ホシノ「私で童貞捨てたくせに……」「童貞ですけど!?」 作:群缶
Vol.1はホシノがメインヒロインでしたが、Vol.2からは違います。
サブタイでモロバレですが、そういうことなので、もし「ホシノ以外といちゃつくな!」となる方はVol.1の綺麗な? 主人公のイメージのまま、「思い出の中でじっとしていてくれ……」という言葉と共にそっと閉じてください。
番外編などではホシノメインだったり、他の子の話も触れる予定です。
……OK? しっかり注意しましたからね? 「思い出にはならんさ……」という方や、それでも良い方にはこの言葉を。
————このプロローグ以降、Vol.2の物語には“重大な欠陥と矛盾”が含まれています。疑うことを忘れずにお楽しみください。————
プロローグ:這いよる? ユメ先輩 ← ???
混沌。まじ混沌。
今この場に起きていることを単語だけで説明するなら、これが1番正しいと思う。
陽が落ちてきて、少し暗くなってきた病院の一室。ベッドの上で起き上がった俺。
右を見れば。
「嬉しいですが! 話したいこともいっっぱいありますが! 今はそれより先に!! シュウ先輩から離れてください!!!」
ぷんすこぷんすこ、と威嚇するように怒る小鳥遊先輩ことホシノ。
ほんの数分前まで泣きそうで嬉しそうという矛盾した顔で、2度と会うことが叶わない“先輩”との再会に困惑しながらも喜んでいたのに。
今ではこの有様。
ふしゃーっ! と威嚇して、俺の後ろに隠れた自分にとっても“先輩”となった人へと真相を聞き出そうとすごい勢いで喋っていた。
一方で、その先輩。ホシノはもちろん、自分と比べても身長は高めで、膝ほどまで伸びた緑がかった薄い水色ロングヘアーが特徴。表情はとても豊かで、つい甘えたくなるような優しさと雰囲気をもつ、意外と頼りになる……なるはずの女の子は。
「ひい〜ん!! ホシノちゃんが怖いよぉ……見た事ないくらい怒ってるよぉ!」
「おこです! 怒るに決まってるでしょう!? だって」
目を“><”みたいな感じにして泣きべそをかいていた。俺の背中に隠れて。
これだけなら、まぁ。いいんだよ。でもね、他が良くないんだ。
俺が目覚めるまで自分がたった1人しかない個室の病室。余計なことを言った悪い大人の言葉と、今の状況。
「“素っ裸”でシュウ先輩に抱きつくなぁーー!!!」
「違うのぉ! ホントに誤解なんだってばぁ〜〜!!」
病衣を身に纏っている俺に対して、文字通り裸の先輩。俺の背中に隠れるようにしているのは、そういうわけ。
で、それを見たホシノがブチギレた。いや浮気とかじゃないし、もっと言えば俺も混乱しているのだ。
だって、この人は消えたはずで。
困惑したままの俺をよそに事態は、刻一刻と進むもので。ぷんすこ怒っていたホシノの矛先は俺へと向いていた。
「シュウ先輩も何を呑気な顔してるんですか!?」
「え?」
「おっぱいですか!? “ユメ先輩”のおっぱいがそんなに気持ちいいんですか!!??」
「いや、ちが」
「私のおっぱいですらあんなに夢中になるんですから、凶悪なユメ先輩の毒牙にかかったらシュウ先輩は即死ですよ!?」
「待って」
「ぅえ? ……シュウくん、私のおっぱい好きなの?」
ぎゅむ、と背中にくっついていた感触が強くなって、真顔になる。
「待ってくれ」
「よりくっつくなぁぁ!!」
ぐわん、ぐわん。
ホシノに体をゆすられるたびに世界が揺れる。そして感じる背中に当たった大きな、大きな母性。
「……ぁ、んっ」
そして裸故にとある部分が擦れて、顔を赤くして悩ましげな声を出すユメ先輩。
でもって。
「〜〜〜〜っ!!!」
マジでブチギレる3秒前の顔をしたホシノ。
「…………シュウ、ホントに最低だよ」
絶対零度の目線と侮蔑の言葉を少し離れたところから、とんでもない豪速球で投げてくる先生。
「クククッ……クク、クククッ……素晴らしい! やはり貴方は素晴らしいッ!」
愉悦。もうそうとしか表現できない顔で腹を抱えて笑いながら、意味もわからない賞賛を送ってくる黒服。
なんでお前がここにいるんだよ、とか。先生、まずは助けて? とか言いたいけど、とりあえず。
「…………寝るか」
「逃げないでください!!」
「もう良い夢は見れないよ!? 私をひとりにしないでぇ〜〜!!」
パタン、とベッドに体を預けて目をつぶる。
きっとこれは悪い夢。いや、ユメ先輩がいるなら良いものなんだけどね。
状況的に悪夢。うん、俺にとってはね。
次回、“Vol.2 L.並行世界のラブロマンス”。開幕です。
お楽しみに!