チョウゾ・アーカイブ   作:ウエストモール

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息抜きに番外編を……

話題のメトロイドプライム4ですが、サムスの新しい力はサイキック能力ですか……ターロンⅣの鳥人族のことを考えると不自然ではないかも。そして、サイラックス君は何処に行った?


番外編:教授とエンジニア部Ⅱ

 それは、ミレニアムプライスが終わってから数日後のことだった。

 

「エンジニア部の皆、受賞おめでとう。まさか、あそこまでのロボットを作ってしまうとは、君達の熱意は素晴らしいものだ」

 

 グレイはエンジニア部のガレージを訪れ、ミレニアムプライスを受賞した彼女達を称賛する。

 

「いやいや、これは教授のおかげさ」

 

「そうですね!教授のお話を聞いたことが始まりでしたからね!」

 

「それに、教授には色々な技術を学ばせてもらったから……」

 

 エンジニア部は技術担当として、グレイから様々なチョウゾテクノロジーを学んでいた。まだオリジナルと同等のものは作り出せないが、新しいものを学ぼうとする熱意があった。

 

「それで、例の鳥人ロボはここにいるのかね?」

 

「あぁ、あるよ。おーい、トリゾー君!」

 

 ウタハがその名を呼ぶと、ガレージの奥からグレイによく似た影が飛び出てくる。

 

『コンニチハ、教授』

 

「君が例の……」

 

『ドーモ、私はスーパー鳥人ロボのトリゾー君と申します』

 

 そこに立っていたのは、かつて鳥人族が開発していたロボット鳥人兵士によく似たロボット。まるで同族を見たような感覚だ。

 

「トリゾー君にはいつも助けられてるよ。重い機材を運んでくれるし、不良は退治してくれるし、大抵の機器の操作はこなしてくれるからね」

 

「トリゾー君の戦闘能力は教授に匹敵しています!背部のスラスターで高速機動を可能にしており、反射神経についてはミサイルを掴める程です!そして、搭載している武装ですが……!」

 

 コトリによる怒涛の解説が始まる。ここからは長いので割愛するが、武装関連については記しておく。

 

 トリゾー君の武装は、右腕に仕込まれたビーム砲と、左腕に折りたたまれている高周波ブレードである。背部には多連装ミサイルランチャーや無反動砲の搭載が可能であり、重量のある荷物を背負って運ぶことも想定されていた。

 

「トリゾー君がもしも教授と戦ったら、どうなるんだろう?」

 

「トリゾー君が強いのは確かなんだけど、同格の相手との戦闘経験は皆無だからね……ドローンとか不良くらいなら余裕なのは間違いないけれど……」

 

「なら、経験を積ませましょう!」

 

「いいだろう。私も丁度、同格の相手と刃を交えてみたかったところでね。戦士の血が騒ぐのだ」

 

『ドウカ、お手柔らかに……』

 

 その後、グレイとトリゾー君で行われた模擬線は、経験豊富なグレイの勝率が90%という結果に終わった。

 

 

 

 

 

「ありがとう。教授のおかげでトリゾー君の更なるアップデートが進みそうだよ」

 

「それはよかった。私も良い経験になった。また、アップデートに協力させてもらおうか」

 

 グレイとウタハの目の前では、装甲や武装を外されたトリゾー君が幾つものコードに繋がれている。メンテナンスと戦闘プログラムのアップデートを兼ねているのだ。

 

「そういえば、教授に見せたいものがあるのだけど、この後の予定は大丈夫かい?」

 

「特にはないな。しかし、私に見せたいものか……気になるではないか」

 

「ヒビキ、コトリ、教授を案内してあげて」

 

 すると、何処からともなく現れたエンジニア部の一年生二人がグレイの両脇を固め、背中を押してガレージの奥へと連れていく。

 

「おや、この位置はたしか……」

 

「どうやら察したみたいですね!」

 

「ふふっ、教授ならすぐに気づくよね」

 

 連れていかれた先は、グレイが知っているものが置いてある場所だった。そこに通された途端にグレイは気がついた。

 

「では、お披露目しようか」

 

 そのスペースには、布を被せられた大きな何かが鎮座している。ウタハはその布を一気に取り去った。

 

「そうか、ついに治ったのだな……」

 

「そう、ついにこの時が来たのさ……」

 

「いやー、大変でしたねえ」

 

「でも、未知の技術に触れて楽しかった」

 

 目の前の物体を見て、全員がしみじみとしている。それもそのはずだ。何せ、その正体は……

 

「お帰り、私の……」

 

「「「「スターシップ!!」」」」

 

 それは、甲虫のようにも見える曲線的なデザインの小型宇宙船だった。グレイがキヴォトスに来るときに乗っていた乗り物であり、修理のために預けられていたものだ。

 

「そうかそうか……反重力ドライブの複製に成功したのだね……」

 

「あぁ。現物と設計図があるとはいえ、ミレニアムで用意できる素材だけで再現するのには骨が折れたよ」

 

「反重力ドライブが暴走してロケットみたいに突っ込んできたときは、どうなることかと思いました!」

 

「なんなら、部室が半壊したよね……」

 

 エンジニア部のガレージは壊れるのが恒例である。実験に失敗して爆発したり、発明品が暴走して襲ってきたり、例を挙げたらキリがない。

 

「是非、これで宇宙に行ってみたいと私達は思っていたのだけど……」

 

「別に私は君達を宇宙に連れて行っても構わんが、どうかしたのかね?」

 

「修理している間に思ったんだ。借り物の宇宙船ではなく、自分達の手で作ったもので宇宙を目指したいと……」

 

「ふむ。皆がそう言うのであれば、私は意思を尊重しよう。助言が必要なら声をかけてもよい……計画の方は立てているのかね?」

 

「あぁ、バッチリさ。他の学園と合同でプロジェクトを立ち上げたんだけど、最初は駆逐艦サイズから始めるんだ」

 

「他の学園……というと?」

 

「オデュッセイア海洋高等学校さ。教授は知っているかい?」

 

「自治区の殆どが島々と船に集中している学園だと聞いている。ミレニアムと古くから交流があったようだが……」

 

「あそこは船の建造を得意としていてね、大型のものを建造する技術について秀でている。流石に自分達だけでは無理があるからね」

 

 すでにエンジニア部は宇宙船建造の計画を準備していた。二つの学園による合同プロジェクトということで、双方から出される予算は莫大な額となるだろう。

 

 そして、ミレニアムはゲヘナやトリニティに対抗するために有名な学園との協力関係を深めており、この計画もその一環だった。なお、それは上層部の話であって、ウタハ達にそんな意図はない。

 

「私は君達を応援しよう。共に宇宙(そら)を飛べる日を待っているぞ」

 

「是非……!」

 

 ミレニアムサイエンススクールとオデュッセイア海洋高等学校による宇宙船建造計画がスタートする。宇宙という未知に挑むため、自分達のロマンを追い求めるため、彼女達は進むのだ。




そういえば、オリジナル生徒、乱羽リトのイメージをデフォルメですが描いてみました。私の腕前では頭部を描くだけで精一杯でした……

【挿絵表示】

https://www.pixiv.net/artworks/127549168
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