ガンダムSEED DESTINY 優しくて、暖かい世界   作:^U^

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某所に投下したのは前話とベルリンの話とステラの死後の話だけでしたが
出会いの話の後とかも書いた方が良いかなと思ったので初投稿です


感想、評価ありがとうございました!



2話

 

「お手数をお掛けしました。ロアノーク大佐」

「気にしなさんな、こいつらの面倒見るのも俺の仕事だしね」

 

地球軍、 第81独立機動群『ファントムペイン』

その隊長を務める仮面の男、ネオ・ロアノーク大佐

まあつまり、俺の事なんだが。

その俺が面倒見てる3人の子供…いや、エクステンデッド、もしくは生体CPUって呼ぶのが正しいか?

その中の1人、唯一の女の子のステラ。

彼女が定期的なメンテナンスの前に騒いでるからなんとかしてくれって部下から報告があり、こうして対処しに来てたってわけ

 

───

 

「嫌っ!!触んないで!これは駄目なの!!」

「オイオイ騒がしいな。どうした」

 

「それが……足を怪我してるようだったので診ようとしたんですが、あのハンカチを取ろうとした途端暴れだしまして……」

「なるほどねぇ……」

 

研究員から説明を受けた俺は、ステラを落ち着かせる為に彼女へ語り掛けた

 

……あの子があんなになるのを見るのは初めてだ。

余程、あの子の心を動かす何かがあったって事、なんだろうな

 

「ステラ、大丈夫さ。お前の大事な物、誰が取るもんか」

 

思っても居ない事を当然のように口に出し、彼女の頭を撫で、落ち着かせる

 

ステラは俺に懐いている

まるで父親にじゃれつく幼い娘のように

 

「だから、安心してお休み」

「………うん。わかった……ネオ……」

 

それを利用し騙してる俺は、

きっと碌な死に方しないだろうね

 

───

 

「見事な手腕でしたよ、今回も」

「我ながら、悪い大人だって思うよ。毎度」

「そのおかげで我々も作業が捗ってますから」

 

そんなこんなでエクステンデッド達を収納し、最適化を施す設備、『ゆりかご』にステラ達を眠らせることに成功した俺は担当してる研究員と話をしている

 

「それにしてもハンカチ取ろうとしただけであそこまで騒ぐなんてな、よほど印象に残る事が有ったんだろう」

「消去するのは一手間かかりそうですが、

まー、何とかなるでしょう」

 

人の頭を弄って、思い出を消す。

それを何でもないように話すこいつらに思う所が無いわけでもない。

だが、それが彼らの仕事で、ステラ達もそうしなきゃ生きていけない。

 

生きる事を、許されない

 

「記憶ってのは、有った方が幸せなのか、無い方が幸せなのか……」

「少なくともコレらには、無い方が幸せでしょう。

余計な記憶で効率が下がればそれこそ───ん?」

「どうした?」

「いえ……このステラ・ルーシェの記憶なんですが……」

 

ステラの?

……今日の出来事が影響してるならやはり街へ出したのは失敗だったか?

 

「彼女の記憶処理なんですがね、今まで起きた事のない事例が発生しているんです。

この強烈に刻まれてる記憶、消そうとしたら……」

 

そう言ってステラのデータが表示される

記憶を消去した場合のその後のコンディションの劣化が著しい。

逆に今の状態は効率が悪くなるどころか今まで見た事のないほど彼女のコンディションが良好である

 

「とんでもないイレギュラーですよ。こんな事例、研究所ですら見た事が無い」

「ふむ」

 

聞いた話だとザフトの少年がこの子を助けた、とか

あのハンカチもその少年があげた物だろう。

 

彼はステラをただの少女だと思っていただろうが…

 

「どうします?」

「……まぁ、良いんじゃないか?ステラはちゃんと俺のいう事は聞く、こうして帰ってきてるんだからちゃんと仕事もする気もある。

我々の仕事に役立つのならば、記憶があろうとなかろうと関係ない。あくまでコレは最適化で、ステラにとっては、これが最適だってことなんだから」

 

そう、コレが最適なら、

せめてそれだけは取り上げずに居させてやりたい

身勝手極まりないエゴだが、俺はそう思った。

 

「ただまぁ…そうだな、ザフトの少年ってのは少しまずい。

『偶然出会った街に住んでる少年に助けられた』、その程度の改竄はしといてくれ。できるか?」

 

「はぁ……それくらいなら……」

 

頼むな、と声をかけ部屋を出る。

ドアが閉まると同時にふぅ、と息が出た。

 

「色々と、嬉しい誤算ってやつかな?」

 

部品としての性能を存分に発揮できる生体CPUとしての良好な状態。

部品にされ、死を恐れながらも戦地へ向かわされるステラ・ルーシェという少女に贈られた、人としての美しい思い出。

 

「ありがとう、と言っておくよ。名前も知らないザフトの少年」

 

皮肉にも敵でありながらそれを与えてくれた少年に、勝手ながら感謝せずには居られなかった。

 

 

───

 

………覚えてる。

 

大事な事、好きな人の事、忘れないでいられてる。

彼がくれたハンカチがその証だ

怪我した足をこれで覆ってくれたのだ

 

「うふふ…」

 

嬉しい、嬉しい、嬉しい。

 

こわいものやっつけて、眠って、また、やっつけにいく

そんな事しか覚えてない私が、初めてそれ以外の事を覚えていられてる

 

「あはははは…!」

 

好きになった人との思い出だ

海で出会った、()()()()()()()()()彼との思い出だ

 

……?一瞬へんな感じがしたけど気のせいだろうか

 

まあ、いいや

 

「もっと、がんばろ。」

戦って、こわいもの、わるいやつらをやっつければ、

そうすればまた、彼と会えるかもしれない

 

「そしたら、今度、ちゃんと言いたい」

 

好きです、ステラと一瞬になってください。

ステラと一瞬に、死んでください。

 

この想いを、優しくて、愛しいシンに。

 

「起きたか、ステラ」

「お寝坊さん、ようやくお1人ご到着〜ってね」

「よーし、全員揃ったな。じゃあ、仕事といこう」

 

『また会おうよ。…っていうか、会いに行く!』

 

待ってるね、シン

ステラ、わるいやつやっつけて、シンが来てくれるの、待ってるからね

 

「うん……!ステラ、頑張る……!」

 

 

 




「余計な記憶で性能が落ちたら効率が悪くなる」というのが原作における記憶処理についての発言でした
このステラはシンへのド級の一目惚れによって脳が焼かれたことで強烈なモチベアップにより下手に記憶いじったらなんか逆に効率落ちね?という感じのやつです

ネオも気にかけているので消さないで済むならせめてそのままでいさせてやりたいみたいな
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