ガンダムSEED DESTINY 優しくて、暖かい世界 作:^U^
ステラを帰すところまでは書きたかったけど長々しくなりそうだったので初投稿です
わかり易く良い文章が書けるようになりたいですね
あれから何時間経っただろうか
食事をすら摂らず、ずっとガイアのデータと睨めっこを続け手掛かりになる物を探していた。
(早くしないとミネルバが出航してしまう!ジブラルタルへ辿り着いたらもう終わりだ!!)
焦りでキーボードを叩く指が震え、何度も打ち間違える。
早く、早く、早く。
ガイアに記録されていた戦闘データから通信ログ、
あらゆるデータを開き、ついに目的のモノを見つけた。
(……地球軍の識別コード、それに近辺にある地球軍の基地のマップデータ……これなら……!)
見つけたデータを記録メモリにコピーし転送する。
これを使って『ネオ』と接触できればステラを───
「シン」
「───!!」
いつの間にか部屋に戻っていたレイが背後から声を掛けてきた。
レイが戻っている事に気付かなかった俺は
「……ビックリした。戻ってたのかよ、レイ」
「ああ。……何をしている」
「あぁ、これ?ちょっと調べたい事あってさ」
下手に誤魔化しても逆効果だろう。
最終的な目的は話さず何をしてるかだけをレイに説明した。
「……帰すのか?彼女を」
「……うん」
しかし淡々と俺が何をしようとしているのかを言い当てられた。
「彼女はお前を慕っている。…絆されたか?」
「そんなんじゃない!!」
確かに見知った子だからってここに連れてきた。
その子に好かれていると言われて悪い気がしなかったのも、正直否定はしない。
でもそんな下心に流されたから救いたいって思ったわけじゃ無い。
ただ、死んでほしく無い、バケモノ扱いされて好き勝手切り刻まれるのを黙って見るのは絶対に許せない事だと思ったから……
「……このままじゃ殺される。実験動物みたいに!そんなの絶対嫌だ!……止めても無駄だからな」
それだけを告げ席を立つ。
例えレイの言うことでもこれだけは聞かない。聞きたく無い。
そのまま部屋を出ようとする俺をレイが呼ぶ。
どうせやめろとか、軍旗違反だとか、そんな静止の言葉だろう。そう思った俺は構わず足を進めている。
だが、レイからの返答は俺の予想を外れたものだった。
「……まだ人の目に付く。今出るのは危険だぞ」
「え?」
いつも淡々と冷静に先走る俺を抑えるレイ。
アカデミーの頃からそんな関係だったレイから出る言葉とは思えなくてつい足を止め、振り返った。
「悪かったな。不快にさせるような事を言った」
「レイ……」
こちらを見るレイの顔はどこか嬉しそうで、でも悲しそうな、そんな雰囲気を纏わせながらそう言うレイが何を思っているのか、わからない。
そのまま歩き出したレイは
「協力してやる」と、俺の横を通り過ぎたが
ドアの前に立つと立ち止まり少しだけ振り向いた。
「協力してくれるって……俺は嬉しいけど、良いのかよ」
「どんな命でも、生きられるなら生きたい……だろ?」
そう言って、フっ、とレイは笑った。
相変わらず何考えてるのか、よくわからないけど
その言葉は少なくとも嘘じゃないって思った。
「まずは落ち着け。食事、とってないだろ」
───
あれから時間が経ち消灯時間が来た。
一部を除き皆が眠りについた頃合いに俺は医務室の入り口まで来た。
医務室からステラを連れ出し、連合の『ネオ』と接触する為に
問題は、医務室に今人は残っているのかだ。
(人がいなければそれで良い。でももし、まだ誰か居るなら……)
握り締めた自分の拳を見つめ思考する。
そして深呼吸をし、覚悟を決め、一歩踏み出した。
(……行くぞ!)
「もう消灯時間だぞ。何をしているシン」
「!…あ、アスラン……」
1歩踏み出そうとした矢先に横から声がかかった。
本当なら見回りや交代でブリッジで作業をする兵を除き殆どが寝静まる時間帯、人通りなど無い筈の廊下から何故かそこに居たアスランに声を掛けられた。
(まずい…見つかっちゃいけなかったはずなのに……!)
「あの少女の見舞いには遅い時間だが……」
「いや、あの……」
訝しむアスランを前に言葉が出ない。
レイを待たせている上に早くしないと見回りの交代が終わって動き辛くなるからモタモタしてもいられない
……仕方がない。癪に障るが、軍人として正しく振る舞う男だ。間違いなく反対されるだろうが言うしかない
「……そうです。彼女に会いきにたんですよ。」
「何の為にだ」
「返す為です」
冗談だとは思わなかったのだろう。
俺の言葉を聞いた瞬間その顔を険しくした。
「……正気か?彼女は…」
「敵だって事はわかってます。でも、このまま見殺しになんてしたくない!」
「彼女に殺された仲間だって居るんだぞ!ハイネだって!」
「わかってます!!でも……!!」
俺達の様に自分の意思で戦場に立った訳じゃない!
「……戻した所で再び戦場に立たされる可能性だってある」
「ッッ……!」
そうだ。彼らは
戦う事でしか生きられないとクレタでの戦いでアウルがそう叫んでいた。
「なら……もう保たないって、見殺しにするのが正しいんですか…?
早くしないと解剖してもデータが取れないって、実験動物にされるのが彼女の正しい扱いなんですか……!?勝手に連れて来て、また勝手に帰すなんて無責任だってのは、わかります……!でも!!」
アスランとてそれが正義であるとは思ってないのだろう。
ステラの今後の扱いを悟ったからか、その表情を歪ませた。
地球を守る為に落ちゆくユニウスセブンを少しでも破砕しようと1人残ったあの姿を思い出す。
この人だって強い正義感を持つ人だ。軍の決定に対して思う事がないわけじゃない筈だ
「……君の気持ちは、わかるつもりだ」
「!!なら…!」
「だが、駄目だ」
「アスラン……ッ!!」
…わかってはいた、賛同などされない事は。
勝手な行動は、許されない。戦争はヒーローごっこじゃない。と、そう言ったのは目の前にいるこの人なんだから。
でも…それでも、わかって欲しかったと思うのは、俺の我儘だろうか。
「俺達は軍人だ。勝手な行動は許さない」
「……」
「ちょっと、さっきから何なの?こんな時間に騒がしいわよ」
騒がしくし過ぎた。医務室から衛生兵の女性が出てきた。
背後に見える室内には、ステラを除き、目の前の彼女しかいない。
(なら、もう押し通るしか───)
この人を無力化してもアスラン相手にどれだけやれるかなんてわからない。
けど、ステラを死なせない為にはやるしかない。
こうなれば自棄だと身構えようとした直後、
「………騒がしくしてすまない。少し彼に出した指示の内容に俺と彼で齟齬があったんだ」
「……え」
思いもよらなかったアスランからの言葉に、思わず俺は困惑した
「FAITHとして、俺から出す
───
『シン、ゲートを開くぞ』
「ああ。さんきゅ、レイ」
その後ステラを連れコアスプレンダーに乗り込んだ俺たちと、ゲートを開く為に管制室へ向かったレイは発進の準備を進めていた。
FAITH命令としてアスランが同伴してくれたおかげで見張りの兵達から詰問される事もなく発進することができる。
───『彼女の容態は一刻を争う。ミネルバの出航は明日だが、聞く所によればジブラルタルへ辿り着くまで保つ可能性は低い。そこでシン、君は彼女を連れてインパルスを使い一足早くジブラルタルへ向かえ。』
───『わかっているとは思うが、周辺には地球軍の基地もある。警戒は怠るな。
艦長達には俺から伝えておく。……それと、
FAITHとしての命令、俺がステラを送り届けると言う命令。
今、ミネルバの戦力は俺とインパルスしか居ない事を考えれば正気とは思えない内容だが、
これはアスランなりの気遣いだと言うのは考えなくともわかる事だった。
「ありがとう…アスラン……」
「シ…ン……?」
「ううん、何でもない。大丈夫だよステラ」
心配そうに声を掛けるステラの頭を撫でてやり
…弱り切ったステラの身体は想像以上に軽く、顔色も青ざめていて、艦長達が話していた通りもう保たない事は素人目で見てもわかる事だった。
『シン、行けるぞ』
レイの声と共にゲートが開いた。
「ごめんねステラ。しばらく揺れるけど、我慢してね」
「……うん…シン、一緒……うれしい…平気…」
ステラは微笑み、俺の体を離すまいと弱々しくもしがみついている。
…こんなにも嬉しそうにする女の子がバケモノであるもんか。
(そうだ、死なせない……守るんだ、絶対に)
でも俺の力じゃステラを救えない。
だから救える人にこの子を託す。
きっとそれだけが俺にできる、ステラを救う唯一の方法だから……
───『僕らは戦わなきゃ生きてけないんだ!負けるなんざ許されないんだ!!』
俺と戦い、俺が殺した
確かに、あんな場所を見て、あの叫びを聞いてこんな事を思うのは、浅はかなんだろうな。
(でもきっと、この子が慕う『ネオ』なら、きっと)
「……行くよ!」
───じゃないと、悲しすぎるじゃないか
コアスプレンダーのスロットルを開け、発艦する。
続いてミネルバから射出された上半身、下半身を牽引し弱った少女に負担を掛けぬよういつも以上に慎重にインパルスへと合体を完了させ、命令に従うように見せる為ジブラルタルの方向へ駆けた
アスランこんな融通効く奴じゃないだろって?
こまけえこたあ良いんだよ(AA略)