奥で喜悦に歪んだ顔でワカモはその瞬間を待ち遠しく思うのであった。
……。
………。
『じゃあ俺っ、仕事あっから!!』
イサクはサムズアップをしながら駆け足で遠ざかって数分。
私は途方に暮れていた。
団体行動は得意ではない、単独のほうが動きやすいし気を使わなくていいからだ。
それに……この腰に差した拳銃についての言い訳をせずに済んだ安堵もある。
「……腹、減ったな」
思えば腹の虫が鳴り響き、昼食のカレーをほとんど食べずに出ていったことを思い出す。
懐に手を入れるとそこには十数枚の半券──イサクに無理やり持たされた、基地祭の出し物と交換できるものがあらかじめ手渡されていたことに気付く。
手頃そうなホットドッグや定番なやきそばやたこ焼きお好み焼きといった粉物。勿論食品を扱う屋台だけではなく子供も楽しめるようなくじ引きや射的といった物もありちょっとした縁日を思わせる。
ほんの少しの懐かしさとチクリと胸を刺す痛みが私の心を冷たく凍てつかせる。
あの日に繋いだ両親の手も。
歩き食いに慣れなくて落としてしまったリンゴ飴も。
育てられないと言われながらも挑戦した金魚すくいも。
パパに肩車をしてもらって見たきらめく花火も。
もう、二度と帰ってくることのない思い出なのだ。
「……蕎麦か」
腹に溜まればそれでいい。
丁度手頃そうに食べれて、腹も溜まり、出てくるのも早そうな暖簾とカウンター付きの四人掛けの蕎麦屋が目に入る。
「おぅ! いらっしゃい!!」
濃紺の作務衣を纏う目元に傷のある柴犬の大将は見るからに快活そうに笑顔で接客をする。
「「かけそば、温かいので……あぁん?」」
声が重なり、ふと隣を見る。
不健康そうな隈が残る目つきの悪い睨んでるかのような形相。
金色の肩に掛からないショートボブの髪にピンっと立った獣耳。
「狂犬……!!」
「お前っ……鉄兜っ!?」
かつての天敵であり、私とは真反対に位置するヴァルキューレ警察学校、公安局の狂犬──尾刃カンナの姿がそこにあった。
「お前っ、なんでこんなところにっ!?」
「そちらこそ……いや、イサクの連れか。まったく、あいつ……この女を放って何をやってるんだ!!」
舌打ちをして、あからさまに不機嫌な様子を隠そうとしない
「まあいい、早く座れ。どうせ貴様も昼食だろう?」
「……アンタ、よく平気で座れるな」
狂犬は頬杖を付きながらカウンターに腰掛け、大将から手渡されたコップにカウンターに鎮座するピッチャーを傾けてた。
「今日は非番だ。プライベートで仕事のことを考えて休日を無為に過ごしたくない。違うか?」
「……公安局の狂犬のセリフとはおもえねェよ」
コップを口元に持っていき、よほど喉でも乾いていたのか狂犬は一気に飲み干す。
「あいつは甘すぎる。そうは思わないか?」
あいつ──イサクのことだろう。
「基地内だから大丈夫だろう……見通しもそうだが、他人に対する判断も甘すぎる。もう少し人を疑うことを覚えた方がいい」
「随分と、口が軽いじゃないか……」
こういうタイプの人間は私のような不良とは話したがらないと思っていた。
「……昔からの付き合いだからな。随分と迷惑をかけたし、かけられたこともある」
所謂、幼馴染というものだろう。
筋肉ダルマと強面の狂犬。お似合いと言えばお似合いなのだろう。
「──裏切ってくれるなよ」
語気を強めて、
「……裏切るなんざ」
「別に、期待を裏切るなとかそういうことではない。ただ、信頼には信頼を以て報いてもらいたい。それだけの話だ」
信頼、か。
そういうのとは関わりはなかった。
利用して、利用されるのが当たり前。
職務上の関係はあれど、そこには人格なんてものは介在しない。
あるのは実力主義的な、力でねじ伏せるだけの行為。それだけだった。
「お前のことはよく知っている。私とイサクで調べたからな」
「アタシを捕まえるためにか」
「あぁ…」
総勢4000人。キヴォトスを潰すために集めた乱痴気騒ぎのために集めた兵力の数である。
声をかけ、数を増やし、金銭をばら撒いてかき集めた数であり、D・U内で同時多発的に政府の主要官庁や企業の本社に対して襲撃をかける予定だった。
あの日、ヴァルキューレの奇襲を受けなければ成功していた筈だった。
その結果、私は捕縛され集めた兵力は烏合の衆と化したのだろう。
その勝利の立役者となったのが
「貴様には同情する面もあるだろう。だがな、それが破壊行為や窃盗を肯定する理由にはならん」
「ふん、アンタにわかるか……ヴァルキューレなんていう良いところのお嬢様に」
ヴァルキューレ警察学校になぞ入るぐらいだ。
さぞかしご立派な教育を受けたのだろうことは想像に難くない。
「──私とイサクが住んでいたのは、ブラックマーケットの郊外にあるボロ長屋だ」
だから、その言葉に衝撃を受けた。
「イサクの父親たちは碌でもない悪党で、私の母親は子供を捨てて蒸発した碌でもない親だったよ」
カンナは呆れたように自嘲する。
「父親の顔は知らない。生まれたときから酒浸りの母親が居て、路地裏でゴミを漁りながら生き永らえる。そんな日々だ。親らしいことなんて一度も覚えがない。ああそうだ。母親としては0点といってもいい」
片親で罵声を浴びせられ、機嫌が悪ければ暴力を振るわれる。
それでも寝床があるだけマシだった。
親の愛情なんてものを感じることもなく、二人の関係は奇妙な同居人でしか無かったのだと言う。
「それでも、親だったんだ。居なくなった時、酷く不安で寂しくて、悲しかったんだ。不思議だろう? 親らしいことなんてしてもらったことないのに。居ないほうが罵声も暴力も飛んでこないというのに。それでも私は母親を求めていたんだ」
言葉では言い表せない。
ただ幼いカンナは母親を求めていた。
理屈ではないのだ。
子供が母親を求めることは。家族を想うのは。
喪失とは当たり前を奪われることなんだと。
「貴様の気持ちをわかるなど言わん、ただ想像は出来る。その上で私はこう言おう。どんな理由があったとしても、それが誰かを害する理由にはならん」
それを理解したうえで、その気持ちを持っていた上でカンナは私に冷たく吐き捨てる。
奪われた痛みを、他者から奪うことでは決して癒えることはないのだと。
「へいっ、かけ蕎麦二杯おまちっ!!」
そんな思考を遮るように大将は軽快な声で私の目の前につゆの並々入った蕎麦を出す。
「……なんか、多くね?」
「へへっサービスよ。湿っぽい話よりも蕎麦を食って身も心も温まってほしいからな!」
蕎麦屋の大将は目元を拭うようにして快活に笑う。
その笑みは嫌なものはなく、どことなく相手を思いやるような清々しいものだった。
「ほらっ、あったかいうちに食ってくれ」
「……いただきます」
卓上に備えられている割り箸を手に持ち、まずは一口出汁を啜る。
美味い……。鰹と昆布の魚介の旨味が優しく染みるような出汁だ。蕎麦はそこまで香りが強い訳では無いがつるりとするする入ってくる。
「同割ですか?」
「おうよっ、馴染みの製麺所に頼んで特別に
「飲食店ですか?」
「ああ! しがないラーメン屋だよ」
カンナは大将に質問を投げかけると気前よく大将は答える。
なんというか、随分と粋な人柄をしている。
「アビドス……か」
砂漠の砂に覆われたあの場所に店を構える。
楽なことじゃない筈だ。少なくとも、碌な雇用もないかつての栄華の残骸しかないのがアビドス自治区というものであることを私は深く理解している。
その後も黙々とそばを啜るとあっという間に平らげてしまう。
なんとなく居心地が悪かった。この空間でひどく自分が異物のように感じられて、金券を取り出してそそくさと店を後にする。
「ご馳走様です」
「ああっ! また来てくれよ!」
カンナもそばをペロリと平らげ大将に一言声をかけてから暖簾を潜る。
「回るところは決めてるのか?」
「なんでそれをアンタに言わなきゃならねェんだ?」
鬱陶しい。
こっちはいきなり基地祭に連れてこられて一人で勝手に回るように言われたんだ。そんなもの決まっているわけがない。
イサクの言うことを素直に聞くのも業腹だし、補給も済んだのだから適当な場所で寝転がろうと考えてたぐらいである。
「暇なら丁度いい、アイツを冷やかしに行こう」
「なっ……おい!?」
カンナは悪ガキのように、したり顔で私の腕を掴み取った。
……。
………。
『お前たちぃーー!! 盛り上がってるかぁ!?』
何やってんだろうあの男は。
壇上の上、マイクを片手に声を張り上げるのは紛れもなく前原イサク本人だった。
広報官としての仕事なのだろう、いわゆる司会進行として基地祭の目玉となる新型兵装や各種施設の紹介を熟している。
おかしいのはその格好だ。
なんでSRTのセーラー服を着ながら司会してるんだ?
しかも丁寧にカツラを被り、厚めに口紅と頬紅も塗って胸にバレーボールでも入れてるんじゃないかと言うぐらいに詰め物をしている。
かなり誇張しすぎた感じの女装である。
「なんだあれ?」
「あれか? あれはイサ美ちゃんだな」
「バカじゃねェの?」
ごく当然のように答えるカンナ。
そしてイサクが動き回るたびに揺れるデカチチ。爆笑する観客。
顔の彫りが濃いめだからバケモノにしか見えない。なのに常に高めのテンションで司会をちゃんとやってるものだからそのアンバランスさで感情が行方不明になるのだ。
『次のゲストはミレニアムサイエンススクールから来賓として来ました。セミナー会計、調月リオ氏です!!』
『よろしくお願いするわ』
「なんで隣の女、あんなに冷静なんだよ」
おかしいだろ。天然物のデカチチと偽物のデカチチが並び立ってるんだけど。なんでずっと無表情なんだよ。
『リオっぺ、って呼んでいい?』
馴れ馴れしいな? 友達か何かなのか?
『構わないわ』
構わねェのかよ。だいぶフレンドリーだなおい。
なんだろう。ツッコミが不在すぎて頭になにも入ってこない……。
たぶん何か……ミレニアムの新技術がSRTの装備に使用されてるとかそういう話なんだろうが。
イサクはセミナーの会計から情報を引き出しつつも所々でボケてペラ回しをしている。
もう半分ぐらい漫談のそれである。
なので最初から最後まで堅っ苦しい話ではなく、観客のほぼすべてが時に笑い、時に感心しながら聴いていた。
「ハーッハッハッハッハッ!! 実に素晴らしいテクニックとは思わないかなっ!!」
「えっ、誰?」
急な大声に驚いて振り向くと、そこには見知らぬ女生徒がいた。
「なに、名乗るほどのものじゃあないよ。それでも呼びたいというのならば親愛の意を込めて『
「頭がプリンだっていいてェのか?」
「んっん〜! これは実に辛辣だあっ!」
ハッハッハ、と高笑いをする女生徒。
服装はワイシャツにベージュのジャケットを羽織ったパンツスタイル。特に眼を引くのが整った顔立ちだろう。
「だが構わないとも。『
切れ長の目に高い鼻、緩くウェーブがかった金色の髪。スタイルは細身でシュッとしており所謂キレイ系で中性的な顔立ちの麗人であった。
いわゆる、女性受けするタイプの女性と言えばいいだろう。
「──特に君のような美しい女性は好きだよ」
ゾワリと一斉に鳥肌が立つ。
少女の瞳からは何処となく粘つくような艶めかしい視線を感じ恐怖に似た寒気が危機感知のごとく警鐘を鳴らす。
「──特に彼女だね、調月リオ。いいね、すごく良い!」
爛々と興奮を隠さない瞳。欲望に塗れた情念をもつ瞳。
相反するような2つの感情が混ざり合ったかのようなその瞳に私は酷く君の悪さを感じざるを得ない。
「黒檀のような艶のある髪。確かな信念と理知を携える赤い瞳。白雪のような汚れのない肌。なにより合理性の追求を求める機械的な美。良いよねぇ……とても、とても良い」
綺麗で美しくて、儚げで……だからこそ、その輝きを維持してほしい。
そんな呟きが聞こえてくる。
「その点、隣りにいるのは駄目だね。良くないよ。品がない。リオの良さは冷たく孤高な態度とあの怜悧な瞳だというのに、それを歪ませようとしている」
リオを絶賛する一方、
……まあ、女装してる変態だから仕方ないとも言えよう。
「美しさとは、普遍にして不変なのさ。あの日の景色を、自らの内側から想起した幻想を、そして今、この時を生きている一瞬の、その瞬間の時めきと感動を私たちは美と称するのさ」
「はぁ……」
小難しい理屈をこねる
「善悪は立場で変わる。人々が望むよき方向は立場や状況によって流転する。──しかし、美は不変だ。美しさこそが誰にも犯せず、誰にとっても普遍で、誰が見ても理解できる。絶対というのは美しさにこそ宿るのさ」
狂信とは、この女のことを言うのだろう。
何かを高く見積もって、自身ではなく何かに絶対的な信を置く。
そういうやつは、過去に何人か見てきた。
「──特に、美少女はいい」
なんか急に流れが変わってきたぞ。
「愛らしく、かわいらしく、何より美しい。女体というもの、そのものに人は美と神秘を見出してきた。過去、様々な画家があるいは彫刻家が人の肉体をモチーフに、あるいは女性そのものを主題にして作品を作り上げてきた。いいかい
なんだろう、この女気持ち悪いな。
眉目秀麗な顔と本人そのものが彫刻のように整った顔立ちをしているはずで。興奮によって赤く染まった頬や耳は艶めかしさすら感じるのに、ひどく怖気がする。
「無邪気な汚れのない幼女が好きだ。天真爛漫で可憐な少女が好きだ。青春の中で懸命に一瞬一瞬を全力で生きる女学生が好きだ。人生の艱難辛苦を理解し、愁いを帯びた淑女が好きだ。人生の半ばを超え、死に向かいながらも何かを残さんと終わりに向かう老婆が好きだ。黒髪の恋すら知らない清楚な美少女が好きだ。金髪の少し遊んでいるようなみんなの輪の中にいるミーハーな美少女が好きだ。冷たい眼差しでクールにふるまう銀髪少女もたまらないっ!!」
私は離れようとした。キッショいからだ。
だが、そんな私の行動を読んでいたのか、目の前の麗人は私の腕を強く掴む。
「すぅーーー、はぁ……。うん、やはり美少女は香りもいいね」
身の危険を感じる。
「おい……」
そんな中、底冷えするような声が麗人の背後から刺す様に響く。
「うん? なん──」
笑うという行為は本来攻撃的なものであり獣が牙をむく行為が原点である。
麗人の背後、肩を掴むように口角を吊り上げ、八重歯が見えるぐらいの笑みでカンナは囁く。
「ヴァルキューレだ。少し話をいいか?」
おまわりさん、こいつです。
「また会おう!!
「おいっ、待てっ!!」
脱兎のごとく、カンナに掴まれた肩を振り払い。全速力で駆け出す麗人。
その背を追いかけるように駆け出すカンナ。流石にいくら非番とは言えあんな変態を見過ごすことはできなかったらしい。
「二度と会いたくねェ……」
後に、ゲヘナ・トリニティ間を起点にゲヘナ生徒24名、トリニティ生徒12名、その他学園生を5名を誘拐の後、拉致監禁を行った連続少女監禁犯。
『二丁拳銃』
今回の祭りの参加者。山海經高級中学校出身の生徒。現在は退学中。モブキャラ。
スキンヘッドに額から左頬にかけてのタトゥーを彫り込んだ厳つい外見の女生徒。
描写していないものの耳や眉のあたりにピアスをしており割とお近づきになりたくない格好をしている。
『教授』によって招集された裏社会の人間であり、その名の通り両手に持った二丁の拳銃を使って戦う戦闘スタイル。
裏社会でも特に暴力で腕を鳴らした人物であり、強敵との争いを求める戦闘狂。
山海經においても名の通った人物であったが、さらなる闘争と強敵を求め、アンダーグラウンドな闇社会に入ったという戦いの中でしか生きられない哀しい生態をしている人物。身体は闘争を求める。
最も戦闘狂という部分を除けば世間一般的な普通の範疇にいる生徒でしかないので、破壊衝動を持ち、それでしか生の実感を得られない欠落者であるワカモや未来の科学発展のためなら今の人々を犠牲にするのも致し方ないと考えるマッドサイエンティストの『武器屋』に比べれば話の通じる常識人である。
酒とタバコは趣味であり、特にタバコはウィンストンのキャスターを好み、酒はブランデーを好む。好みの肴はチョコレートと味覚はかなり甘党。ヤベンジャーズの常識枠で癒し枠。
『
祭りの参加者。ミレニアムサイエンススクール出身、元エンジニア部の退学生。モブキャラ。
小柄な体躯に瓶底メガネをかけだ野暮ったい風貌の少女。髪は常にボサボサな陰キャな見た目をしているボクっ娘。
科学と技術は今よりも良い明日を作るものであり、同時に素晴らしき未来を築き上げるものと信じている未来厨。
そして素晴らしい技術とは人々の必死さや困難の中にこそ生まれるものであると考え、キヴォトス中で危険な技術を横流ししたりキヴォトスでは禁止される武器やウイルスをばら撒くなど未来の発展の為ならば現在を生きる人々を犠牲にすることを容認するマッドサイエンティスト。
技術発展を加速させるためなら戦争も厭わないタイプ。ゲヘナの雷帝とかと相性がいい。
イカれた思想を持っているが天才よりも秀才タイプ。多くの実証実験を経て問題点を一つ一つ潰していきより良いものを作り上げる研究者として非常に根気があり勉強にも手を抜かず様々な論文をあさる理論派の努力家。誰よりも早く部活をはじめ、部室から籠って離れずその場で生活するような生徒であり、エンジニア部の狂才。と渾名される。
ゆえに自分が凡人であり、一人で何でもこなせる天才でないからこそ多くの人々を巻き込むことに躊躇がない。人類の集合知こそが今のキヴォトスの発展を支えてきており、その礎になれるのなら喜んで破滅することも厭わないので上記のことをやった問題児。ミレニアム外で良くも悪くも有名であり、キヴォトスに混乱を振りまいたためミレニアムから追放された。うんうん、それもまた困難だよね。
追放された時も奴ならやると思ってましたと言われるタイプでこの女に比べれば大概のミレニアム生は聖女であるレベル。
『
祭りの参加者。トリニティ総合学園の出身。現在もトリニティで学籍を持ち、ティーパーティーパテル派に籍を置く
所謂パテル派の『お姫様』と双璧をなす『王子』と渾名される人物。上流階級、資産家層であるパテル派主流に対抗して労働階級層、実務官僚派からなる少数の非主流派を率いる人物。
美貌、実力、カリスマ性を備えているにも関わらず、性癖だけがキチってあるため。原作開始時には失脚、並びに矯正局送りにされてるだろう人物。
原作でパテル派内部でもミカに賛同するタイプとミカを虐めていた派閥があるので、パテル派内の反ミカ派のトリカスはこの変態の派閥であるという独自設定を今作った。
自身の美貌でホイホイつられたり、トリニティの出身という理由で身代金目的で近づいた生徒を
実際問題、かわいいから美しいからという理由でキヴォトスのこれといった美少女を拉致監禁したうえで、丁寧に飼育しているというやばい奴。
最も暴力は振るわず身体に対する世話は非常に丁寧に行っており、健康問題は一切起こさない。なぜなら彼女の目的として『一切の劣化のない完璧な美少女を維持し鑑賞したい』という欲望によって犯行を行っていたからである。たぶんキヴォトスで一番のヤンデレだと思います。ネタにされてるロリコンユウカよりやべー奴。闇のトモダチコレクション。
『災厄の狐』
全 盛 期 ワ カ モ 。
『教授』
なんかニヤニヤしてる金色のモップ。
『作者』
どうやって戦えばいいんだ!!!