金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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SAO要素存分にあります。気を付けてください。

あと、UA数が50000突破。お気に入り数が300越えてました!!(゜ロ゜ノ)ノ

───力は欲しいと言えば欲しい。欲しくないと言えば欲しくない。by蒼星


第34話 幕切れ

 目を覚ました。

 仰向けになっていた体を起こして、居場所を確認しようとした俺は目を見開いた。

 

「ここは………!どこだ?」

 

 床一面がまるで透明なガラスのようになっており、周りは何もない。ガラスは光を反射しており、まるで空と地が一体化したような錯覚を覚える。心当たりどころか、そもそもここは地球なのかと疑いたくなるような幻想的な空間に俺はいた。

 俺は………一体………。

 今まで何をしていたのか、頭を捻り出して思い出そうとする。

 

「そうだ!俺は確か………」

 

 福音と戦って、海面に叩きつけて離脱に成功する。だが、帰り道にまた別の襲撃者が出現し迎え撃つはめになった。襲撃者達は昔の因縁に近い相手だったがどうにか追い返すことに成功したはずだ。

 そこにリベンジとばかりに福音が急接近したと情報が入り、そこで意識が途切れた。

 福音はどうなったのか知りたい所だが、見渡す限りでは誰もいない。

 だったら、ここにどうやって来たんだと疑問が湧くが幾ら考えたって答えは出ない。

 仕方なく、俺は重い体を見つけて適当に歩いていくのだった。

 

「さて、どっちに行こうか………」

 

 宛も何もない現状で、途方に暮れるしかない。直感的にこっちに何かありそうな方に歩いてみようかと考えていた。

 

『───』

 

「………誰だ?」

 

 誰か呼んでいる。脳に直接訴えかけてくるような感覚に戸惑いながらも、正体を確かめようと目を凝らして探す。

 

『───っちだよ』

 

 また語りかけてくる声。

 俺は声に導かれて何処かへと歩いていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりましたわよ!箒さん!」

 

「そ、そうだな………!」

 

 福音を見事に撃墜したことに、セシリアは興奮して箒の手を掴んで何度も上下に振る。箒は戸惑いながらも、笑みを浮かべる。

 

「ようやく、終わったか」

 

「うん。これで、終わりなんだね………」

 

 シャルロットとラウラも満足そうな笑みを浮かべる。

 

「やった!────リリー?」

 

 簪も歓喜の声を上げるが、隣の離里亜の表情に曇りげがあるのに疑問を持ち、恐る恐る名前を呼んだ。

 離里亜の機体から、ガチャンと金属音がする。エンジェルロッドの砲弾を装填したのだ。

 つまり、それはまだ戦闘が終わっていないことを示唆していた。

 

『まだ………まだ私達の闘いは終わっていないよ』

 

『リリー、流石にあれを食らったら───』

 

「────っ!」

 

 鈴が言う最中に異変が起きた。

 バチっと小さな音をセンサーが拾う。

 一体何が起きたのか、と思う暇もなく事態は変貌する。

 

「なっ───!?」

 

 いきなり海面が爆ぜ、球状の光の玉が海を蒸発させながら、上昇してきたのだ。

 嵐のように吹き荒れる暴風に落雷。

 海を押し退けるほどのエネルギーの中、その中心にうずくまるような格好の銀の福音。

 

「これは……何だ!?」

 

「まずいっ! これは……『二次形態移行(セカンド・シフト)』だ!!」

 

 ラウラの叫びに反応するかのように、福音がその顔を持ち上げる。

 呆然とする敵の顔を確かめるかのように、福音はゆっくりと、その体を立ち上げる。ISが警鐘を鳴らす中、福音はその姿を変えていく。

 

『キャアアアアア』

 

 甲高い金属を引き裂くような咆哮を放つと、福音は信じられない行動に移る。

 福音の主軸となる翼が砕けたのだ。

 さらにそこから生えるようにして、また光の翼が現れる。それに光の羽根が傷ついた装甲を埋めるようにしていく。

 福音を包んでいた光の球体は消滅。重力に従って海水は元に戻ろうと大波をたてた。

 水飛沫に当たりながらも、福音は神々しい翼を羽ばたかせた。

 

「え………」

 

 一瞬だった。

 福音は全員の側を通り抜けると、最初のターゲットへと襲い掛かった。

 狙われたのはシャルロット。

 急接近されてからの至近距離からの銀の鐘をもろに受けてしまう。流石の彼女もこれには耐えきれずに吹き飛ばされた。

 福音はシャルロットを最も除外すべき対象として判断したのだ。

 

「ぐっ………ぁぁぁあああ!!」

 

「シャルロットちゃん!?」

 

 海面へと叩きつけられてしまったシャルロット。璃里亜もこれには顔をしかめた。

 

「みんな!散開して!」

 

 固まっては危険。璃里亜は必死に声を上げて指示を出す。他のメンバーもこれで、はっと意識を戻して福音と距離をとった。

 

「行くわ!」

 

「鈴、行くぞ!」

 

 鈴と箒が左右から同時に攻撃を仕掛けようとする。

 同時に、福音は凄まじい弾幕を放った。今までとは比べ物にならないほどの数は逃げ場所を完全に無くしていた。

 

「くっ……なんて数よ……!!」

 

「これでは……近づくことも……!?」

 

 回避と接近を試みてはみるが、福音に近づくことさえ叶わない。このままでは圧倒的不利な現状は変わらないことは目に見えていた。

 福音が次なるターゲットへと定めたのは───

 

「ぐわぁぁぁあああ!!」

 

 ラウラだった。シールドで防御を図るもののシールドが崩壊をして直撃を受けてしまった。

 次次と倒れていく仲間を何も出来ずに傍観している自分。そんな自分が璃里亜にとって、恥ずかしかった。

 福音は猛攻を続ける。

 

「このストライク・ガンナーに易々と………追い付けると!」

 

高速戦闘を意識したブルー・ティアーズに福音もそう簡単には追い付けない。

 だが、セシリア本人もビットを操縦することが出来ずにただ逃げ回るだけだった。対する福音は攻撃も同時進行で可能となり、セシリアの劣勢は明らかだった。

 

「セシリア!乗れ!」

 

「はい!」

 

 攻撃を回避しつつ、箒の方へと旋回していく。紅椿の背へと乗っかることに成功したことを確認した瞬間、箒は一気にブラスターを吹かそうとするが───

 

「なっ………!?」

 

福音は今までにない速度で二人に接近した。箒は目を見開いた。

瞬時加速(イグニッション・ブースト)。福音が使ったのはそれだった。

 

「っぁ………!」

 

 白銀が視界一面に包んでいたセシリアを待っていた運命は大量の光弾。悲鳴さえ包み込む銀の鐘が無情にも発射された。

 

「セシリアちゃん!箒ちゃん!」

 

「璃里亜さん………!」

 

セシリアは海面へと、箒は無人島へと吹き飛ばされた。安否を確認したかったのだが、そんな余裕はなかった。

 

『リリー!!次、あんたよ!!』

 

「っ!かんちゃん、気を付けて!」

 

「う、うん」

 

 福音はこちらへと向かいながら、光弾を放っていく。それをエンジェルロッドで相撃ちにしながらも、銃剣を構えた。

 意識を集中さして、遅れを取らないように璃里亜の眼差しは揺るがない。

 ───故に遅れた。

 自分ではなく、後ろの簪をターゲットにしていたことを。

「かんちゃん!!」

 

璃里亜の近くを閃光のように福音は通過する。璃里亜は振り返り、後を追った。

 完全に勘違いをしていた。てっきり、止めをさしたのは自分なので先に狙われるかと思い込んでいたのだ。だが、福音はどうしてか簪を狙った。苦戦する璃里亜よりも、確実に落とせる簪を狙ったのだ。

 

「行けぇ………『山嵐』!」

 

簪も何も抵抗せずに殺られるわけにはいかないと、とっておきの装備を行使した。

幾つものミサイルが標的の福音へと飛び交った。光弾とミサイルがぶつかり合い、爆発を引き起こした。まだマルチロックオンシステムが、完全に調節出来ていないので本来の威力を発揮することは叶わないがそれでもダメージを与えたはずだ。

 

「なっ………」

 

 爆風から飛び出してきたのは、殆ど無傷の装甲を誇った福音だった。

 あり得ないと簪は思考が停止して、思わずその場から動くのに遅れてしまった。

 その間に、福音は大きな翼を広げて簪を包み込むかのようにしていく。

その瞬間、景色が変わった───

 

「ごめんね、かんちゃん」

 

「え………璃里亜………さん」

 

 突如、簪の機体に衝撃が走る。それは、璃里亜が猛スピードで体当たりをしてきた為だ。

何が起きたのか理解できないまま簪は宙へと投げ出されたまま福音の方へと見ると、璃里亜は申し訳なさそうな笑みを浮かべていた。

簪でも彼女が身代わりになるつもりなのは、瞬時に分かった。

 

「璃里亜さん!!」

 

「リリー!!」

 

簪と鈴が必死に呼び掛ける。そんな必死の呼び声を親身に感じながらも璃里亜は思考を巡らせる。

そういえば、似たようなことが………あの世界でもあった。

結局、福音を倒すと皆で意気込んで挑んだ結果はこれだ。無力というのを痛感してしまうのは辛い。さらに誰かの身代わりのような事をするのに自覚はあるが、咄嗟になると、ついしてしまう。仕方ないのだ。その時の自分は必死なので、何でも行動に移そうとしてしまうのだから。

こういう時は大抵、ある人が救ってくれる。今回もそうなると良いのだが、その人は今、ここにはいない。

 

「「「璃里亜!!」」」

 

「「璃里亜さん!!」」

 

ボロボロになりながらも、諦めずに立ち上がった仲間達。彼女達の呼び掛けに満足させられるほどの返答は出来ないだろう。でも、それでも、返さないと行けない。

 

「みんな………ごめんね………」

 

 完全に翼が璃里亜を覆い、もう逃げることなど不可能。あとはされるがままである。

 

「ソウ君も………ごめんなさ───」

 

「謝るのは早いんじゃないか?」

 

「え?」

 

 次の瞬間、福音の翼が切断されたかと思うと、中にいたはずの璃里亜は誰かに運ばれる感覚を覚えた。正体を確認しようと、顔を向けるとそこには───

 

「な、そうだろ?リリー」

 

 ───黄金のIS、そしてあの人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どのくらい歩いただろうか………。

 せめて時間さえ分かれば、距離感は掴めるのだがその手段がまったくない。その為にお手上げ状態の中で、俺はただひたすらに何処かへと行くのか分からずに歩いていた。

 相変わらず景色は変わらない。ガラスが床一面に敷かれたように何もない。空も真っ白で何もない。とにかく今は自分に出来ることをして、この意味不明な状況のことを頭で理解することに努めた。

 

「───っ!」

 

 すると、突如視界が真っ白に包まれた。まるで、閃光が放たれたかのように。思わず俺は腕で隠すようにしてしまう。

 いきなりだったので、発生源どころか何が起きたのかさえ分かっていなかったが反射的に目をつぶっていた。

 恐る恐る収まったのを感じながらゆっくりと瞼を開いた。目に写ったのは、信じがたいものだった。

 少し先で、くっきりと横一線にガラスのような床が無くなっており、そこからはまるで別世界のような光景を露にしていた。

 床の切れ目まで、歩いていくと下を覗いた。俺のいる場所は宙に浮いているのか、下は何もなく、その代わりに先程まで見ることのなかった暗闇が広がっていた。

 顔を上げる。そこで俺は体が固まってしまったのを実感する羽目になる。

 

「………アインクラッド………」

 

 俺の視界の殆どを埋めるかのように、とてつもない大きさを誇る浮遊城『アインクラッド』が浮かんでいた。それは俺の見覚えのあるものだった。

 というよりも、俺は昔あそこにいたのだ。層がいくつも積み重なって出来た構造の城を俺は最下層から順に仲間たちと共にかけ上がっていったのだ。それも命懸けで。

 だが、あの城はもう存在しないはずなのだ。俺自身のこの目で崩れる一部始終を確認したではないか。でも、目の前にはちゃんと城は実在していた。

 この事実はあることを示していた。

 

「………ここは、ゲームの中なのか………」

 

 そもそもアインクラッドは現実には存在しない。故に今、俺のいるここは現実ではないことを示唆していた。心の何処かでまだここは現実だと思っていた自分がいたかもしれないが、これだけは疑いようのない事実だ。

 

「………なら」

 

 もしも、自分の仮定が正しかったとすると、あれがあるはずだ。俺は早速、行動に移った。

 右手の人差し指を伸ばし、上から下へと宙にたて線を描くように動かす。

 そのまま何か起きないかと待っていたが、何も起きない。

 

「SAOじゃないのなら、ここは………」

 

 ………分からない。幾ら頭を捻らせ全知力を振り絞っても確信のある答えを導かせることは不可能だった。

 あのアインクラッドに行くことは無理だ。向こうは宙に浮いている。さらにここからでは俺の力で行ける距離ではないことは感覚的に分かる。

 他に何か手掛かりとならような物はないかと俺は辺り一帯を見回した。

 そして、背後を振り返った時にさらに驚愕せざるを得なくなる。

 

「パパ」

 

 少し距離を置いて立っていたのは、幼い少女。簡素なワンピースを着ておりショートの黒髪を靡かせて、俺の瞳をはっきりと見ていた。

 そして、聞こえた声。毎日俺の脳裏に響く今とはなってはなくてはならない存在の人の声。

 

「ユカ?」

 

「パパァ!」

 

 ユカは顔を綻ばせ、俺に向かって両手を広げて走ってきた。そのまま、どん!と俺の体に抱き付く。俺も無抵抗のまま、受け入れた。

 ユカの着ていたワンピースは、離里亜と簪の二人と共に買い物に行ったときにたまたま目に入った紅いワンピースのようだった。

 まさか、ここで人間姿のユカを見るとは思えなかった。見渡したところ、他に誰もいる気配がない。だとすると、どうして彼女だけがここにいるのか不思議だった。

 

「パパ?」

 

 ユカは首を傾げながら顔を上げた。そんな彼女の頭の上に俺は手を置いて撫でる。気持ち良さそうに彼女は目を細めた。

 

「ユカ………ここはどこなんだ?」

 

「………う~ん、私の中?」

 

「どういうことだ?」

 

「私よりも、あの人の方が良いよ?」

 

「あの人?」

 

 ユカは頷く。そして、俺の手を掴むと何処かへと歩き出した。俺も遅れないように付いていく。

 ユカはさっき、ここを“自身の心の中”と言った。彼女自身も自分が一体どういう存在なのか明確していないのではっきりとは言えないが、もしかしたらここはISの意識の中ではないだろうか。さらに言うと“麒麟”の意識となる。

 ISに意識があるのかないのかは研究者達の中でも白熱した議論となっている。そんな中、もし俺の推測が正しければこれは異例の事態ではないのだろうか。そもそも俺や一夏がISを操縦出来る時点で元も子もないのだが。

 そういえば………一夏の方も同じような目に会っていそうな気がする。元々、一夏は戦場で実力を発揮する土壇場タイプ。もし、俺と同じことをしておいても別におかしくはない。

 そうこうしている内に、ユカの足取りは止まる。途中から隣を歩いていた俺も足を止めた。

 

「連れてきたよ~」

 

 俺とユカ以外誰もいない真っ白な空間の中で、誰かを呼ぶように声を発した。

 すると俺の目の前の視界の一部が歪むようになり、亀裂から一人の人間が出てきた。あそこから出てくるのは化物とかなのだが、見た目がどう見ても人だ。

 年齢は察するに30代後半の男性。白衣に身を包み、科学者のようなオーラを照りつけていた。

 そして、俺はその人を知っていた。

 

「茅場………晃彦………」

 

「いや、ソウ君。私はその人ではない」

 

「………じゃあ、誰なんだよ」

 

 俺の名前もはっきりと口にした。それもあの世界での名前だ。さらに何度も目を瞬きさしても本人にしか見えなかった。

 

「そこにいるユカ君のデータから、この人の容姿をコピーさして貰った次第だよ」

 

「あ、そう」

 

 なら、その口調もコピーしたせいでまったく同じようになっているのだろうか。俺は半信半疑になる。

 

「ユカ君、ここまでの彼の誘導には感謝するよ」

 

「うんうん。どうも~♪」

 

 俺の手を繋いだまま、ユカは返事を返した。だとすると、ユカは俺を彼と会わせるために迎えに来たことになる。

 

「そして、ソウ君。君とこうして直接対面するのは初めてとなるね」

 

「“直接”?」

 

「改めて名乗ろう。私は“麒麟”の自我意識。簡単に言うと、そこのユカ君の本体と成りうる存在だろうか」

 

「………へぇ~、そうか」

 

「………随分と反応が薄いようだね」

 

「まぁ、大体は想像出来た。それにユカも自分のことはあまり分かっていなかったようだから誰かが管理してるじゃないかとは思っていた」

 

「なるほど………君をユカ君が気に入った理由も分かるかもしれないな」

 

 ユカ自体が、“麒麟”本体の自我意識でないということはある程度密かに思っていた。根拠も自信も何もないちょっとした疑問だったのだが、当たっていたようだ。

 彼はふむふむと何度も頷く。

 

「もうそろそろ良いだろ?俺をここに呼んだ理由は何?」

 

「そうだね。早速、本題に入るとしよう」

 

 ごくり、と俺は息を飲んだ。

 彼は余計な前置きなどは一切なく単刀直入に聞いてきた。

 

「君は力が欲しいか?」

 

「力か………欲しいと言えば欲しい。欲しくないと言えば欲しくない」

 

「というと?」

 

「俺はただ、簪ちゃんやリリー、そしてユカを守れるだけの力があれば良い」

 

「ユカ君を守る………つまり、君はISを守るのかい?」

 

「俺は大切なものを失いたく無いだけだ」

 

 俺ははっきりと断言した。隣のユカが「パパ………」と不安そうに見つめてくる。

 俺の求める力はただ自分の宝物を守ることの出来るだけで、それ以外には何もいらない。人を傷付けるなんてもっての他だ。

 だが、たったのそれだけでも大変だというのは身に染みて分かっているつもりだ。それを承知しながらも俺はきっぱりと言ったのだ。

 “大切なものを失いたく無いだけだ”と。

 そして、それ以外は何もいらない。

 

「聞きたいことはそれだけか?」

 

 俺がそう尋ねると、彼はにっこりと笑みを浮かべた。まるで俺の言ってないことまで言葉の裏から読み取ったような感じで。

 

「これ以上は君にとって愚問のようだと理解したからね。止めておこう」

 

 そう言うと彼は右手を真っ直ぐ俺の方に向かって伸ばした。手のひらを広げ、その上では何かが光っていた。

 

「では、私はそれに答えるとしよう。受けたまえ、そして行きたまえ。彼女達の元へと!」

 

「………言われてなくても分かってるさ」

 

 俺はその光に触れようと歩き出す。隣のユカも同じように近づく。

 やがて、手が触れる距離になると俺はユカの方へと視線を向けた。彼女はただ笑っていた。

 俺は黙って頷くと、光に右手で触れた。その瞬間、再び視界が真っ白になり意識が遠ざかっていく。

 

「───ユカ君をまかせたよ」

 

 ふと見ると、彼の口からそんなことが聞こえたような気がした。

 

 

 

続く───────────────────────────

 




 “SAO帰還者内密談笑会”

キリト「ふと思ったんだが、これはソウ達がSAO帰還者ってバレたらどうなるんだ?」

ソウ「その前に俺はお前が普通にいることに疑問を抱いているんだが」

キリト「細かいことは気にすんなって」

ソウ「それもそうだな」

キリト「納得するのか!?そこ!?」

ソウ「んで、実際の所、どうなんだ?」

アスナ「リリーちゃん曰く、不定期開催になるらしいよ」

キリト「へぇ~」

ソウ「ふーん」

キリト「………突っ込まないんだな」

ソウ「もう俺の中で、悟りは開いている」

キリト「要するに、めんどくさいんだな」

ソウ「そうとも言う」

アスナ「何の話をしてるの?」

ソウ・キリト「「何でもないです」」

アスナ「怪しい………まぁ、テーマもあるし、早く進めないといけないから勘弁してあげる」

ソウ「何を?」

キリト「ソウ、アスナのやりたいようにさせておけって」

ソウ「ふむふむ」

アスナ「キ~リ~ト~く~ん!!余計なことを言ってないよね~?」

キリト「言ってないです!!」

アスナ「もう!!どんどん時間がなくなっていく!!」

ソウ「次に回せば?どうせ、次のテーマとか決まってないんだろうし」

アスナ「………ソウ君のいう通りだね」

キリト「んじゃあ、また次話で!!」

アスナ「あっ!!私の台詞!!」

ソウ「いや、俺のだぁ!」

キリト「え?今回は俺じゃなかったのか?」

三人「「「………」」」

アスナ「………誰でも良いよね?」

キリト・ソウ「「うん」」

 ───以上。
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