ゼンノロブロイの英雄譚 〜Rob Roy of the Royal Road〜   作:C.S

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第44話 ジャパンカップ(前編)

スターターが赤い旗を振ると、高らかなファンファーレが鳴り響く。

観客は一層湧き上がり、レースを走るウマ娘たちの緊張がピークに至る。

私も、身体の震えを自覚しながら、自身に当てがわれたゲートに入る。

5枠9番、外過ぎず内過ぎず、まずまずなポジションだ。

頭の中で、トレーナーさんと立てた作戦を反芻する。

胸の高鳴り、逸る思い、それらを全て飲み込んで──

 

──ゲートが開いた、走り出す。

 

 

『ジャパンカップ、いまスタートが切られました! ちょっとバラついたスタートになりましたが……』

 

何人かのウマ娘がスタートに難があったらしい。

私は順調なスタートを切ることが出来た。

逃げのウマ娘たちが先陣を切り、それに続いて隊列ができていく。

私は先頭から6〜7番手くらいの位置を確保することが出来た。

 

『さぁ、先頭争い、パワフルシューターとゼンノロブロイは好スタートを切っています。バンノウナイトが押し出されて先行か? 外の方からは13番のホワイトワイルドも前を行く。その後ろ、10番のパワフルシューターは3番手。そしてその後ろ、ここに9番のゼンノロブロイが、ちょうど中段といったところにつけています。1コーナーから2コーナーにかけて、縦長の展開になって参りました。先頭はバンノウナイトです。これから向う流しに入っていく。そして1番人気のゼンノロブロイは、ちょうど中団くらいに控えています』

 

先頭のウマ娘からは、10バ身程度の間が開いている。

けれど、この状況に焦りを見せるウマ娘は誰もいなかった。

全てのウマ娘が、数多くの激戦を勝ち抜いてきた猛者だ。

乗り越えてきた波乱の数が桁違いなのだろう。

 

『さぁ、向こう流しに入っていく16人、今年のジャパンカップは縦長の展開、ややペースは速くなってきているのでしょうか?』

 

ヒヤリとした嫌な汗が伝い落ちるのを感じた。

脳裏によぎったのは春の天皇賞、逃げを打ったウマ娘を捕まえることができなかった苦い思い出だ。

今すぐにスピードを上げて追いつきたくなるが、まだレースは半分以上残っている。

今は落ち着いて、スタミナを温存することを優先しないと。

ペースを乱されることが最大の敗因となるのだから。

 

『先頭に立っているのはバンノウナイト、その後ろは大きく開きました。4バ身から5バ身開いてパワフルシューターは2番手、3番手に13番のホワイトワイルド、ヒシミラクルが続いている。その後ろにマノウリーダーか、そしてウィルウェールズがいて、外のコースにソレイユダルジャン、フランスの2人が並んで行っている。ゼンノロブロイはこの中段、この中段につけています。そして、トライスプラッシュ菊花賞ウマ娘、さらにその向こう側からノストラダムス、その後ろは8番のサンライズがつけています。外から上がっていくマーロン、イギリスのウマ娘。その後ろにセブンソルジャー、15番のセブンソルジャーは後方に控える形になっています』

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