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9HRと申します。
前作の雪辱を晴らすため、書き殴りました。
「は・・起き・・い・・」
だめ、もう少し寝かせて。
「はよ・・きん・・い・・」
だーかーらー。
「ご・・ちゃ・ち・・しおって・・」
やっと静かになった。
むふー。私の完全☆完璧な勝利。
「はよ起きんかい!」
「うわっ!びっくりしたー。朝からうるさいよ。私は眠いの、まだ寝させて。」
「アホ!そんなこと抜かしてる場合ちゃう!時計見ろ!」
8:36。ん?8時、36分?
「やっと気づいたか。もう遅刻確定やで。」
「早く言ってよ!なんならもっと早く起こしてよ!」
「だからさっき起こしとったやろ!さっさと着替えてはよ行かんかい!」
手際よく制服に着替えて、朝食のパンを一口齧ってから口に咥える。
準備は万端!急いで行かなくちゃ。
「車に気をつけてね、リコ。最近事故多いし。」
「わかってるって。じゃ、行ってきまーす!」
私、篠乃木理子!
普通の中学生(3年)!部活はバレー部!でも、幽霊部員なお陰で無事ベンチどころか写真にもいないよ!
趣味はFPSゲーで敵を一撃で葬り去ること!2回しかやった試しはないけどね!
あっ、十字路だ!
いっけなーい!遅刻、遅刻!
《説明しよう!》
十字路、それは恋の始まりと言っても過言ではない!
パンをくわえた女子学生と急ぎ足の男子学生!
二人揃った条件下にて、十字路でそれぞれがぶつかりあった時!
その時に恋のキューピッドは弓を構えず直接ブッ刺す!
「どこ見てやがる!気をつけ・・」
チッ。ポ◯シェかよ。
いっけねえ。私は男子とぶつかりたかったんだけどなぁ。
車に乗った中年なんて論外以前にまず選択肢にないの。
私は男子に飢えてるのよ!そう、男子に!
違う、今は時間がヤバいんだった。
傍に見える公園の藤の花が綺麗だけど今は関係なし!
ん?あれ?
-公園の時計は8:43を指す-
ちっっくしょォォォォォォァァ!
ヤバい!今遅れたらマジでヤバい!
1限は優しい須々木先生だから良いとして、2限の鬼原は辛すぎる!
ああヤバい、『次遅れたら、お前、担任指導な。』ってフラッシュバックしてきた。
担任指導は・・担任指導だけはカンベン!
全速力で走る以外の選択肢がもうない!急げ!
「おはようございます、町内会長!」
「ああはい、おはよう?」
超スピードで挨拶!完璧かな?
「おはようございます、ノゾミさん!」
「その名前で呼ぶなって言ってるでしょ〜?」
またもや超スピード挨拶!最高だぜェ!
そして颯爽と学校に到着!
時間は?
-学校の時計は8:46を指す-
校門を自慢の脚力で突破!解放!
「ああ!またあなたでしたか・・お願いだからもう蹴らないでください・・」
「すいません!善処します!」
本校舎につながる坂を駆け上がって本校舎1階へGO!
「はあ・・またあなた?良い加減『間に合わせる』事をしなさい!」
「すいません!善処します、藤坂先生!」
「あなたそれ何回目よ・・これで1、2、3・・4回目じゃない?」
赤紙*1に自分の氏名・学年・クラスと遅刻理由を目にも止まらぬ速度でシャッと!
これでよし。完璧か?
「はい、押したわよ。これが最後であることを祈るわ。」
「私もです!」
「はあ・・先が思いやられるわ・・」
そして3-Cがある4階までダッシュ!
最初こそかなり辛かったけど、もうだんだん何も感じなくなってきた。
腿上げ運動(高速階段駆け上がり)、万歳。
そんなこんなで到着。
ドアを大きく開け放ち、こう叫ぶ。「おはようございます!遅れてすいませんでした!」
全員の視線が私に集まるこの瞬間、私はヒーローになったかのような歓びを感じられる・・
あれ?
全員、寝てる?
「笹原さーん。メガネくーん。アッちゃーん。」
小声で叫んでみた。でも、だめだ。本当に、全員寝ている。
いや、最後の最後まで希望は捨てちゃいけない。
まずは友達ナンバー01の笹原さんから!
「起きてくださーい。私です、リコですよー。」
「むにゃ・・リコ・・結婚して・・」
えげつないなこの子。
一発目からえげつないの出てきたぞ。
次!友達ナンバー02、メガネくんこと雷くん!
「メガネくーん。私、リコですー。」
「むにゃ・・あなたが・・紫式部・・アイン・・」
だめだ。お得意の古文と数学のことしか頭にないいつもの発言だ。
ええい、最後ぉ!
友達ナンバー03、アッちゃんことアリサ・F・ジョリオちゃん!フルネームが長え!
「アッちゃーん。リコだよー。」
「むにゃ・・あれが・・すぐ終わるバグのメックマンX初期版・・」
ああもう!1限目は大好きな社会だってんのに須々木先生まで寝てる!
どうなってんだよこのクラス!
「フフ・・知りたい、ですか?」
「『あなたは⁉︎』と言いたいところですが何やってんですか?侵入は犯罪ですよ?」
「なっ・・侵入とは不躾な言い方ですね。私はただ穏便に入っただけですよ?」
「うるさいですね。さっさと出ていってください。あとみんなを戻してください。」
「失礼の極み!」
「てか何ですかその格好。白いタキシードに青ネクタイって・・」
「その『キザなのね・・かわいそう・・』という目線をやめてください!私は一般人です!」
「感嘆符多いですね。Shift+1キーが惜しくないんですか。」
「突然のメタ発言はやめてください!」
だんだんもう飽きてきた。
席にだけは着いておくか・・
「わ゛ーっ!何で席につこうとするんですか!」
「それが生徒の第一義務なんです。邪魔しないでください。」
「ついたらあなたもこうなりますよ⁉︎それでも良いんですか⁉︎」
「嘘はよしてください。」
「嘘じゃないですよ。見ててください。」
そういうなり彼はポケットからカエルを取り出した。
カエル?
「「い゛や゛ー゛っ゛っ゛!」
「落ち着いてくださいってば。そしてこのカエルを椅子に乗せると・・」
「椅゛子゛に゛!乗゛せ゛な゛い゛で゛!」
カエルがぴょんと乗った瞬間、カエルは気絶したかのように寝た。
「このクセになるような朗らかな表情。うん、寝てますね。」
「じゃあ・・私は座らなくってよかったってこと?」
「はい、そうなりますね。」
「じゃあみんな寝てるってこと?」
「はい。その通りです。」
「じゃあ私と一緒に今からみんなを叩き起こしましょう!」
「なんでそうなるんですかーっ!だってあなたも見たでしょう?」
「何を。」
「皆さんの寝顔ですよ!現実で経験した何よりも夢の経験の方が楽しいに決まってます!」
「じゃあ、何よ。」
「皆さんはもう、夢から醒めないんです!」
伝えられた衝撃の真実。
私は、胸の鼓動の高まりを、抑えることはできなかった。
「何それ超サイコーじゃないですか!ならそうと早く言ってくださいよ〜」
「違います!死ぬまで、です!」
え?死ぬ、まで?
それって、これからあと大体80年くらい寝る、ってこと?
は?
「皆さんの意識は夢の女神『ダイワラス』に乗っ取られたんですよ!乗っ取られたが最期、もう死ぬしかないんですよ!」
「何その『ダイワロス』みたいな。弱そうですね。」
「失礼ですね!女神さまはどんなものの女神さまでも女神さまなんです!人類が抗えない不可抗力なんですよ!」
「ふうん。自分が人類じゃないみたいに言いますね。じゃあアナタは・・誰なんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!私は『il vento』。『風』です。」
「『風』?失礼ですが・・その・・何というか・・」
「?」
「ダサい、お名前ですね・・」
「断りを入れていたとはいえ、あまりにも失礼!では、アナタが代用の名前を考えてくださいよ!」
「おっけーです。考えます。」
うーん。名前を考えるなんて、愛犬でち公*2の命名のとき以来だ・・
3ヶ月と4日前ででち公がこの世を去って2年か・・
この世の時間は疾い・・本当にそう思う・・
しみじみと浸っていたら、パッと天啓のように思いついた。
『誰かわかんない以上、名前らしくない名前をつければ良いのでは?』
わかった。回答は、これだ。
「『フー』とか、どうでしょう・・」
「『フー』、ですか、良いでしょう。身元不明の私にピッタリです!」
チッ、一瞬でバレちゃった。
「話が大幅に逸れましたね・・では、皆さんを夢から解放してあげる方法ですが・・」
「はい。」
「ありません。」
「は?」
「冗談です。お願いですからカッターは置いてください。」
「次何か笑えない冗談を言ったら、タダじゃ済まないと思ってください。」
「は、はひ・・肝に銘じておきます・・」
「続けてください。」
「あります。しっかりとあります。」
「その方法と、何通りですか?」
「4通りあります。」
1つ目:人柱
皆さんがダイワラス様の『美学』をご享受されなくなる代わりに、
アナタ一人だけにそれが全員分のしかかります。
一瞬にしてアナタの頭はパンクし、シナプスが焼き切れて死に至るでしょう。
2つ目:生贄
アナタか私以外に何か生贄を用意し、供物としてお供えします。
たくさんあればたくさんあるほど女神さまは満足なされ、アナタたちへの『美学』のご享受を免除なさるでしょう。
3つ目:対話
何らかの手段を用いてダイワラス様と対話します。
上手く行けば、皆さんを何事もなく起こすことができるでしょう。
4つ目:正面突破
ダイワラス様など、神さまや女神さまに唯一対抗できる兵器『神格武装』を用いて正面突破します。
なお、宣戦布告より挑戦といった形で挑む形になります。
「じゃあ私は暴力が好きなので4でお願いします。」
「4⁉︎なぜよりによって一番生存率が高いものの同時に失敗率が高い、4を⁉︎」
「だってますちーならそうした。」
「ますちー、とは誰か存じ上げませんが、わかりました。4ですね?」
「何度も言わせないでください。4です。」
「わかりました。」
「詠唱は終わりました。武器、いや『神格武装』を選んでください。」
選択肢1:イエロ・クレイモア
提供:戦神『アレス』
武器:クレイモア(大剣)
スキル:戦火降臨
クレイモアを構え、「アレスよ、我にその怒りを授け賜え」と唱える。
ツケ払いにされるが、強大な力を得ると同時に剣に炎が纏うようになる。
選択肢2:R.I.P.
提供:女神『ヘラ』
武器:ハンドガン(ピストル)
スキル:安らかに眠れ
各弾倉一発目が強化される。
一発目が対象に着弾した場合、対象は安楽の中、死ぬ。
選択肢3:はるか遠くのこの空へ
提供:第二天神『ウーラノス』
武器:覇気(雰囲気)
スキル:星々よ、我と共に復讐を
思考が激しく乱される代わりに、超異常的な力を得る。
気がつくと、息が乱れ目の前の敵たちが全て消えていることが多い。
選択肢4:ランサー・トゥナテ
提供:第二雷神『ユピテル』
武器:槍
スキル:雷鳴の裁決
槍が3本に分裂し、それぞれが激しく帯電する。
投げてもよし、刺してもよし、何なら三つ合わせて時限爆弾にしてもよし。
ユピテル様は優しいのだ。
「へえ。いい揃い以前によくわかんないですね。」
「アレス様は戦いを司られている神さまです。全てを燃やします。」
「はあ。」
「ヘラ様は女性の貞操を司られている女神さまです。主人であるゼウス様特効もちです。」
「はあ。」
「ウーラノス様は地母神様、ガイア様のご子息です。この空を司られています。」
「へえ。」
「そして最後、ユピテル様です。今回ゼウス様がなぜかいらっしゃらなかったので急遽。また女探しに行ったな・・」
「あはは・・」
「さあ、どれを選びますか?」
「大将さん。オススメのを。」
「はい、アレス様のですねー、って何やらせてるんですか。」
おまえだろ。
しかし迷うなぁ・・
「あ」
「どうしたんですか?」
「やってしまいました・・アナタの武器はアレス様のです・・」
「ゑ?」
「はい、本当に申し訳ございません・・」
「何やってくれちゃってるんですか。まあ良いでしょう。いきましょう。」
こうして私たちの『ダイワラス』討伐戦は始まったのだった。
ちなみに、コイツが懇切丁寧に選んでくれたこのクレイモア、私にはかなり重い。
6kgである。サブマシンガンと同等の重さを振るのだ。
そんなもん、重い以外の何でもない。
「重いいいいいい!!」
「じゃあ代わりに私がやりましょう!重いいいいいいいい!!」
なんかのボケですか?
スキルもなんか嫌だ。
「『アレスよ、我にその怒りを授け賜え』・・」
「不細工なやつだな・・」
イラッ。
いちおう、「和歌山県立東佐津鹿中学校美少女ランキングTOP100」に載ってたぞ?
忘れもしない87位。覚えてるかんな、新聞部の蒔田。
そんな感じで、個性の強いこの武器、ウザいようであんましウザくない相棒と共に私の冒険は続く・・
誤字脱字やアドバイス、評価等よろしくお願いいたします!
ちなみに存在しない地名を使用しました。
あと・・小ネタに関してですが・・
やっぱり恥ずかしいので言及はやめておきます。