毎日二度寝&遅刻JKは異世界に転生して最強の女性剣士の体になるも、寝ないと力とセクシーな体を保てないようです。   作:わたあめめろん

5 / 6
ローリアのお墨付き

 夏芽は、起きてすぐ、騒がしい方向へと歩いていった。

 最初は、「何か楽しいことでもやっているのかな」と思っていた夏芽だったが、だんだん近づいていくと、「キャー」や、「ギャー」といった悲鳴と銃声や、叫び声も聞こえてきた。

 それにしてもそんなに人の叫び声が聞こえてくるのは違和感があった。

 夏芽が、昨日の夕方に街を歩いていた時は、誰も外を歩いていなかったのに、朝になると、こんなにも声が聞こえてくるなんて。

 夏芽が歩みを進めると、豪邸に並んだ住宅から、前世にも見たことのあるような飲食店や、服屋などが、ポツポツと建てられていた。

 しかし、それらの店には全てシャッターが閉められ、ただただ独り歩く夏芽の孤独感をより増していく。

 さらに、悲鳴と銃声で恐怖感も増してくる。

 そして、夏芽が騒がしいところに着いた時、そこは、商店街の入口だった。

 「この中から声が聞こえているな…」

 しかし、アーケードの中を外から覗いても、人はいない。

 どうやら、アーケードの外の声が響いているのだろう。

 アーケード内に入ると、コツ、コツ、という夏芽の足音と、人の血の匂いが充満していた。

 「な、生臭い……うっっ……でも!」

 ずんずん進んでいくと、向こう側の出口が見えた。

 太陽の光がちょうど出口に当たって、外の様子が見えなかったが、ここから聞こえているに違いない。

 夏芽は、剣を軽々持ち上げてアーケードの外へと向かった。

 

 「やめろぉぉぉぉ!」

 「キャーー!!死にたくないっ!!!」

 アーケードの中から夏芽が見た景色は驚きだった。

 大きな空き地のようなところで、一角を付けて、金棒を持った小さな鬼が三体、人を攻撃していたのだ。

 子鬼は、瞬間移動をして、人を金棒で打ったり、紫色の魔法陣のようなものを地面に張って、そこから、火、渦潮、岩を出して、逃げ回る人々をいじめぬいて遊んでいた。

 「た、大変だ!!!ど、どうしよう…」

 剣を持っているのは私だけだけど、私は夜、術を使いこなせなかった……。

 自分は、選ばれた人ではなかった…。

 という気持ちがぐるぐると頭の中を駆け回り、軽々持っている剣を見た。

 その剣は、太陽で光が反射されて、光の筋が、生まれていた。

 その筋は、ただ光を反射しているだけではなく、光の中に、モヤモヤとしたものが、あるように見える。

 そして、その剣を見つめながら、夏芽は独り言を言った。

 「みんなを、助けたい……けど、どうすれば……私、うまくできるの……?」

 「大丈夫!あなたならこの剣の最強の使い手になれるわ!信じて!」

 何者かの声が聞こえた。

 決してクリアな声では無かったが、その声は、この悲鳴が飛び交う場所では透き通って聞こえた。

 その声は、剣が反射している光の筋のモヤから聞こえているようだった。

 「ん、あなた、だれなの?」

 「私は、ローリア。剣豪剣豪ともてはやされたあのローリアよ」

 ローリア、、、そうか、私の前身……。

 「なんでいまさらあなたがそんなことを言えるの?」

 「ふふふ。私には分かる。あなたには最強の剣豪になれる力があると。信じて。もと剣豪からのお墨付きよ!!」

 本当に自分が聞いているかもわからないその声に、夏芽は何故か元気をもらった。

 「私、あと一歩踏み出していいのね?」

 「ああ、当たり前よ。人を守るのが、本当の剣豪の役目だからね。おっと、はやくしなさい!私はもう消えるわよ!」

 「うん!ありがとう!」

 夏芽は、空き地への一歩を踏み出した。

 きっと、この人たちを救えると胸に秘めて。

 そして、空き地に片足を踏み出そうとした時、空から声が聞こえた。

 「はいってきちゃだめー!!!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。