ブルーアーカイブ -灰の翼-   作:空素

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あらすじ

覆面水着団再来!

因みに、イヴ(シスター)は特殊装甲です



EP-34 私たちの物語

「包囲、されてしまいましたねぇ…」

 

周辺一帯を取り囲むトリニティとゲヘナの連合軍とも呼べる集団を前に、ヒヨリは身を竦ませる。

 

「これはちょっと厳しいんじゃない、リーダー?」

 

ミサキもまた、険しい表情をしている。

 

「知ったことか。無限に増殖するユスティナ聖徒会の前では等しく無意味」

 

アリウス・スクワッドの周囲に、次々とユスティナ聖徒会──その複製(ミメシス)が姿を現し、続々と増え続ける。

 

「…むしろ好都合だ。アズサも、レイヴンも、この場の全員に知らせてやれ」

 

確かに、トリニティとゲヘナの連合軍は圧倒的な数だが、それでも無限には程遠い。

 

「この世界の真実を…殺意と憎しみに満ちたこの世界で、あらゆる努力は無駄なのだと」

 

聖徒会のミメシスは無限であり、無尽蔵。

どれだけ倒されようと、倒したそばから復活し、増殖して行く。

 

「足掻こうと何の意味もない、全ては虚しいものなのだということを!!」

 

レイヴンのようなどれだけ強い者であっても、限界は存在する。

無限を前に、有限な、限界あるものは何をしようと無意味であり、無駄なのだ。

 

「……」

 

その言葉を聞いていたヒフミは、先生へと視線を向ける。

先生はヒフミの視線に頷き返す。

 

「ヒフミ…」

 

アズサの声に応じるように、ヒフミは振り向く。

その表情は真剣そのもの。

 

「アズサちゃん、私は今すごく怒っています。すっごくです」

 

「……」

 

ヒフミの言葉を受け、アズサは申し訳なさそうに俯く。

 

「ですが…それ以上に、無事でよかったです」

 

そう言うとヒフミは俯いたアズサに優しく微笑みかけた。

 

「すっごく怒ってましたが、よく考えてみればそれはアズサちゃんのせいではありません。ですから、私はもう怒っていません」

 

ヒフミの柔和な笑顔に、アズサも緊張がほぐれたのか、僅かに表情が和らぐ。

 

「ヒフミ…」

 

一転して、ヒフミは真剣な表情に戻り、アズサから視線を変える。

ヒフミが視線を向けたのは、アリウススクワッド──そのサオリだった。

 

「ですが、あの方についてはまだ怒っています」

 

対するサオリは、相変わらずの無表情であり、無機質な視線をヒフミに注ぐ。

その鋼鉄の刃のような冷たく鋭い視線に曝され、緊張しつつも、ヒフミは拳を握って言葉を続ける。

 

「殺意ですとか、憎しみですとか…それが、この世界の真実ですとか…」

「それを強要して、全ては虚しいと言い続けてましたが…」

 

ヒフミは、意を決して前に進み、雨に濡れた瓦礫の上に立つ。

 

「それでも、私は──!!」

 

 

 

 

 

 

アズサちゃんが人殺しになるのは嫌です……。

そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです。

それが真実だって、この世界の本質だって言われても、私は好きじゃないんです!

 

私には、好きなものがあります!

平凡で、大した個性もない私ですが……自分が好きなものについては、絶対に譲れません!

 

友情で苦難を乗り越え

努力がきちんと報われて

辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!

苦しいことがあっても……誰もが最後は、笑顔になれるような!

そんなハッピーエンドが私は好きなんです!!

 

誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせます!

私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!

終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!

 

私たちの物語……

 

私たちの、青春の物語(BlueArchive)を!!

 

****************************

 

空へ向かって指を指すヒフミの頭上では、先程までずっと降り続いていた雨が止み、瞬く間に暗雲が四散していく。

そうして空は、雲一つない澄み渡る青空が広がっていた。

 

その光景を見た私は、思わず口から笑みがこぼれた。

 

これまでも、このキヴォトスでは常識では測れない事象に度々、直面して来た。

だが、これ程までに都合が良く、またタイミングの良い現象は初めてだった。

 

その様は正しく──。

 

「あ、雨雲が…」

 

この事象に直面して、最も狼狽えているのは、アリウススクワッドだった。

 

「気象の操作…?いや、これは…」

 

「き、“奇跡”、ですか…?」

 

神の御業、或いは、聖人が齎すという超常現象そのものだった。

 

「っ、奇跡なんて無い!何これ…!」

 

先程まで、ずっと無表情だったアリウススクワッドの一人が、まるでこの現実を受け入れられないかのように、あからさまに動揺していた。

 

[“ここに宣言する”]

 

そんな中、先生が声を発する。

先生の声は、澄み渡る青空の下、よく通った。

 

[“私たちが、新しい『エデン条約機構(ETO)』”]

 

そう、宣言した。

 

「なっ…!?」

 

アリウススクワッドのリーダーと思しき生徒が、驚愕に顔を歪める。

 

先生がどういった理屈でエデン条約を締結したのかは、私には詳しいことは分からない。

 

きっと、ハナコやセイアであれば、何かしらの推測が出来たのだろうが……。

 

私に分かることといえば、エデン条約は元々、連邦生徒会長が作るはずのものであり、同じく連邦生徒会長が設立したシャーレという超法規的機関には、その代わりになれるような権力があるのだろう、ということ。

 

アリウスが──その後ろにいるゲマトリアが、自分たちの都合の良いように曲解し、捻じ曲げたように、先生もそれをやり返したのだろう。

 

そして、その影響は聖徒会の複製(ミメシス)にも現れる。

 

「…リーダー、ユスティナの統制がおかしくなってる」

 

「!!」

 

アリウスの周囲のミメシスが、明滅し始める。

それは、まるで存在を維持できなくなっているかのように。

或いは、銃口を向けるべき敵を見失ったかのように。

 

エデン条約の調印によって顕現したミメシスが、先生が行った調印の上書きとでも言うべき行為によって、存在が不安定になることについては、説明は不要だろう。

 

「こ、混乱していますね…エデン条約機構(ETO)を助けるというのが戒律、しかし今はETOが二つあって…」

 

アリウススクワッドの一人が、分かりやすく説明してくれる。

なるほど、完全に上書きした訳ではないのか。

 

それでも、彼女も言った通り、混乱は顕現したミメシス全体に、波のように伝播していく。

敵を見失ったかのような挙動をするものもいれば、存在が不安定になるものもいる。

 

アリウスが手にした、無限の軍隊は、今や既に瓦解しているも同然の状態と言えるだろう。

 

「っ、知ったことか!」

 

しかし、それを否定するように、アリウスのリーダーが声を上げる。

 

「ハッピーエンドだと!?ふざけるな!そんな言葉で、世界が変わるとでも!?」

 

追い詰められたような必死の形相で、リーダーの生徒はヒフミを睨み付ける。

怨嗟と憎悪が籠っているような形相は、ヒフミがトリニティの生徒だからこそのものなのか、或いは単に、その言葉を受け入れられないからなのか。

 

「それだけでこの憎しみが、不信の世界が変わるとでも言うつもりか!?何を夢のような話を…!」

 

今にも距離を詰めて掴みかかりそうな勢いのアリウス生徒に対し、ヒフミを守るように先生が前に出る。

 

[“生徒たちの夢を…その実現を助けるのは、大人の義務だから”]

 

「…っ!」

 

[“私は生徒たちが願い、祈る夢を信じて、それを支える”]

 

[“生徒たち自身が、心から願い、祈る夢を”]

 

……前置きはこのくらいで良いだろう。

ここから先は、一触即発。

戦闘開始まで、秒読みだ。

 

その前に、私は言っておきたいことがあった。

 

「アリウススクワッド──いや、錠前サオリ」

 

先生に続くように、私は声を上げる。

 

先生に向けていた忌々しげな視線が、私へと注がれる。

 

「あなた達の言葉を、思いを、私は否定しない。間違ってるとも、思わない。だが、それを私たちに強要したいのなら、知らしめたいのであれば──」

 

「私たちに勝って、力を示せ。今この瞬間は、力こそが全てだ!!」

 

先生は目覚めてから、壊滅しかけていたトリニティとゲヘナを立ち直す為に奔走した。

生徒たちの導きとなった。

そうして、この状況を作り上げた。

 

「ッ!言われずともやってやる!トリニティも、ゲヘナも、邪魔をするシャーレもレイヴンも、お前たち全てに打ち勝ち、我々の憎悪を刻んでやる!!」

 

ここからは、私の仕事(戦い)だ。

 

私は先生へと視線を向ける。

先生が頷き、それに応えるように、私も頷く。

 

先生が導き、私が戦う。

 

いつものように、それを全うする。

 

憤怒と憎悪に溢れるサオリが、銃を構えてこちらを睨み付けている。

その周囲に、まるで呼応するかのように、いまだ制御下に置かれているミメシスが顕現する。

どうやら個体差があるようだ。

その他にも、アリウス生徒も残っているし、何か嫌な気配を“猟犬の耳”が感じ取っている。

 

先ずは頭数を減らすところから切り込むべきだろう。

 

チラリと視線を向ければ、先生の元には補習授業部が集まっている。

先生は補習授業部を指揮するようだ。

それなら都合が良い。

 

「先生!補習授業部!」

 

いつぞやの、ゲーム開発部との共闘の経験が活きそうだ。

 

「私が先行して切り崩す!後ろから着いて来てくれ!!」

 

叫ぶと同時に、私は地面を蹴る。

 

相手が待っていてくれるはずもなく、ミメシスと、スクワッドではないアリウス生徒の混合部隊が雪崩れ込んでくる。

 

それを迎え撃つべく、私は突っ込む。

返事を聞く間も無かったが、きっと補習授業部と先生なら着いて来てくれる。

 

アリウス生徒を蹴り飛ばした私へと、すかさず左右から銃口が向けられるが、それを体勢を低くすることで、同士討ちを狙う。

それが出来ずとも、仲間を撃ってしまう危惧から一瞬、動きが止まる。

その隙に、左右に左手の銃──変形銃、Eyes of Ravenのショットガン形態の散弾を浴びせる。

 

それにより、少なくとも私の周辺の敵の動きは止まる。

 

──止まる、はずだったのだが、どうやら“アタリ”を引いたらしく、一発の銃弾が私へと放たれる。

頭部狙いのそれを躱したところへ、低姿勢でアリウス生徒が突っ込んで来た。

 

「──久しぶりだな、レイヴン…!」

 

私を呼ぶその声には聞き覚えがあった。

トリニティでのナギサ暗殺阻止の際に、私が最初に足止めした部隊のリーダーの生徒。

 

「あの時はまんまとやられたが、今度はそうはいかないぞ…!」

 

距離を詰めて来たその生徒は、執拗に頭部狙いで銃口を向けてくる。

 

「…復讐(リベンジ)に躍起になってるところ悪いが、あなたに付き合っている暇は無い」

 

二発、三発と放たれた銃弾を向けられた銃口から逸れるように躱し、その銃身を踏み付ける。

 

「安心しろ、そう時間は取らない。何せ──」

 

そう言って銃身を踏み付けられて前のめりになった生徒は、空いた左手にハンドガンを握っていた。

 

「倒れるのはお前だからだ!レイヴン!!」

 

至近距離で胸元へと向けられた銃口。

これ一発だけでは倒れないだろう。

だが、攻撃を受けて怯んだ隙を目の前の復讐に燃えるアリウス生が見逃すはずもなく──。

 

銃弾が、撃ち込まれる。

 

──それは、アリウス生の握るハンドガンに、だった。

銃撃の影響で、明後日の方を向いた銃口から弾丸が発射される。

 

そして、続け様に二発、銃撃がアリウス生を襲う。

 

「──がッ…は…!?」

 

アリウス生は力尽き、倒れる。

 

「全く、相変わらず無茶をするな!レイヴンは!」

 

そう呼びかけられた声の主は──風紀委員会のイオリだった。

 

「イオリ!ありがとう、助かった」

 

流れるように横にいるミメシスへと、Eyes of Ravenをサブマシンガン形態にして銃撃する。

 

「嘘つけ!あのくらいお前なら余裕で避けられるだろ!」

 

周囲の風紀委員と共に、周りのアリウス生徒やミメシスを薙ぎ倒しながら、イオリが私の元に合流する。

 

「そんなことないよ」

 

私狙いの二発の銃撃を右手のアサルトライフル──STEEL FANG 621による狼騎士の旋回で躱しつつ、撃ってきた相手に二度の銃撃を浴びせて撃破する。

 

「はぁ…こんなことを言ってる場合じゃないな」

 

私の後ろでは、あぶれたアリウス生徒やミメシスを補習授業部の四人が先生の指示の下で倒していっている。

 

だが、それでも元の数が多いのもあって、中々にキリがない。

 

しかしそこへ──。

 

「かぁはははははは!!」

 

奇声を発し、敵を薙ぎ倒しながら、正義実現委員会委員長、剣先ツルギが現れる。

羽川ハスミと、シスターフッドのヒナタも共にいる。

 

「うおっ、正義実現委員会!?」

 

イオリがギョッとした反応をする。

正義実現委員会そのもの、というより、突然現れた剣先ツルギに驚いた様子だ。

 

「お久しぶりです、レイヴンさん。微力ながら、助力に参りました」

 

相変わらず丁寧な仕草で、ハスミは私に挨拶する。

 

「お久しぶりです、イヴさん!私も前回はほとんど力になれなかったので、今度こそ頑張ります!」

 

ヒナタも気合いが入っているようだ。

 

「二人ともありがとう、それで…」

 

問題は──。

 

「……」

 

険しい表情で私を見てくる剣先ツルギだ。

 

「……」

 

これには私もどう切り出すべきか分からず、無言を貫いてしまう。

 

「…レイヴン」

 

低い声で、ツルギが口を開いた。

 

「…頼りにしている」

 

そう短く告げ、ツルギは敵の元へと突っ込んでいった。

 

「すみません、レイヴンさん。ツルギも悪気がある訳では…」

 

ツルギの代わりに、ということなのか、ハスミが謝罪を述べてくるが、私は気にしていない。

むしろ、頼りにされて、悪い気はしない。

 

「いや、大丈夫。正義実現委員会の力、どうか貸して欲しい」

 

「えぇ、もちろんです」

 

「イヴさん、私もいますよっ!」

 

ヒナタが敵に囲まれた中から手を上げて主張する。

 

「ヒナタとマリーも、ありがとう」

 

マリーの姿は見えないが、きっと後方支援として頑張ってくれているはずだ。

 

私もそんな彼女たちに応えるべく、敵へと向かう。

飛んでくる銃弾を掻い潜り、距離を詰める。

 

しかし、私の目の前の敵は、黒紫の奔流に押し流されてしまった。

 

このエネルギー弾は──。

 

「こうして肩を並べるのは初めてかしら?」

 

風紀委員長のヒナ。

久しぶりに目にしたヒナを前に、私は少しの違和感を感じていた。

 

と言っても、その違和感は悪いものではない。

むしろ、良い変化と言えるだろう。

 

ヒナはどこか、憑き物が落ちたような、スッキリとした余裕のある微笑みを湛えていた。

 

「…そうだね。言われてみれば確かに」

 

風紀委員代行としてそれなりに長く活動したが、ヒナと肩を並べる程の大事はなかった。

共闘もアビドスで一度あったが、その時も私はその場を任せる形で抜けてしまった。

 

ヒナとは、この場が正真正銘、初の共闘となる。

 

私とヒナは、背中合わせの形で、敵と向かい合う。

 

敵は私とヒナを前に、様子見をしているようだ。

こちらから突っ込もうか──そう思った矢先、ヒナの言葉が届く。

 

「…ねぇ、イヴ」

 

「ん?」

 

「イヴは、その…大切な人を失ったことって、ある?」

 

唐突に投げられたその質問に、脳裏で自然と浮かび上がるのは、ルビコンで失った、或いは、切り捨てた人たち。

 

「…あるよ」

 

「っ!…その、ごめんなさい…」

 

「大丈夫。少し前までは、色々と思うことがあったけど…私が選び、選択した“答え”だから。今は納得してる」

 

私は右手の銃をアサルトライフルからスナイパーライフルへと切り替え、その銃口を正面の敵へと向ける。

SR──サイレントエコーから電撃弾が放たれる。

 

「…そう、なんだ」

 

噛み締めるように呟いたヒナは、手に持った銃──ガトリングガンを鳴らし、狙いを定める。

黒紫のエネルギーを纏わない、無数の弾丸が射出される。

 

そこから私とヒナの背中合わせの戦闘が始まった。

 

「…それに、今は目の前にいる人たちを大切にしようって、そう思うんだ」

 

私を助けてくれた便利屋の四人と対策委員会の五人、そんな彼女たちに因縁がありながらも私の救助を要請したカタカタヘルメット団のみんな──。

そんな人たちに応えたい。

その想いで、私は今、此処に立っている。

 

「…イヴ、何か良いことでもあった?」

 

周囲の敵を粗方散らし、再び私とヒナは背中合わせに並ぶ。

 

「そう見える?私にも、ヒナがいつもより元気に見えるけど」

 

「そ、そう…?」

 

何やらヒナは困惑した様子であることが背中越しに伝わった。

 

「ヒナも、何か良いことあった?」

 

「私は…その…えーっと…」

 

何やらヒナの歯切れが悪い様子。

 

「…その、大したことじゃないから…内緒…」

 

そんな態度のヒナは珍しく、新鮮だった。

何があったのか、深掘りしたい欲求に駆られた。

 

そう言えば、トリニティとゲヘナを立ち直らせたのは、先生の奔走のお蔭だったはずだ。

 

「…もしかして、先生?」

 

何気ないふとした呟き。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!?」

 

その直後、ヒナは黒紫の奔流をガトリングガンから放出した。

 

何とも分かりやすい…。

 

「ち、違うからっ!!先生は、その、全然関係ないからっ!!」

 

振り返って顔を真っ赤にしたヒナは、珍しく声を張り上げてそう訴えた。

 

「…そっか」

 

取り敢えず、この件はこれ以上掘り下げるのはやめておこう。

いつ私に錯乱したヒナの銃口が向くか分からないし…。

 

「と、とにかく!早くこの連中を薙ぎ倒すわよ!!」

 

「はーい」

 

改めて、私とヒナは敵に向き合う。

 

アリウス生徒は減少の傾向にあるが、やはり聖徒会のミメシスは中々、減っている気がしない。

 

現在も、私の目の前には五人ほどのミメシスが相対しており──。

 

そこへ無数の小型ミサイルが着弾し、火柱を上げた。

 

その爆発には見覚えがあった。

 

いつの間にか、頭上には一機のドローンが浮かんでいた。

 

白を基調とし、水色の彩りが加えられたカラーリング。

アビドスの校章と、翼を広げた鳥──鴉のエンブレムが描かれているそれは、この世界に一つしか存在しないオーダーメイド品。

 

そして、それを持っている人物はただ一人。

 

「ごめん、遅れた。お待たせ、戦友」

 

「…待ってたよ、戦友」

 

シロコが私の隣に並び立つ。

 

「やあやあ、風紀委員長ちゃん。私たちも手伝うよ〜」

 

ヒナにはホシノが声をかけている。

 

「…小鳥遊ホシノ…!」

 

「うーん、ちょっと固いなぁ〜。もうちょっと砕けた感じでも良いんだよ〜?そっちの方がおじさん嬉しいな〜?」

 

「そういうホシノ先輩だって、“風紀委員長ちゃん”って呼んでるじゃん。ちゃんと名前覚えてる?」

 

「えーっと、それはぁ〜…」

 

「覚えてないんですか…?」

 

「…はぁ、お喋りはこのくらいにしよう」

 

「えー?イヴちゃんとは楽しげにお喋りしてたのにぃ〜?」

 

「ゔっ…いや!別に楽しげになんて…!!」

 

「先輩!だる絡みしないっ!」

 

「でも仲良さそうで良かったです☆」

 

「はいは〜い、それじゃあみんな、行こっか!」

 

ホシノが発した合図と共に、動き出す。

 

それに合わせて、私とシロコもまた、違いに視線を交わし、頷く。

 

「行こうか、シロコ」

 

「ん、隣は任せて」

 

私とシロコは、互いに隣り合わせで、ミメシスの軍団へと向かっていった。




ふぇす前にどうしても更新しておきたくて、こんな時間になってしまいました!ごめんなさい!
ふぇす最中は私も集中したいですから!

次の更新はふぇす後に!
…と言いたいところですが、周年ゲームイベントがどうなるか分からないので、それ次第ですね…

気長にお待ちください!

それではふぇすと周年を皆さんもゆっくりお待ちください!

その後にまた、お会いしましょう!
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