オイラはサンズ。アビドスの生徒だ   作:今日はステキな日だ

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忙しくて死にそう。


長い話は眠くなるだろ?

 

ホシノたちがカタカタヘルメット団本拠地に攻め込んでから1時間と時間が経った。

 

そんな中、サンズは身体を横にしてまだ眠っている様子だった。

 

そんな時、数人のドタドタとした足音が廊下から響いて聞こえ出す。耳を傾けてみると重い足取りだったり、スキップしているような軽い足取りでだんだんと此方に近づいて来ているのが分かった。

 

そしてサンズはその足音によって目が覚めて、その重たい瞼を開く。

 

「────帰って来たみたいだな」

 

サンズは背伸びをし、固まった身体を伸ばすようにゆっくりと立ち上がる。身体の所々から骨の鳴る音がし、筋肉が変に固まっているのが分かる。だがそこは、床に自分で寝たのが悪いので気にしない事にする。(因みに薄い敷布団は轢いてる)

 

「へへ、出迎えるか………」

 

サンズは軽くストレッチして身体をほぐし終えると、アヤネの居る隣の部屋へと移動する。

 

「ただいま〜」

 

そして丁度そこにのほほんとした雰囲気のホシノの声が部室に響く。

 

「お帰りなさい。皆さん。お疲れ様でした」

 

そこでアヤネが帰って来た先生とホシノたちに労いの言葉をかける。

 

「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ様」

 

そこにセリカがホシノの後ろから顔を出してアヤネにも労いの言葉を返す。

 

「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付いたので、これで一息つけそうです!」

 

「そうだね。これでやっと、重大な問題に集中出来る」

 

「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!ありがとう、先生!この恩は一生忘れないから」

 

彼女たち三人は面倒な問題が片付き、その力となってくれた先生へと感謝を伝える。だがそこで先生に一つ引っかかる言葉が聞こえた。

 

“えっと、その借金返済って?”

 

「……あ、わわっ!」

 

「そ、それは……」

 

「待ってアヤネちゃん!それ以上は!」

 

つい口から漏れてしまった言葉にセリカは慌てる。それを先生は同時に何か事情がある事を暗示しているに違いないと考える。

 

「別に隠さなくてもいいんじゃないか?」

 

「で、でも………って、サンズ先輩?!」

 

いつの間にとセリカは言葉を続けながらサンズをマジマジと見る。

 

「サンズ君の言う通りだよ、セリカちゃん。別に隠す事でもあるまいし」

 

そこでサンズの言葉に乗る形でホシノがセリカに言う。

 

「か、かと言って、わざわざ話すような事でもないしょ!」

 

「別に罪を犯したとかじゃないでしょー?それに先生は私たちを助けてくれた大人でしょー?」

 

セリカはホシノの先程の言葉に反論するが、すかさずホシノはセリカに反論する。

 

「ホシノ先輩の言う通りだよ。セリカ、先生は信頼してもいいと思う」

 

「そ、そりゃそうだけど、先生だって結局部外者だし!」

 

セリカの顔にだんだんと苛つきが見えてくる。今まで一度も手を差し伸べてくれなかった大人が、今更になって手を差し伸べてくれている事が受け入れ難いのだろう。連邦生徒会組織の大人となると尚更だ。

 

「確かに先生がパパっと解決してくれるような問題じゃないかもだけれどさ。でも、この問題に耳を傾けてくれる大人は、先生くらいしかいないじゃーん?」

 

だがこれはチャンスでもある。連邦生徒会の組織であるシャーレ。その巨大な力を扱える大人の協力を得る事が出来る。なのでホシノはアビドスの為に、そのチャンスを逃さない為にセリカを説得する。

 

「悩みを打ち明けてみたら、何か解決法が見つかるかもよー?それとも何か他にいい方法があるのかなー、セリカちゃん?」

 

「う、うう……。でっ、でも、さっき来たばかりの大人でしょ!今までの大人たちが、この学校がどうなるか気に留めたことなんてあった!?……この学校の問題は、ずっと私たちでどうにかしてきたじゃん!なのに今更、大人が首を突っ込んでくるなんて………」

 

セリカの目には薄らと涙が浮かんでいる。今までの大人たちが彼女たちにした行いから、セリカは心の底から大人である先生を信じられないのだろう。

 

「私は認めない!!」

 

「セリカちゃん!?」

 

セリカが部室を飛び出して走り抜けていく。今は彼女は一人になりたいのだろう。

 

「私、様子を見てきます」

 

そんな様子のセリカを心配したのか、ノノミがセリカの後を追いかける。部室に残された先生やホシノ、アヤネはそこに気まずさを覚える。

 

「………えっと、簡単に説明するとさ、この学校、借金があるんだ……結構、ありふれた話だけどさ」

 

そんな静寂と気まずさを破る為、ホシノがこのアビドスの抱える問題について話始める。

 

「因みにどれくらいかって言うと、ざっと9億ぐらいだ」

 

「……正確には9億6235万です」

 

サンズとアヤネから出た9億という莫大な金額に先生は目を見開く。

 

「この借金はアビドス……いえ、私たち《対策委員会》が返済しなくてはならない金額です。これが返済出来ないと、学校は銀行の手に渡り、廃校手続きを取らざるを得なくなります」

 

「事実完済できる可能性は零に近いし、殆どの生徒は諦めて、学校と街を去ってしまったけどな」

 

「そして私たちだけが残った」

 

シロコが悲しそうな顔をしながらそうポツリと言う。

 

「学校が廃校の危機になったのも、生徒がいなくなったのも、街がゴーストタウンになりつつあるのも、全てこの借金が原因です」

 

「そうなってしまった原因は────」

 

アヤネが話したい事。それは数十年前のアビドスの事だ。

数十年前のある時期から頻発し始めた大規模な砂嵐によって学区の環境が激変。進む砂漠化対策のために多額の資金を投入するも事態は好転せず、アビドスはだんだんと資金が枯渇していった。そしてそんな中で資金を得る為にアビドスが目を付けたのが────

 

「悪徳金融業者」

 

だがしかし度重なる砂嵐により借金は膨らみ続け、学園の経営は悪化し、人口の流出にも歯止めがかからないまま地区全体の衰退が起きてしまったという事だ。

 

「はい……私達の力だけでは、毎月の利息を返済するだけで精一杯でして、弾薬も補給品も、底をついてしまっていました」

 

「セリカがあそこまで神経質になっているのは、これまで大人の誰も、この問題にまともに向き合わなかったから……話を聞いてくれたのは先生、あなたが初めて」

 

「まぁ、そういうつまらない話だよ」

 

ホシノが椅子の背もたれに寄りかかりそう言う。これは子供に背負わせてはいけない程の大きな、大きな問題だった。

 

「でも先生のお陰でヘルメット団っていう厄介な問題が解決したから、暫く借金返済に全力投球出来る様になったわけー。あ、もしこの委員会の顧問になってくれるとしても、借金の事は気にしないでいいからねー、話を聞いてくれるだけでも有難いし………」

 

「そうだね、先生は十分力になってくれた、これ以上迷惑はかけられない」

 

“………私にはこの対策委員会を見捨てる事なんて出来ないよ”

 

先生が微笑みを浮かべながら強い覚悟を目に宿し、そうアビドスの面々に言い切る。

 

「そ、それって――」

 

"私も一緒に頑張るって事だよ”

 

先生の言葉を聞き、アヤネたちの顔が幾らか明るくなる。

 

「あ、はいっ!よろしくお願いします、先生!」

 

「……先生も変わり者だねー、こんな面倒な事に自分から首を突っ込もうなんて」

 

"それが先生としての役目だからね”

 

ホシノが先生の言葉を聞き目を見開くが、少しすると元のゆるりとした雰囲気に戻る。

 

「良かった……シャーレが力になってくれるなんて、これで私達も希望を持って良いんですよね?」

 

「そうだね、希望が見えてくるかもしれない」

 

アヤネとシロコが笑顔を見せる。それは今まで全く見えなかった光が彼女たちを照らしたかのように美しい物だった。

 

「あれ、サンズ先輩は?」

 

「ん、寝てる」

 

「うへ、サンズ君は変わらないねー」

 

"ははは………"

 

 

 

 

 

 




早く、早く、サンズの戦闘シーンを書きたい。
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