するだけです!!詳細はまた今度に!!残念です!!
勘の鋭い人は分かると思いますが、心の中に秘めておいてください。
───では、行こうか!
「大丈夫か?」
「あ……ああ」
箒は状況が飲み込めないのか、ゆっくり頷いた。
「ていうか、危ないんだから出てきたら駄目だろ!」
「すまない……」
箒は申し訳なさそうに顔を下げる。
「ほら、あそこから避難して」
俺が指差したのは自分が電子粒砲でぶっ壊してきた扉だ。扉の周りがまだビリビリ電流が走っているが箒が通る頃には収まっているだろうし、何よりここよりは安全だろう。
「ああ……」と箒は俺の指差した方へと走っていった。
それを見届けた俺は地面に刺さっているムーンテライトを引き抜いて一夏達の近くへと移動する。
「一夏、大丈夫か?」
「ああ………蒼星。箒を助けてくれてありがとな」
「お礼は後だ。それに今はこいつをどうにかしないとな」
「そうだな…」
謎の機体はまだ動いてこない。
「あんたのISってそんなのなのね……」
「そういえば、スズーは見るの初めてだったな」
「で、何なの背中についているやつ……」
やはり、ほとんどの人が俺の背中に付いているエネルギアは気になるみたいだ。
「後で教えるから────ところで一夏、作戦はあるのか?」
「俺が懐に飛び込んでこれで斬る」
一夏は自分の手に握っている雪片弐型をより強く握り締める。
「じゃあ、俺が引き寄せるから隙を狙って攻撃してくれ」
「蒼星はどうするんだ?」
「避けるから大丈夫だ」
「ならわたしも────」
「鈴は一夏と一緒に待機で、鈴が合図するまで一夏はじっとしておいてくれ」
「ああ……」
「分かったわ……」
「じゃ、行くぞ!!」
俺は真正面から謎のISに向かって飛び込んでいった─────
◇
「何なのあいつ…………」
鈴はボソッと呟く。鈴が驚くのも無理はない。蒼星は相手のビームも当たり前のように避けて隙を見つけて急接近して大剣で近接戦闘に持ちかける。そして、すぐに距離を取りまたビームを避ける。
一見、簡単そうに見えるが実際にやってみると全然違うということは一夏と鈴は体験しているのでよく分かるのだ。
「俺も会ったときからあんな奴だったぜ」
「そう………あいつほんと!何者よ」
そんな会話の中で一夏はいつでも飛び込んで行けるように集中している。と、一夏は目の前の光景であることに気付いた。
「なあ……鈴」
「なによ…」
「蒼星にさぁ、あれが無人機かもしれないって話したっけ?」
「え……そういえば…話してないわね」
「でもさあ…蒼星はまるで操縦者がいないかのように攻撃してるぜ」
「あ!…ほんとだ……」
蒼星にはあれが無人機の可能性があると話していないはずだが、蒼星は既に分かっているかのように普段なら攻撃してはいないところにまで斬りかかっている。
具体的に言うのなら首もと、そして人の心臓辺りになる箇所などだ。
「あいつ……何もかもお見通しって感じがする……」
「同感だ…」
何故か蒼星のことでは息が合う二人だった。
『おい!お前ら、行くぞ!!』
「「!!」」
いきなり、蒼星から通信が入ってきて思わず肩が上がる。
鈴は「あいつ……どんだけ余裕なのよ……」とぶつぶつ言っている。
「鈴……いついけばいい……」
「っ!……そうね……」
鈴も一夏も蒼星の方にと意識を集中する。
と─────
「一夏!今よ!!」
「ああ!!」
謎の機体が蒼星に気を取られてこちらに背中を向ける。これがチャンスとばかりに一夏は同時に加速する。
蒼星は即座に距離を取り、そのまま謎の機体と向かい合うようにする。
一夏のその速さは見事謎の機体の右腕を切り離す事に成功するが、残った左腕で地面に叩きつけられ銃口が近距離で向けられる。
一夏はピンチのはずだったが顔には笑みが浮かんでいた。
「一夏!」
「…狙いは?」
『完璧ですわ!』
蒼星の後にピットに入っていたセシリアが謎の機体を狙撃、貫いた。その攻撃で謎の機体が倒れ機能停止した────
『ギリギリ間に合いましたわ』
「セシリアなら出来ると思っていたさ」
『そ、そうですの…当然ですわ!なにせ私はセシリア・オルコット、イギリスの国家代表候補生ですもの!』
「一夏、お疲れさん」
「はあ……やっと終わったよ…」
と、一夏は安心したのか一気に疲れが被ってくる。
《パパ!!まだ、終わってないよ!!》
「なっ!………」
ユカの忠告と同時に蒼星は煙の上がる謎の機体の方へと視線を向ける。そこには煙でよく見えないが腕を上げて一夏を狙おうとしている光景があった。
「一夏ぁ!避けろーーー!」
叫ぶと同時に謎の機体に攻撃しても間に合わないと判断した蒼星は一夏を庇うように立ち、謎の機体のビームを思わず喰らってしまう。
「「蒼星!」」
『蒼星さん!』
周りから自分を呼ぶ声が聞こえた蒼星だったが、そのまま倒れて気を失ってしまった───
◇
「ソウ君!」
私は思わず保健室の扉を開けるなり大声をあげてしまう。先程、織斑先生からソウ君が負傷したと聞いて思わず走ってきたのだ。
勿論、返事はない。カーテンで見えないが多分あそこでソウ君は眠っているのだろう。私はゆっくりと歩み寄る。
「……………」
ソウ君がベッドの中で眠っている。それにカーテンで見えなかったのだろうか、体に被さるようにしている人がいた。
「のほほんさん………」
私よりも先に来てソウ君の看病でもしていたのだろうか………なんか、少し悔しくなったのでそれに安心感からなのか、眠気も襲ってきたので私もソウ君の体にもたれ掛かるようにして目を瞑る……。
◇
「…………んっ………」
眠りから目覚めた俺は取り敢えず天井を見上げる。ていうか、天井があるということはどこかの部屋の中だろうか……自分の部屋ではないのは確かだ………。
「目覚めたか」
相変わらずの変わらない声が俺の耳に聞こえてくる。
「織斑先生……ここはどこですか?」
多分、そこに立っているであろう織斑先生に取り敢えず疑問をぶつける。
「ここは保健室だ」
「そうですか………あの後はどうなったんですか?」
「あの後、一夏がすぐに破壊した」
織斑先生が珍しく一夏と言った。ということは今はプライベートなのだろうか?
「皆は無事何ですか?」
「ああ、気絶した貴様以外はな」
「あはは………」
取り敢えず、から笑いをしておく俺だった。話題を変えなければ……。
「俺の体って調子悪いんですか?」
「ん、そんなことはないはずだが…ああ」
織斑先生は何故か一人で納得するかのように頷いている。
「じゃあ、なんで俺の体動かないんですかね?ていうか腕の辺りが重いんですけど………」
俺の体は何故か頭と足しか動かない。理由を知りたいのだが布団を被っているせいで首から下から見えないのだ。
「お守りが乗っているからだろうな」
なんか意味深なことを言うと織斑先生は廊下へと出ていった。
「おーい………どういう意味ですか~……」
俺の呟きは天井を反射して誰にも聞こえないまま消えていった。と、俺の体の上で何かが動いているような気が………
「…………おにいちゃん……………」
(ん?…………誰かいるのか?)
寝ているのだろうか?だとすると今のは寝言なのだろうか?よく聞こえなかったが誰かがいるのは確かだろう。
(もしかして…のほほんさんかな?…)
はっきりとは聞こえなかったが、あののんびりとした口調を話すのはのほほんさんしか浮かばなかった。
すると、俺の体の重りが外れたかのように軽くなり、同時に一人の影が見えた。
「リリー?」
璃里亜だった。顔が少し赤くなっている。心配してくれていたのだろうか?
「ソウ君……起きたの…?」
「ああ。さっき起きたばかりだよ」
やっと体が起こせるほどに軽くなったので上半身を起こす。そして、織斑先生の意味深な言葉の意味がはっきりと理解した。
「のほほんさんも、いたんだ」
「うん………」
のほほんさんはとても気持ち良さそうにふにゃふにゃと寝ている。
「ほら、のほほんさん起きろー」
俺はのほほんさんの肩を軽く揺らす。しばらくして「む………」と言いながらのほほんさんは目を擦りながらこちらを焦点が合わないままこちらを見てくる。
「起きたの…なみむー。……あ、リリーだ」
辺りを見回してのほほんさんは状況を掴めたみたいだ。
璃里亜のことは俺と同じくリリーと呼んでおり仲良くしているみたいだ。
「ありがとな。心配してくれて」
俺は素直に二人に感謝の礼を述べる。
「うん……」と頷く璃里亜。
「そんなことないよー」とのほほんさん。
璃里亜にいたっては先程から目に涙を浮かべている。
「大丈夫だって……な、そうだろ」
「………良かった!……本当に良かった…」
璃里亜はやがて不安が一気につのったのか、俺に抱きつくなり胸元で泣き出してしまった。俺はおとなしく受け入れて璃里亜が落ち着くように頭を撫で続ける。
(あれ?…)
のほほんさんは微笑ましそうにこちらを見ていたが、俺の目には一瞬悲しみが含まれている表情になったように映った。
何故そう見えたか、不思議に思った。まるで、自分もそうしたいかのような瞳。
(…んなわけないよな……)
そう考えて俺は璃里亜が泣き止むまでじっとすることにしたのだった──────
◇
そして、璃里亜が落ち着きを取り戻すと同時に一夏達が入ってきた。のほほんさんは既に何処かへと行ってしまっている。
「お………大丈夫か?」
「ああ、大丈夫!」
一夏の顔には不安の表情が見える。だから、俺は無事であることをアピールするため余裕な態度で答える。
「蒼星さん、具合はいかがですか?」
一夏の背後にいるセシリアも俺を心配してくれているのだろう。
「特に問題はないぞ」
「そうですか………良かったですわ」
セシリアも安堵の表情に変わる。
「蒼星………すまない!」
「え!?何!?」
いきなり箒が俺に頭を下げてきた。急にだったので俺は思わずたじろいでしまう。
「あの時、助けてしまってもらって………本当にすまなかった」
あの時とは、多分自分の投げたムーンテライトで箒に襲っていたレーザーを弾いた時のことだろう。
「ま、気にすんなって────せめて、あんな危ないことはこれ以降にしてほしいよ」
「分かった………」
箒も随分反省しているみたいなので、軽く注意を促す程度にしておく。
「蒼星、ちょっといい?」
次に話しかけてきたのは鈴だった。
「スズーか………そういえば試合はどうなったんだ?」
「中止になったわよ…」
「ふーん……じゃあ、あれはどうしたんだ?」
「え………あー……あれはその──」
何故か鈴は声を濁らせている。ということは────
「もしかして……一夏が理解したのか?」
「う………うん………けど………」
悲しそうな表情になる鈴。一夏は約束の意味をちゃんと捉えたらしいが鈴はそれを台無しにでもしてしまったのだろうと思われる。
「まあ……頑張れ………」
俺の考えが正しいかどうかは別としてとにかく一声かけておくことにした。
「うん、ありがと…………────それよりよ!」
何かを思い出したかのように大声をあげる鈴に思わず周りのメンバーは驚いてしまう。
「おい!鈴!急に大声だ──────」
「なんであんた!あれが無人機だって分かってたのよ!」
一夏の文句を遮り、鈴はこちらにビシリ!と指差しながら聞いてくる。
「あれって無人機だったのか?」
「そうだよ、ソウ君」
「なんでって…いわれてもなあ……あれだ、人が乗っていると感じられる雰囲気がなかったからかなぁ~……?」
「そういう物なの?…………」
「そういう物─────なあ、リリー?」
「…え!…………あー、うん。そうだよ」
何か別のことを考えていたのか璃里亜は慌てて反応する。
「じゃあ、私たちそろそろいくね」
「俺も行けるようになったら行くよ」
璃里亜もその場を立ち上がりぞろぞろ保健室を出ていった。今、この場を支配するのは静寂のみ……。
《ユカ、いるか?》
《何、パパ?》
《機体の状況は?》
《もうほとんど修復出来てるよ》
《そうか………》
気がかりもなくなり、することがなくなった俺はまた寝ることにしたのだった…。
◇
本音は保健室を出てから真っ直ぐにある場所へと向かって歩いていた。
(なみむー…………)
本音は一夏よりも蒼星の方に近寄ることが多かった。ほとんどの生徒は男子二人のどちらがいいと聞かれればどっちも!と答えそうだが、本音は真っ先に蒼星の方を選ぶだろうと考えていた。理由はある。
それは学園に入学してからすぐに自分の実の姉から衝撃的事実を聞かされたからだ……。
やがて、目的地へと辿り着いた本音はテクテク中へといつも通りに入っていく。本音の入った所は“生徒会室"と呼ばれているところだった。
「本音ちゃん、どうだった?」
本音が部屋に入ると同時に一番奥の席に座っている水色の髪をした少女が本音に尋ねる。
「ん~…元気になったよ~」
いつも通りののんびりした口調で答える本音。
「生徒会長、ほら手が止まってますよ」
そう促すのは本音に似ていると聞かれれば似ていると答えそうな容姿だが、性格は本音とは逆といっていいほどの女性だった。
彼女こそが本音の姉“布仏虚"。生徒会メンバーの一人であり、書記を務めている。
「えー、いいじゃない~」
いかにもだるそうに机に倒れているのはこう見えて生徒会長の“更識楯無"。学園最強の座を保ち続けている凄腕の持ち主なのだ。
「ダメです!まだ書類が残ってますよ」
学園最強のはずだが、実は仕事はめんどくさいのかサボってばかりの手のかかるやつなのだ。
「会長~、あれは本当なの~?」
本音も会長と同じように机にもたれ掛かりだるそうにしていた。
「んー、調べてみたらあの子、記憶喪失になっているらしくて……もう5年も過ぎてるのよね……思い出してくれるのかしら?」
「かんちゃんは…知ってるの?」
「かんちゃんとは話出来なくて……まだなのよ」
「いい加減に仲直りしたらどうです?」
「したいわよー、でもー……」
「はあー……そうですか」
「それよりも!本音ちゃん!私もそろそろ実行することにするわ!」
「わーーーー………」
本音はわざとらしく声を上げて盛り上げる。だけど、なんか本音にしては元気がないように思える。
「蒼星君、待ってなさいよ!」
そんな声が生徒会室内に響いたとかなんとか……………。
◇
「………っ!」
俺は背中に悪寒が走ったかのように感じて思わず目を覚ましてしまう。
(…気のせいだよな……)
辺りを見回してからそんなことはない、と結論付けて再び眠りにつく俺だった……。
◇
IS学園地下50m。レベル4権限を持つ一部の人間のみが知ることを許された区画に織斑先生と山田先生は居た。
目の前には運び込まれた無人機3機が台に横に並べられ解析用のアームが伸びていた。ガラス越しにその光景を見ている。
「織斑先生、解析結果が出ました。…全て無人機です」
「そうか…やはりな」
「どのような方法で動いていたかは不明です。波大君達との戦闘による損傷が激しいため修復は不可能です」
「コアはどうだった?」
「はい。無事だったコアを調べた所、登録されていないコアでした」
「はあー」と織斑先生はため息をつく。
無人機が開発されたとなればコアを作れるということになり、大惨事になってしまうのが目に見えてしまっている。だが、そんな事ができる企業や会社などは存在しない。
故に織斑先生の中で犯人と目星がつくのは一人だけだった…………。
(束………何を考えているんだ………)
織斑先生は顔をしかめるのであった───
続く──────────────────────────────
自分で展開しておいて、思ったんですが………伏線多い気がします(;o;)