ゼンノロブロイの英雄譚 〜Rob Roy of the Royal Road〜   作:C.S

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第16話 神戸新聞杯(前編)

『スタートしました! ほぼ揃ってのスタート、これから先行争いに入っていきます』

 

興奮気味な実況と、大歓声を直近に聞きながら、直線コースを第一コーナーへと向かっていく。

阪神レース場、芝コース、2000メートルのレースだ。

芝の状態は良好、スムーズで走りやすいレースになると思う。

外側に視線を向けると、ユニヴァースさんの位置が、スゥーッと上がっていくのが見えた。

 

『ジワァーッと、ネオユニヴァースが内の数を見ながら好位に上がっていきます。各バこれから1コーナーから2コーナーへと向かっていきます』

 

先頭争いをする3人のウマ娘たち。

彼女らを確実に差し切れる位置、ユニヴァースさんはそこを陣取っていた。

私はユニヴァースのすぐ後ろへ位置取る。

ユニヴァースさんをマークすることが、最も勝利に近い戦術だから。

逆に、後方へチラリと視線を向ければ、チェリーさんの姿はそこにあった。

後方4番手くらいの位置、しかし苦しそうな様子はなく、虎視眈々と差し切るタイミングを測っているようだった。

 

『中段グループ外を突いたネオユニヴァース2冠ウマ娘、インコースを通るのはゼンノロブロイ! チェリーマイスターは後方から! 

各バこれから3コーナーのカーブを通過して、3,4コーナー中間地点へと向かいます』

 

全体的に平均的なペースで進んでいる。

けれどここから先は、ゴール板を目掛けて、全体のスピードが一気に上がっていく。

ユニヴァースさんの末脚は脅威だ。

早く差をつけておかないと、ダービーの二の舞になってしまう。

そう考え、第3コーナーに差し掛かったタイミングで動き出した。

 

「──逃さないよ、ロブロイ」

 

『今600メートルの標識を通過! 徐々にネオユニヴァースが、スゥーッと動いてきました!』

 

私をマークするように、今度はユニヴァースさんが動き出した。

バ郡の中を掻き分けるように、狭い狭いルートを探っていく。

ユニヴァースさんもカーブを曲がりながら、少しずつ走りやすい外側に出ようとしていた。

間も無く直線に入る。

直線に入ったら、ユニヴァースさんの末脚が爆発する。

そう思っていた、けれど──。

 

「大外は──私の『領域』だぁぁぁっ!!」

 

『チェリーマイスターが先に動いた! ネオユニヴァースの外を回ってチェリーマイスター、一気に先頭に並びかけ、第4コーナーカーブから直線コースを向いた!』

 

脚を溜めていたチェリーさんが、爆発的な速度で、大外から一気に先頭に躍り出た。

ユニヴァースさんが進もうとしたルートを、チェリーさんが先行する形になった。

けれど、すぐに体勢を立て直して、外から直線に向かっていった。

その一瞬遅れたタイミングに、私はチェリーさんの外側から一気に追い上げた。

このタイミングを逃したら、完全に逃げ切られてしまうから。

 

『先頭はチェリーマイスター! チェリーマイスター先頭だ! 外を突いたゼンノロブロイ2番手! 後は外を突いてネオユニヴァース3〜4番手! あと100メートル!!』

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