ホシノ「私で童貞捨てたくせに……」「童貞ですけど!?」   作:群缶

39 / 71
    ▽作者より読者の皆様へ▽

Vol.1はホシノがメインヒロインでしたが、Vol.2からは違います。

サブタイでモロバレですが、そういうことなので、もし「ホシノ以外といちゃつくな!」となる方はVol.1の綺麗な? 主人公のイメージのまま、「思い出の中でじっとしていてくれ……」という言葉と共にそっと閉じてください。

番外編などではホシノメインだったり、他の子の話も触れる予定です。


……OK? しっかり注意しましたからね? 「思い出にはならんさ……」という方や、それでも良い方にはこの言葉を。


————このプロローグ以降、Vol.2の物語には“重大な欠陥と矛盾”が含まれています。疑うことを忘れずにお楽しみください。————





Vol.2
プロローグ:這いよる? ユメ先輩 ← ???


 

 

 

 

 混沌。まじ混沌。

 

 今この場に起きていることを単語だけで説明するなら、これが1番正しいと思う。

 

 陽が落ちてきて、少し暗くなってきた病院の一室。ベッドの上で起き上がった俺。

 

 右を見れば。

 

 

「嬉しいですが! 話したいこともいっっぱいありますが! 今はそれより先に!! シュウ先輩から離れてください!!!」

 

 

 ぷんすこぷんすこ、と威嚇するように怒る小鳥遊先輩ことホシノ。

 

 ほんの数分前まで泣きそうで嬉しそうという矛盾した顔で、2度と会うことが叶わない“先輩”との再会に困惑しながらも喜んでいたのに。

 

 今ではこの有様。

 

 ふしゃーっ! と威嚇して、俺の後ろに隠れた自分にとっても“先輩”となった人へと真相を聞き出そうとすごい勢いで喋っていた。

 

 一方で、その先輩。ホシノはもちろん、自分と比べても身長は高めで、膝ほどまで伸びた緑がかった薄い水色ロングヘアーが特徴。表情はとても豊かで、つい甘えたくなるような優しさと雰囲気をもつ、意外と頼りになる……なるはずの女の子は。

 

 

「ひい〜ん!! ホシノちゃんが怖いよぉ……見た事ないくらい怒ってるよぉ!」

 

「おこです! 怒るに決まってるでしょう!? だって」

 

 

 目を“><”みたいな感じにして泣きべそをかいていた。俺の背中に隠れて。

 

 これだけなら、まぁ。いいんだよ。でもね、他が良くないんだ。

 

 俺が目覚めるまで自分がたった1人しかない個室の病室。余計なことを言った悪い大人の言葉と、今の状況。

 

 

「“素っ裸”でシュウ先輩に抱きつくなぁーー!!!」

 

「違うのぉ! ホントに誤解なんだってばぁ〜〜!!」

 

 

 病衣を身に纏っている俺に対して、文字通り裸の先輩。俺の背中に隠れるようにしているのは、そういうわけ。

 

 で、それを見たホシノがブチギレた。いや浮気とかじゃないし、もっと言えば俺も混乱しているのだ。

 

 だって、この人は消えたはずで。

 

 困惑したままの俺をよそに事態は、刻一刻と進むもので。ぷんすこ怒っていたホシノの矛先は俺へと向いていた。

 

 

「シュウ先輩も何を呑気な顔してるんですか!?」

 

「え?」

 

「おっぱいですか!? “ユメ先輩”のおっぱいがそんなに気持ちいいんですか!!??」

 

「いや、ちが」

 

「私のおっぱいですらあんなに夢中になるんですから、凶悪なユメ先輩の毒牙にかかったらシュウ先輩は即死ですよ!?」

 

「待って」

 

「ぅえ? ……シュウくん、私のおっぱい好きなの?」

 

 

 ぎゅむ、と背中にくっついていた感触が強くなって、真顔になる。

 

 

「待ってくれ」

 

「よりくっつくなぁぁ!!」

 

 

 ぐわん、ぐわん。

 

 ホシノに体をゆすられるたびに世界が揺れる。そして感じる背中に当たった大きな、大きな母性。

 

 

「……ぁ、んっ」

 

 

 そして裸故にとある部分が擦れて、顔を赤くして悩ましげな声を出すユメ先輩。

 

 でもって。

 

 

「〜〜〜〜っ!!!」

 

 

 マジでブチギレる3秒前の顔をしたホシノ。

 

 

「…………シュウ、ホントに最低だよ」

 

 

 絶対零度の目線と侮蔑の言葉を少し離れたところから、とんでもない豪速球で投げてくる先生。

 

 

「クククッ……クク、クククッ……素晴らしい! やはり貴方は素晴らしいッ!」

 

 

 愉悦。もうそうとしか表現できない顔で腹を抱えて笑いながら、意味もわからない賞賛を送ってくる黒服。

 

 なんでお前がここにいるんだよ、とか。先生、まずは助けて? とか言いたいけど、とりあえず。

 

 

「…………寝るか」

 

「逃げないでください!!」

 

「もう良い夢は見れないよ!? 私をひとりにしないでぇ〜〜!!」

 

 

 パタン、とベッドに体を預けて目をつぶる。

 

 きっとこれは悪い夢。いや、ユメ先輩がいるなら良いものなんだけどね。

 

 状況的に悪夢。うん、俺にとってはね。

 

 

 

 

 

 

 






次回、“Vol.2 L.並行世界のラブロマンス”。開幕です。

お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。