ガンダムSEED DESTINY 優しくて、暖かい世界   作:^U^

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SS執筆者のみなさんすげえなあとおもいつつ初投稿です



4話

 

「えぇー!?シンが連合の兵を医務室へ!?」

 

地球軍が破棄したと思われるロドニアのラボへ突如襲撃してきたガイアへ、アスランと共に対処する事を命じられたシン・アスカが、対象の無力化に成功したはいいものの、そのパイロットをミネルバへ連れ帰ってきたと言う報告がアーサー越しに聞こえてきた。

 

兵を連れ医務室へ向かうと聞き覚えの無い少女の声が、何かを叫んでいるのが聞こえてきた。暴れているだろう。

武装した兵が私の前に出て医務室のドアを開ける。

 

「離せェ!!邪魔!!!するなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ステラ!落ち着いて!!」

 

そこにはやはり連合の服を着た少女がもがいている。しかしそれを取り押さえているのは赤を着ているはずのシンではなく数人の衛生兵。

 

「なんでここ!!シンがいる!!?!

お前ら離せ!!シンのとこ行かせろ!!!」

「暴れないで!!その人達は大丈夫だから!俺はここにいるから!!」

 

敵であるはずの少女が、敵であるはずのシンの名を呼び、シンを求めていると言う異様な光景

シンは暴れる彼女を只落ち着かせようとしている。

 

「シン!コレは一体どう言う事!!」

 

兵に鎮静剤を準備させ、シンに問い詰めるも彼女へ意識が向いているのか返答はない。

このままでは埒が開かない。

まずは少女を大人しくさせる事を優先した。

 

「シン!!ステラね!?シンに「大人しくしろ!!」……ぁ…」

「ステラ!!」

 

薬を射たれ、その効果が回りステラと呼ばれた少女は気を失う。

彼女をベッドに拘束し、シンを艦長室へ連れて行くように指示を出した

 

「話は部屋でゆっくり聞かせてもらうわ。良いわね?シン」

「…………はい。」

 

 

───

 

 

「……それで?以前ディオキアでの休暇の際、救助したのがそのステラという少女で、当時の貴方は現地に住んでいる一般人としか思っていなかった。そういう事ね?」

「はい。そうです」

 

大体の事情はわかった。

知り合いがまさかガイアに乗っていたから治療を施したかった。そして、あの少女が異様なまでにシンに執着していたのも、その時の事を覚えていたから、と言った所だろう。

 

「しかし個人の判断で敵兵を勝手に連れてくるなどあってはならない事よ。彼女の関心が貴方に向いていたから被害は無かったものの、クルーへの被害が出ていたら、貴方はどうするつもりだったの!?」

「っ…」

 

返す言葉も無いようで、シン苦虫を噛み潰したような顔をしている

 

「………あの子の力を見てたでしょう。衛生兵とはいえコーディネイターが数人掛かりでようやく取り押さえられる程の膂力、アレを見て普通の少女だとはまず思えないわ」

 

そして、ザフトの技術で造られた最新鋭の機体、セカンドシリーズの1機ガイアを操る程の操縦技術。

どれをとってもナチュラルの少女にできるような事では無い。あの施設で得た情報と合わせて考えるに、あの少女は恐らく……

 

「あの子は連合のエクステンデッドよ。十中八九ね」

「そんな………!!」

 

信じられないと言った様子をシンは見せる。

直後に通信が入る、医務室からだ。

 

「何?」

『艦長に見てもらいたいものがあります』

 

医務室からだ。

シンに目配せし、付いてくるように促した

 

 

 

───

 

「様子はどう?」

「今は薬が効いて眠っていますが、それも効きが悪くいつまで保つかは解りません。血液から成分を調べましたが、やはりと言いますか驚くべき結果ばかりですよ」

 

艦長と共に医務室へと戻ってきた俺は先生の報告を聞いている艦長達を尻目に眠っているステラを見て驚愕した。

腕、足、身体。

全身をベッドに縛り付けられた彼女の姿がそこにはあった。

 

「何ですかこれ!?彼女は怪我人なんですよ!!そりゃあさっきは興奮して……!」

「そういう話では済まんのだ」

「……シン、さっきの話は忘れたの?」

 

そう言われ、艦長からタブレットを渡される。

書かれている内容の全てはよく解らないが、

何かの基準値があり、それを大きく上回っていたりしているというのだけはわかる。

さっきの会話に出ていた驚くべき結果とはこれのことだろう。

……それにしたって、こんな……!

 

「通常、人間が持つ成分の数値を異常な程上回っていたり、人間が持つ筈のない成分を持っていたりと。」

「人為的にこうなった。そうね?」

 

その言葉に頷く先生。

やはり、艦長の予想通りステラは……

 

「ん……ぅう……」

「ステラ!」

 

薬の効果が切れたのか、今まで眠っていたステラが目を覚まそうとしている。

俺を叫び、もがいていたのを見ていたからか、艦長や先生は一度距離をとった。

 

「ここ……」

「ステラ、大丈夫かい?」

 

あの時のように、怖がらせないように、

落ち着いて彼女に声をかける。

意識が戻った彼女は俺を見てその顔を綻ばせた。

 

 

「ぁ…シン……!」

「うん、俺だよ。…久しぶり、ステラ」

「シン…!シン……!!会いに、きた?」

「うん、約束したろ?また会おう、って」

「うん…!」

 

嬉しそうに笑う彼女の姿からは、先程までの錯乱した様子は見られない。

短い時間だけど、あの海で共に居た頃と何も変わらない普通の少女そのものだ。

そんなステラが、強化人間だなんて……!

 

「ステラね、守りにきたの………。アウルのおかあさん………。

ざふと、わるいやつだから、ロドニアの、おかあさん、ステラが……」

 

ロドニア、彼女はそこにいる『おかあさん』を……

研究員であろう人物を救いにガイアに乗った、という事だろう。

アウル、あの時ステラを迎えに来てた少年の『かあさん』を守るために。

やはり彼らも彼女の様に───

 

………あそこに居たのは、実験台だった少年達に研究員、それらの死体しか無かった。

そこにそのお母さんが居たかどうかは、俺達にはわからない。

そんな事実を、この優しい少女に知らせるわけにはいかない。

 

「大…丈夫……だよ……。あそこには、誰も……誰も居なかった…

…だから君の、友達のお母さんもきっと、無事だ………。だから、大丈夫。

……だから………」

「………よかった………………」

 

俺の言葉(うそ)に安心したのか、彼女は笑ってくれた。

……彼女の優しさを踏み躙るような行いをする自分に嫌気が刺す。

そして、こんな優しい少女を道具にする連合に怒りが沸いてきた。

 

「………………!」

「…ステラ?」

「………シン。アイツら、何?……何でシン、そんなの着てる?」

「……え?」

 

背後に控えた艦長達、そして俺が着ている赤服を目にしたステラの目が見開き、声色が変わる。

俺が知ってる少女と同じものとは思えない、冷たく、恐ろしささえ感じる声だ。

「ステラ…?何言って……」

「ねえ…!あんた達、なんでシンにこんなの着せてる!?」

「なっ何を………」

「……ドクター、薬を」

 

「シンは!!街で暮らしてる!!こんなとこ居ない!!!お前らシンに何をしたァァァァァァ!!!」

「シン、彼女を抑えて」

 

俺がザフトの服を着ている事に怒っている……?街で、暮らしてる……?

彼女の言葉の意味がわからない。

 

━━━━━

 

『どうも、ザフトの方にはお世話になりました』

 

━━━━━

 

彼女は、あの迎えに来たお兄さんを通して

俺がザフトの関係者だというのは知ってる筈だ。

 

彼女の言葉は理解できないが、無理矢理抜け出そうと暴れる彼女を

艦長に言われるまま抱き締め落ち着かせようと声をかけた。

 

「ステラ!大丈夫、大丈夫だ!俺は何もされてないから……!」

「シンは私とぉおぉおぉおおおお!!」

 

その思いも虚しく結局激昂し続ける彼女は薬によって再び眠りについた。

 

 

───

 

「………彼らからステラの記憶を、消しておいてくれ」

 

ステラは戻ってこなかった。

戻らない彼女を心配し、アウル達まで勝手に動こうとしていた。

隊長として、そして彼らの『使用者』としてその様な行いは許すわけには、いかなかった。故に、彼らをゆりかごに入れ調整を施している。

 

「えぇ…!?それは流石に………手間がかかりますよ?」

「わかっている。だが必要な事だ。……………頼むよ」

「まあ、やれるだけやりますが……」

 

俺の指示に驚く様子を見せたが良心が咎めたという訳ではない。ただ、面倒な作業を押し付けられた。

そんな不満を漏らしただけのクソみたいな反応だ。

…………こんな指示を出す俺も、大概か

 

「所詮は付け焼き刃、か」

 

戦う事でしか生きられない。

そんな道具でしかない彼らに人らしさを残そうと思った俺が、おかしいんだろうな。

だが、それを止める気にもなれない。

 

━━━━━

 

『シン………!』

 

『いつ会えるかな、ステラも、会いに行くからね……』

『なら、その少年にまた会う為にも、頑張らないとな、ステラ?』

『うん………!』

 

━━━━━

 

 

シン、というらしい例の少年を想うステラは、とても幸せそうだった。

勝手だが、彼女の為にせめて、祈ろう

 

 

「会えているといいな、ステラ」

 

 

あの子が恋した少年と出会えている事を、せめて、祈ろう

 

 





ヤンデレとは包丁振り回す目が死んだやばい女みたいな風潮が強くて
ようやく自分が思うヤンデレっぽい描写が少しはかけたかもしれないとおもいました(小並感)
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