回生の者とカルデア   作:……

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終局にて

「─────全く、吐き気を催すほどの生き汚さだ」

 

そう呟いたレフの表情が、立花の手元を見て一変する。

 

「……貴様、それは()()()の置き土産だな?やつを消し飛ばすだけでも苦労したというのに、面倒なものを残してくれる」

 

レフの表情がさらに、明らかに怒りに染まる。

 

「ロマニ・アーキマンと、藤丸立花、お前たちが私の観察眼をすり抜け、あまつさえあれほどのイレギュラーを起こさなければ……!私たちの三百年を、魔術の王が三百年前から放った()()を、貴様は─────。まぁ良い、私の失態は私が拭おう。今回の私は()()が良い、以前のような失態は犯さない」

 

レフ・ライノールが、レフ・ライノールではないモノへと変わってゆく。

その姿は天を衝く柱のように歪んでゆく。

 

「聞くが良い、我が名はフラウロス!七十二柱の魔神が一局、情報を司るもの!」

「マシュ、戦闘準備!」

「了解です、マスター!」

 

魔神柱の瞳から放たれる光をマシュの盾が防ぎ、その影から立花が一時的に召喚したサーヴァントが飛び出し、魔神柱の体に的確に傷をつけていく。

これまでの七つの特異点での経験は確実に二人を成長させている。

藤丸の的確な指示に、マシュが素早く反応し攻撃を防ぎ、隙を突いた一撃を叩き込む。

もう、二人は魔神柱に遅れを取るほど弱くはない。

魔神柱フラウロスが倒れる、しかし再び現れる。

この時初めて、藤丸立香は自らの立つ地面が魔神柱によって出来上がったものだと気が付いた。

それと同時に、カルデアが魔神柱からの攻撃を受け始める。

混乱が巻き起こり、ダ・ヴィンチの工房へと職員たちが逃げ始める。

その混乱の最中、ダ・ヴィンチが一人のカルデア職員へと声をかける

 

「……ここは私たちだけで大丈夫だ。君は行くと良い」

 

声をかけられた職員は、くすりと笑う。

 

「……バレてました?」

「あぁ、君はずっとみんなを見守っていたからね。こんな酷い状況下で、そんな目ができる人間なんて、私はたった一人しか知らないよ」

「じゃあ……行ってきます」

「あぁ、ついに君が生まれた最初の目的を果たす時だ。世界を救っておいで」

 

その言葉に背を押され、彼女はカルデアから飛び出した。

 

場面を戻し、特異点内部。

 

「聞け!この領域に集いし一騎当千、万夫不当の英霊たちよ!本来相容れぬ敵同士、本来交わらぬ時代の者であっても、今は互いに背中を預けよ!我が真名はジャンヌ・ダルク!主の御名のもとに、貴公らの盾となろう!」

 

その言葉に答えるように雄叫びが上がる。

 

「あれは……(ソラ)を駆けていく、何条もの流星は────」

『ああ──』

「えぇ、それこそあなたたちの旅の結実です。私の友であり、あなたたちの友でもある。あなたたちの旅路、その全ての意味がここに、そしてあなたたちの内側で息づいている」

 

ロマニの言葉を遮り現れたのは、一人のカルデア職員。

 

「マスター。その腕輪を、私に返してくださいますか…?」

 

彼女はそう言って、優しい目で立花を見つめた。

立花が第七特異点で預かったあの腕輪を彼女に手渡すと、彼女はそれを自らの腕に嵌め、瞳を閉じた。

 

「─────今こそ我が身に、救世の力を」

 

彼女の足元に方陣が広がり、眩い光を放つ。

それを魔神柱は見逃さない。

 

「──顕現の予兆を確認。阻止」

 

魔神柱から放たれた光は、確実に彼女の胸を穿った。

しかし、時すでに遅く、彼女の体を溢れんばかりの光が覆った。

光が収まった時、そこに立っていたのは、いつの日か立花が夢の中で出会ったヒト。

 

「サーヴァント・グランドルーラー。いつだったか…カイセイと、そう名乗ったね。どうか、その名で呼んでおくれ」

 

彼/彼女はそう言って微笑んだ。

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