金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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2話連続投稿。このままだとあっという間にストックがなくなる(T_T)まぁ、精々悪足掻きぐらいはしますよ。
今、ふと思ったんですが鈴のアダ名ってあまり見かけないんですよね。単純に“りん”と呼びやすいからアダ名が誕生しないんですかね?見たと言えば、リンリンってぐらいでしょうか?なので、作者なりに彼女のアダ名を考えてみました。

───では、どぞ~。


第10話 謎の襲来

「それでアイツなんて言ったと思う?よりにも寄って“約束はちゃんと覚えていただろうが!”って言ったのよ、信じられる!?」

 

「……あのさ、鈴」

 

「何よ、蒼星」

 

「俺たちの部屋に来て愚痴るの、やめてくれないか?」

 

「えー、いいじゃん、ソウ君」

 

 あの鈴の友人宣言から数週間後、今日も鈴は俺たちの部屋に来て俺と璃里亜相手に愚痴っていた。それも毎日のようにだ。

 まあ愚痴るだけではなく、それなりに世間話や璃里亜相手に女の子らしい話もしているのだが。二人ともすっかり打ち解けたのか、楽しそうに。

 時間は午後七時、今日も俺達の部屋にやってきて椅子を占拠、ベッドの上にいる俺と璃里亜相手に愚痴っている。

 さらに璃里亜は時々納得できるのか相づちを打つ始末。

 

「え、別にいいじゃないの」

 

 「そうだ!そうだ!」と璃里亜が追い打ちをかけてくる。

 

「まあ……いいけどよ……それよりも一夏に勝つ算段はついてるのか?」

 

「んー…それはまだね」

 

 俺はもう完全に鈴サイドになっていた。約束の内容を間違えて受け取っていたのはまだしも、流石に女の子との約束を破るどころか覚えていなかったのは全面的に一夏が悪いと思っている俺であった。

 教室で一夏に質問されても“流石に今回はお前が悪いだろう”と一貫した態度を取っていた。俺に言われた一夏は終始首を捻っていたが。

 

「あんたたちも何か考えなさいよ」

 

 鈴は無理難題を押し付けてくる。

 

「んー………………ないね」

 

「鈴ちゃんのIS見てもらう?」

 

「誰によ?」

 

「パパとママ」

 

「え!あんたの両親って研究者なの!?」

 

「そうだけど…リリー、それは流石に駄目だろ」

 

 鈴の機体を璃里亜の両親に見せるのはいいが、それは中国の技術を公開するようなものだ。

 璃里亜の両親がそんなことをするとは思えないが周りが許さないだろう。

 

「そういえば、あんたたちってお互いの事あだ名で呼んでるのね」

 

 鈴は羨ましいのかなんか寂しそうに呟く。

 

「一夏に頼めばいいじゃないか?」

 

「そ、そんなこと………」

 

 「───出来るわけないでしょ」と鈴は言う。

 

「じゃあ、鈴ちゃんのあだ名を考えちゃえー」

 

「え、ええー!!」

 

「早速いきまーす、リンリン」

 

「パンダみたいだな」

 

「絶対嫌!」

 

 勿論、鈴は首を横にふる。

 

「次、ソウ君」

 

「え!………じゃあ、チンチクリン」

 

「むっ………」

 

「勇気リンリン」

 

「……」

 

「リンゴリラ」

 

 リンゴとゴリラをかけています。

 

「あんた、それら全部悪口よね……」

 

「はい…スミマセン」

 

「じゃあ、スズーは?」

 

「スズー………いいわよ」

 

(ああ…多分、鈴を訓読みにして語尾を伸ばしたんだろうな………)

 

 スズー…スズー……と先程からそんなに嬉しいのか同じことを繰り返し呟く。

 

「それじゃ、私はもう戻るわ。おやすみ」

 

 鈴は部屋を出ていった。鈴は出ていったあとはまるで台風が過ぎ去ったあとみたいだ。

 

「ソウ君………このまま内緒にしておくの」

 

 璃里亜が鈴の出ていった後を見つめがら不安そうに口にだす。彼女の言いたいことは分かっている。

 

「話す時が来たら話すさ………」

 

「そうだね…スズーも思い出しそうだしね」

 

 鈴と俺が初めてちゃんとした会話をしたときに鈴が俺のことをどこかで見たと言っていた。

 あの時は男性操縦者だったからテレビで見たんでは?と誤魔化したが実は俺と間接的に璃里亜もだが、“別の出来事"でニュースに載っていたことがあるのだ。

 

「寝ますか………」

 

「……うん」

 

 俺たちはそれぞれベッドに潜り込んで眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、とうとう試合当日となった。既にアリーナは満席、次の試合を今か今かと待っている状態である。俺は管制室で箒、セシリア、織斑先生、山田先生と一緒にモニターを見ていた。璃里亜は鈴のビットで送り出してからその場のモニターで観戦すると言っていた。

 

「ところで………一夏はどんな特訓をしてたんだ」

 

 最近、鈴の協力者となったお陰で一夏の訓練には付き合っていなかった───参加しようと思えば出来たが───ので一夏がこの試合に向けてどんな事をしてきたのか俺は知らないのだ。だから、俺は指導役である二人に聞いた。

 

「え!それはだな…………その………」

 

「え………ええ………まあ……」

 

 何故か言葉を濁して答える二人。その反応からある程度のことは推測出来る。

 

(もうほとんど訓練にはなっていなかったのか………)

 

 どちらが一夏に教えるのかアリーナであの二人が揉めている光景が目に写るように浮かぶ。

 

(一夏………御愁傷様)

 

はあ~、とため息をつく俺は一夏の身を按じることしか出来なかった………。

 

『それでは両者、規定の位置まで移動して下さい』

 

 アナウンスで一夏と鈴が空中で向かい合う。開放回線(オープンチャンネル)で話しているのか会話が筒抜けだった。

 

『一夏、今謝るんなら痛めつけるレベルを少し下げてあげるけど?』

 

『雀の涙程度だろ?そんなのいらねぇよ、全力で来い』

 

『一応言っておくけど、ISの絶対防御も完全じゃないのよ。シールドエネルギーを突破出来る攻撃力があれば本体にダメージを与えられる』

 

 鈴の言うとおり、ISを纏っているからというだけで絶対防御が発動して安全と言うわけではない。本体にダメージを与えるだけの武器も存在しているらしいとの噂もある。

 しばらくして一夏と鈴の会話が終わりざわめきのみが場を支配する。そして───

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

 ビーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 俺の謎のややこしい気持ちのなか、二人が激突した────。

 ブザーが切れると同時に一夏と鈴の両方が動いた。

 ガキィンと音を鳴らし互いの得物をぶつけ合う。一夏は瞬時に呼び出した『雪片弐型』を、鈴はハルバートの様な青龍刀を2振り持ち回転を加えながら一夏を弾き飛ばす。

 

『へぇ、今のを防ぐ何てやるじゃない。でも!』

 

『くっ…!』

 

『この連撃はどうかしらね!』

 

『くっ、うおっ!』

 

 一夏は距離をとろうとする。

 

『………甘い!今のはジャブよ!』

 

『ぐあぁ!』

 

 クルクルと青龍刀を回転させながら一夏と切り結ぶが、一夏がその勢いに押され距離を取ろうとしたとき鈴のIS『甲龍』の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)がその機能を発揮し一夏を吹き飛ばす。

 一夏は地面に叩きつけられ肉体にもダメージを受けてしまう。

 

「あれは…?」

 

「未来ロボットの空気砲か?」

 

「それが何なのかはご存知ありませんが、あれは『衝撃砲』ですわね。空間自体に圧力をかけ砲身を生成、余剰で生じる衝撃をそのまま砲弾化して打ち出す、私のBTや蒼星さんのエネルギアと同じ第3世代兵器ですわね」

 

「しかも全て圧力でやるお陰で砲身も砲弾も見えないのか……避けるには操縦者の視線で砲撃地点を予測するか、殺気を感じて回避するか、衝撃砲の射程、射線上から退避するかぐらいだな」

 

「そんなこと出来ますの?」

 

「ん……まあ、一番やり易いのは目線で回避かな」

 

 画面では一夏が鈴の衝撃砲から逃れる為にアリーナを縦横無尽に駆け回っているのが映っていた。俺と織斑先生には緊張を感じられなかったが、箒は無言になって心配そうに一夏を見続け、セシリアは甲龍の武装と鈴の腕をよく観察し、山田先生は副担任として勝負の行方を見守っていた。

 

『鈴』

 

『な、なによ』

 

『…本気で行くからな』

 

『なっなによ、そんなの当たり前じゃないっ。と、とにかく、格の違いってやつを見せてあげるわよ!』

 

『………』

 

『………』

 

『…ハアァ!』

 

 一夏は不適な笑みを浮かべたあとに鈴に向かって突撃する。俺はそれを見て、何かを察した。

 

「織斑先生」

 

「ん、なんだ?」

 

「一夏は何するつもりですか?」

 

「何故そう思う?」

 

「あいつ…何かやるぞ!みたいな顔をしてるんですよ」

 

「ふっ……そうか……『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を使い一気に零落白夜で決めに行くつもりだろう」

 

「なるほど………」

 

 瞬時加速(イグニッション・ブースト)はその名前の通りに一時的にスピードを上げて相手の隙をつくというものだ。だが、難易度もそれなりにあったはずなのだが…織斑先生にでも教わったのだろうか………。

 一夏は真正面から瞬時加速で鈴に切り掛る。一瞬で加速した事で鈴はその速度に面くらい対応が遅れ、一夏の剣筋は直撃するラインを描く。

 その時──────

 

《パパ、何か来るよ!》

 

「「!?」」

 

 ユカの通信と同時にアリーナに先程とは全然異なる激しい音が会場に響き渡り、大きな煙が上がる。

 動揺は試合中の二人にも広がる。

 

「な、なんだ!?何が起こって…!?」

 

「一夏!試合は中止よ!今すぐピットに戻って!」

 

「はぁ!?何を言って…!」

 

 ───ステージの中央と上空に熱源反応。

 

「なっ」

 

「何なの、あれ………」

 

 ISのハイパーセンサーが侵入者を知らせる。アリーナのシールドはISと同じ物で出来ている。

 つまりISのシールドを貫通出来る攻撃力を持った機体が乱入し一夏をロックしているという事。鈴の声に釣られるように一夏は鈴と共に、いまだに煙が上がるアリーナの中央を見る。

 そこには姿形からして異形なものがあった。

 深い灰色をしたそのアンノウン機は手が異常に長く、つま先よりも下まで伸びていた。

 そして、首がまったく見当たらず、肩と頭が一体化しているような形をしている。そして何よりも特異なのが、『全身装甲(フル・スキン)』だった。

 通常のISは、部分的にしか装甲を形成しないはずなのだが……………。

 突然の乱入者にアリーナに居た殆どの人間が混乱しパニックになっていた。しかし一夏の試合の行方を見守っていた管制室でもそれは起きていた。

 

「織斑君、鳳さん!今すぐアリーナから避難してください!すぐに先生方がISで向かいます!」

 

『いや、でも───うわっ!』

 

「!何だ、あの機体は!?」

 

「蒼星さん!あれは何か分かりますか!?」

 

「いや………分からないな」

 

「織斑君、鳳さん!大丈夫ですか!?早く避難を!」

 

『…いや、先生達が来るまで俺たちで食い止めます』

 

「なっ!?無茶です!シールドを突破出来る火力を持ってあああ!お、お2人共!」

 

 山田先生の言葉も虚しく、一夏と鈴は交戦状態に入ってしまう。

 鈴が衝撃砲で牽制し一夏が斬りに掛かるというやり方でいくのだろう。幼馴染というだけあってコンビネーションはなかなかのものだった。

 

「どうやら通信妨害されているようだな。あの二人の距離ならば問題はないだろうが、ここからでは通信は無理か」

 

「そ、そんな。あの二人にアンノウンを戦わせるのはあまりにも危険すぎます!」

 

「だとしても、あの二人はやる気でいる。やらせてもいいだろう」

 

「お、織斑先生!?何を呑気なことを!?」

 

「落ち着け。コーヒーでも一杯どうだ。少しでも気持ちは収まるだろう」

 

 と、織斑先生はコーヒーカップにコーヒーを注ぐと、なぜか塩のほうを入れた。

 

「あ、あの…それ塩ですけど」

 

「………………」

 

 すると織斑先生は少し顔を赤らめて、黙り込む。

 

「織斑先生!このままだと一夏さんが危ないですわ!ISの使用許可を!」

 

「そうしたいのは山々だがな………これを見ろ」

 

「これは…」

 

「アリーナの遮断シールドレベルが4に強制変更…しかもご丁寧に全ての扉をロックしているとは…」

 

「だったら織斑先生…麒麟の電子粒砲でシールドを破壊すれば良いですよね」

 

「可能か?」

 

「はい、時間は少しかかりますが支障はないはずです」

 

「はあ~、仕方ない。今回は特別に緊急措置として許可する。だがあまり無茶はするな。それと出来ればでいい、捕獲しろ。原因の追求と調査を徹底的に行う」

 

「了解しました」

 

《ユカ、電子粒砲の準備しておいて》

 

《パパ、もうしているよ》

 

《そうか、流石だな》

 

《へへー、そうでしょー》

 

「分かりましたわ!」

 

「………あれ?篠ノ之さんは何処に行ったのでしょうか?」

 

「「「!!!」」」

 

 俺とセシリアが物騒な方向で許可を千冬から得た時、ふと箒が居ない事に気付いた山田先生の言葉で硬直する。

 今までこの状況を何とかしようと集中していた為、すっかり箒の存在を忘れていたのだ。

 

「もしかして……だとしたら!」

 

「あっ、蒼星さん!お待ちになって!?」

 

 俺は管制室を飛び出した。俺の予想が当たってなければいいが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ」

 

「一夏!ちゃんと狙いなさいよ!」

 

「狙ってるっつーの!」

 

「だったらちゃんと当てなさいよね!!一夏、離脱!」

 

「お、おう!」

 

「ああもう!めんどくさいわねコイツ!」

 

「くっそ、まるで遊ばれているみたいだ…!」

 

 一夏と鈴は、衝撃砲の援護と白式の加速で絶対に反応出来ない速度と角度で射撃型に攻撃していた。しかし射撃型はその攻撃をことごとく躱しビームによる砲撃や、ビーム発射口で肥大化した両腕で攻撃してくる。

 2人は戦い方も何もない無茶苦茶な攻撃に翻弄されていた。先程の攻撃もこれで4、5度目の試みだった。

 

「鈴、シールドエネルギー、あとどれくらい残ってる?」

 

「180ってところね。このままだとちょっとキツイわね…今の火力でアイツのシールドを突破して機能停止させるのは確立的に一桁台ってところじゃない?」

 

「ゼロじゃなきゃいいさ」

 

「あっきれた。確立はデカイほどいいじゃない。んで、どうするの」

 

「逃げたきゃ逃げてもいいぜ」

 

「なっ!?馬鹿にしないでよ!アタシはこれでも代表候補生なのよ!こんなところで尻尾巻いて逃げるなんて、笑い話にもならないわ」

 

「そうか。じゃあ、お前の背中は、守ってみせる」

 

「え!?あ、う、うん。ありが─────うひぃ!?」

 

「大丈夫か!?」

 

「だ、大丈夫よ!」

 

 一夏のセリフで鈴がモジモジしたが敵の攻撃で一気に現実に引き戻される。

 一夏はここで目の前の機体に違和感を感じ鈴に話す。

 

「なぁ鈴。なんかあの機体の動き、機械じみてないか?」

 

「ISは機械よ」

 

「いや、そうじゃなくてだな…あの機体、本当に人が乗っているのか?」

 

「はぁ?人が乗らなきゃISは動かな────そういえばあの機体、さっきからあたし達が話している時はあんま攻撃してこないわね。まるで興味がありますって感じ…」

 

「だろ?」

 

「ううん、でも無人機なんて“有り得ない"

。ISは人が乗らなきゃ動かない。そういうものだもの」

 

「でもさ。仮に、仮にだ。もし無人機だったらどうだ?」

 

「何?無人だったら勝てるって言うの?」

 

「ああ。人が乗ってないなら全力を出しても大丈夫だしな」

 

 一夏の判断で目の前の敵に集中する。一夏の頭には1つだけ策があった。

 

「でも全力もなにも攻撃自体当たらないじゃない」

 

「次は当てる」

 

「言い切ったわね。じゃぁあの機体が絶対に有り得ないけど無人機と仮定して攻めましょうか。…一夏」

 

「なんだ?」

 

「どうしたらいい?」

 

「俺が合図したらアイツに向けて最大出力で衝撃砲撃ってくれ」

 

「いいけど、当たんないわよ?」

 

「いいんだよ、当たらなくても」

 

「そ、じゃ早速───」

 

『一夏ぁ!』

 

「───なっ!?何してんだ、箒!?」

 

『男なら…男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!』

 

 突然一夏と鈴の耳に箒の声が響く。見ると一夏が出たピットから箒が生身で声をあげていた。箒の奇行に戸惑う一夏と鈴。

 しかし敵は待ってはくれない。敵ISはうっとおしそうに銃口を箒に向ける。

 

「!マズイ、箒!逃げ───」

 

 虚しく箒に向かってレーザーが放たれる。

 

「箒ー!」

 

『っ!』

 

「「『「!!!!」』」」

 

 ドサッ!!

 と、突然箒の目の前に巨大な剣が地面に突き刺さるように現れた。かと思うとレーザーを弾いた。

 

「大丈夫か?」

 

「あ……ああ」

 

 遅れて現れたのは金色に輝くIS『麒麟』を纏った蒼星だった。そして、箒の目の前に突き刺さっているのは大剣『ムーンテライト』だった────

 

 

 

続く──────────────────────────

 




次回は蒼星の本領が垣間見えるかもしれないです!
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