金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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まだ、あの人の出番は来ないです(|| ゜Д゜)
早めに出したいんですが後、数話は出てこないことは確定ですのでご勘弁を(T_T)

───では、行こう!



2章 貴人軍人
第13話 二人の転校生


「やっぱりハズキ社製のがいいな~」

 

「えー、あそこのってデザインだけって感じしない?」

 

「そのデザインが良いのよ!」

 

「私は性能的にミューレイ社のが良いなぁ。特にスムーズモデル」

 

「あー、アレは確かにいいんだけどねー、結構高いじゃん」

 

 本日は月曜日、俺が色々言いまくった日が過ぎて今は学園の教室へと俺は来ていた。すると、女子たちは会話に花を咲かせていた。

 俺と一夏が教室に入るとそれに気づいた女子生徒が話しかけてくる。

 

「ねえねえ織斑君、織斑君のISスーツってどこ製のやつなの?見たことない型だけど」

 

「あー、特注品だって。男のスーツが無いからどっかのラボが作ったらしいよ。えーっと、たしか………………」

 

「イングリッドのストレートアームモデルだろ」

 

「そうそう。それ。って、なんで蒼星が知ってるんだ?」

 

「勉強の成果だ。んで、俺が『レクト』って企業の特注品だよ」

 

「私もソウ君と一緒だよ」

 

 璃里亜の両親が務めているのは『レクト』のIS開発研究部門というところだと璃里亜から聞いた。レクトはそれなりに大企業らしく世界にもそれなりに名が広まっている。

 ISスーツとはISを展開している時に特殊なフィットスーツのことだ。着ていなくてもISを操縦することは可能だが反応が鈍くなるらしい。

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検地することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃はきえませんのであしからず」

 

 突然すらすらと説明しながら教室のドアを開けて現れたのは、俺達のクラスの副担任である山田先生だった。

 先生としての誇りを保つために猛勉強をしたようだ。だが、それもあまり意味はないと思う。

 

「山ちゃん詳しい!」

 

「一応先生ですから。……って、や、山ちゃん!?」

 

「山ぴー見直した!」

 

「今日が皆さんのスーツ申し込み開始日ですからね。ちゃんと予習してきてあるんです。えへん。……って、や、山ぴー!?」

 

 山田先生は人気があるのか、もうすでに8,9個ほどのあだ名が付けられている。

 

「えー、いいじゃんいいじゃん」

 

「まーやんは真面目っ子だねぇ」

 

「ま、まーやんって…」

 

「あれ?マヤマヤの方が良かった?」

 

「そ、それもちょっと…」

 

「もーじゃぁ、前のヤマヤに戻す?」

 

「あ、あれだけはやめてください!と、とにかくですね、ちゃんと先生と言って下さい。分かりましたか?わかりましたね?」

 

 何か…トラウマでもあるのだろうか…山田先生が物凄く否定している。

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

「うう…、織斑君や波大君は大丈夫ですよね?」

 

 こちらに振ってきたので取り敢えず俺は──

 

「ノーコメントで」

 

 ───と答えた。すると山田先生は、

 

「うう…、波大君まで…………」

 

 もうダウン状態になっていた。

 と、織斑先生が教室に入ってきた。それだけでも空気が変わったような錯覚を覚えてしまう。

 

「諸君、おはよう」

 

「お、おはようございます!」

 

「「「「「「おはようございます」」」」」」

 

 まるで軍隊みたいだな。と感じていた俺。

 

「おはようございます(あ、昨日俺が出した夏スーツ、早速着てくれてるな)」

 ちなみにこれは一夏。

 

「今日からは本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので気を引き締めるように。各々のISスーツが届くまで学校指定の物を使うので忘れないように。忘れた者には代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それも無い者は、まぁ下着でもいいだろう」

 

「「いやいやいやいや」」

 

 駄目だろ!おい!

 

「む、そういえばお前らが居たか。2人に見られたくなければ気を付ける様に」

 

 何か織斑先生にダシに使われたような気がするが………ていうか殆どの女子の顔が赤いよ…。

 

「では山田先生。HRを」

 

「は、はいっ。ええとですね…今日はなんと転校生を紹介します!しかも2名です!」

 

「え…」

 

「「「「「「ええええ!?」」」」」」

 

 クラス全員が驚くのも無理はない。普通は転校生は分担させるものをわざわざ一組に集中しているからだ。

 山田先生の促しでその転校生が入って来る。すると教室に沈黙が降りた。

 

「お2人共、入ってきて下さい」

 

「はい。失礼します」

 

「………」

 

「「「「「「………」」」」」」

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れな事も多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

 

「「「「「「………」」」」」」

 

「………お、男…?」

 

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方々がいると聞いて本国より転入を――」

 

 見た目は随分と人懐っこそうな顔だな。それに礼儀正しい立ち振る舞いと中性的に整ってる顔立ちで、髪は金髪。その髪を首の後ろで丁寧に束ねている。

 体は……何かとても男とは思えないほどの華奢な体型で、脚もスラッとしている。本当に男か………。

 

(今度、あいつに聞いてみるか?)

 

 学園にいると外がどんなことになっているのか分からない。もしかしたら外では目の前の転校生で騒ぎになっている可能性があるのでメールをしておくことにした。

 と、その前に俺は耳を出来るだけ塞いだ。

 

(一夏、来るぞ!)

 

(ああ……もう懲り懲りだよ)

 

「きゃ……」

 

「はい?」

 

 きょとんと首を傾げる転校生。まあ、誰だってそんな反応になるだろう………。

 

「きゃあああああああああーーーーっ!」

 

 いきなり歓喜の叫びをあげる女子達。耳を塞いでも聞こえてくる。もうこれは一種の兵器だと思わせるほどだ。

 

「男子!三人目の男子!」

 

「しかもうちのクラス!」

 

「美形!守ってあげたくなる系の!」

 

「地球に生まれて良かった~~~!」

 

「あー、騒ぐな。静かにしろ」

 

 面倒そうに織斑先生が言う。見た感じだと十代女子の反応が鬱陶しいのだろう。

 

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから~!」

 

 山田先生が宥めている最中、もう一人の転校生は……シャルルとはまったくの正反対のようだ。オセロのようにはっきりと白黒が別れている。

 白に近い輝くような銀髪で、腰近くまで長く下ろしているロングストレートヘアー。綺麗だが手を加えている感じはなく、ただ伸ばしっ放しと言う印象。そして一番気になるのが左目を覆っている眼帯。それは医療用の白い物ではなく、古い戦争映画に出てくる偉い大佐がしてそうな黒眼帯。そしてもう片方の右目は赤色だが、その色とは対照に冷徹な目線を放っていた。

この転校生を見て最初に思ったのは『軍人』と言うイメージだろうか。身長はもう一人より小さいが、全身からは冷たくて鋭い気配をはなっている。

 

(雰囲気がなんだか違う……本物の訓練でも受けた軍人なのか?それにあの目………)

 

「……挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

(教官?織斑先生がか?)

 

昔に織斑先生がどこかで指導していのか一夏に聞くことにした。

 

「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」 

 

「了解しました」

 

そう答えるラウラはピッと伸ばした手を体の真横に付け、足をかかとで合わせて背筋を伸ばしている。どこからどう見てもよくテレビで見る軍人形式の対応に、俺はラウラが間違いなく軍人だと結論付けた。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「……………………」

 

 クラスメイト達が沈黙し、続く言葉を待っているが、ラウラ・ボーデヴィッヒは名前を言っただけで再び口を閉ざした。

 

「あ、あの、以上……ですか?」

 

「以上だ」

 

(はは、一夏と一緒だな)

 

 俺は一夏の自己紹介の時を思い出していた。あの時も今のラウラとまったく同じことを言っていた。と言っても今回は誰もずっこけないが

 そんなラウラの返答に山田先生は泣きそうな顔をしている。

 ファイトだ!山田先生!

 心の中で応援している俺は余所にラウラは一夏の席へと近寄る。そして、俺はラウラが一夏に敵意を向けていることに気づく。

 

「!貴様が…!」

 

(あ……やべ!ユカ、エネギア一個展開)

 

《ラジャーです、パパ》

 

 だから、どこからそんなことを学んでんだよ!と突っ込みたいところだがそれよりも今は一夏を助けないといけない。

 

「………?」

 

 一夏は目の前のラウラに何をされるのか分かっていないみたいだ。ラウラはそのまま右腕を上げて平手打ちをした。

 

「っおと!」

 

「な、なんだ!?」

 

 一夏は驚いただけでどこにもダメージはない。ラウラが驚いたのは今、自分が叩いたものが意外なものだったからだ。

 

「歯車…………?」

 

 シャルルも驚きを隠せず小さく呟く。

 一夏とラウラの間には直径15センチほどの小さな歯車があった。というか浮かんでいてぐるぐる一定のペースで回転している。真ん中は穴が空いており周りはでこぼこしていて誰が見ても歯車だ。そして一番の特徴は───

 

「…………っ!」

 

 思わずラウラは後ずさる。何故か?それは歯車にバチバチと軽い電流らしきものが流れたからである。

 

「いきなり、人を叩くとは駄目だね、転校生君」

 

 そんな声が教室の後ろから聞こえる。

 

「蒼星、これは蒼星のか?」

 

「そうだよ。まあ、生身の人間でも平気なほどの電流にしてあるから触れても大丈夫だ。どうだ、一夏、やってみるか?」

 

「……遠慮しておく」

 

 まあ、そうだろうと思っていた俺は自分の席に座りながらラウラの方へと向く。

 

「貴様!邪魔するのか!」

 

 ラウラは頭にきたのかこちらに近付いてくる。

 

「ラウラ、いい加減にしろ。早く席に着け。波大、ISの無許可での展開は違反だが今回は無しにしておいてやろう」

 

「………………」

 

「了解しました」

 

 織斑先生の指示にボーデヴィッヒは気に入らなさそうに俺を一瞥した後、

 

「織斑一夏、私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

「はぁ?」

 

 一夏に向かってそう言うとスタスタと立ち去っていく。空いてる席に座ると腕を組んで目を閉じ、微動だにしなくなった。

 

「ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

 

 そう言って行動を促す織斑先生。

 

「おい織斑、波大。デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろう」

 

「あ、はい」

 

「了」

 

「君が織斑君に波大君?はじめまして。僕は────」

 

「ああ、いいから。とにかく移動が先、早くしないと」

 

「そうそう。挨拶は後にした方がいい。………もう来てるぞ、完全に包囲される前に急ごう」

 

「もうか!取り敢えず男子は空いてるアリーナ更衣室で着替えるんだ。これから実習の度にこの移動だから早めに慣れてくれ」

 

「う、うん…」

 

「ん、どうした?トイレか?」

 

「トイ…ち、違うよ!」

 

「あのさ、行き成り他人に手を握られたら誰だって戸惑うだろうよ。なんで気づかないんだお前は…」

 

「あ、そうか。ゴメン」

 

「い、いいよ別に…」

 

(まるで女の子みたいな反応だな………)

 

「ああっ!転校生発見!」

 

「しかも織斑君と波大君と一緒!しかも織斑君と転校生君は手を繋いでる!」

 

「うわぁー、また来たかー」

 

 俺達の道を塞ぐかのように現れたのは、たくさんの女子達。さらに躊躇している間に完全に囲まれてしまった。

 一夏と手を繋いで顔を赤くしているシャルルを見て本当に男性かどうか俺は不信に思っていたがそんなことよりも今はこの状況を脱出する方法を考えないといけない。

 

「者共~、であえ!であえ!」

 

 あー………武家屋敷みたいになってるぞ、そこの人。

 

「めんどくさいな」

 

「そうだな」

 

「えぇと、どうして?」

 

「どうしてって、俺たちしかISを動かせる男は居ないからな」

 

「あっ。そうだね」

 

「…………」

 

 やはり女ではないかと俺は疑念をもつ。もしくは男性としての自覚が足りない天然なのか……もう少し様子を見てみないと断定出来ない。

 ていうか…話している内にどんどん女子生徒が増えていっているような気がする……。

 

「仕方ない…あれを使うか………」

 

「あれって?」

 

 俺は覚悟を決めた。その様子を首を傾げながら聞いてくるシャルル。

 

「あ!あそこに織斑先生が!」

 

 俺はそう言うと廊下の奥の方へと指差す。

 

「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」

 

 すると面白いことに殆どの生徒が俺の指差した方へと振り向く。織斑先生……さすがです。

 

「シャルル、行くぞ」

 

「え…あっ!ちょっと!」

 

 俺は一瞬の隙をついてどうにかシャルルと抜け出すことに成功しそのまま更衣室へと向かう。

 

「あー!波大君がいない!」

 

 俺の作戦に見事に引っ掛かった女子生徒達は少し残念がる。だが、まだ希望はある。

 

「うわ、俺置いてかれた!」

 

 一夏だった。一夏も蒼星の作戦に見事に引っ掛かり思わず振り向いてしまい蒼星達を見失ってしまった。味方も引っ掛かると残念なことだ。

 

(骨は拾ってやるよ……一夏)

 

 「俺はまだ死んでない!!」と後ろから聞こえたような気がしたがスルーして俺とシャルルはとっとと更衣室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、到着~」

 

「そ、そうだね」

 

 俺はひとまず安堵の息を吐く。と、忘れそうになっていたがシャルルの手を放す。

 

「俺は波大蒼星。蒼星って呼んでくれて構わないぞ」

 

「僕はシャルル。さっきはありがとね、蒼星君。ところで織斑君は大丈夫なの?」

 

「どうにかなるだろ…………多分」

 

「多分って……………」

 

 一夏のことはどうにもならないので今は自分のことを考えるとしよう。うん、それしかない……。

 

「うわっ!」

 

「ん?どうした?」

 

 俺が着替えをするために制服を脱ぐとシャルルは何故か驚く。

 

(男なのか……ホントに?)

 

「早く着替えないと担任の織斑先生からヤバイものをもらうことになるぞ。それとも忘れ物か?」

 

「う、うんっ?き、着替えるよ?でも、その、あっち向いてて……ね?」

 

「あっち向いててって……」

 

まるで自分の着替えを見られちゃ不味いみたいな言い方だ。シャルルの不審な言動に俺はどんどん疑問が膨らんでいく。

 

「俺にそんな趣味とかはないんだが………シャルルこそ見てないよな?」

 

「み、見てない!別に見てないよ!」

 

 否定しながら両手を突き出し、慌てて顔を床に向けてるシャルル。

 何故そんなに過剰に反応するのかシャルルに直接聞いてみたいところだが、今はそんな余裕もないし、シャルルにも何かしらの理由があるのだろうと俺は思う。

 

「じゃあ、行くぞー………って着替えるの早いな!シャルル」

 

「ま、まあね………」

 

「んじゃ、行きますか」

 

 俺とシャルルは第二グラウンドへと向かった。

 後からなんとかやって来た一夏はギリギリの時間に間に合ってはいたが結局、織斑先生に出席簿を喰らわされていた。

 

続く───────────────────────────

 

 

 

 

 




織斑先生の力は伊達じゃない(断言)!!
というか本当にいたのなら、指を指しません。してしまうと、出席簿攻撃は確実ですから。
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