ガンダムSEED DESTINY 優しくて、暖かい世界   作:^U^

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シンの誕生日ギリギリに滑り込みの為初投稿です


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13話

 

 

 

 

「え?お咎め無しなの?結構騒ぎになってたしもうちょいなんかあるのかと……」

「うーん…でも一応FAITHのアスランからの命令で動いたんでしょ?」

「そうらしいよ。それ含めて考えた結果じゃない?」

「それにインパルスも派手にやられたらしいし……」

 

「シンの話題で持ちきりだねぇ」

「そうね…」

 

突如シン達が起こした騒動、メイリンやヴィーノ達を始めとしたクルー達からお姫様と呼ばれていたあの子を連れ一足早くジブラルタルへ送り届けるという任務は、

連合の隊長機による待ち伏せからの不意打ちに遭い機体が破損、捕虜を奪い返され結果失敗に終わった、という結果になったらしい。

 

今までシンのおかげで危機を潜り抜けてきた分インパルスがボロボロになったというのもありクルー達の間ではその話題で持ちきりだった。

なぜ見逃されたか、それは強化人間(エクステンデッド)であるあの子の早急なメンテナンスを優先した結果トドメを刺されずに済んだんだとか…

まあ、それはきっとシンがあの子を返すために考えた方弁なんだろうけど

 

(それにもう大丈夫、よね…?あの子、もう返されたんだし)

 

あの暗い目と冷たい声で告げられた『自分が貰う』と言う発言も、もう気にしなくていい。

あの子は返され、シンは帰ってきたんだから、感じていた不安はだだの杞憂に終わった、その筈だから。

 

「お姉ちゃん、そんなにシンの事気になる?」

「は?」

「だってずぅーっと難しい顔してるし。それにしょっちゅう溜め息吐きながらシン〜シン〜って呟いてるの気づいてる?」

「は?」

「でも前まで好きとかそんな事言ってなかったよね?」

「はぁ〜〜〜!?」

 

突然何を言い出すのかこの愚妹は!?

確かにここ最近のあの子絡みで心配はしてたけどだからって別にそんな好きとかなんでそんな話になる訳!?しかも私の声真似全く似てない!

 

「なんでそうなるのよ!別に心配だっただけでそんな……」

「あっ、シン」

「聞け!」

 

私が怒鳴るのを無視するメイリンは通路の先にあるレクリエーションルームにシンとレイ、そしてアスランの騒ぎの中心の3人がいるのを見つけた。

 

「何?またシンがアスランに突っかかってるの?ホント飽きないわね」

「うーん…そんな感じじゃなさそうだけど……。でも珍しいね。あの3人が一緒に居るなんて……何話してるんだろ」

 

シンがアスランに突っかかりレイがそれを咎める。

彼らが一緒に居る事は滅多にないけど、アスランが着任した直後にはよく見たら光景がまた起きたのかと思ったけど…。

けど確かにメイリンの言う通り剣呑な雰囲気という訳でもなさそうだった。

彼らが何をしてるか気になったメイリンが休憩室(レクリエーションルーム)には入らず入口で聞き耳を立てようと向かい出した。

 

……咎めようと思ったけど、私も少し気になったのでメイリンに続く事にした。

 

「あの、アスラン」

「なんだ。任務失敗の報告なら既に聞いているぞ」

「あ、いや…そうじゃなくて…」

「アスラン。シンは貴方にお礼が言いたい様です」

「あ…おい、レイ」

「俺に……?」

 

「うっそ、シンがアスランさんに!?…でも何のお礼……?」

(やっぱり、シンはあの子を…)

 

その一言で私は確信した。やっぱり一連の騒ぎはシンが自主的にあの子を返そうと起こしたんだと。

 

逆に何かと突っかかっていた事の方が印象深かったからか信じられないと言う反応をするメイリンはしかし何に対する礼なのか今一要領を得ていないみたいだった。

 

まあ、気にかける少女のために軍から逃がそうとアスラン達まで巻き込んだなどとは、普通考えもしないから仕方ないんだけど。

 

「あの…ありがとう、ございます。色々……」

「…………別に、礼を言われるような事は何もしちゃいない。……謝りに来た、ならわからんでもないがな」

「んなっ!………〜〜!!…………すんませんでした」

「ご迷惑をお掛けしました。」

 

シンはアスランの言葉に一瞬ムッとするもそれを抑え、レイと共に頭を下げた。

それを見たアスランは溜め息を吐き、もういいとだけ告げた。

隣のメイリンは素直にアスランに礼を言い、言われた通り謝るシンが余程新鮮に見えたのか、珍しい物を見たように目を丸めていた。

 

なんて事はない光景だった。

きっともう大丈夫。色々あったけどジブラルタルに付けばしっかり休んで、怪我も治して、アスランやレイ、私の機体もちゃんと補充して貰って…

ハイネは死んじゃったけどまたこれで艦に今まで通りの空気が戻ってくる、その筈。

 

「ほら、もう行くわよ」

「えー」

「えーじゃない!この子はほんとに……」

 

渋るメイリンの背中を押して無理やり歩かせた。

「いたた!押さないでよもー!でもいいの?シンと話しなくて……」

「だからそんなんじゃないって言ってるでしょ!」

 

変な勘違いを続けるメイリンを先に行かせ、

視線を部屋へと向け、思案する。

 

(もう大丈夫。そうよね、きっと。)

 

そう考え、結構騒いだからバレたかもしれないしこれ以上聞き耳を立てるのも悪いと思いメイリンその場を後にしようとした時、聞こえてきた。

 

「シン………わかっているな?」

「……艦長にも言われました。討てるのか、って……。アンタも、そう言いたいんでしょ?」

「……ああ」

「でも正直言うと信じたいんです。彼女は自分から軍に入った俺達とは違う。死ぬのが怖くて、泣いてたんです。

それに、約束してくれから……だから、そんな事ある筈がない、って……」

「お前…そんな事を…!」

「でも!……そんな境遇だからこそ、そうやって生きるしかないって、言われた。……だから決めました。……もしそうなったら俺が止めます。何が何でも止めて見せます」

「その甘さで自分を、それ所かこの艦の皆を殺す事になるとは…!」

 

私達の騒ぎなど聞こえていなかったのか、それともただ気にしていないだけなのか、

アスランは真剣な顔でシンの行いが今後何を齎すのかそれを突き付けるように、そしてそのシンはあの子問いかけていた

 

「解ってます!……でも約束したんだ、俺が守るって!だからそうなったら!……命に替えても守ります!ステラも皆も、俺が絶対に!」

 

命に替えても、そう言うシンに対して、また不安が募り出した。

シン本人に死ぬつもりはないのはわかってる。何故かそれに対してただあの少女の言葉が過ぎってしまう。

死ぬ事を怖がっていた、と。でも私と話をしていたあの子は、まさに死が迫っているにも関わらずむしろワクワクしていたようにすら見えたあの子の様子はまるで……

 

(まさか……)

 

そこまで考えて自分でも不思議になるくらい体温がサッと低くなるのを感じた。

ある可能性に思い至った。でもそんな事普通なら考えてもやらない。怖がっていたというなら尚更。

 

(……そんな事…でも、もしかしたら…)

 

アスランもシンの言葉に何か思ったのか。シン、と何かを言いたげな声を上げるが、これ以上は平行線だと思ったのか、レイがそれを遮った

 

「もう良いでしょうアスラン。シンも。過程の話で口論など余計な諍いを起こすだけです。重ねて、ご迷惑をおかけしました。……失礼します」

 

行くぞシン、と言うレイの声を最後に彼らの会話は終わり、立ち聞きをしていた自分は慌ててその場を後にした。

 

(自分がもらうって……まさか……)

 

メイリンを追いながら考える。

もしも私があの子に感じた不安が考えた通りなら、

 

あの子はシンと共に死のうとしている

 

シンを自分のものとする為に

 

そんな事を、本当にあの少女が考えているのだとしたら

 

 

 

───

 

 

 

地球連合軍、今の私の居場所。

シンが、私に苦しんで欲しくないって、 戻してくれた場所。

体の調子の戻った私は今、新しく準備されていたスーツを身につけここで待って居ろと言われ、目の前にある大きな機械を眺めていた

 

「ここに居たのか、ステラ」

 

今私に話しかけたのはネオ。

いつも優しくしてくれて、頭を撫でて、悪いものをやっつけると褒めてくれてた人。

そのネオの後ろでじっと私を見ているスティングが一緒に居た。

でもスティングはじっと私を見てたまに首を傾げてる。もしかしてもう私のこと覚えてない?

 

すこし寂しい。……けど

 

(じゃあステラも、スティング、気にしない)

 

…同じ事をシンにされたらどうだろう?

そう思った瞬間すごく嫌な気持ちになった。

 

そんなの嫌だ。忘れて欲しく無い。

ずっとずっと私を覚えててほしい。

また会うって、たからもの取り替えっこして約束したから。

 

また会えた時に今度こそ結ばれるって決めたから。

 

(でもどうしよう。ステラ、時間無い。どうやってシンと一緒になろう)

 

 

「……気になるか?これが」

 

私が考え事しながらぼーっと眺めていた物に目を向けたネオがそう聞いてくきた。

 

今まで私が乗ってたガイアとは違う、おっきくて、真っ黒な機械。

 

「そいつはステラ、お前の新しい機体さ」

「……ステラの?」

 

ネオから本が渡された。この子の説明書みたいだ。

 

『デストロイ』

それがこの子の名前。

ガイアを無くした私の新しい機体。

どうやって会いに行こうか、ちょっと困ってたけどこの子のお陰で、またシンに会いに行けるんだね。

 

嬉しさと一緒に、ぺらぺらと、この子はどんな事ができるのか、どうやって扱うのか。本を読んで確認する

 

「次の作戦で俺たちはこのデストロイを主軸にザフトが駐留する都市を攻撃する。……ステラ、お前がこれを使うんだ」

「……」

 

ザフト、何度も何度も私達を襲うわるいやつら

シンを利用して私と戦わせるわるいやつら

 

そいつらを、やっつけに行く

 

「怖いものをやっつけに行くんだ。でないと、みんな死ぬ」

「……死ぬ?みんな、死ぬの?」

「ああ、それにあの坊主も……そうなる前に助けてやるんだ。また、会いに行くんだろ?」

 

そう言うとネオはまた何かを私に手渡して来た

紐を通して首飾りにできるようになっているシンと取り替えっこした、ステラの貝殻だった。

 

「………うん。わかった」

 

シンを死なせるなんて許さない。

お前らなんかに好きにさせるもんか。

シンは、私と一緒になるんだ

お前らなんかのために死なせるもんか。

 

「ステラ、わるいやつみんなやっつける」

「……頼んだぞ、ステラ」

「うん」

 

返事をして貝殻の首飾りを付け、デストロイの中へと入る。

 

「ステラがシン、守る。助ける」

 

この子の動かし方はわかった。

その中に良い機能を見つけた。

 

どうやって一緒になろうか、その悩みが解決した

 

待っててね、今から会いにいくから。

悪いやつらから助けてあげるから。

 

 

約束の目印(貝殻)をそっと撫で、開いていたスーツの胸元を閉じヘルメットを被り、デストロイの起動シークエンスを開始した。

 

 

『生体CPU、リンケージ良好』

『非常要員退避、X1デストロイ、プラットフォーム、ゲート解放』

 

外からアナウンスが聞こえてくる中、モニターが立ち上がりメインシステムが起動する。

解放されたゲートをデストロイが昇り、鉄とパイプで埋め尽くされた基地を映していたコックピットは雪で埋め尽くされた真っ白な外の景色が映し出した。

 

「お外、きっと、寒い。……シンも、きっと寒い」

 

そんな寒くて冷たい世界になんか居たくないよね?

 

だからシンと会えたら、まずは思いっきり抱きつこう。触れ合って、お互いに暖かさに触れれば、寒さなんてきっと感じないから。

その後は思いっきりキスをして、改めて告白しよう。私が本気でシンが大好きなんだとわからせるために。

 

そして晴れて2人は結ばれて、一緒に旅立つの。2人の世界に!!

 

「ふふ…ふふふふふふ…くふふふふふふふ……!ぁあ…!ぁは………!!」

 

ああ、楽しみ

もうすぐ、もうすぐで叶う

シンと出会ってからずっとずっと夢見てた世界がもうすぐやってくる!!

 

想像しただけで嬉しくて、幸せで笑いが込み上げてくる!

あれだけ死ぬのが怖かったのに!今では全然怖くない!!

実現したらどれだけ幸せだろう!

 

あの女もシンのことなんか好きじゃないって言ってた

だからもう邪魔する奴なんてどこにも居ない!!

 

 

「うふふ…ふぅ………行こ、デストロイ」

 

 

あなたの力を私に貸して

 

私達が結ばれる為に

私達の世界の為に

 

シンと私の2人だけの世界の為に

 

 

 

 

 

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