ティーパーティー所属、セイア様の付き人です。   作:音無葵

4 / 10
本編は結構すらすらでてくるんですけど、サブタイトルが難しい!

今回は珍しく(?)セイアメイン回です!








04:お昼寝

ミカ様と模擬戦をした次の日、今日は療養のために護衛はほかの人に任せ、付き人としての仕事だけしていますわ。

 

と、言ってももうほとんど治っているので、あとはかすり傷程度なのですが。

我ながら呆れるほどの頑丈さですわね。

これがキヴォトスクオリティ。

 

しかし、負けてしまったので気まずいですわね。

ご期待に応えられませんでしたわ。

 

ミカ様より強いと言っていただけたのに、結局かすり傷を負わせる程度しかできませんでしたし。

 

「ふむ、ミカに負けて気まずいのかな?」

 

セイア様がまたわたくしの心をナチュラルに読んできますわ。

いったいどうやっているのやら……。

予知夢にはなぜかわたくしが映らないと聞いているので、その線はないと思うのですが。

 

「ふふ、やはり君は見ていて飽きないよ。どうして心が読めるのか?そう考えているね」

「なぜそれを……」

 

心底不思議でたまりませんわ。

もしかして、わたくしの性格から推理されている?

 

「ああ、推理しているわけではないよ」

 

また読まれましたわ。

ぐぬぬぬ、お手上げですわね。

 

「正解は簡単さ。全部顔に出ているよ」

 

なななな、なっ、なんですってー!?

そんな……、セイア様の付き人として、有能でクールでできる女を目指してきましたのに!

 

「それでクールでできる女はさすがに無理があると思うよ」

 

ミカ様にも負けてしまったし、もうダメかもしれませんわ。

自信のあった武力でも負けたわたくしには、もう何も残っていない……。

かくなる上は、腹を切るしか……。

 

「ま、まて。早まるんじゃない!」

「止めないでくださいまし!」

 

冷静になってみれば刀なんて持っていないので、デザートイーグルを使いますわ。

ミカ様には通用しませんでしたが、わたくしであれば十分でしょう。

 

「って力強っ!?」

 

やめてください!

わたくしが本気になったらセイア様が腕力でかなうわけありませんわ!

 

まあ、その後もなんやかんやあったのですが、結局は止められてしまいましたわ。

 

「はあ……はあ……。君は思い込みが激しいというか、たまに極端な行動に出るな」

 

今わたくしは、銃を取り上げられて正座させられていますわ。

 

「まったく、こんなつもりではなかったというのに。未来がわからないというのは厄介だな……」

 

キヴォトスの外の記憶があるからか、世界の理みたいなのから外れているようで、セイア様の予知夢にわたくしは出てこないそうです。

もっといえば、予知夢で見た内容にわたくしが干渉した場合、その予知夢が無効化されてしまうらしいですわ。

 

わたくしが干渉したことでどう変わるかもわからないため、基本的には積極的に改変するつもりは無いそうですけど。

まあ、存在しているだけですべてをぶち壊してしまう可能性がある存在は、手元で管理しておきたいというのも偽らざる本音と昔聞きましたわ。

 

それでも、わたくしに価値を見出してくださったことには感謝していますの。

だから、わたくしは示し続けなくてはいけませんわ。

わたくしという存在の有用性を……セイア様のためだけではなく、わたくし自身が納得するためにも。

 

「ただ、ミカとナギサにあーんしてもらったらしいと聞いて、少しからかいたくなってしまったんだ。私にもこんな感情があったんだね」

 

セイア様は、少し変わられたような気がします。

いいことなのかはわかりませんが、少し感情を表に出してくださるようになったような。

 

これまでのセイア様は、どこか一歩引いているというか、達観しているところもありましたわ。

でも、今は少し、人生というものを楽しんでいるように感じます。

 

「その……すまなかったね。こんなにボロボロになるまで戦うと思っていなかったんだ」

 

そういって、わたくしの頬に貼ってある絆創膏を撫でる。

 

「いえ、わたくしが意地を張りすぎただけですわ。それに、わたくしがミカ様に勝てていれば、セイア様にご心配をおかけすることもなく……」

「それはそれで、問題だと思うのだが……」

 

もっと、もっと強くならなければいけませんわ。

そうでなければ、セイア様を守ることができません。

 

相手がミカ様だったからセイア様を守れなかった、では納得できませんので。

 

「そもそもだね。君たちが戦うことになったのも、私がつまらない意地を張ってしまったのが悪いんだ。ミカ相手だと、どうにも調子が狂ってしまう……いや、これも言い訳だな。忘れてくれると助かるよ」

 

わたくしが皆様が仲良く幸せに暮らしてほしいと思っているからでしょうか?

前まではミカ様とも性格的に対立してしまっても、そういうものだと割り切ってしまっていましたが、今は少しづつ歩み寄ろうとしてくれています。

わたくしのせいで、セイア様に負担を強いてしまっているのは心苦しいですね。

 

「それは違うよ、サマナ。きっとこれは、私がいずれ向かい合わなければいけなかったことではあると思うんだ。だから、気にする必要はないよ」

 

うう……セイア様はお優しいですね。

わたくしは、セイア様にもらった分お返しできているでしょうか?

 

セイア様のように賢くはない、ミカ様のように圧倒的武力があるわけでもない、ナギサ様のように政治的手腕にたけているわけではない……。

 

わたくし程度の人間であれば、ティーパーティー全体で見ればごまんといますわ。

そんなわたくしが、セイア様の付き人などしていてもいいのだろうか。

そういった気持ちがどうしてもぬぐえませんわ。

 

「何がそうさせるのかわからないが、それは君の悪い癖だよ。もっと自信を持ちたまえ、他ならぬ私が選んだのだから」

 

俺が信じるお前を信じろ……ふと、前世でみたアニメのセリフを思い出しましたわ。

今のわたくしでは、自分を信じることはできませんから、その言葉が心地いいですね。

 

「今日はこの辺にしておこうか」

 

そういうと、併設されている仮眠室に移動しましたわ。

 

「ほら、おいで」

 

おいで、と言われましても……?

セイア様は、ベッドの上でなぜか両手を広げてこちらに向けていますわ。

 

「急ぎのものはもうないから、昼寝でもしようかと思うのだけど、一緒にどうだい?」

 

わ、わたくしがセイア様と!?

そ、そんな恐れ多いことできませんわ。

 

「抱き合うことでセロトニンが分泌され、前向きになり不安が解消されるそうだ。私はミカのように立派なものは持っていないから不満かな?」

 

まだこの前のことを根に持っていましたの!?

 

うう、ここまでされては引き下がれませんが……前からは恥ずかしいので後ろからじゃだめでしょうか?

 

「ふふ、恥ずかしがり屋さんだな。ミカやナギサが小動物みたいでかわいいというのもよくわかるよ」

 

わたくし、そんな風に思われてましたの?

 

観念して、邪魔になるものを外してセイア様と一緒のベッドに入る。

仮眠用のものとはいえ、高級品なのでうちにあるものよりいいベッドですわね。

 

なるほど、ハグをするといい気分になるというのは本当のようですね。

セイア様の、少し高めの体温が暖かくて心地いい。

 

「それにしても、この服は破廉恥すぎませんか?」

「おや、心外だね。どこがそう思うんだい?」

 

背中から胸元まで大きく開いていますし、肩も露出していますわ。

清楚ですよ~って雰囲気を出しておきながらこれはいかがかと。

それに……。

 

「それに?」

 

こんな、横から手を突っ込んでくださいと言わんばかりのデザインは破廉恥じゃないわけありませんわ!

 

「へぇ、サマナはそういうことがしたいんだね」

「ち、違いますわ!?」

 

敬愛するセイア様にそんな破廉恥なことをできるわけが……。

 

「そんなことを考えるなんて、ムッツリというやつではないのかな?」

「う、ぐぐぐぐ……」

 

言い返せませんわ。

前世含めてそう言った経験は全くありませんもの。

 

「さて、今君の手中にティーパーティーのホストである私が収まっているが、何をしたい?こんな機会、二度とないかもしれないよ?」

 

ええい、どうにでもなれですわー!

後悔してももう遅いですからね!!!

 

「ほう、そんなに私の耳が気になるのかい?そういえば、君の銃にも狐耳の意匠を入れていたね」

 

ああ、セイア様のお耳もふもふで気持ちいい。

それに、とてもいい匂いがしますわ。

セイア様が耳につけている、花のアクセサリーの香りがしますの。

 

「ふふふ、夢中で聞こえていないようだね」

 

セイア様を抱きしめていると、だんだん眠くなってきてしまいましたわ。

 

「セイア様」

「なんだい?」

 

幸せなはずなのに、何故だか漠然とした不安がぬぐえない。

セイア様が、離れて行ってしまう様な予感がする。

 

「これからも、ずっとセイア様のお傍に……。わたくしの前から居なくならないでくださいね?」

 

これは呪いだ。

わたくしは、きっとずるい女なのだろう。

自分はセイア様にふさわしくないと思っていても、それでも必要とされたい、もっとお役に立ちたいと考えてしまう。

 

「……ああ」

 

肯定とも、否定とも取れる返事をしたセイア様の体は、なぜだか少しだけ震えているように感じました。

 

 

 

 


 

 

 

 

「すまないサマナ」

 

ヘイローが消え、彼女が眠りに落ちたことを確認すると、つい口から謝罪の言葉が漏れてしまった。

嘘でもずっと一緒だと、約束できれば良かったのだが。

 

私は予知夢で知っている。

しばらくすると、私は彼女の前から、正確に言えば表舞台から姿を消す。

 

それも、表向きには死亡したということで。

サマナの力を使えば、それを捻じ曲げることもできるだろう。

 

だがそれはできない。

直感的にだがわかる、おそらくそこがこの世界のBADエンドへの分岐点(ターニングポイント)なのだ。

 

ここを改変した場合、確かに短期的に見れば幸せに暮らせるのかもしれない。

だがその場合、さらなる悲劇が待ち受けているのかもしれない。

 

このまま何もせず進んだところで待ち受けているのは、何もかもが虚しく、全てが破局へと至るエンディングだ。

だが、それでもきっとまだましな結果だ、そうに違いない。

 

後ろから抱きしめられた状態から抜け出し、サマナの方を振り向……こうとしたのだが、力が強くて手こずってしまう。

しばらくして、ようやく抜け出すことに成功して振り向く。

それにしても、本当に幸せそうに眠っている。

 

これから君は、苦難の道を歩むことになるのかもしれない。

だが、君ならきっと私が居なくても大丈夫だ。

君は、自分が思っているよりずっと強い。

 

もしかしたら、本当に未来をいい方向に変えてくれるかもしれないと期待してしまうくらいには。

 

こんな機会は二度とないかもしれない……か。

いったいそれはどっちのセリフだろうね。

 

未練がましいが、いまだけは、この温もりをもう少し味わうとしよう。

 

向き合って抱き合うような形になり、今度は私も眠りにつく。

起きたときの反応を少し楽しみにしながら。

 




セイアちゃん難しいですね……どうしても、賢そうな発言をさせてあげられない。

防いじゃうとメタ的に困るのもありますが、実際セイア襲撃を未然に防いだりした場合、アリスクあたりとかBADエンドルート行きそうな感じありますよね。


P.S.
ミカ、お誕生日おめでとう!!!
これからもよろしくね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。