金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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さて、随分と日にちが空きましたが………理由を言わしてください。

ソウ達が自分はSAO帰還者と告げるのか、それとも誤魔化すのかの苦渋の決断に渋っていました。

結果は…………見てくれたら分かるかと( ̄▽ ̄;)

───さぁ、行こうか!!


第36話 帰還

 “絢爛舞踏”。

 その名は箒の専用機である紅椿の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)。その効能は彼女が最も望んだもの。

 ───戦う力。

 その能力はとてつもない物だった。

 ───私は大切な人の背中が守りたい。

 箒はただひたすらに福音と戦っている彼の後ろ姿を見つめて、そう願った。今の自分にはもう既に彼の隣に立つほどの力は残っていない。

 そんな彼女の期待に応えるかのように紅椿は突如金色の光を放つ。そして、勝手に展開装甲がバイパス接続を始めてしまう。

 一体何が起きているのか分からずに混乱する彼女だったが、次に起きた現象に目を見開いた。

 ───エネルギーが回復していく!?

 通常では絶対に不可能な速度で回復していく自分の専用機に箒は不思議と慌てることはなかった。

 白と並び立つ者。

 これがどう意味しているのかは分からないが、今の自分に出来るのはこれしかないと箒は決断した。

 

「………箒?」

 

 一夏はそっと声をかけた。

 箒はハッとする。

 

「な、何だ!?」

 

 今もエネルギーを白式に受け渡している最中に彼は話し掛けてきた。と、思ったが白式のエネルギーは既に満タンになっていたことに箒は気付いた。意識が完全に別の方向へと向いていたらしい。

 彼はそんな箒の様子を気にかける様子もなく、口を開く。

 

「サンキューな。理屈は分からないが……これなら行ける!」

 

「う、うむ………そうだな!」

 

 彼の隣に立ち、共に戦う。箒の願いは叶えられていた。

 

「行くぞ、箒!」

 

「ああ!」

 

 白と紅は戦場へと駆け出していった。

 

 

 

 

 ◇

 

 ───福音は手強い。

 幻弾による一時的な機能低下を負いながらも、なかなか尻尾を掴ませてくれない。だが状況は確実にこちらが有利になっていた。

 

『蒼星、準備完了だ!!』

 

 一夏からの通信が入る。

 驚くことに白式のシールドエネルギーが殆ど回復していた。そのことを蒼星が気にしたのは、ほんの一瞬だった。今の彼は細かいことは後回しにしている。

 

『動きを止めるから、頼むぞ』

 

『おう!!任しとけ!!』

 

 迷いのない返事に彼は笑った。そして展開していた電子粒砲を収納すると、代わりに相棒のムーンテライトを展開。

 ───駆けるんだ、福音に一直線に。

 

『スズー、リリー、俺が相手をする!!』

 

『了解よ!!』

 

『分かった!!』

 

 二人が離脱したのを確認したのちに、蒼星は大剣を猛直進に振る。とつてもないスピードでの接近だった。

 福音と大剣が衝突。甲高い金属音が辺りに響く。そのままどちらも一歩も譲らずに硬直状態が続く。

 

『蒼星、来るよ!!』

 

 シャルロットからの忠告が入る。

 その瞬間、福音は光の翼を大きく羽ばたかせたかと思えば、彼を覆おうとする。

 だが、彼も易々と捕まる訳がない。

 エネルギアの配置を転換する。一つは右肩に、もう一つは左肩。エネルギアの穴はそれぞれ左右を向いている。そして、周りに並ぶかのように幾つかのエネギアが連結する。

 バチバチと電撃を散らしたエネルギアの充電。電線が繋がっていくかのようにエネギアにも伝わっていく。

 ───刹那、無限なる数の電撃弾が一斉に全方向に向けて放たれた。福音の翼は彼を包み込んでいるが故に、それらは全て翼へと命中。

 エネギアの電撃弾を連射するのには、ほんの少しだがタイムラグが生じる。何故な弾の元である電撃の補給が必要なためだ。そこで、蒼星はエネルギアにその役割を担すことでエネギアの圧倒的なスピードによる連射を可能としたのだ。今回は全方位が攻撃対称だったので、無差別に彼は弾を発射させた。

 爆発音と電撃が走る音が鳴り響き、福音は思わず動きを一瞬だが動きを止めた。そこに彼が畳み掛ける。結果、福音に絶対的なチャンスが発生。

 ───そこを見逃す訳はない。

 

「おらァァァァァァァァ!!!」

 

 蒼星と福音の間に入り込んできたのは一夏だ。彼は零落白夜の刃を真っ直ぐ突き立てながら、福音へと衝突していった。

 あっという間に二つの白銀は麒麟からどんどんと距離を遠ざけていく。一夏は零落白夜を決して離さないと歯を噛み締めた。

 一夏の勢いは止まることを知らずに、近くの無人島へと突っ込んでいく。蒼星が先程までいた無人島とはまた別の島だ。

 砂浜に墜ちたことにより、砂埃が大きく舞う。そのなか、一夏はしばらく刃を福音に押し付けていたが福音を停止した後に離す。

 彼の元へ遅れて蒼星達も砂浜へと降りた。

 

「終わったのか………?」

 

「ボス戦クリアだな」

 

 一夏は蒼星の浮かべる笑みで悟った。ようやく、長かった戦いに決着が着いたのだ。

 シールドエネルギーが空になった福音はアーマーを収納する。そして、中からは女の人が姿を見せた。

 彼女こそが福音の操縦者であり、この一連の事故の一番の被害者でもある。

 蒼星は内心で謝罪する。仕方ないとは言え彼女に攻撃をしてまった事実は避けられない。ましてや、自分の場合は電撃による攻撃なので痺れさせてしまったかもしれないからだ。

 一夏の周りには専用機持ち達が囲んで、勝利を分かち合っている。なんとも微笑ましい光景だ。

 

「さて、その人の為にもさっさと帰らないと………」

 

 蒼星が振り返ると、目の前には簪。彼女の瞳は決意が籠められていた。

 

「………聞きたいことがある」

 

「ふぅ…………何かな?」

 

「───蒼星君が追い返したISのこと」

 

「………分かった。でも、長話になるから帰ってからな」

 

「………うん」

 

 これは言い逃れは出来そうにないことに気付いてしまった蒼星。帰って今すぐにでも休みたいが、旅館では彼女たちの疑問が解消するまで付き合わないといけない。

 ………なんという選択肢の無さ。

 だがもしも、あのことを話してしまえば彼女たちはどんな反応を見せるのか。最悪、拒絶の意を示すかもしれない。

 自分は嫌われるのが怖いのだろうか。蒼星は黙考する。人というのは、単純な生き物だとつくづく痛感した。彼女たちはそんな傷物をどんな瞳で見つめてくるのだろうか。汚物を見るような瞳でくるのだろうか。

 ………いや………考えすぎだ。

 何時にもまして今の自分はマイナスな方へと思考を進めてしまうことに蒼星は気付いた。

 

「そうだ!!蒼星!!あんたに聞きたいことが山ほどあんのよ!!」

 

「はいはい、また今度な」

 

「そうはさせませんわ!!」

 

 ふと思い返したかのように彼の元へと迫ってくる鈴とセシリア。彼女達も簪と同じことを聞きたいのだろうと蒼星は思ったので、掌をひらひらとさして話を逸らす。

 だが、次のシャルロット、ラウラの言い分でどうやら簪とはまた別の疑惑について尋ねたいことが分かった。

 

「蒼星のISについて教えてくれるまで、逃がさないからね」

 

「さぁ、兄様、説明を要求する」

 

 どうやら“幻影裏月”のことを知りたいらしい。何度も福音との戦いの際に使っているので、その理屈を知りたいのはIS操縦者としての本能だろう。

 別に蒼星としては説明しても構わないのだが───

 

『現時刻を持って、銀の福音の撃墜をこちらでも確認した。作戦終了だ。全員、ただちに帰還しろ』

 

「よーーし!!帰ろーー!!」

 

「あっ!!逃げたわよ!!」

 

 逃走を測る蒼星の後を追う鈴達。一夏も遅れて後を付いていき、簪と離里亜も付いていこうとする。が、離里亜が簪を呼び止めた。

 因みに気絶してしまった福音の操縦者は離里亜が運ぶことになっている。

 

「ねぇ、かんちゃん」

 

「はい、何ですか?」

 

「やっと………終わったんだね………」

 

「うん………」

 

 いつもと変わらない光景。離里亜は安心感に浸されていた。

 

「あ………」

 

 だが、同時に思い出してしまった。旅館ではあの鬼のような織斑先生が待ち構えていることに。

 なんたって無断出撃をしてしまっているからだ。

 でも、それも良いかもしれない。説教されるのは一人ではない。皆がいるからだ。怖いけど、恐くはない。

 

 ───さぁ、帰ろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 とある海上の上を飛行中の3機のIS。

 2機のラファールと新紫のIS“ラメイル・コフィン”。ネルを先頭にアマス、ロザリアが後ろから追従する形で飛行していた。

 

「はぁ………もう少しだけでも楽しみたかったわぁ」

 

「ネル様。アタシも同意見です」

 

「そうよねぇ?あのスコールが、招集さえなければ彼と遊べたのにぃ」

 

 久しぶりに見た彼は前会ったときよりかは平和ボケしていたが、より一層彼の心の中に秘められた何かは確実に成長していた。

 後、少しで熟成すると言ったところか。

 

「アマスは彼のこと、どうだったぁ?」

 

 ネルは一言も話そうとはしない彼女に話を振った。また無反応かと思いきや、今回はまた別の方法をとった。

 

「………知らない」

 

「あらぁ?そうなのぉ?」

 

「………知らない」

 

 意外に頑固者っぽい彼女はその一点張りでそれ以上は深く潜り込んでくるなと警告しているかのような態度を取っていた。

 彼女は本当は彼のことを会う前から知っている。

 恥ずかしいのか、またネルとロザリアに話しても無意味だと判断したのかどうかは不明だが、どっちにしろこれ以上追求してしまうと彼女の怒点に触れてしまいそうなので止めておくことにした。

 

「ふふふ、今度こそは遊んであげるんだからねぇ、空剣士さん」

 

 ネルは不吉な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 皆で旅館に戻るなり、玄関前で待ち構えていたのは織斑先生だった。後ろには山田先生もいる。

 

「作戦完了…と、言いたいところだが、お前達8人は重大な違反を犯した。帰ったらすぐに反省文の提出と懲罰用の特別トレーニングを用意してやるからそのつもりでいろ」

 

『はい…って、え!?』

 

 ここにいるのは9人。つまり、誰か一人が罰を受けずに済む必要はない。その可能性があるのは────蒼星だ。

 彼だけは任務として出動してから戻ってきただけになるからだ。一夏達と違って、無断ではなくちゃっかりしっかり許可が降りての出動だったので問題はない。さらに任務内容は福音の撃墜だったので、任務完了してからの帰還となる。違反など侵していない。

 

「………一人足りなくないか?」

 

 が、当の本人は気づいていなかった。

 

「兄様は罰を受ける必要はないはずだ」

 

「え?………あ~そうか、ラッキー」

 

 ラウラに言われてようやく理解した彼は一気に荷の肩が降りたようだが、鈴とセシリアはじっと彼を睨み付けていた。もっぱら、一人だけズルいとでも思っているのだろう。

 

「そうだ。波大は例外だ」

 

「余計な心配でしたね」

 

「そうか………なら、貴様も受けるか?」

 

「いえ、結構です!!」

 

 自ら織斑先生の特訓メニューに参加しようなど、蒼星といえそこまで命知らずではないと自負している。

 冗談だったのか、鼻で笑った織斑先生。

 

「織斑先生、もうそろそろ………波大君と織斑君のこともあるので………」

 

 山田先生がそっと話しかける。彼女は今のところ、平気そうな態度の彼らだが体に異常がないかどうか調べないといけない。特に蒼星は一度、福音に撃墜されているし、一夏もつい先程まで重傷で寝込んでいたからだ。

 

「ん………そうだな」

 

「あ………織斑先生」

 

「何か気になることでもあるのか、遠堂」

 

「いえ………私達のことは聞かないんですか?」

 

「まずは検査をしてからだ。お前達の事情とやらはその後だ」

 

「はい。分かりました」

 

 今はその話は後回し。離里亜の表情はあまり良いものではなかった。蒼星もその話の事情とらやらは帰る途中に彼女本人から聞かされていたので、何も言わず離里亜を見つめていた。

 

「では、男子から始めますね」

 

「ほら、行くぞ一夏」

 

「お、おう」

 

 蒼星は歯切れの悪い返事をした一夏を引き連れて、旅館の中に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 無事、検査を終えた蒼星は一人、部屋でのんびりと過ごしていた。

 少し前に男二人検査しようとした際にどちらが先に受けるか軽く揉めた。結局は一夏の頑固たる態度と蒼星の面倒ごとは早く終わらせたい性格ゆえに先に彼の方が折れた。特に一通り検査を終えて体に目立つ異常はなかったので、先に彼は部屋へと戻っていた。山田先生もあんな激しい戦闘をさたのに、何事もないことに驚愕していた。あくまで彼の推測だが、一夏の方も異常が見つかることはないだろう。

 部屋に寝転び、蒼星は考える。

 ───“ネル”。

 あの世界で人殺しと言う罪を犯した人物。自分も世間から見れば、人殺しと殆ど変わりのないのだがネルは根本的に違っている。蒼星の場合はあくまで自身と大切な者を失わない為の苦渋の決断の上で手を出してしまったのだがネルはそれ自体を楽しんでいるのだ。

 つまり、()()()()()()()()()()()

 おかしい。人を斬ることが楽しいなどと感じられる思考経路なんて理解したくない。あるのは人を斬ったという罪悪感のみ。彼らはそれを嗜好として楽しんでいた。蒼星は罪悪感からは乗り越えたとは思っていない。逃げ出したいのは山々だが逃げるなんて行為を赦してはくれない。多分、一生脳裏から消えないだろう。

 それでも、彼は密かに自身から隠していた。何故なら今の今までネルや同じ奴等の存在を頭から忘れていたからだ。

 

 ───俺は正面から闘うんだ。

 

 あの世界での影響をここに引っ張ってくることには抵抗感があった。一人で解決すべき問題なのに、一夏や離里亜達を巻き込むなんてへまだけはしたくなかった。

 もうそれは無理な相談かもしれない。あいつらにはこれからあの世界でのことをありのままに白状しないといけない。いつか誰かに勘づかれて問い詰められるとは察していたので、その時期が今だと思うだけだ。

 

《パパ、出てもいい?》

 

《ん………いいぞ》

 

 寝転んだ体を起こした蒼星の目の前に光の粒子がどんどんと集まっていく。やがて、それは少女となり真っ白な足を地面へと付けた。少女の名は“ユカ”。

 部屋には蒼星以外は誰も居らず、ユカがこうして人間姿で顕現しても平気だろうと彼は判断したのだ。それに………彼女の存在ももうすぐ明かされる。

 

「パパ………どうしたの?」

 

 ユカはちょこんと彼の前に正座で座る。そして、彼の不安そうな表情をその純粋な瞳でじっと見つめる。彼は少し微笑む。

 

「いや………何でもない」

 

「本当?」

 

「本当だって」

 

 ユカはむすっとした表情を浮かべる。

 

「むぅ~。私は嘘つきパパは嫌いです!!」

 

「そうか………俺だってそんなパパは嫌いだな………」

 

 蒼星はユカの頭をそっと撫でる。気持ち良さそうに目を細める彼女の和ましい姿にほんわり心が浸されながらも、彼は何もない代わりに心配事を口にした。

 

「ユカは皆と話したいのか?」

 

「それも良いんだけど………私はこの目で色んな物を見てみたいの」

 

「見たいのか?」

 

「うん。パパとママと一緒に隣に立って、同じ景色を見るの」

 

「そうか………良い夢だ。うん………ユカ、ありがと。俺はもう決めた。だから、もう大丈夫だ」

 

 決めた。彼は彼女の願いを叶えるために、過去の己を恥じらいそして新たな決意を改めることを。初めから無理だなんて自分らしくない。

 ユカは返事の仕方が分からず、頭を捻らす。

 

「どういたしましてなのかな?」

 

「さあな。ユカの好きなようにしな」

 

 次の瞬間、ユカがとった行動は言葉ではなく行動による表現だった。彼に勢いよく抱き付いたのだ。彼もこんなことをするのは、ユカらしいとしっかり受け止める。

 

「………ふんわりして気持ちいい~」

 

 両腕を彼の背中にしっかりと回して、繋ぐ。頬を彼の胸へと擦り付けるかのようにする。決して、あの世界では感じられない暖かみ、匂い、全身からそれらを一気に取り込むように感じた。

 彼もただ、黙ってユカの甘えに逆らわず受け止める。そっと手を彼女の頭へと添えた。

 

「そうだ………約束まだだったな」

 

「うん。後で行こ?」

 

「分かった」

 

 もごもごと彼女は彼の腕の中で動く。

 その時だった。蒼星は顔を上げて、視線を扉の方に向けた。誰かが来たようだ。

 彼女の肩をトントンと二回軽く叩く。彼女はそれに気付き、顔を彼の方へと合わせる。

 

「ユカ、呼ぶまで待っててくれるか?」

 

「………うん。分かった」

 

 名残惜しそうに彼から離れると、ユカは光の粒子となり宙に舞ってあっという間に姿を部屋内から消した。

 それと同じタイミングで扉がノックされる。

 

「おーーい、蒼星~、いるか~?」

 

「一夏か………」

 

 蒼星は立ち上がると、扉の方へと歩み寄る。そして、ドアノブを捻って扉を開ける。向こう側には先程声を出した一夏は勿論、検査を終えた様子の専用機持ち達が全員待っていた。

 扉をフルオープンにして、彼は道を空けた。

 

「ほら、中に入れって」

 

「おう。サンキューな」

 

「お邪魔する」

 

「お邪魔しますわ」

 

「邪魔するわよ~」

 

 一夏、箒、セシリア、鈴の3人が彼の部屋内へと足を踏み入れる。勿論、靴は扉を開けた所で脱いでいる。

 

「お、お邪魔します……」

 

「ふむ。お邪魔するぞ」

 

 遠慮がちのシャルロットと、遠慮を知らないラウラが入る。

 

「お邪魔しまーす!!」

 

「………お、お邪魔します………」

 

 離里亜と簪も部屋へと入る。緊張がない様子の離里亜に対して、簪はとても緊張したような態度を取っていた。

 

「さて、始めるか」

 

 ───遂に、明かされる彼と彼女の過去。各々の思惑が交差するなか、蒼星はその重い口を開いた。

 

 ───俺は正面から闘うんだ。

 

 彼の脳裏に響いていたのは先程心の底で決めた結束だった。

 

続く───────────────────────────

 

 




 “SAO帰還者内密談笑会”

ソウ「まず、メンバー確認をしようか」

リリー「1!」

ソウ「先に言うなよ………2!」

ユカ「3!」

リズ「4!」

ソウ・リリー「「誰?」」

リズ「その言い方はひどいわよ!!アタシを呼んだのはリリーでしょうが!!」

リリー「あ………うん、そうだったね」

リズ「んで、アスナから聞いたわよ。今回が最後なんでしょ?」

ソウ「まぁ、正確には不定期開催になるんだけどな」

ユカ「言い方替えれば、作者の気分次第だよ」

リリー「ユカちゃん!?そういうことは言ったら駄目だよ!!」

ユカ「え?でも、こうでも言わないと駄目ってキリ兄から言われたよ?」

リズ「本題に入りましょうか」

ソウ「そうだな」

 ───“笑う棺桶”───

ユカ「最大規模を誇るレッドギルドだよ。既に壊滅となっているんだけど、その後のメンバーの行方は分からずじまいで本名も不明だから探しようがないんだよね」

ソウ「ああ。Pohをリーダーに幹部が数人いる。その中でも、俺が直接対峙したのは“ネル”という女。痺れ液を槍の先端に浸けて、攻撃をしてくることから“痺獄槍”とも言われていたな」

リリー「SAOでも珍しい女性プレイヤーだったから、初めて聞いたときは少しびっくりしたかな」

リズ「あんた達………そんなのと闘ってたのね………」

ソウ「あの鬱陶しい性格を見た感じでは、女尊男卑の世間の影響に飲まれたようだな」

リリー「そうなの?そう言えば、女尊男卑とか言われてるけど………私もそうなのかな?」

リズ「リリーは根っから違うわ。というか、SAOじゃあそんな細かいことに気にする余裕もなかったしね」

ユカ「ママはそんなことはないよ!!」

リリー「それもそうだね!」

ソウ「なんか話がずれてきてるな………(でもネルの野郎は俺一人で決着をつけないといけないから、あまり触れない方が良いかもな)」

リリー「ソウ君、何考えたの?」

ソウ「いや、何も?」

リリー「絶対何か考えたよね?また、私に隠し事をするのかなぁ?」

ソウ「いやいやいや、そんな大層なことは思ってないから」

リリー「なら教えてくれたって良いでしょ?」

ソウ「それは………」

リリー「むっ!やっぱり!!早く白状しなさい!!」

リズ「ま~た始まった………あの二人はラブラブモード全開だけど、この二人はいっつもこんな感じよね………」

ユカ「うん。パパとママは仲良しだよ」

リズ「そうよね………もう時間だけど、こんな終わりかたで大丈夫なのか不安になってきたわ………」

ユカ「皆、バイバイー」

 ───以上。
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