黒い沈黙と夢の帽子<ドリスティーメア>   作:白木蓮人

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 ここまでは一気に書いたけど、後に続くかなぁ……先の展開があんまり思いつかないよ。


開幕・帽子世界

 それは眠りから覚める時と同じだった。

 瞼を開くその一瞬で、自分は異世界に立っていると自覚する。

 

「……もうちょっと分かりやすい移動の仕方をしてほしかったな」

 

 いや、別に盛大な歓迎とかを期待してたわけじゃないが、なんかこう、壮大な旅をしてる実感を得られるような感覚とかさ……

 ぶつくさ言いながらも周囲を見回す。自分はどうやら高い建物の屋上にいるらしい。靴の裏にはコンクリートの感触があり、柵の並んだ縁の向こう側には数々のビルの屋上が見える。

 異世界に来て最初に目に入ったのは、意外となじみ深いものだったな。と、そう思う一方で、都市とは明らかに違うところもある。

 

「なんか……清らかな雰囲気がするなぁ」

 

 ここの夜景には色が少ないと、そう思った。

 都市にあるような、部屋の外にまで溢れた日用品、けばけばしいネオンの広告、ポイ捨てされたゴミの数々……そういった、人間の生活から滲み出る無遠慮な色が、この世界にはあまり見当たらない。無地の建物がつくりだす無垢な街並に、何者にも遮られていない夜空が広がっている。

 こんなに純粋さをはらむ光景なんて、おとぎ話の中くらいにしかないと思っていたが……流石は異世界といったところか。喉を通る夜の空気もどこか優しげな匂いをしている気がしてきた。

 

「……って、感心してる場合じゃないな。ブックハンターは……はぐれたか」

 

 ブックハンターに関しては、一緒に来ているのはなんとなく分かるが、どうも転送場所がズレたらしい。

 さては地面の方にいるな。水平座標の多少のズレが、建物の高低差によって凄まじい距離になってしまったんだろう。あいつは放置したところで簡単にやられるタマじゃないが……合流するに越したことはない。彼女の捜索も兼ねて、塔を下ってみるとするか、と足を踏み出そうとしたところで──

 

 ──夜景の底から、ぶわりと黒い影が浮かんできた。

 

 それは真っ黒な球体で、無数の枝か触手か、あるいはムダ毛みたいにも見える何かを放射状に伸ばしている。直径は……ゆうに大人二人分くらいありそうだ。

 もちろん人間には見えないが、無機物のようにも見えない。なんらかのバケモノだろう。

 

「……幻想体とか外殻の怪物に近いか。とはいえ見覚えはないが……」

 

 緊張しながら見つめていると、球体にパックリと切れ目が走る……いや、それは巨大な。巨大な一つ目だった。

 紅玉じみた赤い瞳をギョロつかせながら、ソレは人の喋り声のような鳴き声を上げる。

 

「ムッ……なんだきさま」

 

 実際、喋り声だった。

 

「うわめっちゃ流暢に喋るじゃん」

 

 思わず反応すると、その口もなさそうな巨大な目玉はいたって正常な話し方を続ける。

 

「喋るのは当たり前だろう。まさか口が無い程度で喋れないとでも?」

「いや口の有無はともかく、発声器官は最低限必要だと思うが」

「頭のカタいやつだな」

「そのナリで頭部とか胴体とかの概念も理解してるのか……」

「えぇ……流石に見下し過ぎではないか貴様。私がここのデコイボスだって分かってるのか?」

 

 うーん、イマイチ会話が嚙み合わない。

 考えてみれば、異世界というのなら文化や歴史、なんなら世界の法則もまるっきり違う可能性があるわけだし……都市の常識を押し付けるだけでは、理解しあえるはずもないか。

 よし、とりあえず受け入れよう。相手は巨大な目玉お化けで、およそ怪物の類だが、れっきとした自我を持っていて交流できる……『ヒト』の仲間と言えるだろう。

 目の前のものを、過去や常識を取り払って、あるがままに見つめる……そんなことをビナーは言ってたっけ。付け焼刃にはなるが、心がけてみよう。

 

 俺が改めて目玉お化けの観察を始めると、そいつは不意に目を鋭くした。

 

「待て、貴様その面構え、服装、なにより纏っている気配……知ってるぞ……」

「……へえ? お前の知ってる俺って、一体どちらさまなんですかね?」

 

 内心、焦る。

 もし万が一、過去の俺が……『虐殺の限りを尽くした黒い沈黙』であることが露呈していたら、まずいことになる。

 無論、異世界のやつが都市のことを知っているなんて、あるはずないとも思う。が、その手の理不尽なんていくらでも起こり得るだろう。

 脳裏を駆け巡る疑念と不安をしかし、おくびにも出さないまま相手の返答を待つ。そして目玉お化けは大きく息を吸うと、

 

「さては貴様──ロリコンだな!?」

 

 などと供述した。

 

「……はい?」

「このロリコンどもめ!!」

「えっ……はぁ? なんでロリコンになるんだよ」

 

 あまりにも素っ頓狂な物言いに、俺も気の抜けた返しをしてしまう。目玉お化けはなおも、わなわなと震える声で言う。

 

「社会に疲れ切ったサラリーマン……そのような存在が癒しを求め、幼女に興味を持つのは必然。それゆえにこの場所へと来たのだろう? であればロリコンに違いない!!」

「……キチガイの類か。話をしようとするだけ無駄だな」

 

 手早く見切りをつけ、にわかに殺気立った目玉お化けに対して構える。

 

「全ての子供たちは私が守る! 覚悟するがいい、ロリコンッ!」

 

 巨大な目をかっぴらいて襲い掛かってくる敵。

 俺は黙って次元武器貯蔵庫の扉を開いた──この黒い手袋に備わった機能の一つ、無数の武器を自在に取り出せる能力だ。

 

「デュランダル」

 

 まずは小手調べといこう。

 円盤状の銀の光で作られた異次元の門から、一振りの黒い剣を取り出し、視界を黒で塗りつぶさんと突進してきた相手に抜刀する。

 斬り下ろす一撃、返す刃の二擊。

 デカブツの勢いを削ぐほどの威力。黒い剣が目玉に確実に抉った、だが……

 

「ほう、中々の攻撃じゃないか」

 

 敵は血も流さないまま、余裕そうに見下ろしてきた。

 ……不可解だ。まるで粘土でも切ったかのように、手応えはあれど効いた感じがしない。

 

「おい、まともに食らったはずだろ。せめて痛がる素振りくらい見せろ」

「ふはは……実は割と痛かったぞ貴様!! 軽く脅して帰そうかと思っていたが、どうやら手心は不要らしいな!」

 

 チッ、脅して返そうってのはこっちも同じ考えだったんだが……ままならないもんだな。

 しかし割とペラペラ喋る手合いらしい。殺しちまう前に出来る限り情報を引き出してみるか。

 

「いやぁ、俺は今すぐにでも帰りたくなってきたところなんだが。さっきので倒せないなんてキツいし、当初の予定通り見逃してくれないか?」

「駄目だ。そもそも思い返してみれば、メル様から『侵入者は帰すな』と言いつけられてた気がするからな!」

「……へぇ。その『メル様』って人に仕えてんのか」

「そうだ。どうせあの方を狙ってきたのだろう、ロリコンめ!」

 

 なるほど、それでロリコン呼ばわりされるってことは、つまり『メル様』とやらは幼女らしい。で、目玉お化けはそいつを信奉している様子……ふむ。

 

「なあ、実はあんたの方こそロリコンだったりするんじゃないのか?」

「な、なんだと?」

「いや、だってなぁ……その幼女にご執心なわけだし……」

「ロ、ロ、ロリコンちゃうわ!」

 

 叫ぶと同時に、目玉の前にどこからともなく鉄球が現れて、風を唸らせながらこちらの顔に飛んできた。

 

「老いた少年工房」

 

 手袋から取り出したハンマーで弾きとばして、揺さぶりを続ける。

 

「本当か? だったら身分でも明かしてみてくれよ。変質者じゃないんなら、もちろん言えるよな?」

「当然だ! 私の名はバックベアード! 夢の世界の管理人であるメル様、ひいては世界中の子供たちの守護者だ!」

 

 と、目玉お化けことバックベアードは、ぜえぜえと肩(?)を上下させる。

 

「このロリコンめ、ずいぶん好き勝手言ってくれたな……もはや許さんぞ!」

 

 そう言うと、全身の触手をいきり立たせながら、バックベアードは動きを一気に加速させた。

 自動車並みの巨体が、空中をも自由自在に動いて人を轢きにきたら、どうなるだろうか? 

 真正面から高速で迫り、頭上を覆って落ちてきて、転がりながらすり潰そうとしてくる黒い大玉。路地裏の雑魚なんかが喰らえば、一撃で内臓をグチャグチャにされることだろう。

 

「ケヤキ工房」

 

 それらの攻撃を、俺は斧とメイスで横に弾くようにして凌いでいく。殴る度に鈍い感触と重い衝撃が、腕を震わせる。

 あんまり相手にしたことのないタイプだ。それこそ幻想体を相手取るような、黒い沈黙(オレ)より赤い霧(ゲブラー)が得意とするような戦闘になっているが……こんなやつがゴロゴロいる世界ってんなら慣れとかないとか。 

 両手の武器を思い切り叩きつければ、流石に効いたのかバックベアードは距離を取る。

 

「ぐっ……パワーもスピードも『管理人』に比肩するレベルじゃないか……貴様、一体何者だ!」

「自分で言ってたじゃないか、俺は()()()()だってさ」

「……ああ、そうだったなロリコンめ!」

 

 すると目玉の周りに光の文様が浮かび上がる。

 まるで魔法陣みたいな……だとすると、まさか『昨日の約束』が使ってたような『魔法』か!? 

 

「接近戦は強くても、遠距離はどうかな!?」

 

 魔法陣がひと際強く光る。

 それは一瞬の出来事。轟音と共に、浮遊する大岩が俺の周囲に現れ、閉じるようにして一斉に圧し潰しにかかってくる──! 

 

「──っ、クリスタルアトリエ!」

 

 鋭利な双剣を手に、素早く一点突破を狙う。

 急速に狭まっていく壁と天井の中を疾駆しながら、大岩の一つを四つ切にし、隙間に身を捻じ込むようにして、外へと転がり出る。

 そうして牢獄からなんとか脱したのも束の間、岩の魔法は次々と発動されていた。

 

「さあ、いつまで避けられ続けるか見せて貰おう」

「……チッ」

 

 周囲に浮遊するおびただしい数の岩石に舌打ちしながらも、双剣の素早さと鋭利さにものを言わせて次々に突破していく。

 一歩間違えれば四肢を挟まれ、動きを封じられてしまう盤面。

 だが……ワンパターンが過ぎたな。何度も対処すれば、嫌でも慣れてくる。魔法とはいえ無尽蔵に撃てるわけもないし、これならガス欠まで付き合ってやってもいいが……

 と、俺が柵に着地し、夜景という奈落を背にした場面で、バックベアードの目が光った。

 

「よく躱すものだ。しかし、そんな落ちそうな場所に立って大丈夫かな!?」

 

 バックベアードが目をかっぴらく。すると俺は強烈な目眩に襲われた。

 それだけじゃない。身体の節々が痺れる。思考に余計なものが混じる。腹の底から怖気が立ち昇る……

 ……が、気合を入れて耐え、ポーカーフェイスを保って言った。

 

「なんだ、精神攻撃の類か」

「なっ……貴様なぜ直立していられる!?」

「このくらい、ある程度のフィクサーなら対策していて当然だ」

 

 高所に立たせた上で精神を狂わせ、落下死を狙う算段だったとはな。いやらしい戦法をとるもんだ。

 そして余裕そうにしたとはいえ、対策止まりで無効化できるわけじゃない。そこがバレると厄介だが……

 

「おのれ……貴様はどうやら本当にただ者ではないらしい。このような不穏分子、もはやロリコンかどうかに関わらずメル様に近づかせるわけにはいかない……!」

 

 幸いにも、相手は激高して突進してくる。

 しかしなんというか……そういう力押しは、力で大幅に上回ってる奴がしなきゃ意味がないぞ。

 

「今だ……アラス工房」

 

 見え透いた動きに、待ってましたとばかりに虚空からランスを取り出し一気に突き出す。敵を一目見た時から効きそうだと思ってたからこそ、あえて決定的な時まで温存しておいた。

 お互いが衝突する猛烈な勢いに乗せて……ズバン、と巨大な目玉にランスが深々と突き刺さった。

 

「ぎ……ぎゃああぁぁ!!」

 

 大穴のあいた巨大な瞳に、バックベアードは絶叫しながら空中をのたうち回る。

 やっぱり効いてるな。じゃあ、ここで仕留めるとするか。

 

「そんなに暴れるなよ……狼牙工房」

 

 両の手首から先がガントレットで覆われ、それに備わった鋭い爪でして暴れる目玉お化けに喰らいつく。

 その痛みで悶え逃れようとしても、決してそうはさせない。

 何度も繰り返し爪をたてる。

 眼の角膜を剥がし、水晶体を貫き、光彩を裂き、ガラス体に手首まで突っ込んでズタズタにする。

 適宜、短剣を取り出して周囲の触手を剃り、瞼を掻っ捌き、胴体をブスブスと穴だらけにする。

 

「なあ、そろそろ息絶えた方が楽なんじゃないか?」

「ウ……ギ……」

 

 だんだん弱々しくなっていく抵抗。

 よし、ここまでやれば、あとは遠巻きに死を待つのがいいか。

 新手の気配もないわけだし。トドメを刺そうとして、最後の足掻きをわざわざ貰ってやることもない、と。

 距離をとって、バックベアードの周囲に満ちる煌々とした光を見た時点で、俺は自身の失策を悟った。

 

「ああ、あああああ──!!」

「あ、魔法があったか……」

 

 そう。肉体がボロボロになれば、ろくな攻撃も出来なくなる近接武器と違って。

 魔法は精神さえ残っていれば、十全な威力を発揮できる。

 都市じゃ剣だの槍だの素手だのがほとんどで、『魔法』なんて滅多にない。また、銃を持ってる奴が同じようなことをするが、それを目の前の怪物を見て連想しろというのは無理がある。

 そのために起きた、致命的な判断ミス。

 追い詰められた者が放つ、全身全霊の一撃は──

 

「──『テンペスト』!!」

 

 叫びと共に、閃光が俺の視界を真っ白にする。

 大気を裂く不気味な気配を感じながらも、半ば無意識に太刀を腰に構えた──

 

「──ムク工房!!」

 

 襲い来るは音をも置き去りにする雷。

 迎え撃つは目にも止まらぬ無数の斬撃。

 不思議なことに、黒い二人は一切動いていないように映り。

 空を断つ無数の残光だけが、刹那の間に瞬いた。

 

 ……目と耳を潰す一時の後、訪れた静寂に俺は息を吐いた。

 

「……割と痛かったぞ、今の必殺技は」

「そんな……ありえない……」

 

 今の雷の魔法は、大部分を太刀という避雷針へと流すも捌ききれず、胴体の服が少しコゲるくらいの被害を受けた。無論、その太刀を握ってた右手は、しばらくまともに力が入らないだろう。

 しかし甲斐あって、今度こそ相手は手も足もでない状態らしい。

 

「この私が……たった一人を相手に負けるなんて……」

 

 バックベアードは新たな魔法を発動する気配もなく、地面に転がっている。

 転がって……妙なことに、こちらに近づいてくる。トドメを刺されにきたか? いや、まさか……

 ドクン、と奴の体が脈打った。

 

「かくなるうえは……覚悟──!!」

 

 瞬間、膨大なエネルギーがその体の中心で圧縮されていくのを感じた。

 これはおそらく……スリーカウントで爆発するやつだろう。

 

「冗談キツいって……ロジックアトリエ!」

 

 俺は二丁の拳銃を取り出し、高い弾丸を惜しげもなく何発も床に発砲していく。

 前を見ると、黒い外皮を透かして、白い光が見えはじめている。

 

「この床、分厚くて穴が開かない……!? だったら間に合え……ホイールズ・インダストリー!」

 

 円状の弾痕、床の切り取り線へと向けて大剣を叩きつけ、地面を思い切り跳ね上げる。

 とうとう、バックベアードが声をあげる。

 

「メル様……バンザーイ!!」

 

 俺は身の丈ほどあるコンクリート塊に大剣をあて肩で押し、防壁とした。

 直後、先程の『テンペスト』の何倍もの衝撃波が、周囲全てを埋め尽くす。

 俺はコンクリートと大剣の頑丈さを信じながら、目を閉じた──

 

 

 

 ──パラパラと、コンクリートの欠片が大剣の腹を転がり落ちて、地面のひび割れに消える。

 

「……初っ端からこんな戦いとか、ホントついてないなぁ」

 

 俺は大剣をしまって、バックベアードが消し飛んだ場所を見た。

 

「うう……」

 

 いや、消し飛んでなかった。あろうことか奴は原型を保っていて、煙をあげながら目を回すだけにとどまっていた。

 

「はあ、くそ、あれだけ好き勝手やって、まーだ生きてるとか……」

 

 頭をかきながら歩き寄る。

 敵は完全にのびているようだった。

 

「まあいい。これで最後だ……!」

 

 踏み込んで、巨大な目玉に対してランスを突き出す。

 三度目こそは、必ず絶命させるように──

 

「──いや、そこまでだ」

 

 ガキンと、ランスが叩き落とされた。上から降り立った小さな影によって。

 

「ウチで暴れんのは、そんくらいにしといてもらおうか……なあ? ()()()()()()()()()さんよ」

「お前は……」

 

 彼女は恐ろしく小さかった。

 黒いローブだけですっぽりと体は覆われ、手足は袖と裾に隠れてまったく見えない。頭に同じく黒の大きなシルクハットを被っていてなお、高さは俺の腰にも届かない。

 これまた黒い瞳と、紫の長髪と、幼女というより幼児とでも呼ぶべきあどけない姿形と。

 そう、恐ろしいのは……そんな存在が、俺の突き出したアラス工房を完璧に叩き落としたという事実だ。

 

 その小さな小さな手に携えた、大きな大きな斧の形をした紫のオーラを、フッとかき消す。

 シルクハットに描かれた白い目の模様が、パチリと瞬きする。

 

「まずは教えといてやるよ……ここは、独自の価値観を布く無数の『世界』と、世界を創り出す『帽子』、そして帽子を持つ者『管理人』が存在する場所……」

 

 彼女が言葉を紡ぐごとに、世界が姿を変えていった。

 夜景の光が消えてゆき、黒い沈黙が満ちていく。

 誰もが眠りについてゆき、夢の世界に溶けていく。

 星夜に沈んだ世界の下で、スポットライトの黒い二人が、透明な風にたなびいた。

 

「大きくて小さなこの世界の名は──『帽子世界』」

「……そうか。これから長い付き合いになるといいな、『メル様』?」

 

 ──それが、俺の異世界での旅の始まり。

 廃墟の図書館と帽子世界、二つの物語の幕開けだった。




MOD紹介 『MOD導入方法』

 そういや自分もMOD導入方法が分からなくて困ったなって思い出したので書いとくか。

~基本的な導入方法~

1、Steamのライブラリの『Library of Ruina』の欄を開く。

2、プレイボタンのすぐ下にあるタブの中から、『コミュニティハブ』を開き、コミュニティハブにあるタブの中から、『ワークショップ』を開く。
 あるいはタブの右端にある点々から直接『ワークショップ』を開く。

3、ワークショップで導入したいMODを見つける。

4、そのMODのページを開き、投稿者による説明書きや利用者のコメントを読んでちょっと考えてから、黄緑色の『サブスクライブ』ボタンを押す。
 下部にLoRのアイコンと共に『アップデート中』と表示されればダウンロード成功。

5、Library Of Ruinaを起動するが、この際、起動オプションで『LOR With Mods』を選ぶ。
 ちなみに『Library of Ruinaをプレイ』はMOD無しで起動。『LOR Invitaion Editor』はMOD開発用。

6、起動するとダウンロードしたMOD一覧が表示されるので、有効化したいものをクリックしてチェックを入れていく。
 チェックし終えてOKを押した後は、しばし待つ。MODを入れると起動が遅くなるが、そういうものである。三桁も入れればトイレに行って帰ってきても終わらない。

7、ネズミの接待でもしてゲームが正常に動くことを確認したら、MOD導入完了。

8、あとは遊ぶべし。そして面白かったMODは配布ページに行って高評価、コメントもできたら最高。

~いくつかありそうな疑問~

Q、『BaseMod for Workshop』が必要なんじゃないの。
A、必要なのもあるけど、必要ないのもある。そして両方を同時に入れると不安定になる。
 必要ないMODの方が主流なので、『BaseMod 』はいれない方がベターなんじゃないかな。
 一応、不安定にならないような新世代の『BaseMod 』もあるけど……結局、両方いれるのなら安定した動作は期待すべきじゃないっていうのが、筆者がやってみた感想である。動きはするけどね。

Q、なにもしてないのに壊れた。
A、MODとはそういうものだ。
 ファイル破損が原因なら再度ダウンロードして直ることを祈るしかない。
 MOD同士の競合が原因なら、お好みの探索アルゴリズム(手動)で原因を探して、不要なものを抜いていくしかない。
 バックアップもこまめにとるしかない。
 その上で動作不良起こした場合、静かに受け入れるメンタルも大事。
 筆者も大量のMODを入れてる影響か、パッシブが消えたり、カード効果が消えたりと動作が安定しないけど、図書館生活をエンジョイしてます。
 MODとは、そういうものなのだ。

Q、MOD接待はどこ?
A、ものによって様々。とはいえ三種類くらいに大別できる。
1、ストーリーラインのそばにアイコンがあるもの。
 これは目に入るから分かりやすい。クリックして招待したらOK。
2、一般接待と同じ形式をとるもの。
 この場合、招待状の本を入れる場所の右に小さく『work shop』という文字とチェックボックスができてるので、そこをクリックしてから、MOD配布サイトの文面に従って本を入れれば……あとはまあ分かるだろうから省略するね。
3、切り替え式のもの
 Tabキーを押すことでメインストーリーのアイコンがMODのものに切り替わる。いわゆるIFストーリーもののMODに多い。

Q、「招待するゲストがいません」って言われる。
A、メインストーリーの進行度が足りてないとそう言われます。バニラ要素を進めましょう。「nullったか?」とバグ報告したりしないでね。
 ただ名指しになるけど、リンバスカンパニーのシンクレア接待MODでこれが起きるのは不具合(最後の接待まで進めても無理)なので、steamの設定から開けるsteamappフォルダのworkshopフォルダのcontentフォルダの謎の数列のフォルダの中からシンクレアMODのフォルダを探して開いてその中のDataフォルダのstageinfoファイルをメモ帳かなにかで開いて<Chapter>が8になってるのを7以下に変える必要がある。ほら、たったの八ステップだから難しくないヨ。

Q、おすすめMODは?
A、今後、この欄でちょくちょく紹介していくかもしれない。
とはいえ急ぎの需要もあるだろうから……とりあえず、MOD検索で『最もサブスクライブ』の上位に来てるやつから始めるのがいい。
 上位に来ない中で個人的におすすめするなら……『一般接待追加MOD』(都市疾病~都市悪夢)、『一般接待「武器商人」』(都市の星)、『Nagi's Star And the City』(都市の星~不純物)、『黒い翼のフィクサー』(不純物)あたりかな。
 あと、司書さんのオシャレに気を配るのなら、全ての戦闘表象を解放する『All Battle Symbols』とか。同時に検索欄に『hair』や『head』、『skin』、『ページ』なんかを入れると幸せになれるかも。

 長くなりましたが、今回は以上になります。そして他の回もこれくらい長くなると思います。好きなことを語るオタクの早口は長い。
 では、よきMODライフを~。
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