魔法少女リリカルなのはPSP =マテリアルサイド=   作:のぶな

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星光の殲滅者編エピローグ

 

彼女はひとり、空中から地上に降りてくる。

 

元は街の中であっただろう場所だったのだが、戦闘の余波によって建物の多くは倒壊しており、先ほどまでの戦闘がどれほどの規模だったのかを物語る。

せめてもの救いは、ここは結界の中で起こった事であり、被害に遭ったのが誰もいなかったという事だろう。

 

「うぅ……」

 

ただし、その被害に遭わなかった人の中に、含まれていない人達もいた。

 

周囲には倒れ伏すのは、夜天の主とその守護騎士達。

彼女は死んだ相手からは魔力を奪えないという理由から、魔法を非殺傷設定にした上での戦闘行為だったため、ダメージの差はあれど誰ひとりとして死んではいない。

だが、辛うじて意識を保っていられても、立ち上がれる者は誰もいない。それ以前に、完全に気を失っているのが大半のはず。

 

勝敗は一目瞭然だった。

 

勝者である彼女は低空を滑るように移動していたが、ある場所で停止する。

視線の先に居るのは、夜天の主である八神はやて。

 

先ほどの真正面からの魔法の撃ち合いは、リインフォースの夜天の雷とのぶつかり合いでだいぶ威力が減衰されていたため、見た目にはそこまで酷いものではない。

だが、無理なユニゾンの反動が祟っているのだろうし、その上魔力ダメージがあるのだ。当然の帰結として、今のはやては完全に気を失っていた。

これから蒐集行使の能力を還してもらうための行為で、抵抗されないというのであれば楽だという程度の認識で、彼女ははやてへと手を伸ばす。

 

「ま、待て……っ」

 

だが、その伸ばされた手に制止の声が掛けられる。

それを聞き入れたわけではなく、その声の主と向き合うために手を止めて振り返る。

 

「……まさか起き上がれるとは思っていませんでした」

 

そこに居たのはリインフォース。何か怪我をしているのか、片腕を抑え、ビルの壁に寄りかかりながらも自分の足で立っていた。

だが、それだけだ。残存魔力は完全にそこをついているはずであるし、ダメージの色の濃さは隠しようも無い。

 

「我が主に、触れるな……!」

 

今のリインフォースを支えているのは主であるはやてへの想い。

ただそれだけのために無いはずの力を振り絞り、いまさら出来る事など何も無いと分かっていて、それでも立ち上がっていた。

 

彼女からして見れば、無視しても構わないような小さな存在であるはずだった。

 

「お前の相手は、私がしてやる……!」

 

だが、リインフォースのその思いの強さは無視できない何かがあった。

そして、それは気のせいではなかった。

 

「……我らもまだ、戦えるぞ、なあヴィータ……?」

「おう、はやては……あたしが守るんだ……!」

 

リインフォースの想いが伝播したかのように、他の立ち上がれないはずの騎士達は立ち上がる。

確かに守護騎士達はその元々の在り方から、回復力は通常の魔導師や騎士より高い。

だが、それを差し引いてもこんなにすぐには立てるものでは無いはずだ。

見た目には誘導弾の一つでも当てればそれだけで昏倒してしまいそうだというのに、幾ら攻撃を加えても立ち上がってきそうな雰囲気があった。

 

そんな騎士達を、彼女は油断の出来ない存在であると認識し、改めて相対する。

警戒のために、騎士達へと意識を集中させるようにして、

 

「……危ないですね」

 

その身を大きく横へ移動させていた。

そして、彼女が居た場所に誰かの手が空間を越えて現れていた。

 

「え!?」

 

驚きの声を漏らしたのは、リインフォースでもシグナム、ヴィータでもない。

 

「騎士達が立ち上がったのです。貴女もまた立ち上がっても不思議ではないと思っていました」

 

そういって、彼女は突如として現れた手を掴むと、無理矢理にその手の主を引きずり出す。

 

「きゃ!?」

 

そうして現れたのは、最初に撃墜したはずのシャマルだ。

最後の最後の一発逆転の手段として、立ち上がった騎士に気を取られている隙に、背後から彼女のリンカーコアを摘出しようとしていたのだ。

 

「……どうやらこれで終わりのようですね。

これでザフィーラも立ち上がっていたのでしたら、必倒の自負を打ち砕かれたショックで周囲を焦土と化すところなのですが、その愁いもないようで良かったです」

 

捕まえていたシャマルをリインフォース達の方へ放り投げながら、これで自分への反撃は終わったと判断する。

 

騎士達は念話で彼女に悟られないように作戦を立てていたのだろうが、その目論見をも砕かれた。

希望を断たれたかのようにその瞳が揺れる。

 

「なら、実力行使しかないわけか……」

 

だが、だからと言って諦められるほど、物わかりはよくなかった。

破損も見受けられるデバイスを手にし、無いに等しい魔力をかき集めて騎士達は彼女に立ち向かおうとする。

 

その姿を眺めながら、彼女は考える。

今の騎士達を相手にして最適な魔法は何かと、自己の中を検索する。

 

そして見つけた。

 

彼女の足元に広がるのはミッド式に似た円を基本とした魔法陣。そして、それと同系統の魔法陣がリインフォース達の足元に、それ以上にこの場一帯にも広がる。

 

「これは……!?」

 

みなが驚く中で、リインフォースには彼女の使う魔法に心当たりがあった。

それが、飛行魔法を使えないほど弱体化している自分達に有効だと知り、念話を使って騎士達に離脱するよう伝えようとする。

 

「……赤竜召喚」

 

だが、彼女の魔法発動の方が早かった。

広がる魔法陣が一際強い光を発したかと思うと、そこから赤い鱗に覆われた太い体躯の竜種と、騎士達を取り囲むようにその一部である無数の触手が現れる。

 

「私の第一目的は八神はやての持つ蒐集行使の能力の回収です。

それを阻もうというのなら、まずはそれを切り抜けてからにして下さい」

「待てっ……く!?」

 

言うだけ言って何の警戒もしていないように背中を見せる彼女に、追い縋ろうとするが、それを阻む様に触手が蠢く。

早くはやての傍に行かなければと思いながらも、まずはこれを何とかせねばと皆はそれぞれの獲物を手に触手達を駆逐する。

 

 

その様に彼女は特に何の興味も引かれずに背中を向けている。

今彼女の視界の中に居るのははやてだ。

 

はやてもまた、騎士達と同様、その身体には触手が絡まり、空中に磔にされている。

だが、自律で動いている騎士達の触手と違い、はやてを縛るそれは彼女の支配下にあるため束縛以上の行為はせずにいる。

 

「……貴女を取り込めば、私は完成する」

 

闇の書の復活と更なる飛躍という目的への最後のピースであるはやてを目の前にして、その頬に触れながらなんとなく呟く。

 

実際のところ、彼女は闇の書の機能の全てを復元する気は無い。

特に転生機能と無限再生機能については完全な復活の目途が立たない以前に、彼女は要らないと思っていた。

 

確かにそれらの機能があるなら、今の彼女が破壊されても世界に破壊を齎す事は出来る。

だが、彼女は自分を『自分』として認識している。転生したあとに存在する自分は果たして『自分』でいられるのか?

その疑問が彼女の中にはあった。

 

ここまで辿り着くまでに何度も魔導を用いて戦った。その経験は『自分』のもの。他の誰のものでもないと認識していた。

もし転生してこの想いを失ったりしたら、それはもう『自分』ではなくなるという考え。

実際にはどうなるかは分からないのだが、気軽に試せる事でもない。

 

故に、彼女は転生機能と無限再生機能を否定した。

たとえそれらが無くても、今の『自分』の力で生き抜いていけばなんら問題は無い。

むしろ、次への保障があるために、いざという時にいざという時は今を諦めてしまうかもしれない。

それなら死んだら終わり、次は無いと割り切っている方が最後の最後まで足掻ける。

そしてそれが永遠に生きる事にも繋がるのでは、と考えたのだ。

 

人は限りある人生の中でその生を全うする。

彼女の場合は理屈の上では永遠だが、打ち止めの可能性を残す事で人の限りある人生と同じステージに立ち、全力で生きようとしているのだ。

 

彼女が目指すのは『無敵』ではなく『最強』と呼べる存在。

 

かつての闇の書は無敵と呼んで差し支えの無い存在だった。だが、そこで終わっていた。

それ以上の成長がないのだから、無敵を覆すたったひとつの要因で瓦解してしまった。

 

だから今度は違う道を選ぶ。他者が自身を破壊しようと挑んでくるのなら、それを返り討ちにする。

無敵ではないのだから、これから先は敗走する事もあるだろうが、次にまみえる時には対処を身につけ、更なる力を身につけ撃退してみせる。

 

最終的には勝つ。結果、誰にも負けない。故の最強。無敵では到達できないその高み。

 

そして、それを実現するためにはやはり蒐集行使の能力が不可欠だ。

 

彼女は創られた存在である故に、人のように成長することはなく、与えられたデータの範囲内でしか力を発揮することはできない。

転生機能と無限再生機能が無いというのなら、それはなおの事。

強くなるにはデータの補完が必要であり、そのための力が蒐集行使。

 

この能力さえあれば多くの魔導を修める事が出来る。実力も今よりも飛躍をする事が出来る。

だから、最後のピース。これを手に入れたなら、あとは自分次第だ。

 

「……今はそのときでは無いのですけどね」

 

目の前にこれからの第一歩があると思う内に、感慨に耽っていたらしいと気付く。

そんな自分の内面を不可思議と思いつつも、行動を開始する。

 

彼女の手の内に在るのは、中枢であった『王』が所持していた杖であるエルシニアクロイツと対となっている魔導書型のデバイス。

今までも取り込む事はしてきたが、このデバイスを使った方が効率よく作業を進める事が出来るだろうの判断だ。

 

そして、書は自ら意志を持つかのように開き、ページをめくる。

白紙のページで止まる。同時に、白紙の中から闇が溢れだす。それははやての足元から浸食するかのように、徐々にその姿を覆い隠していく。

 

背後からは、彼女の行為を必死に止めさせようと叫ぶ声が聞こえる。

持てる力の全てを使い果たしても良いと、がむしゃらにはやての下へ行くためにを阻む触手を打ち払う音が聞こえる。

だが、それらは彼女には届かない。彼女は、常のように淡々と、よどみなく単純作業としてはやてを取り込む行為を続け、

 

「……蒐集行使の能力、確かに還してもらいました」

 

そして、はやてのその姿は彼女の中に取り込まれていた。

 

はやてを取り込み、彼女は確かに蒐集行使の能力が自分の中に還って来た事を実感していた。

ただ、実感だけでは、自分に使えるレベルで取り込むことが出来ているかは分からない。

 

そんな彼女はゆっくりと振り返る。

そこには、触手に阻まれ、目の前という特等席で主はやてが取り込まれるという姿を見せ付けられた守護騎士達。

その表情は主を守れなかったという自責と絶望に彩られ、先程までの覇気が欠片も感じられない様相をみな表していた。

 

「……そうですね。私に蒐集行使の能力が還っているか、貴女方のリンカーコアで確かめさせてもらいましょう」

 

そして、その守護騎士達へと、無慈悲な一手が伸ばされた。

 

 

 

 

 

一通りの事を終え、彼女はもう用済みとなった結界を解除する。

それと同時に眩い光に照らされ、反射的に目を細める。

 

「夜明け、ですか……」

 

彼女を照らし出していたのは、夜の終わりを告げる朝日。

その闇を追いやる陽射しの中で、彼女は腰元まで伸びる髪を風に靡かせていた。

 

インナーのみとなっていたバリアジャケットは既に修復は済んでおり、闇色のそれは、光の中にあってもその黒さは失っていない。

むしろ、光の中でもなお、自身の存在を誇示するようだ。

 

手の内にあるのは彼女の愛機であるデバイス、ルシフェリオン。

紫の宝石を先端に頂いた魔導師の杖は自身の強さに見合うようバージョンアップが必要だが、今は何も語らず此処にある。

 

闇の書の闇の残滓が齎したものは、泡沫の夢で終わらずにここに存在していた。

 

「動くなっ!!」

 

そんな彼女の周囲を取り囲むのは、多数の時空管理局の局員達。

彼らは、現地で活動していた執務官との連絡が取れなくなったという状況で急遽増援された魔導師達。

その中には、この地に住まう嘱託魔導師である高町なのはの友人であるユーノ。フェイト・テスタロッサの使い魔であるアルフの姿も混ざっている。

 

ここにいる全員は彼女がどういう存在か、そして現在連絡のつかない魔導師や騎士達の行方がどうなったのかに見当がついている。

 

憤怒。怨嗟。畏怖。悲壮。

 

皆様々な感情を抱きながらも彼女を取り囲むが、そのどれもが負の感情から来る視線。

それらを一身に受ける彼女は動じない。

負の感情こそが彼女の賛美する対象なのだ。動じるいわれの方がよほど無い。

 

「……貴女は闇の書の闇、でいいのかしら?」

 

その中で、ひとり前に出てくる人物がいた。

巡航L級8番艦アースラ艦長、リンディ・ハラオウンだ。

本来、最高責任者である彼女が最前線に出る事はないのだが、今回はここにいるべきの執務官であるクロノ・ハラオウンが居らず、その代役を務められる人材がいなかったために、こうしている。

 

というのは建前。

リンディには少なからずの縁が闇の書との間にはある。

実際には強権を使ってこの場の指揮権を奪っていたのだが、それは今はどうでも良い。

 

「そうですね。正確には既に別物となっているのですが、他に呼ぶべき名を持っていないのでその名でも構いません」

 

取り囲んでいる局員の数は半端ではない。管理局がこの事態をどれだけ警戒しているかが良く分かる構図。

そんな劣勢と呼べるような場であっても、彼女は常と変わらず淡々と答える。

 

「そうですか。では確認しますが、現地で活動していた魔導師、クロノ・ハラオウン。高町なのは。フェイト・テスタロッサ。八神はやてとその守護騎士達。

彼らを……貴女はどうしたの?」

「私が私となるための糧に、身体ごとこの身に取り込みました」

 

彼女の答えに周囲が色めき立つ。予測であったそれが、彼女の答えに確信となったのだ。動揺が局員の中に広がってゆく。

その中でも、取り込まれた魔導師と親しくしていた者の動揺はとりわけ大きい。

 

信じられない、信じたくないという思いに揺れ、それでも事実を事実として認識すると果てしない怒りを彼女へと向ける。

 

「……管理局は、現時点を以って貴女を第一級ロストロギアと認定して破壊します。

そして、囚われた人員の救出に当たります」

 

リンディもまた心中では穏やかとは言えない激情がうねりを上げるが、それを表に出す事無く、やるべき事として彼女に宣告する。

 

それと同時に、局員達もまた動揺を抑え込み、目の前にある女性の姿をした脅威に構える。

 

「破壊に関しては断固として拒否しますが、取り込んだ魔導師の解放については構いませんよ?」

「え……?」

 

空気は一触即発かと誰もが思ったが、彼女のその一言に皆一様に困惑の面持ちを浮かべる。

 

そんな局員達を一瞥すると、彼女は自身の周囲に魔法陣を展開する。

一瞬、彼女が戦闘を開始したのかと緊張が場を走るが、誰も動けなかった。

彼女の周囲にある魔法陣に浮かび上がる人影は、取り込まれた魔導師の姿。

 

「なのは!」

「フェイト!」

 

声を上げたのはユーノとアルフ。それぞれ一番に心配していた相手の名を叫ぶように呼ぶ。

彼女は本当に取り込んだ魔導師達を解放していたのだ。

その行動の真意を読む事が出来ず、誰もが困惑をして動けない。

 

「私が取り込んだ魔導師はこの四人です。守護騎士に関してはその辺りに落ちているでしょう」

「……どういうつもり?」

 

魔導師達は無事ではあるようで一安心ではあるが、何故そんな真似をするのかと警戒の思いは逆に強くなる。

そんな、疑問に苛まれる局員達を代表してリンディが彼女の行動の真意を尋ねる。

 

「既に私は『私』という形で安定を果たしました。異物である魔導師達を何時までも内に留めておいてもその身を腐らせるだけで益はありませんので」

 

一応、取り込んだ魔導師を魔力炉代りに自身の魔力精製のために使う事も出来る。

だが、それでも彼女は永遠に取り込んだ魔導師の生命活動を維持も出来ないので、いずれは破棄しなければならなくなる。

それなら別に今解放しても別段問題にもならないという理由もある。

 

「それに、ベクトルは違いますが私はこれでもこの魔導師達を愛おしいと思っています。

無為に私の中に居るより、自由に空を翔ける方がこの子達のためにもなるでしょう」

 

だが、彼女が魔導師達を解放したのはそんな理屈からではない。

取り込んだ魔導師達から受けた影響で手にした感情によって解放を決めたのだ。

 

彼女は理由を口にしながら、なのはの、フェイトの頬をそっと撫でる。

その表情は慈愛に満ちているような穏やかな笑みを浮かべており、彼女は本当に闇の書の闇なのかと、先程までとは違う疑問が局員の中に広まってゆく。

 

「青い果実もまた美味ですが、赤く熟した果実を味わえる日が待ち遠しいです」

 

だが、そんな局員達の思いは、次の彼女の言葉によって覆される。

 

確かに彼女は、かつてと違い感情と自我を持っている。人に対する想いを持っている。

それでも、破壊と混沌の衝動という本質は変わっていない。

 

彼女にとっての慈愛とは、かわいがり大切にする事ではない。対象を己の力で蹂躙して屈服させる事。

 

自身もベクトルが違うと言っていた通り、真逆なのだ。

今魔導師達を解放するのも、成長した彼女達を再び屈服させたいからだ。

 

彼女は歪んでいない。真っ直ぐだ。ただ向きが世間一般のそれとは逆なだけ。

故に彼女は純粋に微笑む。他の皆が悪と呼ぶ感情を抱きながら。

 

「それではまず、彼女達の解放の対価として、ここに居る全員のリンカーコアを頂きましょう」

 

彼女はなのはとフェイトに向けていた笑みを消して常の淡々とした表情に戻すと同時に、周囲に取り込んでいた魔導師達のデバイスを再現した闇の欠片達を展開する。

 

――蹂躙劇が幕を上げだ。

 

 

 

 

 

その後、様々な次元世界を渡り歩き、世に破壊を齎し、怨嗟の声を響かせるために力を振るう彼女の姿があった。

ただ、彼女が攻撃対象と選ぶのは紛争を行う戦場や、管理局のような上層部に繋ぎを持つ事で捕縛を逃れながら悪事で私腹を肥やす人物。

 

彼女は正義を行使しているわけではない。ただ、彼女からすれば誰を襲おうとも大差はないのだから、手間を省くために管理局の介入し辛い場所を狙っていただけだ。

 

そんな彼女に、何時の頃からか呼ばれる名があった。

行使する魔法が煌めく星のように見える事と、その圧倒的な火力により蹂躙する姿がその由来。

逢えば終焉を齎されるという畏怖と、その強さへの憧憬の念を込めてこう呼ばれる。

 

『星光の殲滅者』

 

その名は広く次元世界に知れ渡る事になる。

 

 

「明けぬ夜はありませんが、訪れぬ夜もありません。宵の明星が瞬くいつかのその時に、再び相まみえましょう」

 

 

 

END

 

 




魔法少女リリカルなのはA’sポータブル。星光の殲滅者シナリオ完結です。

ゲーム1作目時点では『星光の殲滅者』あるいは『マテリアル-D』の名はあっても『シュテル』の呼び名はまだ無かったので、地の文での呼称にはとても困りました。
とりあえず、主人公である星光の殲滅者は『彼女』に固定して、雷刃の襲撃者の呼び方はは彼女だと被るから『少女』にして、闇統べる王は『王』としてみた。
……いや、マテリアルズがほぼコンパチキャラな状況でここまで書いたのは我ながら当時の思考回路が謎です。

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