オイラはサンズ。アビドスの生徒だ 作:今日はステキな日だ
「────おい、そこのアンタ生きているか?」
灼熱の太陽の光に照らされているアビドスの自治区に二人の男が居た。
“み、水……“
「へへ、生きているみたいだな。死んでるのかと思ったぜ」
一人はこの灼熱の中、制服の上に青の生地のパーカーを着ている奇妙な格好の白髪の青年で、もう一人は砂塗れのスーツを着て道端で倒れている男性だった。
「腹が減って倒れただって?ホームレスかなんかか?」
青年は不思議な格好をしており、この真夏のように暑いアビドスの砂漠で手袋をしており、何故かスリッパを履いていた。
「生憎、今のオイラの手持ちにはケチャップしかなくてな。いるか?」
“え、遠慮しておこうかな………"
「じゃ、オイラが全部もらうぜ」
青年はそう言ってケチャップを美味しそうに飲み出した。
“飲むの?!”
「で、アンタはなんでこんな場所に居るんだ?やっぱりホームレスかなんかなのか?」
“スルーされた………”
「それでアンタはなんでこんな場所に居るんだ?」
“じ、 実はね────”
▼▼
「つまりアンタは用事があって数日前にこの街に来たけれど、御店が一軒もなくて脱水と空腹で力尽きたと………へへへ、災難だったな」
“ははは………”
白髪で女性だったら誰しも羨ましがるような白い肌を持つ青年は、事情を聞きやれやれと言いたげな顔をしながら苦笑する。
「ここはそういう所だからな。食べ物がある店なんてとっくに無くなっちまってるよ」
ここから先の郊外の方に行けば市街地に行けるけどな、と彼は言葉を続けてにヘラと笑う。
“はは、面目ない事にここに来るのは初めてで土地勘が全くないんだ”
「土地勘がない?…………しょうがない。コレやるよ」
“これは?"
「ケチャップだ」
“まだあったの?!”
なんならもう一本あるぞと彼は言葉を続けながら、懐からもう一本のケチャップを取り出す。
私は話題の流れを変える為に彼に助けてくれたお礼を言う。
「いやそんな事は気にしなくていい。………それにしてもアンタ、あー、連邦生徒会?から来た大人のようだが何か用があって来たのか?」
この近くだとウチの学校しかないけどなと、彼は言葉を続けてその白色の瞳で私を見る。
「アビドスに何か用があるのか?」
私がそれに頷くと彼は納得したような顔をしてニヤリと此方を見て笑う。
「久しぶりのお客さんだな」
▼▼
「よう、元気にしてたか?」
「あっ、おかえりサンズせんぱ……い?」
黒髪ケモ耳でツインテールの少女が何処か驚いた反応をしながら此方を見る。
「うわっ!?何っ!?そのおんぶしてるの誰!?」
「わぁ、サンズ君が大人を拉致してきました!」
「拉致!? もしかして死体!? サンズ先輩、いつも何を考えているか分からない人だったけど、ついにヤっちゃったんですか……!?」
「皆落ち着いて、バレなきゃ犯罪じゃないわ! 死体を隠す場所を探すわよ!体育倉庫にシャベルがあるから、それを………」
「ん、それだとバレるかもしれない。念には念を込めて燃やすとか………」
アビドス高等学校の一室に彼がドアを開けて入り込むと、心無い言葉の数々が彼に投げ掛けられて、彼はなんとも言えない表情をする。それに最後の方の会話は特に物騒で私を埋めようとしたり、燃やそうとしていたりしていた。
(“ここの学校の生徒たちは元気だなー")
私はとりあえず生きている事をアピールする為に彼から降ろしてもらい、片腕を上げる。
“生きてますよー”
「えっ、死体では、なかったのですか……?」
「拉致じゃなくて、お客さん?」
「そうみたい」
その場に居た少女たちはお互いに顔を合わせ合い、事実の確認をする。
「わぁ、ビックリしました。お客様がいらっしゃるなんて、とっても久しぶりですね」
「そ、それもそうですね……でも来客の予定ってありましたっけ?」
“ 私はキヴォトス連邦捜査部シャーレの顧問です。よろしくね”
私の言葉を聞くと四人の少女たちは目を見開き、とても驚いた表情をする。
「……え、ええっ! まさか!?」
「連邦捜査部シャーレの先生?」
「わぁ、支援要請が受理されたのですね! よかったですね、アヤネちゃん!」
「はい! これで……弾薬や補給品の援助が受けられます!」
それぞれが満面の笑みで笑い、お互いの手を取り合う。察するに彼女たちは弾薬や補給品の援助という言葉に反応している事から、ギリギリの戦いをしていたのだろう。
「あ、早くホシノ先輩にも知らせてあげないと……あれ、ホシノ先輩は?」
「委員長は隣の部屋でお昼寝中」
「ん、じゃあ、オイラが起こしてくるよ」
「お願いします!サンズ先輩!」
彼がそのホシノという人を起こしに部屋を出て行って数秒経った後、突如としてダダダダダッ!!!!と銃撃音が鳴り響く。
「じゅ、銃声!?」
何がとは言わないが胸部辺りが「エッッ」な少女が部屋の窓へと駆け寄り驚愕の顔をする。
「ヒャッハー!」
「アビドス学校の諸君!今日こそこの学校を占領させてもらうぜ!!」
かなりの人数のヘルメットを被った不良たちが、銃を乱射しながらアビドスの校門へと集まっている。その手に持っている武器や人数から本気で学校を占領する気なのだろう。
「わわっ、武装集団が学校に……! あれは、カタカタヘルメット団です!」
「あいつら……性懲りもなく!」
メガネを掛けた少女がタブレット端末の様な物を取り出し、ドローンから確認出来る映像を見て驚愕の顔をする。そしてそのカタカタヘルメット団という名を聞き、ケモ耳少女は性懲りもなく、と苛立った様子で銃を手に取る。
「ほらホシノ先輩を連れて来たぞ。ほらガキンチョ仕事の時間だ」
「むにゃ……まだ起きる時間じゃないよぉ」
そこに彼がホシノというピンク髪の小柄な少女を連れてやって来る。そんなホシノはまだ何処か眠た気で目を何回か擦っていた。
「ホシノ先輩!ヘルメット団が再び襲撃を!……あっ!後、こちらの方はシャーレの先生です」
「ありゃ〜そりゃ大変だね……あ、先生?よろしくー、むにゃ」
「…………」
彼がホシノという少女に何か言いたげな表情をしながらジッと見つめる。何かあるのだろうか?
「先輩、しっかりして!出勤だよ!装備持って!学校を守らないと!」
眠た気なホシノを見かねて、後輩であるツインテールのケモ耳少女がホシノに声を掛け装備品を持たせる。
「おい、ガキンチョ。毎日のように寝ているせいで脳みそでも小さくなったか?その身体みたいに」
そんなホシノを見かねたのか、彼はホシノに向けて大変失礼な事を言う。周りの反応を見ると、みんな、うわぁ、と何処か引いた様子だった。
「────サンズ君。後で覚えておいてね」
「ジョークだ、ジョーク」
そんなホシノは彼を横目でニッコリと笑いながら見つめる。
何故だろうか、目が笑っていない。しかも何処か目付きも鋭くなった気がする。
「はあ、………これじゃあ、おちおち昼寝も出来ないじゃないかー、ヘルメット団めー」
ホシノは仕方がないと言葉を続け、ショットガンと盾を構える。先程の不満をヘルメット団に八つ当たりしないか心配である。
「すぐに出るよ、先生のおかげで弾薬と補給品は十分」
「はーい、皆で出撃です☆」
全員がホシノに続き、それぞれの愛銃を手に取りヘルメット団への元へと向かう。
「私がオペレーターを担当します。先生はこちらのサポートをお願いします!」
そんな彼女らをサポート、支援をする為にメガネを掛けた少女がタブレット端末を開き、ドローンと繋げる。
“任せて!!”
私はそれに答える為に『シッテムの箱』をタップし、アロナに呼び掛ける。
「じゃあ、オイラは昼寝でもするかな」
「サンズ先輩?」
「サ・ン・ズ君?」
「お、オイラもサポートをする」
“ははは………”
彼は何処か同級生と後輩の尻に敷かれているみたいだ。
主人公を軽く紹介
名前 砂骨サンズ
学園 アビドス高等学校
学年 2年生
苗字の由来、砂漠でホシノに拾われた時に骨を一本持っていたから。
続くかは、分からん