金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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いよいよ戦闘描写も入ってくるんですけど………上手く伝わるかどうか、微妙ですね。
話は変わるんですけど、今回の後書きは特にテーマはなしとなってます。

───では、BEGIN!!


第30話 銀の福音

 旅館の大広間。いつもなら、旅館自慢の料理が並べられて客の舌鼓を打つ空間となるのだが、蒼星が入ったときには雰囲気はまったく異なるものだった。

 機材がいくつも置かれており、液晶画面が綺麗に並べており画面は一目では何を映し出しているのか分からない。

 既に蒼星以外の専用機持ちは全員、集合しており、自分が最後となった彼も座る。照明が薄暗くなり、皆に囲まれるようにして大型の空中投影ディスプレイがゆっくりと浮かび上がる。

 

「では、現状を説明する。二時間ほど前、ハワイ沖で試験稼動にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用ISである『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。そして監視空域より離脱したとの連絡があった」

 

 ───その瞬間、全員に緊張が走る。蒼星も無論、例外ではなく表情に真剣さが増した。

「………お、おい蒼星……なんで千冬姉は俺達にこんな連絡をするんだ?」

 

「さあ?今は黙って聞いとくべきだろ」

 

 一夏はこういうのに慣れていないらしく軽い混乱に見舞われながら、こそこそと蒼星に小声で話しかける。蒼星も実は似たような状況は幾度となく経験しているが、この雰囲気はどうしても慣れない所があった。

 箒も混乱している様子だった。

 そんな3人とはうってかわって専用機持ち達は厳しい顔つきになっていた。正式な国家代表候補生でもある彼女たちは経験してきているからこその成果だろう。特に離里亜のことは幼馴染みの蒼星は知っているのだ。彼女は何度も、嫌になるほど今と似たような会議に参加しているのを。それも会議の代表者のサポート役としてなので尚更である。ラウラも現役の軍人であるので、彼女の眼差しは真剣その物だ。

 

「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから10km先の空域を約一時間後に通過する事が分かった。学園上層部からの通達によって、我々がこの事態に対処する事になった」

 

 ───“対処”───

 その言葉に蒼星はある予感をした。否、ほとんど確信したと言っても良い。

 

「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

「え?」

 

 一夏が府抜けた声を上げるが、誰も反応しない。それほど深刻だということだ。

 

「では作戦会議を始める。意見のある者は挙手しろ」

 

「はい、質問です」

 

「なんだ?波大」

 

 セシリアが手を挙げようとしていたが、それよりも一足先に挙げた蒼星の方に織斑先生の視線は移る。

「そもそもこれは俺達で対応すべきものではないはずだと思います。軍用ISと呼ばれている物なんですから、当然それには他国に知られたら不味い重要機密情報が盛り沢山の筈です。他国者である俺達が対処なんかしたら、向こうにとって色々と不味いのでは?」

 

「尤もな質問だ。これは本来、アメリカとイスラエルが対処すべきなのだが、向こうも軍用ISの暴走によって緊急事態の為に今は手が回せない状態なので、我々学園側に白羽の矢が立って対処する事になった」

「………分かりました」

 これではある意味、自分達に尻拭いをさせようとしているのではないかと蒼星は思う。

 蒼星の質問は終わり、セシリアが挙手をする。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

「分かった。ただしこれは二ヶ国の最重要軍事機密だ。漏洩した場合、査問委員会による裁判と最低二年の監視が付けられる。良いな?」

 

「了解しました」

 

 そうして『銀の福音』の細かなデータが公開されて、画面に表示される。同時に蒼星は脳内でユカに呼び掛ける。

 同じISのユカと相談した方が良いとの判断からだった。

 

《ユカ、どうだ?》

 

《う~ん、最大の特徴は広域殲滅を目的として開発されている点だね。広域殲滅型特殊兵装との一体型スラスター翼……スペックはママやスズーさんの機体よりも上だから、一苦労だよ》

 

《そういえば、ユカは何のために作られたんだ?》

 

《勿論!パパの為だよ!》

 

《あはは………そうか。話を戻して───》

 

 蒼星は今後、口を慎むことにした。余計な話題は入れない。その後も話を戻して、対策を二人で練っていく。

 ───故に蒼星は気づかなかった。

「お~い、蒼星~………」

 

 一夏が小声で必死に呼び掛けるも蒼星は一向に反応する気配がない。彼は画面を見つめたまま固まっており、まるで自分の世界に捕らわれたかようだ。

 こうなると、話にまったく付いていけない一夏はおいてけぼりになってしまう。なので、隣の蒼星にも助けを求めるのだが返事はない。一夏は焦る。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型………私と蒼星さんと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」

 

「攻撃と機動の両方に特化した機体ね、厄介だわ。しかもスペック上ではあたしの甲龍(シェンロン)を上回っているから、向こうの方が有利」

 

「この特殊武装が曲者って感じはするね。丁度本国からリヴァイブ用の防御パッケージが来てるけど、連続しての防御は難しいと思う」

 

「しかもこのデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルも分からん」

 

「賭け事は避けたいところなんだけど………」

 

「織斑先生、偵察は出来ないのですか…?」

 

「無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは出来て1回が限度だろう」

 

「ソウ君、何かない?」

 

 離里亜の一言に一同の目線が蒼星の元に集まる。だが、彼はまったく反応を見せない。一夏が肩を揺らす。

 

「おい、蒼星。何か意見はないのか?」

 

「………ん?そうだなぁ……ここは妥当に一撃で決めた方が手っ取り早いな」

 

 ようやく反応を示した蒼星が提案したのは単純なものだった。それに賛同したのは山田先生。

 

「私も同じ意見です。一回きりのチャンス……ということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たる方法が良いかと」

 

 山田先生の言葉に、蒼星を除く全員が一夏を見る。

 

「え……?って事はまさか……」

 

「一夏、あんたの零落白夜で落とすのよ」

 

「それしかありませんわね。ですが問題は───」

 

「どうやって一夏をそこまで運ぶか、だね。エネルギーは全部攻撃に使わないといけないから、肝心の移動をどうするか」

 

「しかも目標に追いつける速度が出せるISでなければいけない。超高感度ハイパーセンサーも必要だな」

 

「それに織斑君とのある程度の連携も必須となってくるね」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺が行くのか!?」

 

「「「「「「当然」」」」」」

 

 一夏は困惑するのも無理はない。誰だってこんな大役をいきなり任せられた戸惑うのは普通だ。

 

「織斑、これは訓練ではない。実戦だ。もし覚悟が無いのなら、無理強いはしない」

 

「………やります。俺が、やってみせます!」

 

「よし。それでは作戦の具体的な内容に入る。現在、最高速度が出るのは誰の機体だ?」

 

「波大君の麒麟かと………」

 

「いや、簪ちゃん、麒麟は一夏を運ぶとなるとスピードは格段に落ちるよ。麒麟はちょっと特殊だから」

 

 さらに加えるなら、電撃が運んでいる最中に一夏の機体に及ばないように配慮する必要がある。

 

「それなら、私のブルーティアーズが。丁度イギリス本国から強襲用高機動パッケージ『ストライクガンナー』が送られて来ていますし、超高感度ハイパーセンサーも付いてます」

 

「ふむ。オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は?」

 

「20時間です」

 

 パッケージとは、IS用換装装備の総称である。これは武装だけでなく、増設スラスターや追加装甲なども含まれる。

 この他、『オートクチュール』という、専用機専用機能特化パッケージも存在する。

 シャルロットを除く全員の専用機は、セミカスタムの標準装備(デフォルト)。シャルロット本人は機体をフルカスタムした上で、標準装備である。

「なら、適任だな……では、早速───」

 

「ちょっと待った! 待ったなのだよ、ちーちゃんっ!!」

 

 織斑先生からの声を遮った主は天井からだった。するといきなり天井が開き、逆さまに覗き込んでくる顔があった。世界一の天才、篠ノ之束である。いつの間にか行方を眩ましていたのに再び登場である。

 

「もっと良い作戦が今正に、私の頭の中にナウ・プリンティングなのだよ!!」

 

「よし分かった。すぐ帰れ」

 

「いや〜ん、ちーちゃん冷たいよ〜! とうっ」

 

 束は眉を八の字にして、笑いながら天井裏から降りてきた。動きは手慣れたものだったことを蒼星は見逃さない。

 

「束……関係者以外立ち入り禁止だ」

 

「まぁまぁ、ちーちゃんも硬い事言わないでさ。そんなことより!!ここは断然紅椿の出番なんだよ!!」

 

「なんだと?どういうことだ?」

 

「紅椿の……?」

 

「そう、そのとおり!!」

 

 束の言葉に箒が驚く。と、彼女はキラーン、と目を光らせた。

 そこから第四世代である紅椿の説明が始まる。その説明によると、一夏の白式にもその第四世代の一部が組み込まれていたらしい。それが成功したので紅椿に取り込んでみたとあっさり言う。これには、開いた口が塞がらない。他の者達も似たような反応だ。

 

「さっきも説明したけど、紅椿に使われている展開装甲は即時万能対応機(リアルタイムマルチロールアクトレス)を目指してつくった物だよ。だから、この展開装甲をちょいちょいと弄ってしまえば、超音速での飛行なんて、ビフォア・ブレックファーストなのだ!!」

 

 いつの間にか中央のモニターには紅椿のスペックデータが出現していた。確かに説明通りのデータが映し出されている。

 

「…束、紅椿の調整にはどれくらいかかる?」

 

「7分あれば余裕だよ♪」

 

「そうか…やれるか篠ノ之?」

 

「え?」

 

 織斑先生は箒に問いかける。

 

「はい!やります!」

 

 一瞬戸惑いを見せた箒だったが、声を上げてはっきりと答える。

 織斑先生の判断に驚きながらも蒼星は声を上げた。

 

「俺は賛成出来ません」

 

「…何言ってるの?あんたの意見は聞いて無いんだよ?」

 

 と蒼星が反対と言うとすぐさまに束が冷たい視線で蒼星をにらみつける。その束を離里亜と簪が敵意を込めたような瞳で見ている。

 気の進まないことに手を出すつもりは蒼星にはないのだが、こうでもしないと後に後悔するはめになりそうだからだ。故に今がチャンスとはっきり告げるべきなのだ。

 

「今の箒よりも、セシリアの方が信用できます。より現実的に考えて、高機動パッケージを搭載してあるブルー・ティアーズで行くべきかと」

 

「そ、そうですわ!蒼星さんの言うとおり、わたくしとブルー・ティアーズで必ず成功してみせますわ!」

 

「では訊くがオルコット。そのパッケージは既に量子変換(インストール)してあるのか?」

 

「そ、それは……まだですが……」

 

 織斑先生に痛いところを突かれたかのように、セシリアは勢いを失ってもごもごと小声になってしまった。

 

「私もソウ君と同じ意見です。時間をかけてでもセシリアちゃんを優先すべきかと」

 

「………私もそう思います」

 

 離里亜と簪も蒼星の味方に入る。好意を寄せているからとは一切関係ない。他人の視線から見ても同意はし難い。

 反論する箒も少し怒りぎみになっている。

 

「そんなに!私のことが信用出来ないのか!!」

 

「違う。下手したら死人が出るこの作戦に、舞い上がってる箒は適任ではないと言ったんだ」

 

「私と紅椿ならやれる!!」

 

「はぁ~………手合わせしたからこそ、言ってるんだ。はっきり言うと今の箒には作戦を成功させるとは到底思えない」

 

「な………っ!」

 

「波大、そこまでだ」

 

 織斑先生からの止めが入る。ふと、蒼星は目線を横に向けると、束が完全にこちらに目を向けているのが分かった。目を付けられたことに気付いた蒼星は面倒な事になったと内心、大きな溜め息を付いた。

 

「篠ノ之………今の言葉を聞いてでも、やれるか?」

 

「………覚悟は出来てます」

 

「そうか、なら準備をしろ。作戦開始は30分後。総員、直ちに準備にかかれ!」

 

「「「「「はっ!」」」」」

 

「「な………っ!」」

 

「は、はい!」

 

「………」

 

 箒は噛みながらも返事をする。

 離里亜と簪は織斑先生が蒼星の意見をまったく組み入れなかったことに驚愕する。束はうんうんと納得そうに頷くが、二人は猛反対だ。だが、二人は蒼星が何も言わないことに疑問を持ち、声を発することはなかった。無理に通された意見に蒼星が何も口を出さないのだ。

 

「手が空いている者はそれぞれ運搬など手伝える範囲で行動しろ。作戦要員はISの調整を行え。オルコットはいざと言う時の為にパッケージの量子変換の作業をしろ」

 

「わ、わかりましたわ」

 

 ここで、ようやく蒼星は動いた。

 

「織斑先生………俺もそれじゃあ、せめて俺だけでも行かせてください。麒麟のスピードなら問題ないはずです」

 

「ソウ君………」

 

「………仕方ない、許可する」

 

 織斑先生も苦渋の決断のようで、蒼星の同行を認めた。彼はそれなりに実力はあり、また一夏と箒のアフターケアも必要だろうと考えたのだ。

 蒼星は頷くと、その場を立ち上がった。その時、何かを思い出したかのように一夏の方を見る。

 

「白式のセットアップを済ますのと燃料は満タンにしておけよ、一夏」

 

「お、おう」

 

 そう言うと、蒼星は部屋を後にした。

 彼が出ていった後は、微妙な空気に包まれていた。原因は彼の今までに誰もが見たことがない態度による困惑だった。

 普段通りの彼なら、賛成するかと思っていたが今回は箒が作戦に組み込まれるのを相当嫌がっていた。それでも、無理矢理に決定された箒の作戦参加で、自分も付いていくと発言したときの周りの反応は皆、あの蒼星が………!?と言った感じだ。

 面倒事は極力避けて、他人にそれほど興味を見せない彼からは似つかわしくない行動だった。故に彼が何を思っての判断なのか分からない。

 一番理解出来そうな離里亜は彼の後を追って部屋を出ていってしまっている。

 

「箒!!蒼星のこと、見返してやりなさい!!」

 

 作戦会議が終わり、箒のセッティング以外に特にすることがない中、鈴は箒の肩を叩いた。

 

「だが………蒼星の言うことも………」

 

「なぁに?自信無くしちゃったわけ?あんなの、蒼星の作戦の一つと思っちゃえばいいのよ」

 

「そうだね。また、いつもの奇策かもしれないよ?」

 

「そうだろうか………」

 

「ああ。今は福音を倒すことだけに集中すれば良い。兄様のことは、また後で聞けば良いのだから」

 

「作戦のことは安心しろ。必ず、俺が成功さしてみせる!箒だって大丈夫だ!」

 

 シャルロット、ラウラ、一夏からの励ましの言葉を受ける箒。

 蒼星の考えは幾ら考えても分かりそうにない。だから、今は目の前のことに集中する。

 箒の参加に反対だったセシリアと簪も箒の元へと寄っていく。

 

「箒さん、選ばれたからにはしっかりしてくださいましよ!」

 

「…3人の無事を祈ってます」

 

「分かった。全力で押しとおるつもりだ」

 

「そしたら、一言蒼星に言い返してやりなさい!」

 

「そうだな………あいつに一言言ってやろう」

 

 箒の固くなっていた表情も、柔らかくなってきている。

 今の箒の瞳は決意の込めたものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 離里亜は蒼星の後を追って廊下へと飛び出していた。辺りを見回して、彼の居場所を探す。ここ辺りには、既にいない。

 離里亜の見た蒼星の態度は、完全に意識を集中している時に出るものだ。その状態の間、彼に話しかけても返事は曖昧なものになってしまうのとあまり相手にしてくれなくなる。IS学園に入ってから、初めての彼の態度に皆は戸惑いを隠せなかったようだ。

 後でその辺りのことも弁解しておいて、彼本人にも悪気はなかったと伝える必要があるだろう。長年一緒にいたからこそ、分かる。彼も箒の心をあんなに落ち込ませるようなことを言うつもりはなかったはずなのだ。

 旅館を歩き回り、彼を見つけることは出来なかった。旅館内ではないとすると、どこに行ったのだろうか。ビーチに行くとは思えない。そもそも、彼は何をしに行ったのか。それは勿論、ISの調整だ。

─そうなると、離里亜が思い浮かべるのは、誰もいない場所。ユカとの会話を聞き取られないためだ。それでいて、それなりのスペースがあると好ましい。

 もしかして………と心当たりのある場所を思い出した離里亜は早速向かった。

 予想は当たっていた。

 場所は誰もいない格納庫。そこの中心で麒麟を展開して、細かな調整をしている蒼星の背中姿が離里亜の目に映る。

 超音速戦闘をするとなると、色々と設定しないといけない箇所が多く、彼はそれを取り掛かっている様子だ。

 離里亜が背後から恐る恐る近づくと、彼の顔を両手で隠した。

 

「だぁれ~だ?」

 

「リリーだろ?こんなことするのは」

 

「正解~」

 

 璃里亜は両手を離した。

 彼女の存在に気付いた蒼星は彼女の方へと顔を向けた。

 

「ユカちゃんと相談でもしてたの?」

 

「まぁな」

 

 普段なら、気配に敏感な蒼星だが今回は気づかなかったので、離里亜はユカと話に夢中になっていたのではないかと考察した。彼の返事を聞く限り正解のようだ。

 離里亜は声質を暗くして尋ねた。

 

「皆、戸惑ってたよ………ソウ君」

 

「分かってる。箒にもこの一件が終われば謝るつもりだ」

 

「ソウ君………」

 

「………嫌な胸騒ぎがするんだ」

 

「え?」

 

「あの世界で何度も経験してきたからな……俺の勘も敏感になってしまったようだな。………これから、何かが起こる。そうな気がするんだ…」

 

「私は心配だよ………また、勝手に行ってしまうんじゃないかって」

 

「リリーとは一緒に行くって約束しただろ。ただ、今回は俺一人で食い止めるんべきなんだ」

 

「頑張ってね、ソウ君」

 

「ああ。任しとけ」

 

 彼の向けた微笑ましい笑みは何処か遠かった。そんな気がした離里亜は何も出来ない自分にがっかりした。

 それを最後に、離里亜は格納庫を後にした。

 

 数時間後───蒼星の嫌な予感は適中することになるとは誰も知らない。

 

 

続く───────────────────────────




 “SAO帰還者内密談笑会”

ユカ「始め~る~よ~」

 …………。

ユカ「あれ!?誰もいない!?」

ユカ「………パパ~、ママ~?」

 …………。

ユカ「うわぁ~ーん!!誰もいないよぉぉ!!」

ユカ「皆、どこぉーーー???」





 “SAO帰還者内密談笑会・2”

ソウ「あれ、ユカはどこ行ったんだ?」

リリー「ホントだ。さっきまでいたのに」

アスナ「はぐれたみたいだね」

ソウ「いやいや、AIが迷子って………」

リリー「でも、立派な女の子なんだよ!!」

アスナ「そうだよ!!ユカちゃんもユイちゃんも女の子なんだからね!!」

ソウ「はいはい、なら探しに行くか」

ユカ「パパァァァァァァァアアア!!」

ソウ「ユカ!?───ちょっ、止まれって!!────ごふっ!?」

アスナ「あっ、見つかったね」

リリー「ユカちゃん、何してたの?」

ユカ「いく場所、間違えたの」

リリー「そうなの?今後は気を付けてね」

ユカ「うん!!分かった!!」

アスナ「もう時間だね」

リリー「何も出来なかったけど………しょうがないよね」

アスナ「じゃあ、皆、またね~ー!!」

ソウ「………ちょっと、俺は………」

リリー・アスナ「「あっ、そういえば………」」

ソウ「………酷い」

 ───以上。
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