金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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つい、気まぐれでifストーリーを書いてみたくなってしまいました。内容はISメンバーとSAOメンバーがもし顔を合わしたら、どうなるのか?という話です。
───で、誰と誰のやり取りを書いてみようかと悩んでいるのが現状なんで、何かしらの要望があれば活動報告の方にも記しておくのでそちらに!!

───おお!!ついに、海だぁー!!


第26話 臨海学校

 “海”というものは広い。

 よく海を見てると自分の悩みなんてちっぽけなものだと言われている。確かに海は広すぎて、どうでも良い願いとしては水平線の彼方まで一度でも良いから行ってみたいものである。

 

「海だぁぁぁーーーー!!」

 

 誰かの叫び声を聞き流しながら、蒼星はただ無心で外の景色を眺めていた。トンネルを先程抜けて、一面爽快な海と太陽の光に反射して光っている砂浜が映りだされた。

 今、蒼星達はバスで臨海学校の目的地を目指している真っ最中である。

 

「海だね………」

 

 盛り上がるバスの中、対称的に蒼星のテンションはどうも低そうだった。

 前の席の一夏が頭を後ろへと向けて蒼星に話しかけた。

 

「蒼星、トランプやらねえか?」

 

「………いい」

 

「調子でも悪いの?」

 

 一夏の隣のシャルルも同じように後ろへと向ける。いつもにしては元気がなさそうな様子の蒼星に、疑問を持ったシャルルは尋ねた。

 

「………酔った」

 

「あぁ………ご愁傷さまです」

 

「が、頑張ってね………」

 長旅に乗り物酔いを引き起こしたために、蒼星は気を紛らわそうと景色を眺めていたのだ。

 一夏とシャルルは苦笑いを浮かべて心の中で合掌する。

 

「離里亜もぐっすり寝ちゃってるね」

 

 蒼真の隣には気持ちよさそうに寝ている離里亜の姿が見られた。蒼真の肩に頭が、もたれ掛かるようにして眠っているためにより一層、蒼真は寝ることが出来ない。

 

「そろそろ目的地に到着する。各自荷物の準備をし、すぐに降りれるようにしろ」

 

 織斑先生の言葉は、まるで、天の声のように聞こえた。

 あと目的地まで少しだと思うと、気が楽になり症状も幾分ましになったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 着いた先は海辺の側に建っている旅館だった。バスから未だに眠そうに目を擦る離里亜を引きずるようにして降ろしてから、蒼星は外の空気を懸命に吸った。

 ふぅ~と息を吐く。帰りもバスだということは今は考えたくもなかった。潮風がこんなに気持ちいいと感じたのは久しぶりだった。

 

「蒼星、行くぞ」

 

 一夏にそう促されて、男子達は列の中に入る。まだ頭が回転していないなか、蒼星は整列をした。

 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月壮だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

 

『よろしくおねがいしまーす』

 

 織斑先生の言葉の後に全員で挨拶をすると、着物姿の女将さんが皆に丁寧にお辞儀をした。蒼星も一応、声には出しておく。

 

「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね」

 

 女将さんがこちらを見た。

 

「あら、そちらが噂の…?」

 

「ええ。まぁ今年は男子が2名も居るせいで浴場分けが難しくなってしまい申し訳ありません」

 

「いえいえそんな。それにいい男の子達じゃありませんか。しっかりしてそうな感じを受けますよ」

 

「感じがするだけですよ。挨拶をしろ、馬鹿者」

 

 織斑先生はグイッと一夏の頭を押さえると、一夏は取り敢えず挨拶をしようとする。蒼星も続けて挨拶をする。

 

「お、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

「え~………波大蒼星です。色々とお世話になります」

 

「うふふ、ご丁寧にどうも。清洲景子です。それにしても波大君、顔色が良くないみたいだけど、大丈夫?」

 

「大丈夫です。しばらくしたら勝手に治りますんで」

 

 そんなに初対面の人でも分かるほど、青ざめているのだろうか。後で、離里亜や簪に心配されないように早めに調子を取り戻したい。

 

「不出来の弟でご迷惑をお掛けします」

 

「あらあら織斑先生ったら、弟さんには随分厳しいのですね」

 

「いつも手を焼かされていますので」

 

 そう言いながら、一番一夏の気にしているのは織斑先生本人だろうと考えていたところだが、未だに頭が活性化しない。

 そのおかげなのか、織斑先生に睨まれずにすんだ。

 

「うふふ。それじゃあ皆さん、お部屋の方へどうぞ。(・・)に行かれる方は別館の方で着替えられるようになってますから、そちらをご利用なさってくださいな。場所が分からなければいつでも気軽に従業員に聞いてくださいまし」

 

『はーい』

 

 女将の“海”の単語にいち早く反応した女子達は我先にと旅館の中へ入っていく。それを黙って蒼星は見つめており、同じように一夏と織斑先生もその場から動かない。

 そこに眠気が覚めたようで、目がパッチリとしている離里亜。相変わらずのんびりした雰囲気を漂わせている本音。眼鏡をかけた大人しそうな簪の3人がやって来た。

 

「ソウ君、まだ酔ってるの?」

 

「ナミムー、具合は大丈夫なの~?」

 

「平気。もう少ししたら、元の調子に戻るから」

 

「波大君は車とかに弱い?」

 

「まあね。船や飛行機は平気なんだけどな………」

 

 地面を走る乗り物に弱いのは昔からで、今もそれは治らない。

 

「それはそうと、ソウ君の部屋ってどこ?一覧に書いてなかったよ」

 

 その瞬間、一斉に女子の動きが止まった。それを見た一夏は興味津々なのは別に良いが、何か恐ろしいものを感じたと言う。蒼星は何も感じてないようで、平然と答えた。

 

「………一夏は知ってるか?」

 

「いや、俺も知らないぞ」

 

「だってさ。男子は野外キャンプでもするんじゃないか」

 

「そっちのほうが楽しそう~」

 

 冗談で言ってみたのだが、本音が羨ましそうにしていた。本当にしても良いのだが、今は旅館の布団でぐっすり眠りたい気分。

 

「織斑、波大、お前らの部屋はこっちだ。ついて来い」

 

「お呼びがかかったということで、お前らもまた後で」

 

「うん、わかった」

 

「また後で来てよね~」

 

「わかった~また後でね~」

 

 織斑先生に連れられて、黙々と歩いていく。どうにか気持ち悪い感触から耐えながらも歩いていくと織斑先生が歩みを止めた。ようやく落ち着いてきた所なのに、いきなり止まるから、危うく嘔吐感が戻ってきそうになってしまったではないか。

 

「ここだ」

 

 ドアに貼られてある張り紙には“教員室”と書かれてあった。ただ、蒼星は思考が停止したまま、見つめる。予想範囲内なので、驚きはしないが一夏はそうではなかったようだ。

「え?ここって…」

 

「それは分かるんでいいんですけど、何で2部屋ですか?」

 

「右の部屋が私と織斑、左の部屋が波大と山田先生の部屋だ。何分、お前らを固めて部屋に入れれば就寝時間を無視した馬鹿が押しかけるだろうという事になってな。2人共監視の意味でこうなった。これなら、おいそれと女子は近付いて来ないだろう」

 

「あぁ~……納得です」

 

 織斑先生に逆らおうとする生徒なんて、一人もいない。そんなことをするのは命が何個あっても足りない。

 

「一応、大浴場も使えるが男の織斑と波大は時間交代だ。本来ならば男女別になっているが、何せ一学年全員だからな。お前ら二人のために残りの全員が窮屈な思いをするのはおかしいだろう。よって、一部の時間のみ使用可だ。深夜、早朝に入りたければ部屋の方を使え」

 

「あ、はい」

 

「了解しました」

 

「さて、今日1日は自由時間だ。荷物を置いたら好きにしろ」

 

「わかった」

 

「海に行って、のんびりしますか」

 

 蒼星は部屋に入って邪魔にならなさそうなところに荷物を置くと、中から水着やタオルなどの荷物を取り出す。

 

「うわぁ!?波大君!?」

 

「………なんで驚いてるんですか。こっちが驚きましたよ」

 

 振り向くと、山田先生がこちらを見ていて固まっていた。彼女は自分と一緒の部屋だと聞いているはずなのに、なぜこうも派手なリアクションを取れるのだろうか。

 だとすると、少し前に隣から悲鳴らしきものが聞こえたのも、まさか山田先生のせいなのか。

 

「そ、そうでしたね。これは私が提案したものでしたね。すみません、波大君」

 

「いえいえ。お陰ではっきりと目が覚めたんで良かったです」

 

 ようやく意識もはっきりしてきたようで、体が軽くなったような気がした。

 その後は一夏を誘って、水着に着替えるために別館へと向かうことした。

 織斑先生から、羽目を外さないようにと注意もされて、やっぱり一夏が心配なんだなぁと思ったのは秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中、地面に突き刺さった謎のニンジンらしき物体とそれを抜いてくださいと旨が述べられた看板が建てられていたが、無視してきた。どうも、嫌な予感がしてならなかったからだ。いや、どちらかと言うと関わるのがめんどくさかった方が正しいかもしれない。一夏はそういう類いは無自覚の得意分野なのでニンジンと睨め合いを始めていたが、俺はそんなのは放っておいて一人で更衣室に向かった。

 だが、酷いことに男子の更衣室は女子の更衣室の前を通らないといけない。覗く気は皆無だが、自然と中からの会話が聞こえてくる。会話の内容が女子特有のもので、男子には幸福かもしれないが今の俺にとっては、ある意味病み上がりなので一種の毒に近かった。

 早足で魔の通り道をすり抜けて、水着に着替えるとビーチへと向かう。

 

「いや~、絶景~、絶景~」

 

 そんなことを言いながら、ビーチを一望する。すでに数人の女子が水着姿で遊んでいた。

 

「さて、寝ますか」

 

 乗り物酔いから解放されると、一気に眠気が襲ってくる。少しでも、解消したい気分なのでどこか昼寝によい場所はないかと辺りを見回す。

 場所を定めて、そこに移動すると持ってきたビーチパラソルの先端を砂へと突き刺す。シートも敷くと準備は完了だ。

 寝転んで、目をつぶるがやっぱり真夏の太陽は暑い。額に汗が上り、とてもじゃないが眠れそうにない。

 

「ソウーー君ーー!!」

 

 聞き覚えのある声に上半身を起こすと、そちらの方へと顔を向ける。

 

「………波大君」

 

「簪ちゃん。やっぱり、似合ってるじゃないか」

 

「あ、ありがと///」

 

「ナミムー、私は?」

 

「………ノーコメント」

 

 水着と言うよりは着ぐるみのようなものを着ている本音に何を言えば良いのか分からない。狐の着ぐるみで可愛いのは間違いがなかったが。

 最後に期待の眼差しを送っているのは離里亜だ。

 

「ソウ君。私は?」

 

「馬子にも衣装だな」

 

「むぅー。ソウ君のいけず!」

 

「はいはい。ニアッテマスヨ」

 

「褒められた気がしない!」

 

 内心、とても似合っていて見惚れてしまっていたなんて口に出すわけにはいかない。

 

「もし、良かったら座りなよ」

 

「うん」

 

「お言葉に甘えるね~」

 

「話逸らされたような………」

 

 3人は俺に促されてビニールシートに座る。離里亜はまだ不服みたいだが、その内機嫌は直るので良いだろう。

 すると、一夏が砂浜へとやって来た。そして、準備体操を始めたのか体のあちこちを伸ばしていく。体操を終えると同時に背後から鈴が一夏に飛びつき、そのまま肩車の体勢に入る。

 セシリアもやって来て、鈴と何か言い争っている様子がここからでも見える。微笑ましいと言えばそうなのだが相変わらず一夏の唐変木が改善する気は微塵もない。

 鈴の前世は人魚とか言う会話も聞こえてきた。

 

「青春だね~」

 

「ナミムーは行かないの?」

 

「暑いの苦手なんだよ」

 

「私も苦手………」

 

「暑いよ………」

 

 パタパタと手を仰ぐが、それでも熱気は収まりそうにない。やっぱり、さっぱりするには海に入るしかなさそうだ。

 3人は動くきにもなれないらしく、まったく動こうとはしない。俺も実際、その通りなので何も言わないが。

 一夏と鈴がこちらに近づいてきた。

「一夏、どこ行くんだ?」

 

「セシリアのサンオイルを塗りにあそこまでだよ………」

 

 一夏が指差したのは、また別のビーチパラソルだった。自業自得で引き起こした災難なので、俺が助けてあげるなどという選択肢は一切ない。

 隣の鈴が余計なことを口ずさむ。

 

「蒼星、あんた。思ってたよりも、筋肉ついてないわね。一体どこから、あんな回避が出来るのよ」

 

「余計なお世話だ。これでも、結構戻ってきてるんだから」

 

「戻ってきてる?」

 

「……こっちの話だ。忘れてくれ」

 

 危うく余計なことを言おうとするのをとうにか誤魔化す。今のが、分かるのは離里亜しかいない。

 セシリアに再度呼び出された一夏は、そちらの方へと歩いていった。

 

「私にもサンオイル塗ってよ、ソウ君」

 

「嫌だ。あんなもん誰がやるか」

 

「私にも………してほしい」

 

「………簪ちゃんに言われても、今回は断固拒否です」

 

「ナミムー、一瞬迷ったでしょ~」

 

 本音に核心を指摘されて、嫌な顔をした俺。想像してしまったのだから、仕方のないことなのだ。

 

「気のせいだって」

 

 そんなことを言い、寝そべることにした俺は後ろへと上半身を倒して仰向けになる。

 その時、向こうからセシリアらしき人物と思われる悲鳴が聞こえてきた。体を起こそうとして、確認しようとするが何故か簪と離里亜に体を押さえつけられる。

 

「なんで肩を押さえてんの?」

 

「波大君は見たらダメ」

 

 よく分からないまま、両肩を簪と離里亜に挟まれて押さえつけらている。向こうは二人の両腕でしているので、力が強い。

 目のそばには、水着姿の二人が目の前にいるので目のやり場に困る。

 ほどなくして解放された。結局、何を目的としたかは不明のままだった。

 

「取り敢えず海に行ってみますか」

 

 ここまで来たのに海水と無縁の時間を過ごすとは寂しいだけだ。折角なので、泳いでみることにした。

 

「準備運動は完了してるから、後は海に行くだけだね」

 

「いつの間に!?」

 

「ここに来る途中………」

 

「あー、なるほど。じゃあ、先に行っておいて」

 

「うん。わかった~」

 

「………それで海に入るのか?」

 

「そうだよ~」

 

「………マジか………」

 

 本音は水着とはほど遠いものなのに平気な表情を浮かべている。本当にそれで大丈夫なのか謎である。

 3人を視界に入れながらも、俺はのんびりと準備運動をしていく。時間はまだまだあるのだ。あせる必要はない。

 すると誰かが接近してきた。というのも本当に誰か分からない。二人の内、一人は普通に分かる。

 

「シャルロットも来たのか?」

 

「うん。一夏はどこにいるか知ってる?」

 

「さあ?今頃はスズー辺りに捕まってるんじゃないか」

 

「う~ん…………なかなか探してもいないからね。どうしよ………」

 

「ところでお隣さんは誰?」

 

「その声は………兄様か?」

 

「………ラウラかよ」

 

 包帯………いや、よく見るとバスタオルにぐるぐる巻きにされているラウラ。その姿はまるでお化けだ。

 試しに指先で頭辺りをつついてみると、ミイラ状態のラウラはされるがままになっている。

 

「恥ずかしいんだって」

 

「あ、そう………」

 

「やはり、私にはこんなものは似合わないのだ!」

 

「一夏に見せたのか?」

 

「いや、まだ………だ」

 

「見せて似合わないって言われてから諦めろよ」

 

「そ、そうだな!」

 

 タオル越しに声が伝わってくるので、どうも違和感を感じる。

 そもそも一夏は似合わないとか絶対に言いそうにないので、こんな説得方法はあり得ないのだが本人が満足そうにしているので良いだろう。

 そして、肝心の一夏がどこにいるのか辺りを見回す。

 

「あ、いた。お前ら、俺は先に海に行っておくからな」

 

「あ、うん。分かった」

 

 二人を跡目に俺は海の方へと歩いていく。正確には海辺近くで集まっている離里亜達の元にだ。

 そこには離里亜達は勿論、一夏と鈴もいる。他にも数人いる。ただ鈴だけが、砂辺に寝そべっている状況に俺は頭が追い付かない。

 

「何があったんだ?」

 

「スズーが溺れたんだって」

 

 話によると、一夏と鈴は海に浮かんでいるブイまでにどちらが先に泳げるか勝負をしていた。先手必勝と鈴は飛び出したのは良かったが、つい足をつってしまった。異変に気付いた一夏が慌ててここまで運んできたらしい。

「ん?確かスズーの前世って人魚じゃなかったのか?」

 

「う、うるさいわね!」

 

 こんな返事が出来るということは、まだ元気があるという証拠だ。

 すると、そこにセシリアが登場。彼女の目はまるで獲物を見つけたかのような鋭い目になっていた。

 セシリアは鈴を捕縛すると、あっという間に鈴の抵抗も虚しく何処かへと運ばれていった。

 

「そういえば、一夏。ラウラとシャルロットが探してたぞ」

 

「そうか。分かった。探してみるよ」

 

 一夏にしっかりと伝言も伝えたところで後はようやく海へと着水だ。

 

「ひゃほぉぉぉーー!!」

 

 俺は勢いよく海へと駆け出していく。そして、思いっきりジャンプして海水の中へと飛び込んだ。

 ………その時、周りの人が驚いていたのはきのせいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海での一泳ぎに満足した蒼星は離里亜、簪、本音と共にビーチバレーの会場へと移動する。

 そこは既に和気藹々と盛り上っており、コートには織斑先生が異様なオーラを解き放ちながら構えていた。

 同じくコートにいる一夏が蒼星達に気づき、大きく手を振る。

 

「あ!蒼星!ちょうど良かった!ラウラがいた所に入ってくれ!」

 

「ラウラは何で寝てるんだ?」

 

「目を回しているみたいだね」

 

 倒れてくたびれているラウラに対して、冷静な状況判断をする離里亜はある意味凄いと言わざるを得ない。

 そして今のラウラはタオルをとって水着姿になっていた。

 

「フ、次は波大か、面白い」

 

「“次”ってなに!?バレーの本質ってこんなのだったか!?」

 

 おかしい。蒼星は直感的にそう感じた。そもそも観客がコートから一定の距離を保っている時点で不自然に思うべきなのだ。

 それでも、観客からは期待の眼差しを送られている。簪と本音もいつの間にか、移動しており期待の眼差しを一緒に送っていた。

 一回りして、もはや恐怖を感じさせるほどのバレーボールに蒼星は決死の覚悟で立ち向かうことを決意する。

 

「仕方ない。俺も参加しますよ」

 

「た、助かった………」

 

 一夏が安堵のため息を吐いた。それほど、蒼星が参戦したことに安心したのだろうか。

 

「ふ、波大なら手加減は不要だな。山田先生!本気でいきます!」

 

「え………あれが本気じゃないの………!?」

 

 闘志を燃やす織斑先生に対して、シャルロットは絶望の表情を浮かべていた。

 山田が慌てて返事を返す。

 

「は、はい!」

 

「ら、ラウラでも反応できなかったのに!?」

 

「………かかってこいやぁぁああ!!」

 

「「蒼星が壊れた!?」」

 

 こうして熱戦の火蓋が切って落とされた。白熱した試合は一般人には到底理解しがたいレベルになっており、後に伝説として語られる。

 ───『ビーチバレー界の悪夢』───と。

 ………一方、離里亜達は呑気にパラソルの影の元で観戦していた。

 

「あ、ソウ君。今のミスったね」

 

「わ、分かるの………!?」

 

「大体は分かるよ」

 

「リリーは凄いね~」

 

 隣の人も次元が違うのではないかと、内心ヒヤリとした簪であった。

 

 

続く─────────────────────────────




ソウ「さて、とっとと終わら───始めようか」

リリー「今、終わらせるって言わなかった~?」

ソウ「気のせいだ」

キリト「いや、俺もそう聞こえた」

リリー「あ!キリト君!呼んでないのに、出てきちゃ駄目じゃない!!」

キリト「え?もうバレてるんだから、問題はないはずだが?」

リリー「まぁ………そうだよね。早く本題に入ろうっと」

 ───“波大蒼星の謎発言について”

ソウ「また俺かよ」

リリー「だって、こういうのは私とソウ君しかいないんだから」

キリト「で、何が謎発言なんだ?」

リリー「えーと、スズーに皮肉を言われたさいにソウ君が思わず『これでも結構戻ってきてる』って口を滑らしてしまったことだよ」

キリト「それって………筋肉のことか?」

ソウ「まぁな。そもそもリハビリしてから日がたたない内にIS学園に行っちゃったからまだ本調子じゃなかったしな。欲を言えば、もう少し力は欲しい所だ」

キリト「でも、ISの操縦には影響はないんだろ?」

ソウ「そりゃね。自分の力で金属の塊を動かすなんて無理だ」

リリー「私達がISでSAOの動きを再現出来るのもその援助があるからだからね」

ソウ「分かってるんなら、わざわざ取り上げる必要はなかっただろ」

キリト「今日のソウはやけに早く締めようとするよな」

ソウ「バレーのせいで、両手が痛いんだよ。なんだよ………あの隕石みたいなサーブは………!!」

キリト「………なるほど。じゃあ、終わるか」

リリー「そうだね。それでは、皆さん!!またのごきげんよう~」

 ───以上。

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