ブルーアーカイブ -灰の翼-   作:空素

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あらすじ

戦闘により柴関ラーメン中破…

コーラルに侵食された敵ですが、大体レベル差+10〜20くらいのイメージです

ただ、やっぱり一定ダメージで自爆(固定ダメージの追加ダメージ)することもあって結構打たれ弱いです

一体だけの場合は、ですが

複数体でダメージがバラけると中々ダメージが稼げず自爆されられない、と言うのが前回の便利屋サイドの戦闘ですね


EP-55 持久の耐久戦

一方、アビドス対策委員会と先生は、“深紅”の兵器群を確実に減らしつつあった。

 

先生が“深紅”の兵器群の特性を見破った事もあり、その性質を上手く戦闘に組み込んで、確実に撃破していく。

 

広範囲をノノミをマシンガンで薙ぎ払い、仰け反らせたところにセリカとシロコの銃撃、或いは手榴弾によって追撃を重ね、自爆させる。

 

自爆と言っても、完全に爆発四散するような感じではなく、各部位が無数の小爆発を起こすような感じだ。

 

当然、それ故に自爆したからと言って確定で倒せる訳ではなく、生き残ることもある。

 

また、この“深紅”の兵器群は、自爆も含め、しっかりと破壊──頭部や胴体が離れたり、吹き飛ぶくらいのダメージを与えないと、完全には止まらない。

 

それらを容易に引き起こしてくれるのが、自爆による小爆発である為、シロコ達はそれを狙って攻撃を繰り返す。

 

だが、幾ら強化されたとは言え、元はオートマタやドローン。

 

戦車は少々、厄介とは言え、何度も繰り返せば、大体のコツは掴めてくるものだ。

 

慣れれば、これまで激闘を繰り広げて来た三人の相手には不足。

 

みるみる内に、復活した兵器群は数を減らして行く。

 

最初は困惑したが、この調子であれば、街中に広がった兵器群の制圧も見えてくる。

 

そう、安堵した直後。

 

『──!!皆さん!五時の方向から、大型武装兵器が高速で接近中!注意してください!』

 

インカムからアヤネの鋭い声が飛ぶ。

 

「今度は何よ!?増援!?」

 

数は少なくなりつつあるとは言え、この場だけでも未だ十数体残っている兵器群を前に増援となり、セリカは辟易した表情を浮かべる。

 

「まだこっちも終わってないのに…!」

 

マシンガンの薙ぎ払いで敵を薙ぎ倒しつつ、ノノミは苦い顔になる。

 

「…来る…!!」

 

シロコが短く溢した直後、唸りを上げて現れたのは、大型の戦車。

 

その見た目は、見覚えのあるものだった。

 

『あ、アレは…!以前、イヴさんが倒した“クルセイダー”です!』

 

だが、その戦車は、ただのクルセイダーでは無かった。

 

『[“赤い…クルセイダー…!?”]』

 

そのクルセイダーもまた、“深紅”に染まった姿をしていた。

 

深紅のクルセイダーは、キャタピラを唸らせ、三人へと突っ込んだ。

 

「嘘でしょ!?周りの取り巻きに加えて、コイツまで相手しなきゃいけないの!?」

 

深紅のクルセイダーの突進を回避したセリカは、怒りを乗せて、その横っ面に銃弾を撃ち込むが、生半可な装甲ではない上に、深紅に染まった敵特有の耐久力の上昇も相まって、まるでダメージを感じられない。

 

「やるしかありません!セリカちゃん!」

 

ノノミの銃撃は、貫通効果があり重装甲に有効なのもあってか、僅かに、だが、確実に赤く染まった装甲を削る。

 

「大丈夫!きっとイヴ達が来てくれる!それまで耐え切る!!」

 

シロコは、少しでも周囲の取り巻きを減らすべく、手榴弾を兵器の溜まり場に投擲し、爆発した後、銃撃で追撃する。

 

『皆さん!突進後のドリフトによる軸合わせからの再突進、それから、その場に停止して溜めてからの主砲による広範囲砲撃に注意してください!』

 

アヤネが説明した直後、クルセイダーがノノミへと突進する。

 

『[“みんな!兎に角、正面に立たないようにするんだ!常に側面に回り込むように意識して!”]』

 

ノノミは辛くも突進を回避するが、クルセイダーは早速、アヤネの注意事項のドリフトを行い、再びノノミへと軸を合わせる。

 

「…っ!」

 

ノノミは先生の指示の通りに、クルセイダーの側面に回り込もうと駆けるが、それに合わせて追尾して来る。

 

そして、クルセイダーがキャタピラを唸らせ、再びノノミへと突進する。

 

「ノノミ先輩っ!!」

 

周囲の取り巻きの射撃を躱しながらも、セリカがただ見ていることは出来ず、銃撃する。

 

しかし、その銃弾は無慈悲に弾かれる。

 

「させないっ!」

 

そこでシロコが、クルセイダーの足元へとサイドスローで手榴弾を投擲する。

 

シロコが投擲した手榴弾は、クルセイダーのキャタピラと地面の間に挟まって爆発し、突進の軌道を僅かに逸らす。

 

ノノミの横をクルセイダーの車体が通り過ぎる。

 

だが、安堵したのも束の間。

 

クルセイダーは再びドリフトで軸を合わせる。

 

今度の狙いは、シロコ。

 

そして、クルセイダーはそこから突進をせずに、その主砲を赤熱させていく。

 

『──ッ!広範囲砲撃です!』

 

『[“みんな!すぐに前に突っ込むんだ!!”]』

 

先生が叫んだ直後、クルセイダーの赤熱した砲塔が火を噴く。

 

無数の砲弾が高速で連射され、クルセイダーの前方を放射状に広がるように砲撃が炸裂──爆裂する。

 

本来のクルセイダーの広範囲砲撃よりも更に強力かつ広範囲の爆撃が、火柱を上げて悉くを吹き飛ばし、消し飛ばす。

 

後には、完全にアスファルトが消し飛んで岩石が露わとなった抉れた地面だけが残る。

 

シロコ、ノノミ、セリカの三人は──。

 

****************************

 

危なかった。

 

シロコは、砲撃の瞬間、先生の言葉通りに、クルセイダーへと突っ込んだ。

 

その結果、砲塔の真下に潜り込むような形になり、シロコは難を逃れた。

 

そして、セリカもノノミも、それぞれクルセイダーの左右に回り込むように身を投げ、広範囲砲撃を回避していた。

 

だが、気は抜けない。

 

これほど恐ろしい攻撃を有している以上、より早期の撃破が望まれる。

 

一先ず、このままクルセイダーの正面に居ても轢かれるだけなので、シロコは早々にその場を離れる。

 

手榴弾の置き土産付きで。

 

シロコが離れた直後、背後で爆発が起こる。

 

それを皮切りに、再び戦闘が始まる。

 

爆発を受けたクルセイダーは、その場で方向を転換する。

 

狙うのはセリカ。

 

主砲を向け、砲撃を放つ。

 

先程の広範囲砲撃に比べて、威力も範囲も落ちるが、それでも脅威には変わりない。

 

セリカは砲口の狙いを振り切る勢いで疾走し、その背後で幾つもの火柱が上がる。

 

巻き込まれないようにシロコとノノミは動き回り、その間も、二人は絶えず、銃撃をクルセイダーに浴びせ続けるが、決定的にダメージが足りない。

 

それに加えて、周囲からは続々と他の兵器群が騒ぎを聞き付けて集まって来る。

 

クルセイダーに集中すれば、取り巻きから邪魔が入り、取り巻きを先に片付けようとしてもクルセイダーの攻撃を許すことになってしまう。

 

シロコは必死に思考を巡らせる。

 

この状況で、どうすれば良いのか。

 

──ホシノだったら、どう切り抜けるだろうか。

 

などと考えていると、セリカを狙っていたクルセイダーが砲撃を止める。

 

そして、シロコへと狙いを付け、土煙を上げ、突進する。

 

その巨体からは想像ができない──否、巨体が保有するパワーを存分に発揮したスピードで、クルセイダーはシロコへと爆走猛進する。

 

辛くもシロコは回避に成功するが、そこにクルセイダーが火花を散らしてドリフトし、狙いを定め、再度、突進する。

 

これもどうにか回避する。

 

しかし、無理な体勢で回避した故に、転倒したシロコへ、周囲の取り巻きが銃口を向ける。

 

──その直後、その取り巻き達は、()()()()()()()によって攻撃を中断される。

 

立て続けに連射される銃撃が、クルセイダーと対峙するシロコ達を取り囲む取り巻きの数を減らして行く。

 

更に、再びドリフトしてシロコに突進しようとしていたクルセイダーに、銃弾が直撃し、続く爆発がクルセイダーの巨体を揺らす。

 

その銃撃──狙撃は紛れもなく、便利屋68の陸八魔アルのものだった。

 

立て続けに、黒い影がクルセイダーへと高速で突進し、勢いを乗せた蹴りを叩き込みつつ、近距離SGを浴びせ、ARで薙ぎ払いつつ飛び退き、着地と同時にSRにSGを持ち替え、狙撃する。

 

その姿は、他でも無いイヴだった。

 

シロコは、助けが来てくれた安堵の(かたわら)、先程の自身を取り巻きの攻撃から間一髪で救ってくれた銃撃の主のことが気になっていた。

 

あの銃撃──SGの音は、シロコの記憶違いで無ければ──否、自分が“彼女”の銃の射撃音を聞き違える筈がない。

 

あれは間違いなく、ホシノのものだったと確信する。

 

しかし、周囲を見渡してみても、ホシノの姿は一切、見付からなかった。

 

「…ホシノ先輩…」

 

シロコは小さく呟き、歯を噛み締めた。

 

****************************

 

「あぁっ!もうっ!どうしてこう、次から次へと面倒事に巻き込まれるのよぉ!!」

 

便利屋と合流した私とカヨコは、共にアビドス組との合流を目指して、敵を倒しながら、事前に聞いていた地点に向かっていた。

 

私はアヤネから今、アビドス組がクルセイダーと戦っている状況を聞き、その場所を教えて貰った。

 

再びクルセイダーが現れ、しかも、以前よりも強化されているということを便利屋に共有した際にアルが放った言が、先程の一言だった。

 

「くふふ、そう言いつつも、何だかんだ放っておけないアルちゃんは素直じゃないよね」

 

携えるマシンガンで敵を銃撃しつつ、ムツキがアルを冷やかす。

 

「そう言うムツキだってクールぶってるけど私に付いて来てる時点で心配なんでしょう!?」

 

まるでムツキと倒した数を競うように狙撃しながら、アルはムキになって反論する。

 

「わ、私はホラ、やっぱりレイヴンには助けられたし?それに便利屋のお得意様になってくれそうだし、恩を売っといて損は無いかなーって」

 

しかし、アルのやぶれかぶれの反論は的を射ていたようで、ムツキは言葉に詰まり、明後日の方向を向く。

 

「目が泳いでるわよ」

 

それをアルは追い詰めるような冷めた視線で見詰める。

 

ムツキは「うぐぐ…」と反論に詰まる。

 

「わ、私もっ!レイヴンさんはアル様や皆さん…それに、私の為に戦ってくれました!私もご恩に報いたい…いえ、力になりたいです!!」

 

そこで、話を聞いていたハルカが、思いの丈を言い放つ。

 

こうして面と向かって言われると、少し恥ずかしいものがあるが、それでもその思いは尊重したい。

 

「…うん、ありがとう。頼りにしてる」

 

私がハルカに例を言うが、ハルカは突然、我に返ったように慌てふためく。

 

それを後ろで眺めていた二人は──。

 

「アルちゃん、これが素直、ってことだよ?」

 

ニマニマとムツキがアルの脇腹を肘で突く。

 

「ムツキ、あなたもでしょう?」

 

それを甘んじて受けつつも、顔に青筋を立たせるアル。

 

このままでは二人は仲が良くも喧嘩しそうなので、流れを変えることにする。

 

「アルも、ムツキも、どうかよろしく頼む」

 

私の言葉に、一瞬、キョトンとした表情を浮かべる二人。

 

「ふふーん!そこまで言われたら仕方ないわね!これで貸し借りは無しね!レイヴン──いえ、イヴ!!」

 

アルはとても満足げに満面の笑顔を浮かべた。

 

「全くアルちゃんはチョロいなー。まぁ、でも、イヴちゃんの力になれるなら、喜んで!くふふ♪」

 

ムツキはムツキで、その幼なげな容姿に見合った、可愛らしい微笑みを浮かべる。

 

これで問題無さそうだ。

 

安心して視線を戻す途中、横を走るカヨコと目が合う。

 

「…カヨコも、ありがとう」

 

礼を言うが、カヨコは首を横に振る。

 

「…私は大した事はしてないよ」

 

「そんなことない。カヨコが便利屋のみんなを呼んでくれたから、私も、シロコ達も助かってる。だから、ありがとう」

 

カヨコが便利屋を呼んでくれると聞いた時、便利屋が来てくれると聞いた時、どれだけ私の肩の荷が降りたか。

 

それを考えれば、言葉だけのお礼では足りないくらいだ。

 

「…私はただ、またイヴが無茶をして倒れないか心配だっただけで…」

 

心配してくれる人が、どれだけ貴重な存在か。

 

その人がどれだけ自分を想ってくれているか。

 

ルビコンからキヴォトスに来て、それを実感した。

 

「それが、カヨコの優しさだよ」

 

その想いは、間違いなく、優しさと呼ばれるものだ。

 

ルビコンでは、私が為した事を賞賛する人は数多くいたが、心配してくれる人は、ほんの一握りだった。

 

そして、それよりも多くの人間が、私を呪っていた事だろう。

 

「私は別に優しくなんてないよ。顔も怖いし」

 

戦闘と殺戮に明け暮れる日々。

 

騙し合いと裏切り、奪い合いが当然の世界で、誰もが自分たちの事で精一杯だった。

 

他の者に、優しさを向けることなんて出来なかった。

 

ましてや、金で殺しも請け負う傭兵──その模範中の模範のような私が向けられるものなど、呪いや憎悪、怨嗟以外にあり得ないだろう。

 

それを考えると、最初に黒い私が、闘争と殺戮を囁いたのは、必然に思える。

 

その私に向けられた呪いと憎悪、怨嗟が元になっているのだとすれば、納得する他にない。

 

「怖くなんかないよ。カヨコは綺麗だよ」

 

ふと考える。

 

もし、彼女たちがかつての私を──言葉としてではなく、姿を見える形で知ったら、それでも尚、私に呪い以外の想いを──優しさを向けてくれるだろうか。

 

先生は言ってくれた。

 

命を奪った分だけ、此処(キヴォトス)で人を助ければ良いと。

 

それでも、人を殺したという一線を超えた私と、超えてない彼女たちの間に、私は隔たりを感じてならない。

 

闘争と鏖殺の限りを尽くした私でも、真に彼女たちと理解し合える日が来るのだろうか。

 

羞恥に赤く染まる彼女を…真に、心の底から愛おしく想える時が訪れるのだろうか。

 

****************************

 

「あらやだ!ムツキさん!なんだかあの二人、いやらしい雰囲気じゃありませんこと!?」

 

「ホントだね!アルちゃん!めちゃくちゃえっちだね!むしろえっちそのものだね!」

 

「アンタら随分と仲が良いね…!…と言うか、イヴが迷惑でしょ…そもそも、私はそういうんじゃなくて…」

 

「あら、そんなの、本人に聞いてみないと分からないでしょう?」

 

「そうそう!ね、イヴちゃん、カヨコちゃんのことどう想ってるの?」

 

「ちょっ…!」

 

「どう、って?言われても…うーん…」

 

「直感で!こういうのは、感覚が大事なのよ!」

 

「アンタ達…いい加減に…!」

 

「…お姉ちゃん、かな…」

 

「「「「!!!!?」」」」

 

イヴのその儚げな横顔は、同性の彼女たちでさえも、一瞬、目と心を奪われる程の美貌だった。

 

「優しくて、心配してくれるところが、何だか頼り甲斐があって、ちょっと厳しいところとかが、そんな風に感じる…」

 

「「「………」」」

 

「…お姉ちゃんでも、悪くないかも…」

 

意外にもカヨコは、満更でも無さそうな表情だった。

 

この後、レイヴン便利屋部隊はアビドス組の戦闘に合流した。




エ駄死!

カヨコお姉ちゃん概念爆誕

カヨコは元から頼れるお姉ちゃん感はあったと思います

便利屋の中で一番の先輩なのもあるんでしょうが

そして、久々に魅了スキルを行使するイヴ

以前はカタヘル団のリーダーでしたね

ですがその裏で他人と自分を明確に線引きをしているイヴ

人を殺した自分と、人を殺していない彼女たち、そんな違いにイヴは溝を感じているようですね

あ、ついでにクルセイダー再びですね
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