金色の英雄 IS 【更新凍結中】   作:ソウソウ

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この話の後半、SAO要素が少し含まれているので気を付けてください。
時間があれば、蒼星のSAO時代の話も書こうとは思ってはいるが………いつになることやら………。

───では、どうぞ!


第5話 剣の実力

 蒼星は一人で食堂に行くつもりだったが……。

 

「で、君はいつまでそうしているんだい?」

 

 先程からのほほんさんが腕に捕まってきている。そのせいで歩きにくいこと、ありゃしない。

 一夏はというと教室から出る直前に篠ノ之に捕まっていたので遅れるみたいだ。璃里亜も何か別の用事があると言っていた。

 

「食堂に着くまで~」

 

「はいはい、そうですか」

 

 抵抗しても無駄だろうと思った蒼星はこのまま食堂へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食堂へ着くとのほほんさんはどこかへと去っていってしまった。誰かをみつけた様子だったが、俺が気にすることでもないだろう。

 周りに女子達はたくさんいるのだが皆、話しかけにくいようで変な空気になってしまっている。居心地は悪い。

 再び一人になった俺が醤油ラーメンを独りで食べていると一夏と篠ノ之がやって来た。

 

「お!蒼星、こんなところにいたのか」

 

「分かったから、早く座れ」

 

「んで、何を決めるんだ?」

 

「今後の予定だ!」

 

「──というと?」

 

「簡単に言うと特訓だな」

 

「おお!さっきの話の続きか。んで、誰にしてもらうんだ?」

 

「俺の場合は璃里亜がいるから、良いとして一夏は誰が良いんだ?」

 

「ん~………千冬姉は忙しそうだしな………山田先生とかはどうだ?」

 

「そうだな………補修授業してもらうのもいいかもしれないな」

 

 「だろ!」と一夏は頷く。

 

「でも、山田先生もあれでも先生だからなぁー、他にいないのか?」

 

俺がそう言うと考え込む一夏。しばらくして何か思い付いたのか隣に座っている篠ノ之の方へと向く。

 

「なぁ箒」

 

「……なんだ」

 

「良かったら俺にISのこと教えてくれないか?」

 

「断る」

 

 一夏が両手を合わせて篠ノ之にお願いをしていたが一蹴されていた。

 

「一夏、何も篠ノ之さんに頼まなくてもいいんじゃないか?今回やる試合に関しては俺と一夏の問題なんだから、篠ノ之さんにあんまり迷惑を掛けてしまうのは……」

 

「そうは言うけどな蒼星。いくら自分の心に勝てると意気込んでも、ある程度のISの知識が無かったら意味無いぜ」

 

「そりゃ、そうか……独学だと限界も来るしな……って、俺はリリーに教えてもらうんだった」

 

 一人で突っ込んでいた蒼星だった。

 

「やっぱり山田先生に教えてもらったほうが良いんじゃないか?あの人なら喜んで補習してくれそうだし」

 

「そうするしかないかなぁ……」

 

「!ま…待て、やはり私が……!」

 

 俺の提案に一夏がポンと手を叩くと、突然篠ノ之が何か言おうとしたが……。

 

「ねえ。君たちって噂のコたちでしょ?」

 

「「ん?」」

 

 いきなり見知らぬ女子に話しかけられた。よく見ると相手は三年生のようだ。リボンの色が違う。一年は青で、二年は黄色、三年は赤らしい。

 この先輩は癖毛なのかやや外側に跳ねた髪が特徴的で、妙にリスをイメージする人懐っこい顔立ちだ。隣で不機嫌そうな顔をしている篠ノ之とは大違い。本人には勿論言わない。そんな勇気はいらない。

 流石に三年生だけあって容姿だけじゃなく雰囲気も大人びている。今のところ篠ノ之にはこう言う社交性が欠けていると思う。とはいえ、俺もあまり人の事は言えないが。

 

「はあ、たぶん」

 

 一夏が曖昧な返事をする。

 

「代表候補生のコと勝負するって聞いたけど、ほんと?」

 

「はい、そうですけど」

 

「一応そうなっています」

 

 先輩の問いに一夏と俺は答える。

 それはそうと、本当にこの学園はアッと言う間に噂が広がることを実感した。噂と特売には目がないとよく聞くが、正にその通りだろう。

 

「でも君たち、素人だよね?IS稼働時間いくつくらい?」

 

「いくつって……二〇分くらいだと思いますけど」

 

「俺は十五分程度ですね」

 

「それじゃあ無理よ。ISって稼働時間がものをいうの。その対戦相手、代表候補生なんでしょ?だったら軽く三〇〇時間はやってるわよ」

 

 成程、成程。確かに稼働時間だけで言えば俺と一夏には差があり過ぎてとても勝てない。

 

「でさ、私が教えてあげよっか?ISについて……そっちの君もどうかしら?」

 

 そう言いながらずずいっと一夏に身を寄せてくる先輩。一夏は喜んでいるが俺は御免だった。何故なら、もう先客が入っているからだ。俺が断ろうとすると────

 

「…すみませ─────」

 

「ぜひ!お──────」

 

 一夏が遮って答えようとするがさらにそれを遮って────

 

「結構です。私が教えることになっていますので」

 

 承諾しようとする一夏に食事を続けていた篠ノ之が遮って断った。男の発言出来る立場がない。

 

「あなたも一年でしょ?私の方がうまく教えられると思うなぁ」

 

「……私は、篠ノ之束の妹ですから」

 

 奥の手なのか、関係無いと言ってた身内の名前を使ってまで一夏に教えようとする。相当この先輩が一夏に教えられるのが我慢出来ない様子。

 

「え………ええ!!」

 

 篠ノ之の発言に先輩は驚いた。そりゃ確かに、この世界の元凶であるISの設計者の妹が目の前にいたら誰だって驚くだろう。

 

「ですので、結構です」

 

「そ、そう。それなら仕方ないわね……」

 

 流石に織斑先生並みの強力な人物の前では形無しみたいだろうか。あの先輩は軽く引いた感じで行ってる。それに一夏、気持ちは分かるが何も残念そうな顔をしなくても良いと思う。

 

「なんだ?」

 

「なんだって……いや、教えてくれるのか?」

 

 篠ノ之をジッと見る一夏。結論から言うとそうなるが、また問い詰めるのはどうかと思う。

 

「そう言っている」

 

「良かったじゃないか一夏。教えてくれる相手がいてくれて」

 

「あ…ああ、そうだな。だったら蒼星も一緒に……」

 

 このバカ!俺がいたら邪魔になるだけだっての!って一夏にそんな事言っても無駄だろう。会ってからそんなに経っていないが、これぐらいのことは分かる。

 

「俺は璃里亜に教えて……」

 

「波大。お前もついでに教えてやる」

 

「え?良いの?」

 

「構わない」

 

 璃里亜には悪いけど、教えてくれる人は多い方が良いだろうと俺は思うので、ありがたく教えてもらうことにした。

 

「今日の放課後、剣道場に来い。一度、一夏の腕がなまってないか見てやる」

 

 ん?ISの事を教えるのに何ゆえ剣道場なんだろうか?

 

「いや、俺はISのことを───」

 

 一夏も篠ノ之さんの予想外な台詞に突っ込もうとするが……。

 

「見てやる」

 

「……わかったよ」

 

 有無を言わさない篠ノ之であった。気が短い上に強情な性格のようだ。一夏も相当の曲者を惚れさせてしまったかもしれない。

 

「えっと……一夏を剣道場に連れて行くんだったら、俺はやっぱり璃里亜に教え て……」

 

「お前も一緒に来い。少しばかり試したい事がある」

 

「……はいはい」

 

 俺を試す……。一体何を試されるんだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、剣道場にて……。

 

「どういうことだ」

 

「いや、どういうことって言われても」

 

 ギャラリー満載の中、一夏は篠ノ之と手合わせ開始して十分後にアッサリと負けた。一夏の無様な姿に篠ノ之はすぐに面具を外して目じりがつり上がって怒っている。

 

「一夏はサボっていたみたいだな」

 

「そう言われても俺、受験勉強してたし」

 

 呆れながら言う俺に一夏は言い訳をすると、次に篠ノ之が激昂しながら問い詰める。

 

「どうしてここまで弱くなっている!?」

 

「さっき一夏が言っただろ?受験勉強してたから、って」

 

「……中学では何部に所属していた」

 

「帰宅部。三年連続皆勤賞だ」

 

 一夏ははっきりと自慢げに言った。

 

「ねえ、ソウ君」

 

 因みに今、俺の隣に璃里亜がいる。

 たったの一言、自分の耳に聞こえた俺は危機的状況に陥ったような感覚に見舞われた。

 

「な、何かな………」

 

「なんで、ソウ君も篠ノ之さんに教わることになってるのかなぁー」

 

「そ……それは……やっぱり色んな人から教わった方がいいだろうって思って……」

 

「別にそれはいいんだけど………せっかくの二人の時間が………」

 

 「はぁ~…」と璃里亜は溜め息をつく。

 

「おーい、蒼星の番だぞ」

 

 篠ノ之の一夏へのお説教は終わったのか俺のことを呼んでいる一夏がいた。

 

「ソウ君……本気になったら駄目だからね」

 

「大丈夫!体はまだ万全じゃないから」

 

「え!それって駄目なんじゃ─────」

 

 俺は二人の方へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「剣道は久しぶりだけど、よろしくね、篠ノ之さん」

 

「ああ」

 

 短く答えた篠ノ之はもう集中しているのだろうか…形が様になっている。流石に剣道をし続けているだけのことはあると素人から見ても分かるほどだ。何故か上から目線口調で言っているが気にしない。

 

「一夏、竹刀とってくれ」

 

「おう」

 

 一夏から竹刀を受け取った蒼星は竹刀を軽々と振る。

 

「思った以上に軽いな、これ」

 

「竹刀の中でも、重たい方だぞ、それ」

 

「いや、なんというかイメージしてたのとはちょっと違ったっていうか」

 

 そう蒼星は言うと竹刀を右手に持ち構えをとった。

 

「何あれ、あれでとってるつもり?」

「あんなの見たことないよ」

「ふざけてるんじゃないの」

「でも、雰囲気はでてる」

 

 蒼星の構えを見ていたギャラリーがひそひそと話し出す。蒼星の今の状態はただ足を少し前後に斜めに広げ竹刀を少し前に先端が出すようにぶら下げるようにしていた。

 

「貴様、それでいいのか?」

 

「ああ、準備完了だよ」

 

 蒼星はにこりと笑った。その笑顔を見た一夏は一瞬何かを感じ取った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(隙がない………だと)

 見たこともない構えをとった蒼星を前に余裕な気持ちであった箒だったが、いざ始まろうとすると攻め場所がないことに気付いた。

 

(とにかく………攻める!)

 

 こちらから先手を打つことにした箒は竹刀を縦へと蒼星に振った。が─────

 

(かわした!!)

 

 初撃をかわすことは自分のスピードでは難しく、竹刀で止められるかと思っていたが、蒼星はその一回り上の回避を選択してひらりとかわしたのである。

 

(────っく!)

 

 即座に反撃が襲ってきた。一夏の時とは比べ物にならないほどのスピード、重さ、全国大会で優勝したことがある箒でも追い付くのに必死だった。

 それでも蒼星の竹刀に対しての防御の対応が徐々に遅れていく。

 そして──────

 バシッと共に箒の手から竹刀が弾かれてしまい箒の後ろへとドサリと落ちてそのまま、箒の首筋に蒼星の竹刀の先端が当てられた。

 

「勝負ついたみたいだね」

 

 そう蒼星は言うと竹刀を下ろして後ろに一歩下がり竹刀を二回宙に振り右肩から後ろ腰にかけて竹刀を差し込むような仕草をした。

 

「ソウ君、何してるの?」

 

 璃里亜にそう言われた蒼星ははっ!とした表情になり、あわてて竹刀を一夏へと返した。

 

「なんで、貴様、私より強いんだ?」

 

 箒はそう聞いた。自分は全国大会で優勝したこともあるのだ。なのに目の前の人に油断していたとは言え完敗だった。

 箒は何も仕掛けることも出来ずにあっという間に勝負はついた。

その時に気づいたのだが蒼星の太刀筋は剣道の太刀筋とは少し違うと感じた。

 そこから蒼星はまた別のことでもやっていたのだろうと思われるが今はそんなことよりも自分とは一体何が違うのかそこが気になった箒は率直に聞く。

 

「まあ、ちょっとね。教えてもらったんだよ」

 

「見たことがない流派だったがどこの流派なのだ?」

 

「自作だよ。しいていうなら“アインクラッド流"かな」

 

「……………」

 

 蒼星がそう言うと篠ノ之は何かを考え始めたみたいだ。と、急にこちらを見て───

 

「波大!私のことは箒と呼んで欲しい」

 

「藪から棒だな」

 

「私は波大の強さを認めたのだ」

 

「まあ、いいけどよ。じゃあ、遠慮なしにこれからは呼ばせてもらうよ」

 

「ああ」

 

 箒は嬉しそうに頷いた。

 

(世界にはこんな奴等がまだまだいるのか…………ということは私はまだまだ強くなれるのか!!)

 

 箒にとって蒼星の存在は自分の強くなるための目標だと箒は感じていた。

 それに、まだこれ以上強くなれる可能性があると箒は分かり自然と嬉しくなっていた。

 

 

続く──────────────────────────────

 

 

 

 




箒が蒼星に負けた要因は箒自身の自分の強さの過信と、蒼星に対しての油断です。もう一度やるとなれば、結果は………どうだろう?

ここからは興味ない人はスルーで結構です。

蒼星はSAO時代では大剣をメインに使ってました。じゃあ、何故あんな剣道の試合が出来たかというと彼の適応力の高さと両手で握っていた為に違和感があるもののSAO時代の動きを再現出来たためだと思ってくれた嬉しいです。無理矢理感が満載ですが、そういうことにしておいてください。
そして、キリト(いつ出てくるかは未定)と似たような癖を持っています。
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