チョウゾ・アーカイブ   作:ウエストモール

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またオリキャラを生やしてしまった。あと1人くらいはオデュッセイアに生徒が生えるかも


難破船へ

 数日後、グレイ達はとある船に乗ることになった。それは、オデュッセイア生徒会直属の部活動である海洋開発部の調査船ユリシーズである。

 

「あんたが噂の教授か。アタシはユリシーズの船長をしている海洋開発部の3年、七海ナギ。これからよろしくな!」

 

「あぁ、よろしく」

 

 出迎えてくれたのは海賊のような装いの生徒だった。その話し方から豪放磊落な性格であることが読み取れ、ミレニアムにはあまりいないタイプだ。

 

「ナギよ、早速だがこの船について教えてくれるかね?」

 

「そうか、アタシの船が気になるか!そりゃそうだ、ユリシーズは最新鋭技術をたっぷり詰め込んでいるんだからな!」

 

 ナギはノリノリで自分の操る船について説明してくれる。余程、この船のことを愛しているらしい。

 

 調査船ユリシーズはいわゆるトリマランという構造を採用している。高速で安定した航行が可能で低燃費、内部や甲板のスペースが広いという利点がある。

 

 推進はスクリュープロペラではなく、ウォータージェット方式だ。それも、超電導推進によるものであり、電磁石を使って磁場を作り出し、その中の海水に電流を流すことで水流を噴射するのだ。

 

 調査船とはいえ、武装も搭載している。自衛用の機銃やロケット砲、CIWSがあるのだが、それに加えて指向性エネルギー兵器も採用されている。

 

 ユリシーズは船体の形状とウォータージェットによって安定した高速航行と高い操縦性を兼ね備え、積載能力も高い。そのため、調査船として最適だった。

 

 そうこうしている間に新たな乗客達が現れる。戦闘服にヘルメット、胸部と肩に装甲を装備した、明らかに戦闘を目的とする集団。オデュッセイアの治安組織、海上保安部の海兵隊である。

 

 今回の調査ではオデュッセイアの海兵隊が派遣されている。それも、高い防弾性能のある装甲を装備した最新鋭の歩兵ユニットであり、おそらく精鋭だろうと思われた。

 

「捧げ銃!」

 

 彼らはグレイ達の前で銃を掲げて敬礼する。そして、彼女らの隊長が進み出てきた。

 

「はじめまして、教授。我々はオデュッセイア海兵隊、デルタチームです。あなたと御一緒できることを光栄に思います」

 

 グレイを尊敬する生徒はミレニアムの外にも多い。これまでの戦いから彼の武勇がキヴォトス中に伝わっているのもそうだが、その強さに傲らずに生徒の味方を貫いていることから、先生と並んで人気者であった。

 

 そして、出航の時が来るのだが、グレイはノアとコユキにとある物を渡す。それは、先生にも渡した時計のような装備だった。

 

「これって、もしかして先生と同じパワードスーツってやつですよね?」

 

「ミレニアムでパワードスーツを所持しているのはアルファチームだけだというのに、私達が持ってしまっていいのでしょうか?」

 

「何が起こるか分からないからね。パワードスーツくらいは必要だろう?」

 

 二人に渡したのは先生のものと同じ仕様のパワードスーツだ。ちなみに、カラーリングはそれぞれピンクと白になっており、彼女達のテーマカラーだ。

 

「ところで、私達と同様にトキさんにも渡さなくていいのですか?」

 

「あぁ、そのことか。それなら心配はいらないさ。彼女にはすでにパワードスーツがあるからね。それに、トキは生身でも強い。私が証明しよう」

 

「私はかーなーり、強いです。ピース、ピース」

 

 トキはそう言って真顔でダブルピースする。その場に流れたのは微妙な空気だったが、それを切り裂くようにナギが声を上げた。

 

「出航の時間だ!お前ら、準備はできたか!?」

 

「「「「アイ、マム!」」」」

 

「よし、上出来だ。教授も大丈夫か?」

 

「あぁ、いつでも大丈夫だ」

 

「よし、ユリシーズ出航!!」

 

 

 

 

 

 しばらく移動して見えてきたのは、大きな島ほどの大きさがある緑色の巨大構造物だった。その全貌を一目で把握することは容易ではなく、正体不明となっていた。

 

「あれが例の構造物……私の見る限り、正体は巨大宇宙船であろうな。そして、古代鳥人族が使用していた宇宙船の可能性が高い」

 

 だが、グレイには一目で分かった。コントロールブリッジがあると思われる高いドームや、スラスターの存在が目に入っており、それに加えて記録にあった宇宙船とよく似ていたからだ。

 

「あれが宇宙船なんですか!?大き過ぎてもはや要塞ですよ!!」

 

「これは記録のし甲斐がありそうですね。学術的価値も高いはずですし、調査が楽しみです」

 

「まさか、宇宙船だったとは!将来的にはこれくらいの大きさの宇宙船を作りたいもんだ!」

 

 ナギが今後の展望を語る。現在、ミレニアムとオデュッセイアは合同で宇宙艦を建造するプロジェクトを進めているが、目の前の宇宙船の大きさに達するにはかなりの時間がかかるだろう。

 

「あの宇宙船の中枢はあのドームにあるはずだ。我々はあそこを目指すことになるだろう」

 

「でも、空から直接乗り付けるわけにはいかないんですか?ドームに穴空けて侵入できそうですけど?」

 

「そいつは無理だな。うちのハリアーが上空を飛んだんだが、危うくレーザーで撃ち落とされかけたんだ」

 

「それって、宇宙船のシステムはまだ生きているということでしょうか?」

 

「分からん。古代鳥人族の遺物が現在でも動く例はあるからね。結局、内部を調べることには変わらない」

 

 内部に侵入できそうな場所は見つけている。艦載機が出入りしていたと思われるハッチであり、ドームからは離れた箇所にあった。

 

「ユリシーズを横付けする!乗船に備えろ!」

 

 ウォータージェット方式による高い操縦性が功を奏し、ユリシーズはハッチのギリギリまで船体を寄せることができた。

 

 宇宙船に突入するのは、グレイとノア、コユキ、トキ、オデュッセイア海上保安部海兵隊デルタチームの皆さんである。

 

 彼らは薄暗い船内をライトで照らして進んでいく。パワードスーツを纏ったグレイの先導で辿り着いた先は、ジェネレータールームだった。

 

「教授、ジェネレーターが生きているように見えますが……」

 

「そのようだな、トキ」

 

 目の前にあるジェネレーターは唸り声のような音と細かい振動を絶えず発生させており、エネルギー自体は生産されていた。

 

「しかし、艦内にエネルギーが供給されていないようです。配線に異常がある可能性がありそうですね」

 

「まあ、電源が入っても機械の内部がイカれていると動かないのは当然ですよね」

 

「取り敢えず、調べてみよう」

 

 グレイはパワードスーツに備えられたスキャンバイザーを起動し、ジェネレーターやその周辺の配線をスキャンしてMBと共に確認していく。

 

『グレイ、ジェネレーター及び配線に異常は確認できません。エネルギーを生産し、艦内に供給することは可能なようです』

 

「そうなると、やはり……」

 

『何者かに船全体のエネルギーを吸収されている可能性があるでしょう。そうだとすれば、それが潜伏しているのはこの船の中枢と思われます』

 

「ありがとう、MB。皆、これより我々はこの船の中枢を目指す。そこに宇宙船を掌握している何者かが潜伏しているだろう」

 

 グレイの中では、この難破船に潜伏している者の正体は既に固まっていた。

 

「部隊を二つに分けよう。私とノア、トキとコユキに別れ、海兵隊をそれぞれに随伴させる。異論はないかね?」

 

 異論はなかった。二手に別れることで広い艦内を効率的に探索し、中枢への道を見つけるのだ。

 

 そして、このチーム分けには理由がある。ノアとコユキの戦闘能力はメンバーの中でも低い方であり、戦闘力の高いグレイとトキをそれぞれに付け、海兵隊も半々にすることでバランスを取っていた。

 

「トキ、そちらは頼んだぞ。必要とあらば、アビ・エシュフを使用しても構わない」

 

「かしこまりました。教授も、ご武運を」

 

 こうして、難破船の探索が始まった。




メトロイドはエイリアンの影響を受けているらしいので、エイリアンやプレデターのネタも仕込んでいきたい

ちなみに調査船ユリシーズの元ネタですが、名前の方はオデュッセウスの英語名から取ってます。装備などはスプリガンに出てくる調査船ロシナンテを参考にしました
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