魔法少女リリカルなのはPSP =マテリアルサイド=   作:のぶな

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事実上の番外編の時系列は不明ですが、今回からはA’sからSTSまでの間になります。


空白期編1

 

砕け散ったはずの闇の書の闇が再構築を果し、新たな存在として世に現れた事件からおよそ一年の時が流れた。

 

闇の書の闇の構成体(マテリアル)に敗北を喫した魔導師や騎士達の傷も癒え、今は己の魔導を磨くべくそれぞれ管理局に入局して仕事をこなす傍ら日々努力を続けていた。

特に今では『星光の殲滅者』と名を知られるようになってきた彼女に対し、次にまみえる時こそ勝つという思いのが強いのが八神はやて。そして高町なのはのふたりだ。

 

前者は、闇の書の闇は夜天の書から切り離されたモノであるため、事態を解決するのは現在の主である自分の役目だと考えるから。

後者は、今の『彼女』は自分の蒐集データをもとにされているという、自分の魔法が悪い事に使われている事に対する責任感。

そして『彼女』が再び自分達に会いに来るという確信と、今度こそ友達を守りたいという約束と誓いがその胸にあったから。

そういった理由で、事件に関わった人物の中でもこのふたりは仕事の合間を縫って熱心に魔導の訓練に明け暮れていた。

 

ただ、ふたりには違いがある。

 

たとえば、ふたりの管理局内における部署。

 

はやては四人の守護騎士と共にその力を必要とされる事件に随時出動する特別捜査官。

なのはは戦闘の最前線に立つ役割である武装隊の所属。

 

仕事、という名目なら同じではあるが、その内容に関しては大きな差がある。

特に戦闘のような身体を酷使する場面は武装隊であるなのはの方が多く、訓練内容にしても、実戦が多いのはなのはだ。

 

さらには、はやては闇の書の侵食の影響を脱して車椅子生活とは既に縁を切っているが、それでもまだ体力が本調子ではないと、厳しい訓練は出来ていない。

健康体であるなのはにはそんな制限はなく、魔法の上達が楽しいから、もっと強くなりたいからという理由あって、毎日のように厳しい訓練に明け暮れていた。

 

はやてとなのは。ふたりは意気込みは同じくらいに強い。

だが、訓練の内容においてはなのはの方が幾重にも上だった。

 

能力向上のために訓練する事は悪い事ではない。

だが、なのはの場合その分量が通常と比べて密度や量が多かった。

その上、訓練でも身体に負担の大きい魔法も多用していた。

 

父親が非常に高度な剣術を伝える家系の出であり、その素養を受け継ぐなのはの潜在的肉体スペックは実は相当高い。

だが、幼少時に外で遊ばずに家の中で大人しくして過ごすという生活をしていたために、身体を動かす運動神経を磨く事をなのははしていなかった。

そのため、資質は高くても運動神経が鈍いというアンバランスな状態であるなのはは、体力の限界がどこにあるのかという自己把握が出来ていなかった。

 

なまじ資質が高いが故に、十分な睡眠をとれば多少の疲労は回復できるという事を理解していたため、どんなに疲れていても休めば大丈夫と思い込んでいた。

思い込んでいるために、疲労が残っているという自覚も考えも思い浮かばない。

自分はこの程度は全然平気だと、更に訓練量を増やしてゆく。

 

結果、本人も気付かぬ内にその身に疲労を蓄積させていっていた。

もしも、はやてのように病み上がりという背景や、回復や補助のエキスパートであるシャマルのような存在がなのはの傍に居れば話は違ったかもしれない。

 

だが、ここにはそんな『もしも』は存在しない。

 

本人も、周囲の誰も気付けずにそれは積み重なってゆく。その事実を抱え、なのはは日々を過ごしていた。

 

そして、その日を迎えた。

 

なのはと、はやての守護騎士のひとりであるヴィータは仕事の上でとある次元世界に来ていた。

今回の仕事の内容も難しい事はない、簡単と言えるもの。

なのは自身の高い実力と、頼れる仲間のおかげで何の問題もなく仕事も無事終了し、あとは帰宅の路につくだけという状況。

 

破綻はこの時に訪れた。

 

正体不明(アンノウン)の何かがなのはのすぐ背後に忍び寄っていた。

気付いたヴィータがすぐに注意を喚起する声を上げる。ヴィータはいつものなのはなら十分に反応出来ると考えていた。

 

だが、なのはの反応が鈍かった。今まで積み重ねてきた疲労のツケが、今このタイミングで牙を剥いていた。

そんな裏事情を、なのはとヴィータはこの時点では分からない。

ただ、このままではなのはが撃墜されてしまうという事実しかなかった。

 

ヴィータは焦燥に駆られて動き出すが、ふたりの間にある距離のせいで間に合わない。

なのははようやく行動に移ろうとするが、それは既に遅すぎた。

 

謎の機械兵器が、ただ無機質にその凶刃をなのはの背中へと突き立てる。

その光景が、まるでスローモーションの映像のようにヴィータには見えていた。

 

自分では間に合わない。

それが分かっていてもなお、ヴィータは絶対に間に合わせようと全力で足掻く。

守護騎士である自分が、大切な仲間を守れないなんてあっていいはずがない。

それ以上に、はやてが『彼女』に取り込まれるのを、目の前で見せ付けられた時の無力感をもう味わいたくない。

 

間に合わないと理解が出来て悔し涙が滲むのを、歯を食いしばって堪えてただ目の前の人を守りたいという一念でその手を伸ばす。

自分に笑いかけてくれるその優しい人を守りたいという願いを込めて。

 

だが、ヴィータのその手が間に合う事はなかった。伸ばされた手は届かず、なのはは撃墜され、地に落ち行く。

 

──撃ち落とされた、謎の機械兵器と共に。

 

「な……っ!?」

 

突如として視界を埋め尽くした閃光が、なのはと機械兵器を同時に巻き込んで飲み込んでいた。

 

非殺傷設定の砲撃魔法だったのだろうそれをまともに受けたなのはは、一撃でノックアウトにされていた。

純粋魔力ダメージのため物理破壊効果がないが、その齎された衝撃によって機械兵器はその刃がなのはへと届く前に吹き飛ばされていた。

 

あまりに想定外にして唐突に過ぎる状況に思考が追いついてこない。

それでも、外傷は無くともこの高度からの落下によるダメージは生死に関わると、気を失っているなのはを助けようとする。

 

だが、ヴィータがそんな真似をするより早く、ネット状に展開された魔法がなのはの身体を受け止めて落下を防ぐ。

ひとまずなのはが無事だったのを見て、ヴィータは一安心した。

 

だが、同時に激しい焦燥感に襲われる。

 

なのはを受け止めたその魔法、そして先ほどの砲撃魔法の魔力光の色は知っている。

それは、なのはと同じ桜色。

 

広大な次元世界において、桜色という魔力光はなのは固有のモノというわけではない。探せば似たような色合いの魔力光の持ち主なんて幾らでも見つかる。

だが、先ほどの砲撃魔法の威力をあわせて考えると、思い浮かぶのはひとりしかいない。

殆ど確信と呼べるほどの推測を胸に、砲撃魔法が放たれた地点をヴィータは睨みつける。

 

「……お久し振りです、というべきですか。鉄槌の騎士」

 

視線の先にいたのは、紫の宝石を先端に戴くデバイスを手にする、闇色のバリアジャケットに身を包む女性の姿。

その彼女の感情の読み取れない瞳が、静かにヴィータの事を見つめていた。

 

「何でてめーがここに居るっ、『星光の殲滅者』……っ!」

 

ヴィータの口から疑問と共に突いて出たのは、彼女の通り名。

 

破壊を齎し、怨嗟の声を響かせる。

その在り方と強さとから、畏怖と憧憬の念で呼ばれる彼女を示すひとつの記号。

扱う魔法が、星の光を連想させる故のその称号。

 

『星光の殲滅者』

 

僅か一年という短い期間ながらも広く定着しているその名前を、苛立ちを隠す事もなくヴィータは叫ぶ。

 

「なのはとフェイトは私の物です。

その私の所有物を私以外の誰かが傷つける事を許せなかったから手を出したまでです」

 

そんなヴィータの激昂とは対極に、静かな声色で質問の解答をする。

魔導師として、管理局員として苦難に挑み負傷する事もあるだろう。それを乗り越えて成長してこそ強くなるのだからそれは良い。

だが、その中で致命傷を受けてその未来が閉ざされるというのは頂けない。もしそんな事になるくらいなら自分の手で始末を付ける。

彼女にとって、それは当たり前で隠す事でも無いと淡々と答える。

 

「ふざけんじゃねーぞてめーっ!!」

 

だが、ヴィータは彼女のそんな理屈に納得は出来ない。

ふざけた事を言うなと、彼女に対して怒りのボルテージが際限なく上がってゆく。

 

「そうですか、ならば」

 

ただ、彼女からしてみればなんら恥じる事も適当な事を言った事もない。

納得がされないとしても、わざわざ食い下がってまで弁明する必要はない。

 

「言葉ではなく魔導を以って語り合うとしましょう」

 

そう言って彼女は周囲に広域結界を展開し、ふたりだけの決闘場をこの場に形成していた。

 

「ちっ……!」

 

退路を断たれたヴィータは忌々しげに彼女を睨みながらも、状況が変わって戦士として何時までも激昂したままでは居られないと幾ばくかの冷静さを取り戻す。

彼我の実力差は分かっている。自分が感情に任せて突っ込んでも容易に撃退されてしまうのは実体験の上での理解だ。

今更ながらこんな奴は早々に見切りを付けてなのはを早く治療の出来る場所に連れていくべきだったと考えが及ぶが後の祭りだ。

 

「……鉄機召喚」

 

考えるヴィータを尻目に彼女は小型の魔法陣が展開させる。それと同時に、その魔法陣の中心から『柄』が現れる。

それを彼女は無造作に掴み、まるで空間に穴を開けた内部に在るモノを引きずり出すかのようにして、召喚魔法と転送魔法を応用して呼び出したしたモノを手にする。

そして、取り出されたそれを大きく一振りすると、ゴウッと大気を削るような音がする。

 

「なんだそりゃ……?」

 

それは片刃の剣。ただしその大きさは通常の剣と比べて規格外といえる大きさだった。

刀身の長さは彼女の身長を越え、幅の広さもまた彼女の姿を覆い隠せるほど。

女性の腕力では到底扱えないと思わせる重量感を持つその武装に、ヴィータは思わず疑問が口を突いて出ていた。

 

「これは『ルシフェリオン専用片刃大剣型追加強化外装』です。私の接近戦用武装の試作品で、特にこれと言って名称はまだつけてありません」

 

誇示するわけでもなく、聞かれたからとその剣の概要を答えながら、自身のデバイスであるルシフェリオンを待機状態である宝石形態に戻す。

そして、剣の根元の峰の側にある挿入口にルシフェリオンをセットすると、カバーをスライドさせて大剣に内蔵させる。

 

同時に、柄元に据えられたコアに桜色の光が灯る。

重量感はあっても唯の鉄の塊にしか見えないような無骨な片刃剣だった物に、彼女の魔力が通る。確かにそれは魔導師が使うデバイスであると証明される。

 

「私は今回、この武装しか使いません」

 

不備なく起動したその大型の片刃剣を腰溜めに構えながら、ヴィータを見据え、語りかける。

 

「騎士との一対一の決闘です。良い機会ですから、試作品のテストも兼ねて私もこの場は騎士として戦いましょう」

 

ヴィータは、その彼女の物言いに白々しいものを感じる。

相手の退路を遮断して自分と戦うしかない状況をお膳立てしておいて、よくもまあ、そんな事を言えるものだと思う。

 

「……ああ、やってやろうじゃねーか!!」

 

だが、それでもヴィータもまた戦う事を腹に決める。

どちらにしろ、広域結界を張った彼女には自分を逃す気が無い事は分かりきっている。

なら、わざわざ得意の遠距離戦をせずベルカの騎士たる自分の得意分野であるならばスペック差が圧倒的でも覆す目は充分にある。

 

腹が立つ部分もあるが、おそらくは彼女の言葉に嘘は無い。彼女は他の武装を使わないと言うのであれば、本当に使わないのだろう。

ならば、そこに勝機はある。離脱する事が叶わないというのであれば押して通るのみ。

ヴィータはベルカの騎士だ。出来ないわけがないと、不満を飲み込んで敵を見据える。

 

互いの視線がぶつかり合う。両雄共に戦いの意志を示す。

 

「はぁぁっ!」

 

既に戦端は開かれている。ならば宣告する必要もないと彼女は真正面から間合いを詰めるべく一直線に飛翔する。

 

「いくぞっ、アイゼンッ!」

 

迎え撃つヴィータは最大数の誘導弾を打ち放つ。彼女が遠距離攻撃をしないと言っても、それに自分が付き合う必要も無い。

 

彼女の前には襲い掛かる計8つの鉄球状の誘導弾。だが、それでも彼女は止まらない。女は剣を盾としてその弾幕に躊躇する事無く飛び込んでいく。身に襲い掛かる誘導弾は盾とした剣が弾き返す。

 

「まだまだぁー!!」

 

誘導弾程度では足止めにもなっていなかった。だが、相手が一直線にしか来ないというのならヴィータも対処は簡単だ。

 

ヴィータの手の内に浮かび上がるのはひとつの鉄球状の魔力弾。

そこに籠められた威力と魔力は先ほど放った誘導弾とは段違いである事を証明するように、見た目の大きさからして違う。

 

「だっ……りゃぁーッ!!」

《コメートフリーゲン》

 

それを、頭上からのオーバースローのように振り抜くデバイスで打ち出す。

誘導性は犠牲になるが、その分威力は折り紙つきの、砲撃魔法もかくやという射撃魔法。

 

「く、はぁぁっ……!」

 

それを彼女は自身の突進のままに真正面から剣の腹で受ける。

誘導弾程度では揺らぎもしなかったその動きが鈍る。しかし、それをも押し込んで至近距離で魔力弾が爆発してなお直進する。

そして彼女が辿り着いたのはクロスレンジという間合い。

 

ヴィータの放った誘導操作弾であるシュワルベフリーゲンは、主に遠距離からの牽制に使う魔法ではあるが、決して威力が低いというわけではない。

更に、コメートフリーゲンの威力はその上を行く。

 

だが、それら全弾を真正面から受け切りながら前進してきて、まだなお余裕のある彼女に対して、相変わらずふざけた防御力であるとヴィータは心中で毒づく。

 

武器のリーチがヴィータのデバイスであるハンマー型のデバイスである『クラーフアイゼン』より明らかに広い彼女は、接近はしても、ヴィータの間合いまでは踏み込まない。

 

「ふっ……はぁぁぁっ!!」

 

自身の攻撃は届き、相手の攻撃は届かないという絶妙な間合いで彼女はその足を止め、振りかぶった片刃の大剣をその重量に任せて振り下ろす。

その一撃を目の当たりしたヴィータは、これはシールドで受けてもシールドごと叩き潰し斬る威力があると看破し、即座に回避行動に移り、彼女の一撃を避ける。

 

回避されて何の抵抗も受けずに空振りした彼女は、その勢いを止める事は出来ずにそのまま空中で一回転する。

 

「せやぁぁっ!!」

 

だが、それは武器の重量に振り回されて身体が泳いだのとは違う。

回転の最中に、振り抜くベクトルを縦ではなく斜めの方向へずらす。そして前方宙返りを終えて再び前を彼女が向いた時には、その刃は横薙ぎの構え。

一切のブレーキを掛ける事無く、振り下ろした勢いに遠心力を加え、更に威力を上げて振り抜く横薙ぎの一撃は、回避したはずのヴィータを確実に追いかける!

 

「はんっ、そんな大振り、当たらなきゃ怖くもなんともねぇよ!!」

 

だが、ヴィータはその薙ぎ払いを上に飛び上がって余裕を持って回避してみせる。

経験の足りない人物なら、至近距離で唸りを上げる剛剣を目の当たりにしたならば恐怖に身が竦むかもしれない。

実際、ヴィータも超重量の金属の塊が自身のすぐ傍を通り抜けるだけで内心冷や汗が流れる思いだ。

 

だが、歴戦の勇士であるヴィータにとってこの程度の事で怯むわけがない。

拘束魔法か何かで動きを阻害されているならともかく、真正面からバカ正直に振り抜かれる攻撃を避ける事は造作ない。

 

「でりゃぁぁ!!」

 

さらに、こんな隙だらけの攻撃を前にして、反撃しないわけも無い。

目の前で振り抜いたままに回転している最中の彼女に向けて、今度はこちらの番と、渾身の一撃を振り下ろす!

 

「プロテクション」

 

だが、彼女の方も避けられるのも反撃されるのも予測の範囲内。

慌てる要素などなにひとつなく、右手をヴィータに向けると、そこに自身を覆うように展開される防御魔法が現れる。

直後、ヴィータの攻撃と彼女の防御が真正面から激突する。

 

本来、プロテクションという魔法の防御力はあまり高い方の物では無い。

だが、彼女の防御魔法の出力は半端ではない。その出力という力技により、彼女のプロテクションという魔法は生半可な攻撃など余裕で防ぐほどの強固さを持っている。

 

「それがどうしたぁっ!!」

 

だが、今回は相性が悪い。ヴィータは元々相手の防御ごと叩き潰す戦法を得意としている。その攻撃の威力が生半可なわけがない。

ヴィータの振り下ろしが命中したその一点からバリアにひび割れが広がっていく……!

 

「当たらなければ怖くはない。それは、逆を言えば当たればただでは済まないという事です」

「!?」

 

彼女が防御を突破されそうになりながらも、なんら焦る様子もなくポツリと呟く。

その様子をみて、ヴィータは何か猛烈な嫌な予感に襲われる。

 

そもそも、どうして彼女はもっと防御力のあるラウンドシールドの魔法を使わなかったのか?

あれならば、自分の一撃であろうとも彼女なら防げる確率は高いとヴィータが考える。実際、なのはのラウンドシールドを突破出来なかった事がある。

 

それを彼女が知らないわけがない。なら、どうしてという心に湧いた疑惑は、無視して良いものではないとヴィータの経験が警鐘を鳴らす。

 

それは殆ど理屈ではなく直感というレベル。

ヴィータはこれ以上の攻撃を中断して、即座にその場から離脱する。

 

それと同時に、空間を抉るような強烈な一撃がヴィータの居た場所を通り抜ける。

 

「……外しましたか」

 

それを放ったのは、紛れもなく彼女だった。

大型片刃剣を振り抜いた体勢で、外したという事に対して何の感慨をみせるというわけでもなく、ただその事実を認めるために事実を呟く。

彼女は、事もあろうか自身の展開したプロテクションの魔法ごとヴィータを切り裂こうとしていた。

ヴィータの瞳に映るその姿が、彼女の成した事を確かに証明していた。

 

防御魔法を破壊されると言う事は魔力を削られると同義なのだから、自分で自分の防御魔法を打ち砕こうという考えは、普通は湧いてこないものだ。

個人の持つ魔力は何処まで行こうとも有限なのだ。それを、わざわざ捨てるような事など意味が無いからだ。

 

だというのに彼女はそれを実行していた。無尽蔵ともいえる魔力を持つからこそ、防御魔法がひとつ破壊されたとしても、彼女からすればそれは微々たるモノ。

だから、自分の防御魔法を躊躇いもなく自身の手で破壊する事が出来る。

 

もしあのままヴィータが彼女の防御を破ろうと躍起になっていたなら、今頃自分の胴体は彼女の防御魔法と共に泣き別れの目に遭っていたと知ってとめどなく冷や汗が流れる。

 

「さて、今更ですが一応宣告しておきます。

死にたくないのならば、私の攻撃は全て全力を以って回避して下さい」

 

そう言って彼女は、再び剣を構える。

そしてヴィータはひとつの事実に気付き、戦慄を覚える。

 

彼女からの攻撃は大振りである故に、回避するのははっきり言って簡単だった。

だから、最初は彼女の選んだ接近戦の手段は選択ミスだと内心笑っていた。そんな真似をするくらいなら、彼女の周囲に誘導操作弾を展開されている方が厄介だと思っていた。

 

だが違う。彼女の得意分野はあくまで遠距離戦においての撃ち合いであり、接近戦は望んでする物では無い。

彼女にとって接近戦とは迎撃戦。自身から攻めるのではなく、いかにして相手の攻撃を防ぎ、反撃か離脱をするという事。

 

そして、今の彼女の迎撃の手段は、相手の攻撃を真正面から受け、その自身の防御ごと相手を粉砕してしまうという、まさに肉を切らせて骨を断つというカウンター攻撃。

攻撃の最中というのは、ある意味最も無防備な瞬間でもある。彼女はそれを狙い済まして切り伏せようとしていたのだ。

 

ヴィータはこれを最悪にタチが悪いと思った。

スピードを生かしたヒットアンドウウェイに徹するなら、彼女のカウンターの餌食になる事はないだろうが、それだと、そもそも彼女の防御を突破する事が出来ない。

かといって、防御を破ろうと意気込めばそれこそカウンターの餌食という罠。

 

防御と攻撃を同時に繰り出す戦法自体はそう珍しい物では無いはずなのに、彼女はそれを必殺の技と為していた。

 

「どうしました。来ないというのなら私から行きますよ」

「く……っ」

 

驚き戸惑っている内に、彼女は最初の焼き直しのように真っ直ぐ突っ込んでくる。

それはやはり回避は難しくない。反撃をする事も出来ると、彼女の振り下ろされる剣を避けて、反撃にとヴィータはデバイスを振り下ろす。

 

だが、それは予想通り彼女の防御魔法に阻まれた。そして、彼女はその防御魔法の向こう側で大きく剣を振り抜こうと身構えていた。

それを目の当たりにして、ヴィータは自分の推測が間違っていなかった事を知る。

 

ならと、今度は無理に突破しようとする事なく、防御魔法に弾かれる事に抵抗せずに即座に離脱してみせる。

 

(大丈夫だ。あたしならこいつに勝てる……!)

 

間合いを離しながら、内心勝算がある事を確かめる。

確かに彼女の戦法はタチが悪い。だが、無敵や最強というわけではない。抜け道はいくつもある事を見破る。

 

そして、ヴィータが取れる手段はいたってシンプル。

彼女はこちらの攻撃と自身の防御魔法が拮抗する瞬間を狙って攻撃してくる。

ならば、最初から拮抗などさせず、一方的に防御を打ち破ってしまえばカウンターは成立しないという事。

相手の防御ごと叩き落すのが自分のスタイル、出来ない道理の方がよほどないと、ヴィータは次が勝負だと腹をくくる。

 

狙うのは、最大威力による一撃粉砕!

 

「チェーンバインド」

「な、しまっ……!?」

 

だが、それを実行に移すよりも早く、彼女の方が新たな手札を切っていた。

剣を持つ手ではない右手から伸びる鎖状の魔法が、ある程度の距離を開けようとしていたヴィータの片足に絡みつく。

 

確かに彼女はあの剣の武装しか使わないと言っていた。だが、他の魔法が使えなくなるなどとは一言も言っていない。

愚直なまでに突進を繰り返すその姿に、他の魔法の要素を失念していた自分にヴィータは臍を噛む。

 

「どうぞ、遠慮しないで私の刃へと飛び込んできて下さい」

「う、わぁっ!?」

 

そのまま彼女は無造作に鎖を引き、女性の力とは思えないその力に、抗う事が出来ずにヴィータは彼女に引き寄せられる。

そしてヴィータが彼女を見やると、魔法の鎖を手放し既に両手を以て剣を大きく振りかぶっている。

それはまさに断頭台。あそこに辿り着いてしまったら文字通り一刀両断にされてしまう。

 

「くっ、アイゼンッ!」

 

嫌な想像を必死に振り払いながら呼びかけると、そこに籠められた意思を汲み取ったデバイスが一発のカートリッジをロードする。

それと同時に、デバイスのハンマーヘッドの部位が、ジェットの噴射口と突起のそれぞれ着いた形態、ラテーケンフォルムに変化する。

そして噴射口からエネルギーが放出され、推進力を生み出す。

 

彼女も言っていた通り、あれは防御なんて出来る代物ではない。

だからと言って、鎖にひっぱられた勢いに呑まれた状態からでは飛行魔法や高機動魔法による回避行動もどれほど意味があるか分からない。

 

故に、今はジェット噴射の推進力で無理矢理にこの身体を動かす!

 

直後、ヴィータの耳元で唸りを上げる風切り音が聞こえる。たった今、自身のすぐ脇を通り抜けたのだと知る。

 

彼女の剣の軌跡では、お気に入りのウサギのぬいぐるみをあしらった帽子が切り裂かれ、バリアジャケットのスカートの部位もまたごっそりと削り落とされていた。

 

騎士が身にまとうバリアジャケットは騎士甲冑と呼ばれ、見た目は服でも防御力はその見た目どおりの物では無い。

それが、何の抵抗もなく切り裂かれたと言う事は、やはり回避を選択してよかったという事。

 

ただ、お気に入りの帽子が無惨に破壊されたというのはいただけない。

回避の成功に安堵の思いも抱くが、それと同時に怒りが湧いていた。

 

「だりゃぁぁ!!」

 

怒りは攻撃の意思を生み出す。回避のためのラテーケンフォルムではあったが、この交錯を逃す手はないとジェット推進力で得た勢いのままにハンマーの突起を彼女に向ける。

 

ノーマルフォルムの一撃ではプロテクションを破れなかったが、これなら……!

 

「ラウンドシールド」

「なっ!?」

 

だが、彼女は即座に防御の魔法を切り替え、プロテクションより防御範囲は狭いものの更に強固な防御魔法であるラウンドシールドを展開し、ヴィータの反撃を遮る。

拮抗する攻撃と防御。だが、これは彼女の狙いの内。

 

ヴィータのラテーケンハンマーにラウンドシールドに罅が入る。だが、その向こうで彼女は既に反転を終え、回転と遠心力によって威力を加算させた剣を振り被る。

ヴィータは体勢を崩した状態から無理矢理攻撃に移っていたため、ここからさらに回避行動を取る事は不可能。

そして、防御は論外。あの凶刃から逃れるすべは、残っていなかった。

 

「あたしとアイゼンを舐めんなぁぁっ!!」

 

だが、ヴィータは諦めるつもりなど毛頭無い。

デバイスが更なるカートリッジを排出すると同時に、ラテーケンフォルムがその姿を変化させる。

そこにあるのは巨大な鉄槌。ヴィータのデバイス、鉄の伯爵『クラーフアイゼン』の最大最強の形態であるギガントフォルム。

 

回避が出来ないというのなら逆に攻撃によって打倒してみせる。

ラテーケンハンマーの使用中にモードチェンジという無茶は、下手を打てばデバイスが壊れてしまっていたかもしれない。

だが、ここで一歩でも引いてしまってもどうせ敗北しかないのだから、僅かでも可能性がある方に全力を賭ける。

それが唯一の生き残る道だというのなら、そこに自身の全てを賭ける価値はある!

 

そして、ヴィータはその賭けに勝ち、ギガントフォルムへの変化を成功させた。

 

ならばあとは純粋なぶつかり合い。

威力重視のぶつかり合いで、自分たちが負けるはずが無いと、デバイスを一気に振りぬく。

ヴィータと彼女の境界線であったシールドが木っ端微塵に打ち砕かれる。

あとは彼女をぶっ潰せばそれで終わりだと、ヴィータは全力で巨大な鉄槌を振り抜く。

 

その様子を彼女は見ていた。だが、彼女にも止まる気は一切無い。

むしろ、純粋な力比べで勝敗を決するとは、なんとも分かりやすいと逆に気炎を上げる。

 

「だりゃぁぁっ!!」

「はあぁぁぁっ!!」

 

そして、真正面から互いの渾身の一撃がぶつかり合う。互いに一歩も引かず、相手を打倒するべく渾身を振り絞る。

高密度の質量と重量の籠もったその一撃同士の衝突に、一際大きい音が響き渡る。

それは既に、鍔迫り合いによって生み出される金属音というレベルではない。さながら爆撃音と思わせる轟音を響かせる。

 

威力は殆ど互角だった。だが、拮抗はしなかった。

 

ヴィータは体勢を崩した状態で、回避行動を無理矢理攻撃に転化していた。

その上で彼女の展開した防御魔法を打ち破った事で威力を僅かでも確実に減衰させてしまっていた。

そして、重量武器が最も威力を発揮するのは、振り回す勢いに重力の恩恵を加算させる事出来るが振り下ろしの攻撃であり、その攻撃手段をとっていたのは彼女の方だった。

 

実のところ、もしヴィータが万全の体勢で、同じ条件から攻撃を繰り出していたなら、武器の性能や力勝負の実戦経験の差などの要素により互角を演じる事は無かったはず。

状況はあらゆる事がヴィータに不利に働いていたのだ。

 

「負けて……たまるかぁぁっ!!」

「!?」

 

だが、『鉄槌の騎士』とそのデバイスである『鉄の伯爵』に壊せないものなどこの世に無い。力比べで負けるわけが無い。

そんな矜持が、何より今度こそ守りたいという願いがその小さな胸に確かにある。

 

ならば負けてなど居られない。後先も要らない。今この瞬間に全てを賭け、『不利』な状況そのモノをぶち壊す。

ヴィータのクラーフアイゼンに罅が入る。彼女の剣圧の前に押し込まれそうになる。

だが、負けない。その一念のみでその鉄槌を一気に、最後まで振り抜く!

 

──そして、金属の砕け散る音が響き渡る。

 

ふたりの目の前には砕かれた金属片が宙を舞う。そして、真っ二つにへし折られた片刃大剣の切っ先が地へと落ちていく。

 

「……見事でした。鉄槌の騎士」

 

この勝負、ヴィータの勝利だった。

 

「正直な事を言えば勝てると思っていたのですが、やはり騎士を相手取って接近戦を挑むのはまだ早かったようですね。勉強になりました」

 

武器を砕かれた以上、決着は着いたと彼女は引き下がる。

そこに未練も何もない。ただ現在の自分の力では届かなかっただけと認めていた。

自分を相手に健闘をした以上に勝利を収めて見せた相手に礼を尽くすべく頭を垂れる。

 

「武装に関してはまだまだ改善の余地がありますね。

それに、重量武器での生の戦闘データも手に入りました。首尾は上々でしょう」

 

そして、破壊された剣の内部から、待機形態のルシフェリオンを取り出しながら、今後の課題について思考を巡らせる。

敗北ではあったが得る物はあった。

ならばそれを糧に更なる高みを目指すだけであり、一々目の前の勝敗に執着する気は彼女には無い。

 

「さて、私が敗北した以上、貴女の事は見逃しましょう。どうぞなのはを病院へ連れて行ってください。ですが……」

 

彼女はルシフェリオンを待機状態から通常の杖形態へ移行させると共に、その紫の宝石状のコアを頂いた先端をヴィータに向ける。

そして、その彼女の周囲に誘導操作弾の発射体である桜色の魔力球が幾つも浮かび上がる。

 

「折角です。その前にひとつ言わせてもらいましょうか」

 

その淡々とした彼女の口調に、ヴィータは冷や汗どころではない、背筋が凍る思いを抱く。

彼女は今まで不得意であり接近戦で戦っていた。そして今、彼女の本来の戦い方をするべく魔法の発射体を設置している。

 

「く……っ」

 

彼女の纏う雰囲気は、戦意はないと言うのに何故かやる気は満々だった。

その事にヴィータは不味いと思う。現状、こちらは魔力の消費はともかくデバイスに罅が入っている状態。まだリカバリー可能範囲だが、戦力がダウンしている事に違いはない。

対する彼女はコンディションも武装も殆ど欠損が無い、万全の状態に近い。

 

どうして勝敗が決したというのにいまだ意欲を見せているのかは分からない。

だが、先程までは手加減されていたが故になんとかなったが、元々彼女は、自分達守護騎士全員を同時相手取っても勝利を収める相手。単独戦で彼女に勝てる可能性は低いのだ。

ならば……、

「つれないですね。私は『お話』をするといったのです。付き合って下さい」

 

一歩僅かに引こうとしたが、その機先を制するかのように、彼女はその誘導操作弾をヴィータへ向けて放っていた。

そこに拒絶は許されない。断固として付き合って貰うと物語っていた。

 

「く、アイゼンッ」

 

放たれた誘導操作弾の数は十二発。それをヴィータは咄嗟に全方位の障壁を展開する。

どうやら機先を制するだけで当てる気はなかったらしく障壁への接触はなかったが、完全に退路を塞がれる形になっていた。

 

「……今回私は介入する気などなく、終始静観に徹するつもりでした。

ですが、なのはが看破出来ないレベルの致命傷を負う危険があったため、手を出しました。

ここで問題なのは、今回なのはが危険な目にあったのは誰が悪かったかという事です」

 

そんなヴィータを冷たく見つめながら、彼女は何故今回ヴィータの前に姿を現したのかを口にする。

障壁の中で苦悶の表情を浮かべるヴィータに対し、彼女はルシフェリオンの形態を砲撃形態のそれへと変形させ、身構える。

 

「油断をしていたなのはが悪かったのでしょうか。

なのはを襲った機械兵器が、もしくはその製作者が悪かったのでしょうか。

今回の任務を与えた時空管理局が悪かったのでしょうか。

……実際のところは、さまざまな要因が重なった上での事だとは思いますが、それでも、今回一番悪かったと私が思うのは、ヴィータ、貴女です」

「く……」

 

彼女の足元に魔法陣が展開され、ルシフェリオンを取り巻くように補助の円環状の魔法陣が敷かれる。

その様子に彼女は砲撃魔法を撃つ気なのだと知り、ヴィータは焦るヴィータの耳に、彼女の言葉が届く。

だが、ヴィータに返事をする余裕はないが、何故彼女は今、そんな事を言うのかという疑問が浮かび上がる。

 

「なのはが撃墜された一番の要因は、今回あの子の体調が悪かったためです。

それは本人にも自覚のないものだったのですが、今、一番なのはの傍に居るのは貴女です。

貴女が気付いて居られれば、なのはが今回の愁いの目を見る事もなかったはずです」

 

ヴィータは彼女の言葉に受けた衝撃に、一瞬時間が止まったような錯覚を覚えた。

彼女の言っている事は根拠のない言いがかりなのかも知れないが、それ以上にその言葉は真実であるとヴィータは感じていた。

 

確かになのははあの瞬間……、いや違う、思い起こせば今日の朝から違和感があったハズだ。

それは、彼女の言う通り体調が悪かったということ。もしその事に自分が気付いていたら、大事をとって休ませていればなのはが撃墜されるなんて事は無かったという事……?

 

「……ブラストファイアー」

「っ、しま……!?」

 

思考と身体の停滞に、ヴィータは決定的な隙を晒してしまった。

その瞬間を、彼女は逃しはしなかった。砲撃魔法による奔流は彼女の誘導操作弾もろともにヴィータを守っていた障壁を容易く消し飛ばしていた。

 

「があぁぁっ!?」

 

彼女にも当てる気は最初から無かったのだろう。桜色の燦めきはヴィータのすぐ脇を突き抜けていった。だが彼女のそれは余波だけでも充分に致命的。

非殺傷設定のため肉体的損傷はなかったが、生まれる痛みに変わりはない。それに、自身からごっそり魔力が削られる感覚もある。

その激痛と魔力喪失というふたつの責め苦の前に、流石のヴィータとあっても意識を一瞬持って行かれる。

 

「ルベライト」

 

そこを彼女は拘束魔法を使って捕らえていた。澄んだ音を響かせて、ヴィータは桜色のリングによってその手足を囚われ、空中に磔にされる。

 

「主を守れず、友を守れず、騎士としての在り方を守れず。

貴女は、何を守れるというのですか?」

「あ、ぅ……」

 

そんなヴィータの耳元に顔を近づけ、彼女はそっと囁く。

静かに、だが確実に言葉のナイフでその心に刃を突きたて、傷を刻む。

苦痛と魔力の喪失感の中で緩慢となっているヴィータの意識に、彼女の言葉が滑り込んでくる。隙間を埋めていく。

 

一年前は、夜天の主であるはやてと共に彼女と戦ったが、敗北した上に目の前で守ると誓った人を取り込むのを見ている事しか出来なかった。

なのはは最初敵として何度も戦ったが、今では分かりあって一緒に戦う仲間だというのに、今回も何も出来ずにみているだけしか出来なかった。

自分は『守護』騎士であるというのに、果たしてその役目を果たせた事があったのか……。

 

「あ、あ……」

 

一度疑念を持ってしまえば、後は早い。

後悔が、自責の念が、自身のふがいなさが。様々な負の感情が朦朧とした頭に次々と湧きあがってくる。

違うと思いたいのに、それが出来ない。

もし仲間がこの場に居れば、そんな事はないと言ってくれるだろうが、今ここにはなのはひとりすら守れていない自分しかいない。。

 

「私は貴女の戦闘能力に関しては認めますが、守るという観点で見れば疑問を抱かずには居られません。

さて、貴女はこれから、何度無力を味わうのでしょうね?」

「う、うあぁぁぁっ……!?」

 

彼女の最後のひと押しに、ヴィータの最後の堰が決壊する。

ただひたすらに慟哭をあげるだけのヴィータに、騎士としての面影はなく、ただの幼子のようだった。

 

そんな、ヴィータの悲鳴に、多少の留飲はさがったと、僅かに満足げにしながら、彼女はその場を立ち去った。

 

 

 




武装解説
『ルシフェリオン専用片刃大剣型追加強化外装』
星光さんの接近戦用武装の試作型。白兵戦における一撃の威力を追求してその他の要素を度外視させて作られている。
試作型故に、カートリッジシステムなどは未搭載だが、趣味で砲撃形態も兼ね備えている。

イメージはシンケンレッドの『烈火大斬刀』そのまんまです。


以下、なのはA’sポータブルゲーム風に魔法の解説です。


ロングレンジでの魔法

『紫電一閃』
一気に踏み込み間合いを詰めながら、渾身の一撃を繰り出す。烈火の将であるシグナムの決め技を模した技。

溜めた場合において、炎熱の魔法を追加する事で威力の加算とガードブレイク効果が付属するようになる。あと吹き飛ばしも。


『ブラストファイアー』
彼女の主砲である砲撃魔法をキャノンモードから発射する。ただ、接近戦に重点を置いたデバイスの構造のため、威力は抑え気味の様子。
溜めるともちろん威力アップ。


『チェーンバインド』
右手から鎖状の魔法を射出する。命中した場合、相手を引き寄せる効果がある。
溜めると、飛び道具として投げてフェイトのハーケンセイバー(溜め)みたいな感じに飛び、命中した相手を拘束する効果に。
溜めなし、あり共にダメージはない。

フルドライブバースト
『斬艦一閃』
チェーンバインドで相手をがんじがらめに拘束。
その間にデバイスを巨大化。その圧倒的な質量と重量で相手を叩き潰し斬る。
ぶっちゃけ、ヴィータの『ギガントシュラーク』の大剣版と考えてもらえば。


保有スキル
『マイトチャージ』
クロスレンジでの『アタック』で溜め攻撃を出せる。

『ハイパーチャージ』
溜めて繰り出す攻撃をボタン押しっぱなしにする事で、発動を遅らせる代わりにさらに威力を上げる事が出来る。


キャラクター特性

近距離一撃必殺型。
片刃大剣型デバイスによるクロスレンジでの戦いを得意としている。
コンボは極端に少なく攻撃も大振り。だが、一撃の威力が重く、一度の攻撃でごっそりHPを奪う。
また、砲撃魔法と拘束魔法を保有するため、ロングレンジにおいても案外対応できる。


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